“深淵唱詩”

葉っぱ天国 > ポエム > スレ一覧 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901-キーワード▼下へ
1:アビス◆wc:2017/10/12(木) 06:11

思いついたら取りあえず書く事に決めた(センスは皆無)。

電柱から覗く君は誰だろか?
私はコソリと確かめゆく
けれども何時もシュッパイする

今日も君はシャッテン延びる電柱から私を見ている
そんな所で見てないで早くお入りよ
けれども君は首を横に振る

レーゲン降る日も
シュタルカー・ヴィント吹く日も
君は只私を柱から覗くだけ

何故かと私は君に聞いた
君は口を開いた
“だって僕はゲシュペンストだから”

840:ある◆GA:2019/08/25(日) 21:24

久しぶり、相変わらず奇麗な言葉だね

841:アビス◆wc:2019/08/25(日) 22:27

>>840
久しぶりだね、
覗きに来てくれたんだ、ありがとう。
私の詩が「綺麗」だなんて…、
もったいない言葉だよ。

842:アビス◆wc:2019/08/25(日) 22:30

「おめでとう」と
笑顔で云っている

お前の瞳孔は
開ききっている

手を叩く
お前の爪は

余程幸せが
妬ましかったのだろう
血が滲んでいる

お前の口は実は
幸福では無く
不幸を云っている

843:アビス◆wc:2019/08/26(月) 21:36

「薬」と書かれている瓶のラベルと
「毒」と書かれている瓶のラベルを
剥がして取り替えた

誰か何処ぞの馬鹿が
騙されねぇかな
こっそり様子見をした

そして飲んだのは
俺の知ってる奴だった

コイツは何だったけ…
嗚呼そうだ思い出した

餓鬼の頃
俺を苛めてた奴だった

だったらこのまま
ほっといても良いか

誰か助けてくれぇ!と
吐血し乍叫んでいるが

今 この場で助けられるのは
俺しかいない

そして俺は
コイツを助ける気は無い

844:樹音@新一 ◆6Y:2019/08/29(木) 19:43

お久しぶりです師匠
相変わらず絶大なセンスをお持ちですね…

845:アビス◆wc:2019/08/29(木) 21:03

>>844
見に来てくれてありがとうね。
センスか…
私の場合は書きたい物を思うままに
書いているだけだからねぇ。

例えるなら…

壁に白くて大きい画用紙があるとして
其の側には絵の具の入った
バケツがあって

私はそれを持って
画用紙に思い切りぶち撒けて

でっかい筆で
めちゃくちゃに何ぞを描いている…

出来上がる作品は
果たしてなんぞや

では皆々様方
とくと御覧じろ…

…とまぁこんな感じなんだよ。

846:アビス◆wc:2019/08/30(金) 20:08

黄昏から宵となれば
お前の死がやって来る

ごろすけが飛んで来て
今日お前が

どんな方法で死ぬのか
告げに来る

夜明の鐘を
お牛が引いて鳴れば
お前の生が再び訪れる

それでお前は
知らないのだ

昨日自分が
死んだ事に

どう死んだのかが
聞きたいと?

とがった岩に
頭をぶつけたんだよ

847:樹音@新一 ◆6Y:2019/08/30(金) 20:30

どういたしまして!
いえ、凄いですよー
私には真似出来ませんもん。勿論、人のモノを
丸パクリするつもりはないですけど

848:アビス◆wc:2019/09/01(日) 21:49

貴方の不幸を
願っています

ですが貴方は
不幸にならないので

私は常時
頭痛がしています

ある時貴方は
不幸になりました

私よりも酷い
不幸になりました

だからですか
私の頭痛が治ったのは

849:アビス◆wc:2019/09/02(月) 01:21

お前の口の中に
蟲が入った

赤黒い目玉の無い
小さな蟲が

脳味噌が
肥大化していく

髪の毛が
海胆の針になる

ミチミチ云って…
肥大化に耐えきれず
破裂する

弾けた脳味噌は
部屋に散らばる

そして新たなる
蟲へと変わり

私が持つ壺の中へと
帰っていく…

850:アビス◆wc:2019/09/02(月) 22:54

一本の木が
生えているこの地には

動物の声
一匹も無い
それで良い それで

一本の木が
生えているこの空は

青く晴れ渡れど
飛ぶ鳥は一羽も無い
それで良い それで

一本の木が
生えているこの川は

底の土が見える程
清らかなれど

泳ぐ魚は一匹も無い
それで良い それで

我、己が孤独を望みて
この世界を創りたり

それだと云うのに何故
人の群れが笑う姿を見て
涙を流すのだろうか

一本の木が
生えているこの世界には

我以外の足跡は無い
それで良い それで

851:アビス◆wc:2019/09/05(木) 21:48

(1)
ねぇ 僕は此処だよ
誰か 手を差しのべて
そして 助けて

僕は何時でも
感情を押し殺していた

それは違うと
云いたい事も

泣きたい事も
我慢していた

それが続く内に
僕は自分の口から

何を云っているのか
判らなくなった

自分の話している事が
自分じゃ無い様な気がしていた

852:アビス◆wc:2019/09/05(木) 21:52

(2)
腕の傷は
僕が自分で付けた傷

周りには
転んだと云って
誤魔化している

本当は
云ってやりたいよ

この傷は
自分で
付けたんだって

でも周りは
きっとこう云うだろうな

只 やめろ と
理由も聞かずに

だからこの傷は
誰にも内緒な
自分だけの証

853:アビス◆wc:2019/09/08(日) 21:17

(3)
僕の心は
助けを求めてる

けど腕を伸ばしてる場所は
真っ暗闇で
何も見えない

もしかしたら
この真っ暗闇の中で

誰かが手を
差しのべてるかも
しれないと

僕は手を振って
声を上げるけど

何も触れ無くて
声は闇に吸われて消えていく

馬鹿な妄想を
したもんだと

少し口角を上げて
涙を流す

もう 知らないよ
歩けないよ

誰か僕の道を
用意して

奈落に落ちる
道でも良いから

僕の手を取って
一緒に歩いて

そして最期は…

854:アビス◆wc:2019/09/13(金) 11:18

右から
教祖様の
声が聞こえるよ

左からも
教祖様の
声が聞こえるよ

脳内で
教祖様の
声が回る巡る

僕は
何も出来ない
愚か者

だけど教祖様は
其のままで良いんだと

僕に手を
さしのべてくれた

其の時に
僕は見たんだ

教祖様の背の
神々しい光を

此処にいる皆は
僕と同じ様に
苦しんでいた

そして僕と同じ様に
教祖様に
救われたんだって

朝 僕等は
お祈りをする

教祖様に
感謝の意を
示すお祈りを

手と手を合わせて
片膝を折って

今日も僕等は
教祖様の御加護で
生きられていますと

昼 僕等は
活動をする

教祖様が
如何に素晴らしくて
尊い存在かを

まだ何処かにいる
迷える子羊達に
教えなくちゃいけないから

夜 僕等は
玉を見る

教祖様から賜った
透明の硝子玉

これを見ると
自分の中にある
醜い感情が消えていくんだ

怒る事は
忘れたよ

悲しむ事は
忘れたよ

苦しむ事は
忘れたよ

でもそれで良いや
だって教祖様が

そんな物は
必要無いと
云っていたから

時折この玉には
奇妙な物が映るんだ

小さい頃の僕を
抱っこして微笑んでいる
女の人が

大切な人の
様な気がする
でも思い出せない

誰だったけ
この人は

まぁ良いや
忘れよう
其の程度の人だったんだ

こんな奇妙な記憶の為に
無駄な時間を
使っちゃった

一秒でも早く長く
教祖様を崇めないと

僕の人生を
全て教祖様に
捧げなきゃ

其の為なら
命を捨てる事も
惜しくないや

嗚呼 教祖様…
教祖様教祖様教祖様
貴方様は僕等愚者を救い
導く神で御座います…

855:アビス◆wc:2019/09/14(土) 17:33

お前よ 今すぐ
私の前から
消えてくれないか

憎いのだ 憎いのだよ
お前を前にすると
この言葉しか出ない

かつて私達は
愛し合っていた

片時も離れんで
笑い合ってもいたさ

だけど 今のお前は
私の愛した者じゃない

異性が一人
私の目の前に立ち
泣きそうな顔をしているだけ

お前の方が何故泣く?
私の言葉で
傷付いたのか?

それなら私は
お前の行為で
傷付いているよ

知らないとでも
思ったか?

自分は欺き
騙し続けていると
思ったか?

知っているのだよ全て
お前の裏切りは
始まった時から

それでも心まだ
私にあると思い
黙認した

だが あれを見てしまえば
お前の心にはもう

私はいないと
確信した

謝罪の言葉など
聞きたくもない

お前の其れは
どうせ嘘吐きだ

私が願うのは
お前が早く
消えてくれる事のみ

そうでなければ私は
自らの左手で
お前の首を絞め

自らの右手を
お前の飛び散る鮮血で
染めて仕舞いそうだから

856:アビス◆wc:2019/09/16(月) 23:24

我 生きし間
貴様を恨まなかった
事非ず

この肉体
床に臥し朽ち果て

其れを眺める魂の我も又
貴様への恨みを忘れまじ

怨霊となりて貴様に取り憑き
恒河沙の如き禍を降り注がせん

857:アビス◆wc:2019/09/18(水) 20:50

どあを静かに開け
ぱたんと閉める貴方は
良い客です

こちらにどうぞ
日の差している
窓際の席へ

ドアを五月蝿く開け
バタンと閉める貴方は
悪い客です

こちらにどうぞ
日の差していない
すみっこの席へ

858:アビス◆wc:2019/09/19(木) 18:49

君の好きな花を折った
わざとでは無い訳で無く
わざとである

この花を見た時
この花は私よりも

君に愛でられていると思ったら
自然と手が伸びていた

そしてこの花の茎が
君の細い首に見えた
だから折った

折れた所から項垂れて
力の無い花だから

君はもうこの花を
愛でる事は無いだろう 私よりも

だが折ってしまった事は
悪いと思っているので

代わりの花を
差し上げる

折れた白薔薇と
赤いヒヤシンスを

859:アビス◆wc:2019/09/21(土) 22:17

(1)
嗚呼 嫌だ 嫌だ 嫌だ
嫌だ 嫌だ 嫌だ

君が他の女と喋っていると
僕は胸が苦しくなるよ

嗚呼 嫌だ 嫌だ 嫌だ
嫌だ 嫌だ 嫌だ

君が他の女と手を繋いでると
僕は涙が出るよ

なんで僕は何時も一人なの?
なんで君は何時も誰かと一緒なの?

許されないかも
しれないけれど

僕は君の事が
好きなんだ

でもこの気持ちを
伝えてしまったら

周りは可笑しいと
云うかもしれない だから

誰にも云わない
君にも云わない

860:アビス◆wc:2019/09/21(土) 22:23

(2)
君は本当に上手だね
僕を嫉妬させるのが

ほら また他の女と
喋っているじゃないか

ほら また他の女と
手を繋いでるじゃないか

危うく本を一冊
駄目にする所だったよ

これはとても
大切な本なんだ

君が生まれた日が
書いてあるんだ

住所氏名年齢電話番号が
書いてあるんだ

君の家族構成が
書いてあるんだ

君の好きな事や物が
書いてあるんだ

君の嫌いな事や物が
書いてあるんだ

そして君が話したり
手を繋いだりした
女の名前も書いてるよ

…何時か“役に立つ„時が
来るかもしれないから

861:アビス◆wc:2019/09/24(火) 23:25

全部ある
君が好きです

手も足も爪も眼球も
鼻も耳も口も頭もある
君が好きなんです

でももっと好きなのは
バラバラに解れた
君の体なんです

切り落として
持ち帰って

ホルマリン漬けにして
保存して
愛でていたい

クローゼットを開ければ
ホルマリンの中で泳いでる

気に入った人達の
指の小魚と金魚鉢

でもこの中に
君は居ない

だから今から君に
電話をかけるよ

862:アビス◆wc:2019/09/25(水) 23:22

良い詩とは何か
数多の明るき群衆の

心に寄り添う
優しき言葉の
集まりなのか

ならば私の詩は何ぞ
自らの詩を見つめる

…全くと云って良い程
明るくも無く
優しくも無い

寧ろ明るきを遠ざけ
其れを良しとしない

暗き闇き暗きの
病んだ残酷な心を秘め乍

日の下で身を焦がす
死に未来を望む者達の

とどめの背を押す
悪い詩だ

ならば私はさしずめ
悪の詩人?

863:レミング◆yc:2019/09/26(木) 18:17

お久しぶりです、アビスさん。
相変わらず深淵で微睡むような、素敵な詩ですね。

詩人に善も悪もありませんよ。
詩人は等しく、普通、人が隠し持つ心の動きや自然の美醜を書き連ねるだけのものですから。

それに、深淵は全てを受け入れるのでしょう?
それならアビスさんは、深淵の覘き方を教える指導者です。
光を厭う者にとって、居場所を教える救世主です。
貴方に救われた者は、少なくないと思いますよ。

自分もまた少しずつ詩を書き始めましたので、どうぞよしなに。

864:アビス◆wc:2019/09/26(木) 21:33

>>863
…!
嬉しい事を云ってくれるね
私の“弟子„は
思わず涙が出そうになって仕舞ったよ

救われたと云うのなら、
私だってそうさ。
此処に来てくれて、見てくれて、
賛辞の言葉を述べてくれた皆には
感謝をしてもしきれないのだから。

恐らく皆が居なければ今頃私は
詩を書くことを早々に諦めて
人の優しさも恐ろしさも
何もかも拒絶していたのだろうね。

詩は読ませて貰ったよ
思わず、おお…!ってなって
私の心中の燭台に火が点いたよ。

こんな“超„が自分でも付ける程の
放任主義の師匠だけれど、宜しくね。

P.S
ありがとう

865:アビス◆wc:2019/09/28(土) 20:05

私を血眼になって
探している様だが

遠くへ逃げたと思い
遠くへ追っているが

私は近くにいる
お前達の側にずっといる

間の抜けた奴等めだ

866:アビス◆wc:2019/10/02(水) 21:48

俺は寝る時
睡眠薬を
必ず飲む

これをしないと
全く眠れないと云う
訳では無いのだが

もうすっかり
日常の一環と
化している

最初は用量を
守っていたが

効かないと感じると
ラベルに書かれた量より多く飲み

吐き気を抑え乍眠り
起きて夜になったら

昨日より多くの薬を飲み
眠りを繰り返す

飲む量が遂に
一瓶になった

夜に寝た筈なのに
起きたらまた夜だった

今日は薬を
飲まなかった

明日も薬を
飲まなかった

二度と薬を
飲まなかった

867:アビス◆wc:2019/10/07(月) 09:35

積み重なった頭蓋の上に
俺はいるぞ

これは全て俺が
やった事なんだ

しにかばねは
俺の歩んだ道だ

これも全て俺が
やった事なんだ

自分がこうなりたく無いから
斬り続けていたら

何時の間にか
俺以外に生きてる奴は

いなくなっちまって
この通りよ

青空はもう何年も
見た事無ぇなぁ

何時だってあるのはさ
紅い地面なんだ

時間が経ちゃ
黒くなるのさ

868:アビス◆wc:2019/10/07(月) 23:24

俺の死は
何時訪れんだい

周りはさ
早にポックリ
逝くのによ

俺だけは長いんだ
別に健康に気を
使った訳じゃ無い

濃い味付の料理が好きだ
食う時には何時も
塩をかけていた

そうじゃねぇと
何か食った感じが
しないんだよ

酒も一瓶
飲んだくれてた

顔を赤らめて
黙ってた

煙草も吸ってたが
賭事はやんねぇよ

だって俺は
運悪ぃんだもん

ポックリ逝った奴等はさ
良い笑顔だったってよ

きっと家族に囲まれたりや
愛するモンに手ぇ
握られたりなんだろうなぁ

俺はきっと良い死を
迎えられねぇ

だって俺は
一人だもん

女房?あぁ居たな
そんなモンも

今は小さい壺の中さ

869:アビス◆wc:2019/10/08(火) 20:34

見ているよ
電信柱から
見ているよ

見ているよ
ドアの隙間から
見ているよ

見ているよ
天井 床から
見ているよ

見ているよ
蒲団 ベッドの横から
見ているよ

見ているよ
窓の外 内側から
見ているよ

見ているよ
森 林から
見ているよ

見ているよ
湖 池から
見ているよ

見ているよ
川 海から
見ているよ

見ているよ
空 地から
見ているよ

見ているよ
人人人から
見ているよ

見ているよ
1の始まり 365の終わりから
見ているよ

870:アビス◆wc:2019/10/10(木) 00:05

人を撃った
もう助からない
所に撃った

そいつは直ぐに歿んだ
銃口はそいつに
向いたままだった

そいつには家族が
いたらしく

其の妻と子であろう者等が
横で泣いていた

そしてひとしきり泣いた後
私を睨んでいた

憎悪溢れる目で
親子共々

私は冷たい目で
子に銃口を向けた

母であろう者は
子に覆い被さった
守るかの様に

もう見慣れた
光景だったので

私もまたやる事は
一つしか無かった

子を守る母を撃ち
残った子も撃った

親子の歿体を見て
無駄な事と呟いた

窓からは夜風が吹き
カーテンを揺らしていた

871:アビス◆wc:2019/10/10(木) 22:51

月が出ましたよ
おいでなさい 子供たち
扉を開けて

大人はぐっすり眠ってます
起きる事はありません

はだしのまんま出てらっしゃい
集まった子供たちよ
さぁ 遊びましょう

楽しい?帰りたくない?
なら帰らなければ良いのです

どうせ家に帰ったって
お父さんやお母さんは

目を開けるなんて
もう二度と
無いのですから

872:アビス◆wc:2019/10/13(日) 03:13

君が首を吊る姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
一週間前に

君が火達磨の姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
六日前に

君が溺れる姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
五日前に

君が高所から落ちる
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
四日前に

君が刺される
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
三日前に

君が圧し潰される
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
二日前に

君がバラバラの
姿を描きました
○月×日に描きました

君の誕生日の
一日前に

君の誕生日の
当日になりました

君は祝って
貰えるでしょう

ですが私は
そうではありません

自分の誕生日になっても
誰も何も云いません

なので私は君に
絵をあげます

これが私からの
君への気持ちです

誕生日

おめでとう

873:アビス◆wc:2019/10/15(火) 19:26

おはようございます
おや 朝から雨ですか

道理で池の蛙が
歌っていると思いきや

顔を洗ったら
朝餉にしましょうよ

一汁一菜の
質素な物ですけど

それでも良いんですよ
私はこれで
満腹となれるのです

874:アビス◆wc:2019/10/17(木) 23:52

遥か遠き地において
お前は封印されている
強大なる力を持つ者よ

人々はお前の名を禁忌とし
口には決してしなかった

だが私は敢えて
お前の名を口にしよう

お前を戒めから
解き放つ為に

それが例え世界を
紅蓮に包む要因となろうとも

時を超えて我等は出会う
不当な罰を与えしこの世界に
共に復讐を果たさんが為に

今こそ汝が名を呼び
戒めより解き放たん!

875:アビス◆wc:2019/10/18(金) 17:12

貴方は今
お元気でしょうか

お元気ならば
私は残念でなりません

貴方には毎夜
呪いを掛けていると云うのに

苦しめば良いと
不幸に見舞われば良いと
酷い歿に方をすれば良いと

黒い顔の無い人形の頭に
虫ピンをまんべん無く刺し

白い一枚の紙切れに
赤い字で貴方の名を書き

心臓の部分に縫い付けて
いると云うのに

貴方に効かないのであれば
私は如何すれば良いのでしょうか

876:アビス◆wc:2019/10/20(日) 23:35

人を前にすると
言葉が出なくなる

口が閉じて仕舞う
貝の様

語る言葉があるなら
口を開いて話せと
人は云う

下を向いて目を逸らし
黙りこくる私

無いなら帰ると
足早に去る人

申し訳無いと思い
手を伸ばすも
其処にはもう誰もいない

違うのです 話したい事なら
沢山あるのですと

虫にすら聞き返されるであろう
消えかける声を漏らす私

877:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:51

(1)
歿んだ 歿んだ
犬が 歿んだ

私の周りで
犬がいちひき 歿んだ

歿んだ 歿んだ
猫が 歿んだ

私の周りで
猫がいちひき 歿んだ

歿んだ 歿んだ
鳥が 歿んだ

私の周りで
鳥が いちわ 歿んだ

歿んだ 歿んだ
人が 歿んだ

私の周りで
人が ひとり 歿んだ

私の 周りは 歿ばかりだ
絶えず 墓が 増えていく

私の手に持つしゃべるは
私の手から離れない

878:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:53

(2)
地中には
犬がいちひき
すんでいる

地中には
猫がいちひき
すんでいる

地中には
鳥がいちわ
すんでいる

地中には
人がひとり
すんでいる

879:アビス◆wc:2019/10/25(金) 08:57

(3)
犬を いちひき
地面に 埋めた

猫を いちひき
地面に 埋めた

鳥を いちわ
地面に 埋めた

人を ひとり
地面に 埋めた

私が 犬を
…したから

私が 猫を
…したから

私が 鳥を
…したから

私が 人を
…したから

嗚呼 冗談だよ 冗談
そんな顔して
真に受けるな 我が知人よ

880:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:01

鼻唄混じりで
血肉片の付いた
小太刀を振り回し

歿道を歩く者あれば
それは私と断じて良い

881:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:03

武器の本を見る
…の後に君を見る

なぁに?と微笑む顔に
僕もまた微笑み返し
何でも無いよと云った

882:アビス◆wc:2019/10/28(月) 20:06

歩いて歩いて歩いて
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

人も鳥も魚も私も
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

空を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

海を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

街を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

君を見ても
真ッ赤 真ッ赤 真ッ赤

883:アビス◆wc:2019/10/29(火) 23:21

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

青い空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

橙の空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

黒い空を見上げて
波に運ばれていく

海でぷかぷか
浮んでいる海月は

仲間と一緒に
砂浜に打ち上げられる

884:アビス◆wc:2019/10/29(火) 23:23

ふしあわせ ふしあわせ
貴方の不幸を祈ります

貴方が凡百事に幸福を
感じませんように

貴方が凡百事に不幸を
感じますように

885:アビス◆wc:2019/10/30(水) 23:45

何時でも何処でも
君がいる

毎日視界に
君がいる

なんて私は
幸せなのだろう

君もきっと幸せのはず
なのになんで疲れた顔を
しているんだ

最近誰かに
附けられているのだとか

誰なのだろう
君を困らせている奴は

886:アビス◆wc:2019/10/31(木) 00:34

(1)
ハロウィンだ

坊っちゃんもお嬢ちゃんも
寄っといで
黒猫が呼んでいる

パーティー会場は墓の処
ジャック・オ・ランタンの
怪しい火が目印さ

お菓子は必ず持って来な
でないとオバケに…

「イタズラ」されちゃうぜ?

どんなイタズラかは
想像出来ない

だって子供の
やる事だから

大人の予測の及ばない
残酷な事を
しでかすかもしれないぜ?

パーティーは
始まったばかり

まだまだ夜明けには
程遠い

887:アビス◆wc:2019/10/31(木) 00:41

(2)
何時までさ
人間の皮を
被ってる気だい?

剥いじまえよ
そんなモン

俺達のパーティーに
人間は要らないんだ

それともお前達は
俺達の「食料」に
なる事を御希望かい?

なら良いんだ
そのまま人間でいてくれよ

助けは無いさ
味方も無いさ

逃げるが良いさ
逃げれるもんなら

怖いかい?だろうな
だけど引き返せる道を
引き返さずに

此処まで来たのは
お前達だ

さぁ そろそろお前達の
新鮮な脈打つ心臓を俺にくれよ

888:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/31(木) 19:34

相変わらず独特の世界観と、素晴らしい
センスの感じられる詞ですね!
尊敬します。これからも陰ながら応援しています!

889:アビス◆wc:2019/10/31(木) 21:21

ありがとうね。

890:アビス◆wc:2019/10/31(木) 21:25

(1)
毎日来る
あの手紙が来る

たった一枚の
軽くて白い紙に書かれている

文字が私を
苦しめる

頭が痛い
吐き気がする

今なら鳥になって
彼処の屋根から翔べる
いけそうだ…

だって私の前世は鳥だ
私の耳元で知らない人の
声がそう云うんだ

891:アビス◆wc:2019/11/01(金) 21:23

(2)
ポストを見ると
必ず入ってる茶の封筒

63円切手が貼ってあるだけの
後は何も書かれていない

恐る恐る開ける
中身はやはり白い紙

書かれている事は
私に対する悪口雑言

私は何故
こんな名も知らない奴から
憎まれているのか

懐に仕舞い
自分の部屋に戻り

手紙を
壁に貼る

壁にはびっしりと
手紙が標本の虫の様に
虫ピンで止められている

私は其の部屋の真ん中で
三角座りをして
手紙をじっと見ている

何をしているのだろうと思う
私は早く鳥となって
飛ばねばならないのに

892:アビス◆wc:2019/11/04(月) 20:11

地球が回る
朝が昼が来て
夕が夜が来て

何十億の人間
地面を歩く水を泳ぐ
空を飛ぶ

生き物が生まれた
そして何処かで歿んだ

晴になって 曇になって
風が吹いて 雨が降り
  雷が落ちる

何処かの国は平和である
何処かの國は戦争である

動物の名前は人間が付けた
虫の名前は人間が付けた
鳥の名前は人間が付けた
魚の名前は人間が付けた

何かしらの名が付く物は
必ず人間が関わっている

若し動物が喋れたなら
若し虫が喋れたなら
若し鳥が喋れたなら
若し魚が喋れたなら

若し人間が喋れなかったら
動物は何と名付けたのだろう
虫は何と名付けたのだろう

若し人間が喋れなかったら
鳥は何と名付けたのだろう
魚は何と名付けたのだろう

私達 人間の事を

893:アビス◆wc:2019/11/06(水) 19:52

背に弓を負い
筒に矢を入れ

頂の玉座にて
嗤う愚かなる
王の心臓を射止めんと

影より密かに
狙いたり

894:アビス◆wc:2019/11/07(木) 12:03

この目が悪いのです
<では 其の目を抉りましょう>

この鼻が悪いのです
<では 其の鼻を削ぎましょう>

この口が悪いのです
<では 其の口を縫いましょう>

この耳が悪いのです
<では 其の耳を千切りましょう>

この腕が悪いのです
<では 其の腕は要らないですね>

この足が悪いのです
<では其の足を切り落としましょう>

895:アビス◆wc:2019/11/07(木) 20:52

石をぶつけられた猫は
頭から血を流していたよ

血を流していた猫は
ニタニタ笑っていたよ

ニタニタ笑っていた猫は
気持ち悪いと云われたよ

気持ち悪いと云われた猫は
ポロポロ泣いてたよ

ポロポロ泣いてた猫は
家に帰ったよ

家に帰った猫は
鏡を見ていたよ

鏡を見ていた猫は
頭に包帯巻いてたよ

包帯巻いてた猫は
石ぶつけた子の家に行ったよ

家に行った猫は
窓からその子を覗いてたよ

覗いていた猫は
窓からそっと入ったよ

そっと入った猫は
大きな口を開けたよ

大きな口を開けた猫は
その子を食べたよ

食べた猫の口の中は
ボリボリクチャクチャしていたよ

896:アビス◆wc:2019/11/08(金) 21:46

ブルジョワ
いつも自慢ばかりの
やな奴さ

白い高級服着て
指には金の輪はめてる
ああまぶしい!

ブルジョワ
とりまきの奴等も
やな奴さ

べんちゃら口をそろえてさ
おこぼれ拾ってんだ
ああ汚い!

オイラはみじんも
興味ないね!

そんなやな奴ブルジョワは
オイラの事が嫌いだとで

とりまきを使って
いやがらせ

助けてくれる人はいない
みぃんな知らんぷり

大人も子供も
みぃんなさ!

まぁいいんだ
判りきってた事なんだ

でもやられっぱなしじゃ
性に合わないから

屋根の上から
こっそり見はからって

バケツいっぱいのドブミズを
ブルジョワとそのとりまきに
思っいっきりぶっかけてやったのさ!

そしたらそいつら大あわて!
ブルジョワにいたっちゃ
泣いてたな!

もう面白すぎて
息が止まるくらい
口をおさえたよ

とっととトンズラ
スタコラサッサを
してぇけど

まずは笑いを
止めなきゃな

897:アビス◆wc:2019/11/10(日) 23:39

私の腕の傷を見て
痛そうだと云い
包帯を巻いた貴女

貴女は知らないでしょう
この傷は私自らが
付けている事に

こんな事をするなんて
自分でも可笑しいと
思っています

ですがこれでも
自分なりに考えたのです

どうすれば貴女は
私だけを見てくれるのかを

私は臆病なのです
貴女も他人も
傷付ける事が出来ません

自分の存在を
貴女に示す勇気もありません

だから私は
自らを傷付けるのです

そうすれば貴女は
他人なんて一切見ないでしょう?

其の瞳は私だけを
映すでしょう?

そして近頃は
これが可笑しいとは
思わなくなったんです

もうこれしか
手段が無いと
判った時に

貴女は恐らく
気が付いているでしょう
これが自傷だと云う事に

でも気が付かれても
良いんです

この人は自分が
側に居なければ

永遠に自らを
傷付け続けると
思わせたいので

だから私は
傷付けます

貴女が私の側に
ずっと居るまで…

898:アビス◆wc:2019/11/11(月) 20:22

或る月の出る日は
決して外に
出てはなりません

化物が現れているから
頭から食べられて
しまいますからね

ほら あれをごらんなさい
何も知らない人が
歩いています

急に宙に浮かんだでしょう
あれは化物が
掴んでいるからです

そして地面にびっしゃりと
血が降ったでしょう

あれは化物が
食い千切ったからです

899:アビス◆wc:2019/11/11(月) 20:30

お前は幸せか?
ならよこせよ 一つくらい

無くなったって良いだろう?
お前は幸せなのだから

そして俺は不幸なんだ
お前と違って

何も持っちゃいない
得られたとしてもすぐ離れる

何でも直ぐに手に入る
お前にこの気持ちが判るか?

他人の幸福が嫌いだ
ぶち壊したいと思う

苛々するんだよ
幸福でにやけている奴の
面を見ると

そう 今みてぇな面だ
撲りたくなるんだよ

それか首を絞めて
苦痛に歪ませたくなっちまう

不幸になっちまえば良いんだ
そうすりゃ少しは
俺の気持ちが判るだろう?

900:アビス◆wc:2019/11/13(水) 12:27

気のせいか…
野犬に喰い千切られた

君の姿が
一瞬現れたのは

だって君は今
僕の前に
いるのだもの

残念だな…
君に気付かれない様
ポソッ…と呟いた

901:アビス◆wc:2019/11/13(水) 19:48

(1)
そいつが憎いから
私は憎むんだ

周りも周りで
許さない

本当は私と同じで
そいつを憎んでる癖に
笑顔で接するからだ

大人の対応をする事が
そんなに偉い事なのか?

私は感情のままに動く
泣きたきゃ泣く
笑いたきゃ笑うのさ

いっぱい我慢した
辛いのも笑顔で過ごした

其の度に怒りを飲み込み
憎悪が食道を焼いた

其の痛みがお前達に判るか?
吐き出せないんだ

誰にも云えない
誰も信じてないから

自分の感情
誤魔化し続けた

だけどもう
限界が来たようだ

抑え切れないこの感情
お前達に
ぶつけても良いか?

902:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/13(水) 20:22

師匠、こんにちは!
見に来ました!
>>901凄く良いです!何かぐっときました…
これからも頑張ってください!

903:アビス◆wc:2019/11/13(水) 21:42

見に来てくれたんだね
ありがとう。

そちらも精進を
しているようだね

904:アビス◆wc:2019/11/13(水) 23:37

(2)
謝罪の言葉は
嘘だろう

撲りたきゃ
撲れと云ったお前

此処が公共の場と知ってて
云ったんだろう?

手を出せない事を
判っていたろ

女の方も女の方だ
説明も謝罪も適当にして
後は男に任せっ切りで

のうのうと仕事を
しやがって

其の呑気な面の皮
剥ぎ取って

白い箱に入れて
赤い飾紐を付けて

男の家へ
送りつけてやりたいよ

周りを騙し続けた癖に
よくもそんなノロケが
出来るもんだな

神経の図太さには
呆れてモノすら
云えないよ

告白すれば
公認になるとでも
思ったか?

そうだとしたら
お前達の脳内は
てふ乱れし花畑だな

まだ云い足りないが
次で最後にしてやるよ

…法律なんて
無けりゃ良かったのにな

905:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/14(木) 19:30

>>903
どういたしまして!
あ、それから遅れましたが…
900おめでとうございます‼

はい!少しでも師匠に近付きたいので…
これからも頑張っていきたいと思います!

906:アビス◆wc:2019/11/14(木) 21:16

石を投げる
池に沈んで

ポチャンと
水の紋音がする

三角座り右手で
草を千切り

手に乗せて
じっと見ていたら

風が吹いて
草を飛ばした

空は青だ
白い雲が
太陽を隠している

だからこの地に
日は差さなくて
花は咲いていない

私は寝転んだ
横になると

天道虫と
目が合った

天道虫は
草の先にて
翔ぼうとしていた

私は何かをしている
人間では無い

私は所謂
無職と云う奴だ

嫌になったんだ
平等なのに

何かと競争が付きまとう
この社会に

逃げたかった
だから逃げ出したんだ
駆け足で

負け犬では無いよ
そもそも勝負はしていない

まぁそれでも私を
負け犬と呼びたきゃ
好きにしろ 勝ち戌共め

907:アビス◆wc:2019/11/17(日) 19:27

だいきらいな あのこの
おうちが もえた

よるに もえた
ぼうぼう いってた

ひが おそらにむかって
とんでった

ぱちぱち はくしゅを
していたよ

なかから こえが
きこえるよ

だいきらいな あのこが
ないてるよ

まま ぱぱって
よんでるよ

よんだって むだなのに
だって きみの ままと ぱぱは

ひだるまになって
しんだのに

しょうぼうしゃがきて
みずをかけて
ひを けした

でてきたのは
まっくろこげになった
あのこだった

908:アビス◆wc:2019/11/19(火) 20:20

斬られる痛み…
今、お前が私に
した事だ

撲られる痛み…
今、お前が私に
した事だ

刺される痛み…
今、お前が私に
した事だ

蹴られる痛み…
今、お前が私に
した事だ

撃たれる痛み…
今、お前が私に
した事だ

焼かれる痛み…
今、お前が私に
した事だ

其の痛みが
巡り廻って何時の日か

全てお前に
還って来るだろう

909:アビス◆wc:2019/11/19(火) 20:24

所詮 私達等は
社会に組み込まれた
歯車に過ぎない

見渡せば
其処等に転がっている
一つに過ぎない

何時でも替えの効く
使い捨ての道具に過ぎない

幾ら働き方を変えようと
変わらない所は変わらない
黒い所は黒い侭だ

910:アビス◆wc:2019/11/19(火) 20:29

汝等よ 人の子等よ
短き命を以て

神たる我を
畏敬の念を込め
崇め奉るべし

其れが汝等に
課せられし事なり

怠るるば
汝等の身に
禍が降り来たれり

子々孫々
語り継ぎやれ
我が存在を

忘れるな
我は何時でも
汝等を見ている

911:アビス◆wc:2019/11/19(火) 23:22

我が汝に求むるは
謝罪に非ず

汝に求めし
汝が贖いは

肉の苦痛と
精の崩御を経て

狂乱の内に
歿に至り

閻魔の裁きにて
地獄へと堕ち

無間の呵責を
絶え無く味わう事である

912:アビス◆wc:2019/11/20(水) 23:14

汝は我が宝を
欲するか?

其の両手に
黄金を掴むか?

永代に続く
富を望むか?

されば汝は愚かなり
財宝の山に目が眩み

我が守護せし事を
知らずに来たり

足下に転がる
数多の骸に気付かず
踏み抜いた

其は全て
汝と同じ夢見し者等の
末路なり

913:アビス◆wc:2019/11/22(金) 19:59

窓 マド まど
まど 窓 マド
マド まど 窓

何処にでもある
窓 マド まど

目に付かない日は無い
まど 窓 マド

君ん家にもある
マド まど 窓

或る 一室の 窓
君が起きている

或る 一室の マド
皆が朝ご飯を食べている

或る 一室の まど
ネコが一つ生あくび

或る 一室の まど
誰かが掃除機をかけている

或る 一室の 窓
誰かがテレビの番組を見て笑っている

或る 一室の マド
誰かがソファアで横になっている

或る 一室の マド
誰かが宿題をしている

或る 一室の まど
皆が夕ご飯を食べている

或る 一室の 窓
君が電気を消して
おやすみなさい

914:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:35

何も無いと云う
人に聞きたいのさ

じゃあ君は
誰?

何も無いと云う事は
名前も無くて

君と云う存在も
無いと云う事だよ

915:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:36

いくら物の
性能が良くなったとしても

結局使うのは
人間なんだから

916:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:42

僕は君を知っている
君は僕を知らないが

僕は君が生まれた時から
ずっと側にいた

君が大きくなったら
僕もまた大きくなった

君とは言葉を交わせない
君みたいに口が無いから

君みたいに僕は
景色を見る事が出来ない

君の側にずっといるけれど
僕は自分の足で歩く事が出来ない

君に何かがあっても
僕は生きている

君が人の形で
ある限り

917:アビス◆wc:2019/11/24(日) 23:44

お花をつんでいるの
みんなはねているの

いつおきるのかな
もうずっとぴくりとも
動かないの

918:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:27

何故に 我は捕らえられ
この様な場所に 居るのだろう

故に 我は叫ぶ 誰が聞いているか
知らないが

919:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:28

或る日のお前から 今日のお前まで
私はお前を恨み続け無き日なぞ
無かったよ

920:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:30

今 そちらに行こう!
我がヴィイナスよ
紅い薔薇束を持って!

921:アビス◆wc:2019/11/26(火) 23:31

頭の中で メリィゴゥランドが
廻っていますよ ぐぅるぐると

922:アビス◆wc:2019/11/27(水) 23:34

己を抑えて生活していれば
周りは幸福であれるんだ

傷付くのは
自分だけであれば良いんだ

923:アビス◆wc:2019/11/27(水) 23:36

太くて丈夫そうな
木を見た時

ロープがあれば良いのにと
僕はうつ向き呟いた

924:アビス◆wc:2019/11/27(水) 23:38

橋の上から川を
覗いた時に

泳いでいた魚が
僕を食べようと

口をハクハクさせて
お前を食ってやるぞと
云っている様に見える

925:アビス◆wc:2019/12/01(日) 23:30

好きな者同士
結婚したとしても

其の先に訪れる結末が
幸福だとは限らんよ

926:アビス◆wc:2019/12/03(火) 20:18

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
口の中へ入る

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
体の中で増える

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
手先へ…足先へ…

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
咳で 飛んでいく

ぞわぞわ…ぞわぞわ…
次は誰の 口の中へ…?

927:アビス◆wc:2019/12/06(金) 00:18

ながらスマホを
している人を

私の目から
見てみますと

それは人間ではなくて
二足歩行の遅鈍な動物に
見えるのです

928:アビス◆wc:2019/12/06(金) 20:41

ベルを押し 鳴る音を
風により立つ水面と
たそがれの空と共に

響き消えゆく音
目を閉じて聴く

929:アビス◆wc:2019/12/07(土) 21:28

素敵な青空!
明るい太陽の下で

皆はニコニコ
過ごしています

きっトお出かけ日和
なのでしょうねぇ

私はアクビを
一つするのです
そして思うのですよ

そんな日には
一つ ビルの屋上から
身でも投げてしまおうかと

そうして階段をかけ上がり
屋上へ通ずる扉を開き

鉄製の柵を掴んで
好奇心溢れた子供の様な目で

蟻程の大きさぐらいの
通行人を見るのです
(時計の針は イマ 午前十一時)

何処で買いましたかナ?
この時計は
はテ?ハて…まぁ良いです

サイレンですよ サイレン
十二時を知らせる

それではいよいよ私は
この世とオサラバ致します

柵を乗り越えて
下を見ます

そして私は
とびおりた!

930:詠み人知らず:2019/12/07(土) 23:29

えっ怖い

931:アビス◆wc:2019/12/08(日) 00:02

>>930
見に来てくれてありがとうね。

これもまた一つの 或る人間の
日常なのかもしれない
誰も気付いて無いだけでね…

932:アビス◆wc:2019/12/08(日) 23:46

生きてて幸せなんて
一度も無かった

生きてて全てが
不幸でしか無かった

友達なんて
できやしなかった

恋人なんて
できやしなかった

青春時代なんて
暗黒時代だ

今働いているけれど
何時首を切られるのか
判らなくてビクビクしてる

子供の頃の夢や希望は
全部捨てた

今更思い出せる
筈が無いよ

夢を持った所で
それを叶える実力が
君にあるの?

希望を持った所で
自分を取り巻く環境が
何か変わった?

叶って無いなら 変わって無いなら
無駄でしょう?そんな物

933:アビス◆wc:2019/12/14(土) 23:02

ある日の事で
御座いました

一人の女が
素手で掃除を
しておりました

日が経って
まいりました

再びあの女を
見かけたので
御座います

手が何やら
白いでは
ありませんか

手袋でもしたのかと
ふと女の手を見ますと

それは手袋などでは無く
薬品にて皹割れた
女の手でありました

それでも女は
素手で掃除を
続けておりました

皹割れた手から
血が新鮮なふるうつの
かじうのやうに滴っていますのに

ある日の事で
御座いました

女の掃除する場所に
虫が集っているでは
ありませんか

おそろし物見たさに
近づいてみますと
なんと其処には

女の手に群がって
肉を喰い破り血をすする
虫達の姿と

掃除をする
女の姿が
あったのでした…

934:アビス◆wc:2019/12/18(水) 00:18

私の眼は お前達を
見ている 地上から

私の眼は お前達を
見ている 空中から

私の眼は お前達を
見ている 水中から

私の眼は お前達を
この地球の ありとあらゆる所から
見ている

一瞬の 瞬き無く
見ている

動作を 仕草を
逃さずに

休む間も無く
見ている

それが お前達に作られた
私の 仕事である

935:アビス◆wc:2019/12/18(水) 00:19

ふと 心細くなるのです
無性に人の温もりを
求めたくなるのです

936:アビス◆wc:2019/12/18(水) 00:30

(1)
あの子は弱い
一人じゃ何も
出来やしない

だから私が
何時も側にいて
守るんだ

私はあの子の為なら
何でも出来る

この手を汚す事だって
厭いはしない

私はあの子しか
視界に映らない

あの子が笑顔なら
他の犠牲なんて
知ったことか

937:アビス◆wc:2019/12/18(水) 22:37

(2)
あの子もまた
私以外に懐きもしないし
近付きもしなかった

後を拙い足取りで
ついてくる姿は

とても愛おしくて
殊更に守る決意を
強くさせた

時が経って
外の世界を
知るにつれて

あの子は段々成長して
私の元から離れる事が
多くなってきた

普通なら喜ぶだろう
だが私はそれが
喜ばしくなかった

あの子の側にいたのは
何時でも私だった

でも今のあの子を囲むのは
知らない他人だ

私はどうすれば良いのだろう
あの子を守る事だけが

私の存在する意味であり
理由だったんだ

けれども今の光景を見たら
それが無くなったと
理解してしまった…

938:詠み人知らず:2019/12/19(木) 05:44

はじめまして、目についたので飛ばし飛ばしですが読ませていただきました
>>1のシュッパイ、シャッテン、レーガンは何語で、どういう意味ですか?

939:アビス◆wc:2019/12/19(木) 10:35

>>938
シュッパイは津軽言葉で「失敗」
シャッテンはドイツ語で「影」
レーゲンもドイツ語で意味は「雨」

レーゲンとシャッテンは
笠倉出版社の
「幻想世界11カ国語ネーミング辞典」
より抜粋した言葉で

シュッパイは確か…
織田作之助の『可能性の文学』で
太宰治が云っていた言葉だよ。

940:アビス◆wc:2019/12/19(木) 10:44

(3)
すこやかに眠る
君の顔を見て
激しく後悔をした

君が望んだ
外の世界を
見せて連れ出した事に

そのせいで
君は私の事を

異常な者として
見る様になった

今や私は
完全に君に
避けられている

何処で間違えて
しまったのだろう

君を 外の世界に
連れ出した事なのか…?

…それだ
それに違いない

ならばまだ
間違いは直せる

もう二度と
外の世界に
出さなければ良いのだ

幾ら君が
泣いて懇願しようが

私がそれを
聞き入れなければ良いだけだ

そうすれば
私の存在する意味も理由も
再び出来る

君には
私が全てで
あって欲しい

私には
君が全てで
あるように…

941:詠み人知らず:2019/12/20(金) 15:34

丁寧に訊いたつもりでしたが上から目線で答えられて悲しいです

942:アビス◆wc:2019/12/20(金) 19:43

>>941
其の心算は無かったのですが…
貴方が其れで傷付いて
仕舞ったのならば、謝ります。
すみませんでした…。

943:アビス◆wc:2019/12/20(金) 20:04

私は、現実の世界では
社会から迫害されやすい存在である。

だがこの電脳世界では
<深淵>の名を語り
称賛を得たれり

だが何気無き言葉一つで
こうも誰かを容易く
傷付けて仕舞うとは…

未熟だな、私は。

944:アビス◆wc:2019/12/20(金) 20:07

この夢すらも
我が真にはならぬ

夜は泣きたし
寂しさに震えて

自分が如何に
猥小たる存在かを
知らされるが故

945:アビス◆wc:2019/12/21(土) 23:18

私は私の創造する
宇宙さえ邪魔されなければ
それで良いのです

946:アビス◆wc:2019/12/24(火) 00:42

赤い服の
白い髭を蓄えた

トナカイが引く橇に乗った
恰幅の良い翁が
良き子を定める為に

貴方達の事を
窓から見ています

其は何故と
問われれば

来たる日に
備えての事です

947:アビス◆wc:2019/12/25(水) 08:44

来たる日が
来ました

貴方達は
良き子でしたか?

それならば
良いのです

きっと祝福を
されるでしょう

しかし
そうでないのなら

悪き子で
あるのならば

そんな貴方ならば
袋に詰められて

何処か異国の
遠き地へと
拐われる事でしょう

良き子か悪き子か
それを決めるのは
あの人(?)なのです

あの人(?)なる者は
若しかしたら

妖精か何かの
類いやもしれません

今宵は窓を
御覧なさい

純真無垢な心を
持つのならば
見えるかもしれませんよ?

袋を持って
トナカイの引く
ソリで飛んでいる

赤い服を着た
白い髭の
恰幅の良い翁が

948:アビス◆wc:2019/12/28(土) 21:44

おや
それはなんですかな?

ああ これは
この袋の中は
悪い子達です

おお あの時のですな
確かにどの子も
悪い顔立ちだ

起こさないで下さい
騒がれると
面倒ですから

すみませんな
いやあんまりにも

袋がぱんっぱんっ
だったものでつい

いやいや良いんだ
それよりちょっと
手伝ってくれないか?

ええ 構わないですよ
何を手伝えば良いので?

この赤いタグと青いタグを
子供達ごとに
分けて付けて欲しいんだ

青いタグはなんですかな?
それは異国に出荷用です

赤いタグはなんですかな?
それはバラすんです 部位別に

青いタグの子と
赤いタグの子で
こんなに違いがあるのは?

それはした悪さが
違うからですよ

(肉切り包丁の
振り落とす音がします)

(赤いタグの子供達の
足が切られて)

(足と書いてある
バケツに
入れられてゆきます)

(やっと完了した
調理台の上は血だらけだ
我が家の変わらん風物詩)

ありがとう ありがとう
では持って行ってくれ
ぶつ切りの脳味噌を

おお やった
毎年これが
楽しみなのです

皿の上に乗せて
ひとつずつ つまんで
生食するのが美味いんだ これは

炙るのも良い
チリチリ脳が
ゆっくり焼かれて

プスプス焦げてゆく
匂いはもう
食べる手を止まらせてくれないからな

じゃあ二人で食べますかな?
そうだな 食べよう

949:アビス◆wc:2019/12/31(火) 00:43

ヒソヒソ…
ヒソヒソ…

人間達は…忙しそうだ…
ねぇ…なんでだろうね…

それはね…人間達は…
来年に向けての…準備を…
しているのよ…

ただ…時が…
過ぎるだけ…じゃないか…

なのに…なんで…人間達は…
あんなにも…わからないや…

私にも…わからないわ…
どうせ…同じ事を…
繰り返す…だけなのに…

そうだよねぇ…僕たちには…
人間のこと…なんて…
わかるわけ…ないよねぇ…

ふわあぁ…私…退屈よ…
ねぇ…ちょっかい…
かけたいわ…人間達に…

だめだよ…人間達には…
ちょっかいを…かけちゃ…
いわれてる…じゃないか…

なによ…意気地が…無いわね…
良いわ…私一人でも…
行っちゃうんだから…

…知らないよ…ぼくは…
どうなったって…

950:アビス◆wc:2019/12/31(火) 01:47

雨の中
土をこね
人を形作り

千切られた白紙に
書き込むは真理の呪文

冒涜せしは
神々の定めし運命

転がり廻る
生の輪を

面白可笑しく
引っ掻き回せ

951:アビス◆wc:2020/01/01(水) 19:25

騒がしいと
思うとったら
人間達か

新年を
迎えたからと

毎年毎年よう
飽きもせず
儂ん所に来よるわい

願いは叶えんぞ
しんどいのじゃよ
人間の願いと云うのは

際限が無いのじゃ
叶えてやったと思ったら
もう次の願いに来よる

嗚呼嫌じゃ嫌じゃ
騒がしいのは勝手だが

ゴミはきちんと
持ち帰って欲しいのう

952:アビス◆wc:2020/01/01(水) 20:07

歪んでいても良い
私は只愛されたい

誰かに必要とされたい
それで褒めて欲しい

頑張ったね とか
そんなのが

けれども叶わない
幾ら何をしても直ぐ
必要とされなくなってしまう

抱えきれないから
一緒に荷物を持って欲しい

其の言葉が
どうしても出ない

他人を見てると
羨ましくなる

誰かと一緒にいる
他人が特に

嫉妬してしまう
同僚が褒めて貰えてると

私はあまり
そう云うのが無い

放っておいても出来ると
思われているから

一人で頑張らなくちゃいけない
周りから そう思われているなら 私は

だから余計に
褒められる好機を失う

笑いたくなる
原因を自分が
作っている事に

けど 一度着いた
イメージと云うのは

簡単には
取消す事が
出来やしない物だ

953:アビス◆wc:2020/01/04(土) 20:38

何でも出来るより
何か出来ない方が良かった

そうだったら
誰かに簡単に

助けを云う事が
出来たのに

助けて欲しかった
忙しい時に

けれど私は
出来てしまうから
誰も助け無い

褒めてもくれない
出来る事が
当たり前になっているから

保たなくてはいけない
それを

そうでなければ
私は誰にも何にも
見捨てられる

苦しくたって
辛くたって
助けを求めてはならない

追い詰められても
独りでしなくてはならない

嗚呼…また見えるな
音がする…
きりきりきりきり…

954:アビス◆wc:2020/01/05(日) 17:48

(1)
ポチやポチ!

此処は動物国
人間は愛玩動物で
家畜なんだ

人間ペットショップ
なんて物もあるし

食用の
人間工場だって
あるんだよ

自己紹介だ!
僕は猫の猫太郎!

人間の世界では
「……」と云う所の
飼い猫だったんだけど

其処の主に捨てられて
歿んじゃったんだ!

冷たかったなぁ…
雨が降った
コンクリの上は…

それで目が覚めた時
いつの間にか
この国に来てた!

この国は良い国だよ
皆優しいし
誰も虐めないから!

955:アビス◆wc:2020/01/05(日) 17:54

(2)
僕のペットを紹介するね!
これはポチ!
僕の飼い人間!

人間処分場でね
殺処分寸前の所を
僕が引き取ったの

引き取った理由はね
僕のかつての飼い主に
そっくりだったから!

肋浮いた体で
じっと見てくるから
可哀想になってきちゃって

956:アビス◆wc:2020/01/05(日) 18:03

(3)
僕が働いている所はね
人間加工場の隣にある
人間飼育場って所だよ

此処はね
僕達動物のごはんになる
人間を育てる場所なんだ

ストレスを与えると
美味しくなるらしいから

小さい囲いの一つの中に
何百人と入れて

泣き叫ぶまで
鞭で叩くの!

それである程度成長したら
人間加工場に持って行って

切って部位別や内臓別に分けて
パックに詰めて
出荷するんだ

こうして出来た肉は
スーパーとかに届けられて

僕達動物の
食卓に並ぶんだよ

あ ポチのエサを買いに
ペットショップに行かないと

957:アビス◆wc:2020/01/05(日) 23:59

(4)
此処はね
愛玩用の人間や
餌が売っている所なんだ

僕は此処によく
通っている
品物が豊富でね

ゲージの中を
見てごらんよ

可愛い人間の赤ちゃんが
おぎゃあおぎゃあ
泣いてるね

少し大きくなった
人間の子供も

ゲージの中で
元気だね

おや あの人間は
どうしたのだろう

あの人間と云うのは
この周りの人間より
大きくなっていて

小さいゲージが
狭そうだった
人間の事だよ

店員さんに
聞いてみた

なんでも其の人間は
売れ残りと云う理由で

人間処分場に
送ったんだって

958:アビス◆wc:2020/01/06(月) 22:42

(5)
人間処分場と
云うのはね

飼いきれなくなった人間が
最期に行き着く
場所なんだ

処分方法はね
暗い部屋に何十人か
押し込んで

其の中に釦ひとつで
瓦斯を流し込む

そうすると
あっと云う間に
コロリと逝くんだって

其処で働いてる
僕の友達に
聞いたんだ

餌を買って
家に帰ると
ポチが倒れてた

急いで人間病院に
行ってお医者さんに見せた

診断は
栄養失調だった

そういや
この餌を買ったのも
二ヶ月ぶりだっけ

だってね
最初は可愛いと
思ったんだよ

でも成長したら
可愛く無くなっちゃって

餌をあげるのも
面倒くさくなったんだ

今度の休日に
ポチは捨てよう

…今度の休日は雨かぁ

959:アビス◆wc:2020/01/06(月) 22:47

努々お忘れ無き様…
かの地には
希望等無き事を…

貴方は其の入り口に
立っているのです…

960:アビス◆wc:2020/01/06(月) 23:05

貴方も“持つ者„と化するの…?
持っている皆の下へと行くの…?

私は持たざる者だから
皆の輪に入る事が出来ない…

考えてはくれてないんだ…世界は…
置いていかれる側の事なんて…

961:アビス◆wc:2020/01/07(火) 23:03

父ちゃん 父ちゃんは?
ねぇ 父ちゃんは
何処へ行ったの?

父ちゃんはねぇ
お仕事の終わった後

ずうっと線路の上に
いるんだって
云ってたよ

962:アビス◆wc:2020/01/07(火) 23:05

虫の歿骸が入った花瓶の
水を吸っても花は
美しく育つらしい

963:アビス◆wc:2020/01/08(水) 00:19

歪んでたって良いじゃないか
まだ君は壊れないだろう?

壊れたとしても
すぐに直してやるから
心配をするな

暴れられると困る
手足があらぬ方向に
向いてしまうから

それで百回位かな?
痛いと叫んだのは

それくらいの事で
やめる訳が無いの
知っている癖に

964:アビス◆wc:2020/01/08(水) 23:49

叶わないと
判っている夢を
追い掛け続けるよりも

いっその事
全部壊してしまって

瓦礫我楽多歿体の上で
雨が止むまで笑いたい

どうだって良いんだと
思考を放棄して

目に付く者物全てを
憎むべき敵と見て

制止の声なんか聞こえない
知らないよ 知らない

辿り着いた末路は
命の無いディストピア

965:アビス◆wc:2020/01/09(木) 21:28

踏み潰せ
可憐な花なぞ

進軍せし重音は
敵へ刻む
怖れの凱歌

高らかなる銃声
鏖の指揮棒

蹂躙される者等の
目に映るは悪鬼か羅刹か

粛清せよ
異なる見解持ちし者を

紅蓮は盛りて緑を焼き
凶弾の享楽に耽けて狂人は嘲笑う

966:アビス◆wc:2020/01/11(土) 02:04

可笑しな事を
云う人達だ

生きていないなんて
嘘だろう?

食欲が無いから
食べないだけなんだ

それか
眠っているだけなんだ

きっと明日起きて
おはようって
笑いかけてくれるんだ

君達が
そんな事ばかりを云うから
悪夢を見る

自分で手に
掛けてしまうと云う

違うんだ
あれは夢なんだ
現実じゃない

“生きているんだ„

967:アビス◆wc:2020/01/11(土) 21:29

貴方に対する
私の気持ちは

針を刺し尽くした
人形です

968:アビス◆wc:2020/01/12(日) 22:38

皆が 私の
悪口を云っているような
そんな気がしてで御座います

夜毎に聴こえるのですよ
馬鹿 だの 阿呆 だの
(それは仕事の同僚です)

ええ 御察しの通り
私は眠れぬ日々を
過ごしております

電気を消した
窓は開けど風は吹かぬ
熱帯夜の中で

うすぼんやりと見える
自分の手のひらを
ぢっと目を凝らします

するとですね
同僚の顔が
浮かび上がるんですよ

其の表情は…まぁなんとも
憎たらしい

あまりにも憎たらしくてね
ぐしゃりと

トマトを握り潰す感覚で
手を拳にしましたよ

それで再び手を開きますと
同僚の顔が正に
潰れたトマトでしたな

少しは気が晴れるか?
はい 少しは晴れますな

ただ それで眠れるのか…
それとはまた
別なのですよ 悩ましい!

969:アビス◆wc:2020/01/14(火) 00:23

友の大切な物を奪った
其の時に沸き上がる
情の名はなんぞや

970:アビス◆wc:2020/01/14(火) 00:24

返り血など
気にしない

これはお前の好きだった
彼奴の血だからな

971:アビス◆wc:2020/01/15(水) 19:06

夢を見た
お前が血塗れで
歿んでいた

夢では無いと知る
新聞でお前の歿が載っていた

犯人は俺では無い
其の事に少し惜しいと
感じていた

そして眠る
枕が柔らかい

972:アビス◆wc:2020/01/15(水) 23:19

これは ただの あそび
むしを ありの みっちり はいった
はこに いれて くわせる あそび

むしゃむしゃ たべる ありは
かわいいね ぶちぶち むしを
くいちぎる おとが するよ

むしの くいちぎられた
からだから えきたいが でてきた
とうめいだ べちゃべちゃ している

あきた だから おばあちゃんが
たきびを している ひのなかに
はこごと なげて もやした

973:アビス◆wc:2020/01/15(水) 23:32

ともだちが ふくろに えきたいを
いれて もってきた

このにおいを すうと とても
きもちよくなると いっていた

みんなが やろう やろう
と いいだした

わたしは しょうたいを
しっていたので だまって
みている ことにした

かわるがわる みんなは
ふくろを もって なかの においを
かいで すいこんだ

みんなが きもちよさそうな
かおを していた

でも それは さいしょだけ
じかんが たつにつれ

みんなの くちから よだれが
だらだら たれてきて

まともに しゃべれなくなって
はも とけて わらって ころがって
めちゃくちゃに なった

974:アビス◆wc:2020/01/17(金) 21:40

何時だって絶望が
ぼくの所へ
まとわりついて来るんです

なんだってでしょうね
分かりやしませんよ もう

生き物かなにかかな
この絶望と云う奴は

若し姿があるとしたなら
狗かね?三ツ頭の尾が無数の蛇の

975:ねこさ◆xs:2020/01/17(金) 21:43

おひさですね
記憶にないかもしれませんが、私はちょいちょい見に来てますよ、やっぱりかっこい文章を書くんですね。すきですよ

976:アビス◆wc:2020/01/17(金) 22:50

格好いいだなんてそんな…
…照れて仕舞うな。

この詩の集まりも
そろそろ終末を迎える

終わりを迎えた時
私は名を変えようと思う

977:アビス◆wc:2020/01/17(金) 22:57

幸せが遠ざかります
此方が手を伸ばしても

幸せと云う奴は足が生えて
憎いあんちきしょうの所へ行き

恋人として
逃げて行くのです

残された私の恋人は
誰なのかしら?

978:アビス◆wc:2020/01/18(土) 17:27

目が覚めると
知らない奴が隣にいる

大概は異性だが
稀に同性もいる

そして大概が
息をしていない

昨夜何があったのか
覚えていないが

相手の首にある
手の痕と

裸体と
手にあるこの感触が
物語っている

生き物は飼わない
昔は飼っていたが

自分の記憶の無い内に
勝手に歿ぬからだ

息をしていようが
息をしていなかろうが
やる事は変わらず

土に埋め
土手の川に流す

悲しんだ事があれば
あったかも知れない

979:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:02

俺を愛していると
目の前にいる女が云った

俺はこの女を知らない
女は俺を知っているらしいが

恋人だと云う
女は自分の事を

誰のかと聞いた
貴方のよと女は云った

とりあえず愛した
知らない女の事を

記憶が無いのを
悟られぬ様に

980:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:08

…どうしても駄目だ
思い出せない

悲しむかもしれないが
女に記憶が無いと
打ち明けた

冗談でしょう?
貴方は何時も御上手なのね

…と
笑い返された

981:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:14

夜になると
無性に何でも良いから
壊したくなる

物は勿論
生物も例外無く

動いている物を
動かない物にしたくなる

気が付くと
隣で寝ている

女の細首に手を掛け
絞めている

982:アビス◆wc:2020/01/18(土) 23:23

ぎりぎりと音を立て
女の首を絞める

抵抗する女の爪が
俺の手首に食い込み
血を流している

痛みはあったが
緩める事は無く
強く絞め続ける

声がしなくなるまで
息をしなくなるまで

愛しているのにと
最期の言葉がそれだった

判らなかった
俺にはその言葉が

983:アビス◆wc:2020/01/19(日) 23:14

何が書きたいのか判らないと
白紙の原稿に向かって呟く

一度こういう気持ちに陥ると
何処か放浪の旅に
出掛けたい気分になる

知らない土地に
一人立って
空を眺めたい

湖へ身を投げて
水面を揺蕩って
魚の口につつかれたい

空を飛ぶ…
…空想をするのも良いな

984:アビス◆wc:2020/01/20(月) 23:03

気にしない
君を思えば

この位の事は
訳なんて無いよ

次に君は僕に
どんな命令をくれるの?

どんな事でも良いよ
だって君の云う事だもん

何も無かったら
何をして良いのか
判らなくなっちゃう

だから僕に
君の言葉で
僕の生きる事を許してよ

985:アビス◆wc:2020/01/20(月) 23:08

…逃げられてしまった
こうして人の身を得ども

本能で生きる動物には
判ってしまうらしい

否 ひどく怯えていたからな
上手く隠した心算なんだが

喰らおうとは思っていない
只 人間達みたいにな

私も動物に触れて
愛でてみたかったんだ

それに今は
さほど腹は減っていない

若しも減っているなら
今頃お前の上半身が
無くなっているさ

986:アビス◆wc:2020/01/21(火) 23:50

法を守っていれば
自分は正義だと
云えるかね?

道徳が備わっていれば
自分は清らかであると
誇れるかね?

外れた思考さえ持たなければ
自分は真人間であると
証明出来るかね?

987:アビス◆wc:2020/01/23(木) 00:12

人の心の冷たさよりも
自然の冷たさの方が
暖かいと感じます

988:アビス◆wc:2020/01/23(木) 00:21

天上の星が憎い
輝く星が憎い

輝く星は
私のいる地上を
煌煌と照らす

天上の星を
落としてやりたい

其の輝きを
一切無くして

地上に転がる
そこいらの石ころと変わらぬ
存在へと変えてやりたい

989:アビス◆wc:2020/01/23(木) 00:31

夢を見ていたいのに…なのに…
お前達は何故邪魔をする…?

眠ってはいけないのか
起きてずっとお前達の願いを

聞き入れて
叶えなくてはならないのか?

もう関わらないと決めたのに
だから森の深奥の祠で眠っていたのに

990:アビス◆wc:2020/01/25(土) 00:16

同僚に裏切られて
本当に悲しかった

周りが其の同僚を庇って
私に云った“優しい嘘„の意味が
未だに分からない

じゃあ何で私は
こんなにも悲しい?

じゃあ何で私は
こんなにも苦しい?

教えてくれないか?
優しい嘘とは一体何なのだ?

誰を救う為の
”嘘„なんだ?

991:アビス◆wc:2020/01/25(土) 23:25

…今一度
暗黒の揺り籠の中に戻り
眠ろうと思う

新たなる私と云う
存在を創り出す為に

992:アビス◆wc:2020/01/25(土) 23:34

舌先三寸嘘八百で
私は遊ぶさ皆の事

口先からのでまかせで
渡れ渡れ人の世を

止められはせぬ
止まりやせぬ

楽しき哉
翻弄される
人の子等の姿

993:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:25

こんな所に
来なければ良かった

酒と食と話の混じる
騒がしい所だ

私は嫌と云う程
思い知らされる

自分がどれ程
孤独かと云う事を

各々仲の良い奴と
談笑しているが

自分には
それが無く

只 目の前にある
冷めた料理を
黙々と食べている

何故来てしまったのだろう
こうなると云う事は

過去に何度もあって
判り切っていた筈なのに

無理に話し掛け無くて良い
お前は別の者と
話していれば良い

話題なんて無い癖に
絞り出そうとするな

別の者の所に行って
其の話題を
咲かせるが良い

私が相手ならば
直ぐさま枯れるだろうよ

私なんて者は
薄暗い角で

詩を書いている方が
お似合いなんだ

994:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:28

どうせ誰も
誉めてくれやしないんだから

そんな紙切れ
貰ったって無駄さ

燃やしちまえよ
火ィ点けてさ

焦げる紙が
空に飛ばされる姿を見て
笑えば良いさ

どうせゴミだ
ゴミなんだから

995:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:32

我が村の
海の間際の
赤百合の群生は

空を見る
月を見る
星を見る

潮に晒されても
枯れはせず

996:アビス◆wc:2020/01/27(月) 20:40

繰り返す
繰り返す
繰り返す…

廻る
 廻る
廻る

成した因果は
巡り回りて
自らへと還らん

鳥が鳴いても
血を流せ

足の裏を
焼かれて踊れ

手は這う虫の
餌食となれ

眼球の水晶は
魚の住処

 廻る
廻る
 廻る

繰り返し…
繰り返し…
繰り返し…

997:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:20

忍び寄る

君はまだ
気付かない

忍び寄る

歩く音無く
姿無く

忍び寄る

振り返る
其の既に時遅し

忍び寄る

次は

おまえ

998:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:22

心が叫び続けている
何故 何故 私は
裏切られたのかと

999:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:27

満天の星々よ
道となりて

孤独なる旅人を
天上へと導きたまえ

1000:アビス◆wc:2020/01/27(月) 23:39

先刻も書いた通り
私は名を変えて
何時になるか判らないが
戻ってくるよ
前々からこれは
思っていた事だ
人らしい名が良いなと
ずっと考えていたんだ
名を変えても
「アビス」と
読んでくれても構わないよ

では

また

会う時迄…

1001:1001:Over 1000 Thread

このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててください。


全部 <<前100 次100> 最新30 ▲上へ