“深淵唱詩”

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1:アビス◆wc:2017/10/12(木) 06:11

思いついたら取りあえず書く事に決めた(センスは皆無)。

電柱から覗く君は誰だろか?
私はコソリと確かめゆく
けれども何時もシュッパイする

今日も君はシャッテン延びる電柱から私を見ている
そんな所で見てないで早くお入りよ
けれども君は首を横に振る

レーゲン降る日も
シュタルカー・ヴィント吹く日も
君は只私を柱から覗くだけ

何故かと私は君に聞いた
君は口を開いた
“だって僕はゲシュペンストだから”

790:レミング◆yc:2019/07/10(水) 14:21

アビスさんを真似して慣れない詩を書いてみました。
でも、だめですね。こうして見てみると稚拙でつまらない詩です。
文章を書くのは好きなので、修行のためにまた書きに来ます。

791:アビス◆wc:2019/07/10(水) 21:52

>>790
文章を書く事が好きなら、
どんどん書くと良い。
其れが何れだけ
自分にとってつまらない物でも
其れが積み重なって、
自分でも気付かない内に
上手になっていくんだよ。

頑張れ

792:アビス◆wc:2019/07/10(水) 23:54

これ そんな物騒な物
此方に向けなさんな

森の動物達が
怯えているじゃろうに

それ 黒い花に
変えてやろ

それ 銀の花に
変えてやろ

森を荒そうとする
自然を恐れぬ不敬な輩は

強靭な蔓にて
全身を打ってやろう

締め上げて雨を降らせてやろうか?
それとも種を埋めて
苗床にしてやろうか?

怯えておるのか?
なら疾く去るが良い

これ以上ワシの森に
人の骸を増やすで無いわ

793:レミング◆yc:2019/07/11(木) 15:41

>>791
褒め上手ですね。
頑張れ、なんて言われてしまえば頑張るしかないでしょう。

794:レミング◆yc:2019/07/11(木) 16:03

ねぇ、ふと思ったのだけれど

貴方の胸元に付いている
ブローチの宝石は、
口に含んだら冷たそうじゃない?

きっとそうよ

冬の朝のティーカップより、
きらきら輝く初雪より、
舌の根元から凍ってしまうほど
冷たいの

味はどうなのかって?
そうね…

そんなに蒼いのだから、
サイダーの味かしら?

よく磨かれて、
飴にも見えるわね
甘いのかしら?

嗚呼、でも……

……貴方の、
よりによって貴方の胸元に
付いているんですもの、

きっと、
孤独な涙の味がすると思うわ

795:アビス◆wc:2019/07/11(木) 17:58

>>794
其の調子だよ、頑張ってるね。

…褒め上手か。
私は思った事を云った迄なんだ、
そんな立派な事じゃないよ。
でも、そう云ってくれて嬉しいな。

796:アビス◆wc:2019/07/11(木) 18:06

牧羊犬が
羊を追う

右へ回って
ひと吠えして

左へ回って
ひと吠えして

めぇめぇなきながら
羊は追われる
とあるところの夕陽の牧場

小屋へと帰る羊達
外でじと待つ犬いちひき

そこへ牧場主のぼっちゃんが
犬の横へすとんとすわります

それで犬にだきついて
あの羊はおわなくていいの?と
云いました

あれの事と
ぼっちゃんが

指差した先は
空の雲

それはね坊っちゃん
羊雲と云うのですよ

羊と名は付いてますが
雲なので私には
追えないのですよ

さぁ坊っちゃん
風邪をひくと
いけないですから

私と一緒に
お家まで帰りましょうね

797:レミング◆yc:2019/07/12(金) 16:18

メガホンと壊れたスピーカー
視界に映るのは
そのふたつだけ

__あれから、
どれ程の時間が過ぎただろうか?

外の世界のことは
何も分からない

けれど、
あの人は僕に

「ここで待っていて」

と、確かにそう言った
だから僕は、この場所で
待っていなければいけない

メガホンは
僕の声を大きくしてくれないし、
スピーカーは
ざらついたノイズ以外を
吐かなくなった

もう、あの人のことも
よく思い出せない
声も、顔も、匂いも

そもそも、
あの人なんていたのか?
それすら思い出せない

記憶はひび割れて、すき間から
夜色の虚無が流れ込んで来る

それでも
虚無を振り払い、
スピーカーのスイッチを入れる
メガホンに向かって叫ぶ

僕は待つ
三つ文明が滅んで
二回支配者が変わって
一つ星が崩れても

あの人を

798:アビス◆wc:2019/07/12(金) 21:25

粉 個 粉 々々 個
周り 皆々様方で 指差して

一 人り 目を を目々を 隠して

障 り 悪の 口と 雑な言
開いて 白い歯 赤い舌 何枚

人り 一 を耳 耳を耳 塞いで

涙 流れて ひび入って
ごしゃごしゃしたまま
成長したよ

僕と云う名の地球と云う名の
海7割地3割の惑星において
人間と云う有機生命体と云う

存 在 は

精神痛覚感度率100パァセント
肉体痛覚感度率100パァセント

目を瞑って脳味噌の事を
思い浮かべれば花畑

アヘンによりモルヒネにより
ヘロインによりコカインにより
大麻により
テトラヒドロカンナビノールにより
覚醒剤によりLSDにより
脱法ドラッグにより煙草により
アルコールにより

生ずる多幸感からは
一度手を出せばもう
逃れる事は出来ない

病的な高笑いから
始まります

そしてそれから
血圧上がり瞳孔開いて
交感神経興奮状態となり
幻視幻聴の強烈な不安に
おそわれて

皮の下に虫が這い回る様な
皮膚寄生虫妄想に苦しめられ

ぶんはひらがなになり
小学校でならうレベルの
計算もできなくなる知的能力の低下…

自分は人間ですかね?

ええ 人間ですとも
【カテゴリー】上では

自分は誰と話しているのでしょう?

さぁ?判りません

と云うよりあなたは誰ですか

当ててごらんなさい

自分ですか?

正解です お見事
拍手を送りましょう

パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ

真顔で拍手はやめてよ

笑顔でしろとは
云われてないので

そりゃそうか

僕は人生何時終わるかな?

もうすぐですよ あと一分

三十秒

0

799:レミング◆yc:2019/07/14(日) 16:21

あの人の声が好きだ

安定した高音で、
赤い狂気に塗れていて

そして時々怪しく唸るように笑っては
高らかに叫び、
命を狩り取る

無邪気な子供のような
邪悪な怪物のような
あの声が

ただしそれは、
私に向けられることはない

なぜなら
私も彼も同じ、
“こちら側”の人間だから

それでも、
共に戦う度に
願わずにいられない

人生最期に聞くのは、
心底楽しそうなあの人の高笑いが良い、と

800:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/14(日) 19:56

お久しぶりです!
アビス先輩!

801:アビス◆wc:2019/07/14(日) 20:54

>>800
やあ、久しぶりだね。

802:アビス◆wc:2019/07/14(日) 21:03

料理をしていると
妖怪が出てくる

何時の間にやら
材料が一片無いんだ

自分で食べちゃいないよ
だって今切っているのは
生肉だから

次に使おうと思った
野菜の人参が無い…
一本何処行った?

しょうがないので
そのまま料理を続ける

すると横から
手がのびてきた

これだよ これが
妖怪の正体なんだ

其処で私は
腰に着けてた

ポーチの中に入っている
パンのひとつを

妖怪の口に押し込んだ
これでも食ってろ

すると妖怪は満足したのか
あっちへと行った

と 思ったら
また横から
手がのびてきた

なので今度はお玉で
手をひっぱたいた
手は引っこんだ

暫くするとまた
妖怪はやって来て

お玉で叩かれた
赤腫れた手をのばし

切ってゆでた馬鈴薯を
取ろうとした

なのでフライパンで
脳天を叩いたら

それきり来なく
なったとさ

803:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/15(月) 20:47

>>801
覚えててもらえて光栄です!
私もまた、ポエム板復活したんですよ。
またよろしくお願いしますねm(__)mペコリ

804:アビス◆wc:2019/07/15(月) 20:52

>>803
うん、此方こそ宜しくね。

805:樹音@新一 ◆6Y:2019/07/15(月) 21:00

>>804
はい、よろしくお願いしますねm(__)m

806:アビス◆wc:2019/07/15(月) 21:01

シオマネキと云う
カニを知ってるかい?

片方のハサミが
やたらとでかくて

片方のハサミが
やたらと小さい奴さ

つまる所
私はそれだ

片方の力は大きいがね
片方の力はてんで駄目

私と握手したら判るよ
ほら 最初は右手で握手だ

痛いだろ?お前の骨が
ミシミシ云ってるのが聞こえる

このまま続ければ
お前の骨は
確実にひしゃげるな

折る為に握手を
する訳じゃないから
手を放そう

次は左手だ
握っているのかって?
握っているとも これでも

力一杯さ
嘘じゃあないよ

こんなんじゃあ
花を摘む事も
できやしないだって?

はは まぁ確かに
それは云えるわな

でも安心してくれ
豆腐を握り潰す位の
握力はあるさ

807:アビス◆wc:2019/07/16(火) 00:20

皿の上の卵を食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のお肉を食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のお野菜食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の上のデザトを食べて
フォークでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

皿の中のスゥプを飲んで
スプーンでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

カップの中のティーを飲んで
スプーンでカチャカチャ鳴らす
「まだ足りない」

がつがつ食べて
ごくごく飲んで

それでも足りない
まだ足りない

808:レミング◆yc:2019/07/16(火) 15:00

「冬は、雪が降った方が暖かいんだ」
と誰かが言っていた

なるほど
確かに、今日は雪も降らないのに
凍えるような寒さだ

冬独特の
突き刺さるような日光が、
屋根に反射して
白く光っている

鈍色の空の色との対比が
美しいと思った

眼下の工場を眺めていた

柵を掴む手が
いうことを聞かなくなって、
ここに来てから
かなり時間が経っていると
気づいた

指先を温めるため
ゆっくりと息を吐けば、
冷気に触れた先から
白く凍ってゆき
頭上へと昇って行った

これじゃあ温まらないと、
両手を乱暴に
外套のポケットに突っ込む

しばらく工場の
がちゃがちゃ忙しない音を
聞いていた

すると、
騒音に混ざって、
聞き覚えのある声が
感覚のなくなった
耳に届いた

もう二度と聞くことは
無いと思っていた
恩人の声が

809:レミング◆yc:2019/07/17(水) 15:13

復讐、ですか?

その人ころしちゃうんですね

なんでですか?

幸せそうだったから?
……よく分かりません

幸せな人が憎いから
ころす?

いえ
そうではなくて……
ころすのは
別にどうでも良いんですけど

幸せそうだったから
ころすんですよね?
それって、必要ですか?

誰かをころすのに、

「この人は幸せそうだ」

とかって考えるのは、
必要なことなんですか?

810:アビス◆wc:2019/07/18(木) 20:47

足りないと云っている
あの人間の腹にはさ

それは大っきな穴が
開いてんだ

だから…

卵を食べても
地に落ちる

肉を食べても
地に落ちる

野菜を食べても
地に落ちる

デザトを食べても
地に落ちる

スゥプを飲んでも
地に落ちる

ティーを飲んでも
地に落ちる

それでいつまで経っても
あの人間は腹いっぱいにならなくて

足りないといっつも
云ってんのさ

811:レミング◆yc:2019/07/19(金) 16:05

君の白い首を
体重をかけて押しつぶす

俺の爪や細い指が
君の首に食い込んでいく

俺が手袋を取ると君はよく、
綺麗な手だと褒めてくれた

その手指は今、
君の命を消そうとしている

あいつの冗談より笑えない

眠らせている訳ではないが
君は特別抵抗することもなく、
大人しくじわじわと
呼吸を諦めている

気管よりも頸動脈を抑えた方が
手っ取り早いことは
知っていた

でも、
徐々に変わる君の表情を
ゆっくり見ていたくて、
気管だけを抑える

俺よりも
小さくて可愛い喉仏を
親指で押してみる

すると痛いのか、
君が少し抵抗する

加虐愛の気はないので
指を離す

しばらく経つと、
短い悲鳴のような
遺言を残して君は動かなくなる

死体愛好の気もないが
君の顔は、
今まで見たどの死体より美しかった

812:アビス◆wc:2019/07/19(金) 17:41

お口に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお口が
いらないようだから

この私が
そいじゃるか

お目々に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお目々が
いらないようだから

この私が
くりぬいちゃろか

お耳に手を当てない子は
何処にいる?

そんな子はお耳が
いらないようだから

この私が
引き千切ろうか

お手手を背に隠さん子は
何処にいる?

そんな子はお手手が
いらないようだから

この私が
切り落とそうか

体全部を隠さん子は
何処にいる?

そんな子は全部が
いらないようだから

この私が
袋に詰めてやろ

813:アビス◆wc:2019/07/19(金) 23:09

右の父がでかけた時にゃ
左の赤ちゃん泣き出した

あやす為に左の父が
右の赤ちゃんへすっとび

左の母がそれは
右の赤ちゃんよと止めに行って

右の母が左の母を
ちょいと捕まえて世間話して

左の兄は右の姉と
仲がよい

右の兄は左の姉と
仲が悪い

右の父が帰ってきて
左の赤ちゃんあやしてる

814:レミング◆yc:2019/07/20(土) 05:36

愛する貴方が
狂っていると聞いたから、
私もそうなりたいと思った

けれど、
私は狂気を知らない
そこで私は別の場所に
目をつけた

貴方はもの凄く頭が良い
私は頭が良くない

特に貴方が得意な数学が
出来なかったから、
私は毎日コショウの粒を
数えて過ごした

貴方はとっても紳士的
私はドレスコードに詳しくない

私は色々な本屋でも図書館でも
通い詰めて、
どの国のどんな祭典に
呼ばれても完璧な振る舞いが
出来るようになった

貴方は友達が多い
私は独りぼっち

私は町の目につく人
全員に話しかけることにして、
今や隣の国のトップと
五分で会えるほど人脈が広まった

__そんな時、
地球の裏側にいる友達に聞いた

“彼には婚約者がいるらしい”

815:レミング◆yc:2019/07/20(土) 05:56

その娘は友達が多いの?

いや少ない
でも、
その分余計な顔合わせをしなくて
済むらしい

その娘はドレスコードを
マスターしているの?

いいや
でも、
たどたどしく会話しているのが
健気で可愛いんだと

その娘は数学が出来るの?

これっぽっちも
でも、
何でもかんでも数字任せにする
奴に彼は飽き飽きしていたそうだ

その娘は私より彼を愛しているの?

さあね?
でも、
彼は追われるより追う方が
好みだって言っていたわ

その娘は

貴方は
私じゃなくてその娘を選んだ 

私の全ては無駄だった?

私が何を叫んでも貴方には届かない
届かない

私は死んだ

私は貴方に愛されたかった
私は貴方に愛されなかった
愛されたかった

愛されない私は死んでいる
私は死んでいる

私は間違っていた
何を?
分からない
何も分からない?
私は貴方が分からない!

私は

私はいつの間に狂っていた?

816:レミング◆yc:2019/07/21(日) 16:30

今年一番目の
向日葵が咲いた

一面の黄色と群青
そしてそれらを分かつ
立体的な白

とても鮮やかで
奇麗で
つい手元のライカで写した

でも実物の鮮やかさは
表現出来なかくて

このままの色彩で
残しておけないことが
とても残念だった 

写真を諦めて近くの
向日葵を覗き込んでみる 

自然的でそれでいて
幾何学的な模様が渦巻いて、
目が回りそうだった

姉さんは
「向日葵は太陽に向かって咲く」
と言っていた

確かめるため
顔を上げてみると

全ての向日葵が私を見ていた

817:アビス◆wc:2019/07/22(月) 00:49

ほれ こっちだ
そら 私はここだ

私はそこにはいないよ
間抜けた犬共め

捕まえられるものなら
捕まえてみろ

下で下りてこいと
わんわん云っている

やだね 下りるもんかと
私ゃ舌をだす

ポッケの中から
石をだす

キラキラ光る
赤い石

あの犬共から
くすねてきたんだ

売る為に
とったんじゃあない

からかいたいから
とったのさ

犬共がゴミ箱につまづいて
生ゴミまみれには笑ったね

ほれほれ欲しいか?この石が
なら今から放ってやろう
とってこい!

818:アビス◆wc:2019/07/22(月) 21:10

となりの家の主人が
私の家の木を一本伐ったので

私はとなりの家の木を
二本伐ってやった

それに怒った
となりの家の主人が

私の家の木を
三本伐った

そこで私はとなりの家の木を
四本伐ってやったんだ

そしたらとなりの家の主人が
私の家の木を
燃やして炭にしちゃった

だから私は
となりの家のまんまえに

今まで伐った木を
置いて火を点けたんだ

819:アビス◆wc:2019/07/23(火) 20:44

目の前に男と女の
カップルがいる

とても仲が
むつまじそうだ

其れ故に私は
不幸だ

ひどい喧嘩をして
お互いを憎んだまま

別れてくれないだろうかと
密かに願う

そして叶ったならば
私は幸福であれる

820:レミング◆yc:2019/07/24(水) 06:00

夜が明ける前、
空気は冷たい
町はまだ眠っている

朝日の帳が
降りるのも待たず、
私は教会へ向かう

建て付けの悪いドアを
震える手で開き
ワイン色の絨毯へと
足を踏み入れた

銀鍍金の剥がれかかった
ロザリオを握り締め、
神の御前へ跪く

太陽は出ていないのに
ステンドグラスは
厳かに断罪の光を見せつける

その青紫の煌めきが
目に突き刺さって
苦しくなって
瞳を閉じた

突然、左手の甲に鋭い痛みが走る

私はそれが
幻覚だと分かっていた

それでも
骨まで砕けそうな痛みに
耐えられず、

呻きながら
肩から崩れ落ちた

__その一挙一動も全て、
毎夜同じことの繰り返しで

何も変われていなくて

自嘲の笑みを零しては
滝のような汗を拭って
女神像を睨む

左手の痛みと伴って
あの日の苦い記憶も
鮮烈に蘇る

何十年と教会に通っても
忘れることさえ出来なかった

それでも私は、
神に祈る以外に何も出来ない
死ぬことすら許されない

私は永遠に
許されることは無い

「……分かっているさ」

821:アビス◆wc:2019/07/24(水) 21:23

私は他人の不幸が
幸福だ

他人の幸福が
私の不幸だ

幸福の感じ方は
人其々だ

私はたまたま
他人の不幸が
幸福であっただけだ

指を指されて
非難される筋合いは無い

幸福で笑う顔が嫌いだ
剥ぎ取りたくなる
切れ味の悪い短刀で

不幸で泣き顔に変わったら
其の侭放置したい
眺めて茶でも飲み乍

822:レミング◆yc:2019/07/28(日) 03:33

夕方
ラジオ放送を
聞いていると、

近くの町で
殺人事件があった

と女のキャスターの
声が告げた

途切れ途切れの
そのニュースを聞いた私は
憎々し気に舌打ちをした

「人一人死んだところで
……何が変わるっていうの」

誰に問うた訳でもなかったが、
貴方は少し考える素振りをして
答えてくれた 

「人一人が死んだということは
この世界に何十億と
ある物語が一つ、
幕を下ろして
終焉を迎えたということだ

赤の他人の俺達には
関係ないが
周りの人間から見れば
隣の舞台が 
見知らぬ誰かに
無理矢理終わらされたことになる

……誰一人観客も居ないままな」

お望みの回答か?と、
付け足すのは、
すぐに茶化す貴方の悪い癖

思ったより気恥ずかしい
回答が返ってきたため、
少しそれに乗ってみる
ことにした

「……私が幕を下ろす時
私の物語が終わる時、
貴方は傍に居てくれるの?」

すると貴方は一瞬
驚いたような顔をして 
直ぐにいつもの表情に戻って

「あんたの人生の幕を
下ろすのは俺だろう?

むしろ、俺以外は居なくて良い」


婀娜に笑んだ

823:レミング◆yc:2019/07/28(日) 03:46

この詩の
婀娜
は、広辞苑(第六版)の

あ-だ【婀娜】
A色っぽくなまめかしいさま。洗練されて粋なさま。

を指すものとします
妖艶と迷ったのですが、
語感が合っていたので
こちらにさせていただきました

824:アビス◆wc:2019/07/29(月) 21:33

マンホールの
フタがある

スズッ…と重たい
音がして少しずつ
フタが開く

開いた先から
出てきたのは手と
長い黒髪

逃げる
何か嫌な
予感がして

追いかけてくる
四つ足で
地面を這う様に

雨が降ってきた
バチャバチャ
バチャチャチャ

計六つの
足音

隙間に
身を隠す

か細い奇声を漏らして
力無く腕を垂らして
あたりを見回している

風で缶が
派手な音を立てて
転がった

此方に来て
隠れている隙間を
覗いている

隙間の路地に
逃げ込む

壁に囲まれていて
行き止まり

視線が消えた
下を見ると
マンホールがあった

フタが開いた
其処から出てきた髪と手が
足を掴んだ

振り払おうと もがく
骨に皮を張っただけの様な
手の癖して

力が強くて
振りほどけない

マンホールの中に
引き摺り込まれる

長い黒髪の奥で
黄色い単眼が
細めいていた

マンホールのフタが閉じた

825:アビス◆wc:2019/07/31(水) 20:13

爆発した 四散した
僕の体は ただの
肉片になった

僕の肉片 集めておくれよ
一つ残らず 集めておくれよ

それで 集めたらさ
ていねいに洗って
土を落として

青いフタのついた
人一人が入るポリバケツに
詰めておくれよ

そしたらさ 僕は
ポリバケツの中で

肉と肉とを
くっつけて 復活を
するからさ

826:レミング◆yc:2019/08/01(木) 04:39

歌唄いよ
この世の
昏きを唄え

道に転がる塵芥を

嫌悪すべき病を

唄え

それはきっと
おまえに付き纏う
ものだから 

歌唄いよ
この世の
哀しみを唄え

用済みとばかりに
道に放り出された女を

不治を背負う子供を

唄え

それはきっと
おまえの近くにある
ものだから

歌唄いよ
この世の
醜きを唄え

女を塵芥のように
捨てた男を

病を指差し
嘲笑う者を

唄え

それはきっと
おまえを厭う
ものだから

歌唄いよ
この世の
愛を唄え

捨てられた女の
肩を抱く男を

嘲笑を振り払い
不治に抗う夫婦を

唄え

それはきっと
おまえに寄り添う
ものだから

歌唄いよ
唄え

昏きを
哀しみを
醜きを
愛を

唄え

かつて私が
そうしたように

827:アビス◆wc:2019/08/02(金) 22:40

嗚呼…最悪の目覚めだ
私は静かな中で
目覚めたかった

だというのに
お前等が騒ぐ所為で

深い眠りを内に抱えたまま
目が覚めてしまった

何故そんなに
声を荒げ笑うか
この江戸雀共が

昔話の様に
舌を切り落としてやろうか

嗚呼眠い…もう眠い…
もう一度眠りたいが

仕事に向かわねばならぬ
この身よ…なんとも辛きかな…

828:レミング◆yc:2019/08/04(日) 14:59

気味が悪い

庭先咲いた
彼岸花

誰かのお話
秘密のお話

「あの屋敷には
×××××がいる」

渇いた指先
動かぬお口

雨に浚われ
はなれた
お目目

萎びたお手手
ぼろぼろおみ足

黒い服
白い骨

あのこの涙

聞こえぬお耳
壊れたあたま

うごかない

腐ったたたみ
侵入者
あしおと

嗤い声
灰色の空

かたい床に
流れる小川

きらきら
お星様
肆拾玖こ

ぐにゃりとかげろう

誰かのお話
内緒のお話

「あの××には
少×の××がいる」

庭先枯れた
死人花

君が悪い

829:アビス◆wc:2019/08/04(日) 23:02

透明なコップの中に
詰まっている服の
着ていない人間達

私は其の中の
一人の人間を

つまみあげて
じっと見た

目を凝らすと
そいつの胸の真ん中に
どす黒い物が見える

それを捕まえて
引き剥がした

どす黒い物は
捕まって わたわたと
慌てている

どす黒い物を
剥がした人間は
指一本も動かない

どす黒い物を
私は飲み込んだ

つまみあげた人間は
焼却炉へ捨てた

830:アビス◆wc:2019/08/09(金) 00:10

10本のまっすぐな
針金が並んで
おりました

「触ってはならない」と
紙に赤字で
書いてありました

私は其れを見た時
すでに針金の一本を

手に取り
触れておりました

そして其れを
何を思ったのかねじ曲げて
元の場所に置きました

次の日になると
10本の針金は全て
曲がっておりました

「触ってはならない」と
紙に赤字で
書いてありました

私は其れを見た時
何も思わず
立ち去りました

831:レミング◆yc:2019/08/09(金) 16:59

彼女は髪の中に
金魚を飼っている

胸びれをひらひらと
背びれをひらひらと
尾びれをひらひらと

ひらひらと

彼女の美しい
緑の黒髪を
金魚は幽雅に泳ぐ

金魚はどれも赤かった
夕日を切り取ったような
口紅を水にといたような
血のような


ふとその中の一匹が
■■に似ていると
思った

何故かは
分からない

何故かは
分からないけれど

言ってはいけないこと
だったとも思った

……遅かった

彼女は突然
こちらに振り返り

僕をまるごと
飲み込んだ

832:レミング◆yc:2019/08/09(金) 17:18

ふと気が付くと
目の前は
なにもかもが
赤かった


僕の目に赤いヴェール
のようなものが
被っているようだった

よく目を凝らすと
それは表面だけではなく
内側からも
透き通っている

……血が
赤い血が
血が通っている

葉脈のように
太い管が分岐して
また分岐して
全身に赤を
廻らせていた

それは金魚の腹だった

そしてようやく
気が付いた

僕もあの金魚達と同様に
彼女の髪の中へ
入ってしまったのだと

僕自身も金魚に
なってしまったのだと…

こぽり

不思議と
不快感は無く…

こぽ

むしろ心地良いとさえ
感じる…

こぽぽ

彼女の美しい
髪の中を泳ぐことが
出来るなら…

こぽ

それも悪くない……

こぽり

833:アビス◆wc:2019/08/09(金) 20:36

今日 僕の家の庭の一つの穴に
お父さんとお母さんをうめました

一つのフトンで
仲良くなっている所を

シャベルで思い切り
殴りました

重たい体をひきずって
二人をいれました

(穴からは 父と母の
手が出ている)

(僕は其の前で
茶を飲んでいる)

次の日はいじめっ子が
僕の家に来た

僕はアーモンド味の
チョコをいじめっ子にあげた

チョコを食べたいじめっ子は
泡を吹いて倒れた

(僕は穴に
いじめっ子を入れた)

(穴からはいじめっ子の
顔がこっちを見ている)

(僕はお面を
いじめっ子に被せた)

次はこの穴に
誰を入れようかな

僕の友達が
いいかな それとも…

この詩を読んでくれている
君が いいかな

834:レミング◆yc:2019/08/13(火) 15:01

今まで詩を書かせて頂き、ありがとうございました。
何時までもアビスさんのスレッドに居座るのも申し訳ないので、ここに詩を書き込むのは終わりにしたいと思います。
いずれは自分のスレッドを立てる心算ですので、その時は偶に覗いてみてください。

アビスさんの詩は仄暗いものが多く、その分自分の黒い所を赦されているようでした。
読んでいて心休まるというのは初めての経験でしたので、とても新鮮な気持ちでした。

きらきらした可愛らしい詩はあまり得意ではないので、アビスさんのスレッドに出会えたことで新しく自分の居場所が出来たような気がして、つい長く居座ってしまいました。
詩を書き込むことがなくなるだけで、このスレッドへはこれからも顔を出すと思います。 

最後になりますが、アビスさんの文章がとても好きです。 
これからも無理のない程度に頑張ってください。 

835:アビス◆wc:2019/08/16(金) 02:58

>>834
私も楽しかったよ、
貴方の詩を見ていて
次はどんな事を書いて来るのか
心待ちにしていたんだ。

…赦す…か、
深淵はね、全てを受け入れるんだよ。
善も悪も、分け隔て無く
己が底無の闇に只、呑み込むんだ。
其処には争いも、平和も無い。
謂わば「虚無」と呼ぶべき世界へ導く為の入口…

此方こそありがとう
これからも頑張るよ。

836:アビス◆wc:2019/08/18(日) 21:10

お前を見ているよ
四六時中ね

何時でも何処でも
何処でも何時でも

起きている時も
寝ている時も

ご飯を食べている時も
私はお前の直ぐ側に居て
お前を見ている

お前は知らない
だろうけど

お前が胸の内に
閉じ込めている

他人に云えやしない秘密を
私は知っているよ

837:アビス◆wc:2019/08/20(火) 23:32

我ハ人間ヨリ先ニ
コノ地ニオリ立チ
住マイソシテ護リシ者

コノ地ニ村ヲ開拓シタ人間等ハ
我ヲ神トシテ畏レ敬イ
祠ヲ建テ崇メ奉ッタ

我ハ人間ニ豊穣ヲモタラシ
人間ハ感謝ノ意トシテ
穀物等ヲ我ニ捧ゲタ

月日ガ経チ我ガ前ニ
捧物ハ無クナッタ

ダガ人間ハ我ニ
豊穣ヲ求メ続ケル

戒メノ意ヲ込メ
風ヲ起コシ
畑ヲ荒ラシタ

ソシテ人間ハ我ヲ
悪ダト云イ封印シタ

何故我ガ
封ジラレネバナラヌ!?

嗚呼貴様等人間ガ憎イ
ナラバ本当ニ悪神トナリテ

人間を祟リ
呪ッテヤル!

838:アビス◆wc:2019/08/21(水) 20:43

黒い猫が
墓を掘っている

私は木陰で
本を読んでいる

黒い猫は
墓の下に埋められた

腐りかけの死体を
食べている

腹いっぱいになると
黒い猫は膝の上に乗り

ごろごろと
喉を鳴らして眠っている

やぁ お腹いっぱいに
なったかい?

お前は全く
猫餌を食わないもんね

人間の死体しか
食わないもんね

不思議な猫だよ
全くお前は

839:アビス◆wc:2019/08/21(水) 20:45

ギィぎいぎいギィ
木作りブランコで
遊ぶ子供と

ぎいギィギィぎい
首に縄掛け揺れて
力無く垂れる大人

二人は一緒
一つの木で


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