“深淵唱詩”

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1:アビス◆wc:2017/10/12(木) 06:11

思いついたら取りあえず書く事に決めた(センスは皆無)。

電柱から覗く君は誰だろか?
私はコソリと確かめゆく
けれども何時もシュッパイする

今日も君はシャッテン延びる電柱から私を見ている
そんな所で見てないで早くお入りよ
けれども君は首を横に振る

レーゲン降る日も
シュタルカー・ヴィント吹く日も
君は只私を柱から覗くだけ

何故かと私は君に聞いた
君は口を開いた
“だって僕はゲシュペンストだから”

369:アビス◆wc:2018/05/21(月) 21:21

「月と雲の怪物」

瓦斯灯の光が
其の下で佇む私を
仄かに照らす

宵が深まり
見上げる空には
曇天が広がる

僅か乍見える
闇色の隙間からは
月が朧気に覗く

若し 空に怪物が
現れたと云うのならば
私は雲と月を指差すだろう

月が怪物の目となり
雲が怪物の体となるからだ

変幻自在の其の体は
魚にもなる
羊にもなる
竜にもなる

だが今日は
怪物は姿を現さずに
眠るようだ

雲と月にめくるめく
我が空想を黙して語る

口を開いて語らば
人は私を奇なり妙なりと
見るだろう云うだろう

そうは見られたくないが故に
空想家たる私は
黙して語るのだ

370:アビス◆wc:2018/05/22(火) 01:02

「影堕」

深淵色の長外套が
木枯らしにて煽られる

揺らぐ木々と
瓦斯灯によって
映し出される影が合わさり

私の影では無い様な
錯覚に襲われる

其の姿はまるで
地に堕ちて黄昏る天使の様

舞う木葉
影を見つめれば
漆黒の翼

ならば私は
さしずめ堕天使か
過ぎ去る刻に身を委ねる…

371:アビス◆wc:2018/05/22(火) 21:53

「待つ者」

まだ来ない…
我が意中人よ

場所は確かに伝えた筈
この瓦斯灯の下だと

私と意中人は互い違えぬ様
入念に確認をした

そうしなければ
私も意中人も直ぐに
忘れて仕舞うからだ

今日こそ私は
想いを伝えねば

外套のポケットに
忍ばせた物を握る

青く小さい箱が
意中人に対する
私の想いだ

だが意中人は
来る事は無かった

代わりに鳥が
告げてきた

意中人とはもう
永に会えないと…

372:アビス◆wc:2018/05/22(火) 22:39

「冷祈」

教会の鐘が鳴る
雪が積もり
石の意中人の前

私は佇んで
黙していた

ようやく開く口は
問いばかり

私と御前は
意中人では
無かったのか?

何故誰も
私に教えて
くれなかった?

何故だ…何故だ…?

問う声は
鐘の音に
掻き消される

問う事すらも
許され無いのか

墓標に縋り 跪く

ならば私は
御前に祈りを
捧げよう

冷たい祈りを
与えよう

ポケットの中の
青い小さな箱は
御前にくれてやる

伝える筈だった
私の想いだ

もう私には
必要の無い物だからだ

373:アビス◆wc:2018/05/23(水) 21:03

「虚無の器」

「あれ」は只
世に存在する
だけの者だ

「あれ」は
感情を露にすれど

其れは
他人の為等では無い

全ての感情は
「あれ」にとって

只 生きる道具に
過ぎない

実質 「あれ」は
何に対しても
心の底から

感じた事は無いのだから

「あれ」には 何も無い
がらんどうだ
冷えきっているのだ

其れ故に
心地良く

だからこそ
我等が器に
相応しい…

我等が名は「虚無」
あれが名は「私」

374:アビス◆wc:2018/05/24(木) 21:19

「彷徨の揺り篭」

空を裂いて現れた
黒き翼の大群が

死の揺り篭が
舞い降りたんだ

力の弱い女子供は
簡単に連れていかれるから

家から出ては
いけないよ

夢みや 夢むや
揺り篭の中で

指を折って待て
命絶の終曲を

黒のボロベール
羽織った聖母が

優しき瞳を向けて
歌ってくれるから

聖母の瞳に
光は宿らない

代わりに闇が
沈み 深む
聖母の躰に

はち切れんばかりに
闇を孕む聖母は
口から吐いた

汚泥の様な
其の闇の中で

蠢いている
新な命

聖母は冷たいよ
命を命と
認識しない

聖母から産まれた
落とし仔は

自分が何か判らず
温愛を得られずに

血肉の境界線を持たぬ
骨と皮のみの手足

口はあれど
言葉を知らないから
開いて閉じるだけ

いくら己が喰らおうと
満たされはしない
揺り篭の体には

腐臭ただよう
魂の無い肉が
詰まってる

骸のみで創られた
歪なる形の大鎌は

寄り処を探して迷う
魂を飲み干す

眠りから覚めてしまえば
視界にうつる物全てを
狩り喰らい尽くさねば

揺り篭は
眠らない 眠れない

375:アビス◆wc:2018/05/25(金) 23:44

「ペェナンスのリンゴ」

涙してリンゴを
かじる女の姿

浅き泉の上で
真っ直ぐ立っている

女がリンゴを
かじる度

泉から蛍の様に
何かが飛んでいく

飛んでいる何かは
淡い白光を放ち

女の周りを
くるくる回り
体に入る

女は其の度に
血を吐けど
リンゴを食らうのを止めない

自らのクライムを
一つのリンゴに込めて
いるとするならば

淡き白光は罪の現界か

女が血を吐く様は
背き続けた
罪と向き合い解放し

罰として再び己に取り込み
ペェナンスとしているのだろうか

吐き出した血が
泉を染める頃には

真っ白とした
女の姿があるのだろう

376:名を捨てし堕天使@羊噛民族◆qA:2018/05/27(日) 22:10

美しい、ね。
その語彙力はもう神に等しいでしょ。
尊敬。。

377:アビス◆wc:2018/05/27(日) 22:16

>>376
嬉しい事を書いてくれるねぇ。
励みになるよ。

378:名を捨てし堕天使@羊噛民族◆qA:2018/05/27(日) 22:19

>>377
がんばれがんばれアビスたんっ
(励ましのつもり)

379:アビス◆wc:2018/05/27(日) 22:21

何がさぁ
楽しい訳よ?

ツツジの花を
千切って

蜜をぢうぢう
吸ってんの

そいでポイと
捨てりゃあさ

足でグリグリ
踏んでるんよ

踏みつけられた花に
口がありゃ
絶対痛いって云うだろうぜ

花からはさ
汁が出るんだよ
人間よりかは鮮やかな

赤とか紫とか
あぁ 後 黄色とかもあるな

人間は花程
色は出せねぇよ

出せるとすれば
叫び声くらいだろォな

でも人間も
花なんだよな
ある意味で

380:アビス◆wc:2018/05/27(日) 22:23

>>378
ふふ、頑張るよ。

381:アビス◆wc:2018/05/27(日) 22:32

「麻袋女」

頭から麻袋を
足だけ出して
被ってる女がいる

真ッ赤な真ッ赤ナ
ピンヒィル履いて
立ってるよ

馘辺りにはさ
注射針が輪になって
刺さって

中には群青が
入っているんだ

痛いだろうと
引っこ抜こう

女が怒ったんだ
ヒステリィックに
金切声よ

喧し過ぎる
もんだから

馘輪の注射針を
一本ぶっ刺してやった
女は黙ったよ

其の後
アッハアッハ
笑ったんだ

あんまりにも
笑うもんだからさ

更に
刺してやったのよ

足をばたつかせて
キャアハハハハ
狂笑っている 女

382:名を捨てし堕天使@羊噛民族◆qA:2018/05/27(日) 22:33

>>380
力作、待っとるよー!

383:アビス◆wc:2018/05/28(月) 21:46

金魚鉢を割った
わざと割った

持って床に
叩きつけた

綺麗な硝子片
撒いた水
跳ねる金魚 可哀想

水の中にいなきゃ
苦しいもんね

ピチピチピチ
ぺったらぺったら

あまりにも
苦しそうで
見てられない

だから
水の入ったヤカンに
入れた

金魚を入れた事を
覚えていながら
火をつけた

蓋を外して
中を見る

煮えてる
金魚達

沸騰して
湯の中で
回る金魚達

ぐつぐらぐるぐる
ぐつぐらぐるぐる
ぐつぐらぐるぐる

息が存在してる金魚達
狭い水槽に押し込んだ

息が無い金魚達
板の上に置いといて

ピンセットで
鱗一枚イチマイ
剥がし取る

ぺりぺりぺりぺり
ベリベリベリベリ

体の部分は
要らないけど
墓を作りたくない

哀しんで心が痛む
そんな気持ちが
一片すら無い

猫にあげた
金魚達は
丸飲みに

せめて
噛んで
欲しかった

ぼりぼりと
小骨が砕けて

ぷちぷちと
眼球ひしゃげて

そんな音が
聞きたかったのに
自分じゃ良く判らなくて

金魚に餌を
あげなければ

ほら餌だよ
美味しいかい?

384:昂城◆ho hoge:2018/05/28(月) 21:49

すきです。あなたの世界観が本当に好きです。

385:アビス◆wc:2018/05/28(月) 22:45

>>384
そう云って貰えるのは
嬉しいよ。有り難うね。

386:アビス◆wc:2018/05/29(火) 21:04

「おくるみ」

母から生まれた胎児は
臍の緒を引いたまま
おぎゃあ おぎゃあ

胎児がいくら
泣いてても
母は返事をしてくれない

小っちゃ手で 母の皮を
引っ張った

皮はズルリ剥けて
胎児のおくるみ
あったかいねぇ あったかいねぇ

でも繋がった
まんまだから
寒いねぇ 冷たいねぇ

お母さんの
おなかの中で
またねむるんだ

寒いね お母さん
あったかいね お母さん

387:アビス◆wc:2018/05/29(火) 21:11

鳥籠頭の
車椅子
カラ カラ カラ カラ

手には鉄棘輪
グサリと離れない様
お願いします

食い込む拷問木靴
歩けはしないが
靴と呼ぶ

口には猿轡
切った舌は入れたまま

腕とか足とかに
蝋燭並べて
誕生日のお祝いだ

ポタポタ垂れる
白赤蝋
火が燃えて パチパチパチ

目ん玉抉って
腹の中

黒々穴に
カンディル入れて
踊り喰って

皮は胸を
隠す服

車椅子を押す手
崖に向かう

海に落ちた体
貝の家

388:アビス◆wc:2018/05/30(水) 22:04

「ハウラ」

この扉の先にある
世界を私は知らない

この部屋から
出た事がない

愛しい人が
私の為に
作ってくれた部屋

私がもう
誰にも何にも
傷つけられる事はない

けれども
外から聞こえる
楽しそうな声には惹かれてしまう

鳥がチチチチ鳴いて
私の事を哀れだと云う

私の何処が
哀れなの?

私は満たされている
ここにいるだけで
愛しい人は笑んでくれる

外に出てはならないのは
愛しい人が私を守る為なのだから…

(彼女は哀れでしかないよ
自分が人間でなくて
コッペリアの様な扱いに)

(いまだ気付いて
いないのだから…)

扉には鍵が
掛かっているけど

これも愛しい人が
私が外界に
毒されない様にした事

愛しい人が帰って来た
私は飛びついて
抱きしめる

愛しい人は
私を優しく
抱きしめ返す

膝の上に私を乗せては
絵本を読み聞かせてくれる

私は幸せよ
それでいいじゃない…

389:アビス◆wc:2018/06/01(金) 23:52

初めて見た時
俺はお前を
救わずにはいられなかった

姿はみずほらしい
那由多の加虐により
傷ついた体

悪口の門から放たれた
罵詈雑言に
心を切り裂かれ

絶望の逆光しか
浴びなくなった

そんなお前に
俺は光を
見せたくなった

最初から
心を開く事は無いと
判っていた

それでも俺は
お前を見捨てなかったろう?

例え 引っかかれようが
噛みつかれようが

何れだけお前に
傷をつけられ
嫌われようが

俺は只
お前の側にいて

お前の言葉を
聞き続けた

其の内に
お前は心を開く
様になり

笑顔も
増えたな

何時も俺だけに
見せてくれる
お前の仕草

怖い時は
腕にしがみついて
震える…

そんな時は
頭に手を置いて
優しく撫でてやれば

安心して
眠ってくれる

愛おしい…

お前を外界の毒から
守るには
どうすれば…

嗚呼 何を悩む事が
あったんだ
閉じて仕舞えば良い

たった一つの
部屋と扉があれば
それが出来る

お前の好きな物を
部屋に積めて
幸せとしよう

其の前に教えなければ
外界は恐ろしくて
お前にとって毒だと

それもこれも全て
愛しき彼奴を守る為だ
可笑しい事は何一つ無い

そうだろう?

鳥が何か云っているな
まぁ どうでも良いが…

(彼の男は歪だね
自らの欲望との
区別がつかなくなってる)

(瞳を見れば判る事さ
暗澹に染まりきってる)

390:名を捨てし堕天使@羊噛民族◆qA:2018/06/02(土) 22:14

詩の時はタルタロス口調なのに返信はアビスなのが好き、大好き(語彙力皆無

391:アビス◆wc:2018/06/02(土) 22:54

>>390
ありがとう!
語彙力とか私は全く気にしないよ
私自身も実を云えば
そんなにある訳じゃ無いからね

392:アビス◆wc:2018/06/02(土) 23:07

「三途舟人」

舟を漕いでいる
緩やかな川を 流れ下って

バシャバシャと 櫂の棒が
水を掻いている

舟はギイギィ
云っている

舟にはさ
人が乗ってるんだが
皆 同じ格好デヨ

頭に三角巾で
白っろい装束
着てんダワ

緩やかだろうト
気を付けナ

この川にゃあ
おっかない 大っきな
蛇と蟹が住んでんだワ

蛇は丸飲んで
蟹は捕まえて
ちょっきんナ

身を乗り出しゃ
即座に餌食

落ちようとも
助けはしなイ

わっしまで
食われたくねぇノ

無賃乗舟は
お断リ

焔の底迄
真ッ逆サまナ

六文銭さえ
くれりゃあよ

わっしは文句云わずに
運んでやるヨ

393:アビス◆wc:2018/06/02(土) 23:16

お前様よ
私が花粉症だと
知っての事で

右手に持ってる
赤い薔薇の
花束は何だ?

おかげで
先刻から嚔が
止まりゃあせんのよ

お前様はニコニコ
笑ってるがあよう

私は今直ぐにでも
花束強奪取って

お前様を
しばき回してぇのです

お前様の方が
余っ程似合うよ

脳内にそんだけ
咲かせてんだからサ

外っ側にも
咲かりゃあよ

阿呆を
通り越して
ラリパッパだワ

394:名を捨てし堕天使@羊噛民族◆qA:2018/06/03(日) 00:32

>>391
語彙力の塊様なのに何言ってるんだいw

395:アビス◆wc:2018/06/03(日) 21:46

>>394
あっはははは!(笑い)
其処迄云ってくれるなんて嬉しいな。
ありがとう!

396:アビス◆wc:2018/06/03(日) 21:56

「優しいお医者さん」

真赤い服を着た
ナアスがさ

右側に立って
見下ろしてんだ

メスを持って
腕を舌舐めずりし乍
見てんのよ

真緑の服着た
ナアスがさ

左側に立って
見下ろしてんだ

鰹の烏帽子の
毒が入った注射器持って

真赤いナアスとは
対称的に 無表情

手術扉が開いて
医者様のお出ましだ

患者の命で
肥えた豚腹からは
ブルジョア臭が漂っている

金歯見せて
笑ってんじゃねぇわ

引っこ抜いて
質屋に売んぞ

怖くないよ
痛くしないよと
優しく云ってやがるけど

じゃあ背中で
ガチガチ云わす
やっこは何だ

しかも馬鹿見てぇに
でけぇしよ

歯ぁどころか
頭骨まで
ひしゃがす気か

このいかれ
病医者共が

397:詠み人知らず:2018/06/04(月) 20:36

両腕に
抱えているのは
焼き瀾れた赤ン坊

抱いているのは
赤ン坊の頭皮を
被った母親

乳白色の飲物を
与えてみても
飲まずに吐いた

母おやが代わりに
それを飲んだ

赤ン坊の口から
母オヤが

母オヤは赤ン坊に
子守歌を歌う…

寝ん ねん 殺 リ
ネン 殺 リ
坊 ヤハ 良イ 子ダ
眠ン 寝 死 ナ

398:アビス◆wc:2018/06/04(月) 20:37

>>397のは私の詩だよ。
ちゃんと名前入れたんだけどなぁ…

399:アビス◆wc:2018/06/04(月) 20:52

「虚獄淵獣」

深夜の草原を
疾走る獣が 一匹いた

月は出ていないから
道標は存在しない
只 闇い 闇いのだ

其の獣は
何を以てして
疾走るのか

飢えを満たす
訳では無い

渇きを潤す
其れでも無い

只 己がの
死が為なのだ

獣の姿は
深淵の化身と
見紛う程黒く

眼は地獄の血の池を
一掬いした様な赤色

牙と爪は
真昼の虚月の様に
異に 白い 真白い

そして獣は
探している

天の御使の如き
白い大鳥を

其の鳥の全てを
奪って喰らい尽くし

自らが生きて
全く満たせなかった
飢えと渇きを

其の鳥で満たせば
獣はもう 生きる
意味を失い

永寧の死を
得る事が
出来るのだから…

400:アビス◆wc:2018/06/04(月) 21:02

「蒼白天鳥」

蒼穹に
翼を広げ飛ぶ
鳥がいた

太陽を背に
地上の慌ただしく
駆る獣等を尻目に

風を友として
悠然と舞い遊ぶ

蒼穹を背景に
白き翼を魅せる姿は

天界から遣わされし
神々の御使いを
彷彿とさせる

目の色は青い
生命の母なる海を
具象化した様な

対称的なのか
爪の色は赤い

かつて悪魔によって
堕落した街
ソドムとゴモラを

命じられて
焼き亡ぼした
神の炎が如き

そして鳥は
探している

闇き深淵の
汚れし獣を救う為に…

401:アビス◆wc:2018/06/05(火) 20:42

美味しかった
彼が食べた
物の全てが

いらないと拒んで
吐き出した物も

彼の味がした
食道を通り
私の中に入る

其の瞬間
一つになっているのだと
感じ 喜びを迎える

彼が何も食べない日は
私もまた何も食べない

彼の中に食物が
あるのならば

私は吐かせてでも
彼が食べた物を

食べたい

そうしなければ
私は彼との愛を
感じられない

繋がっていないのだと
不安に駆られる

私は考える
彼自身の味は
どのような

目の前に盛られた
「料理」を見て

この料理は
かつてない程の喜びを
私にくれるのだろう

そして永遠に
繋がっていられるだろう

402:アビス◆wc:2018/06/06(水) 20:56

「宿痾の茨」(全6章)
(1)
私の寝床は
白花の群

べんぷくが
上を飛び

しゃれこうべが
地獄の詩を

或る処を旅する
一人の青年の

呪われし詩だと
人は忌避する

私にとっては子守唄
それを聞いて私は眠る

403:アビス◆wc:2018/06/06(水) 20:59

(2)
私を守るは
緑の茨

近付く者を
不条理に

生けとし者等を
屍体に変える

刺し貫いた
肉は溶け

茨の養に
私の口に

残された物は
白花の群に

404:アビス◆wc:2018/06/06(水) 21:05

(3)
静寂 静謐
私の隣人よ

倦る怠く眠そう
私の頭を撫でる
黒無垢の女となってくれ

男でも良いのだが
如何にも無骨で
夢見る事が出来やしない

あぁ それよ おぉ これよ
親が己がの愛しきやや子の様に

私の目を閉じさせて
午睡へと誘い給へ

405:アビス◆wc:2018/06/06(水) 21:08

(4)
私は起きる
黄昏に

鴉が空切る
阿呆と鳴く

夕日の下影に
手を伸ばし触れようとも

無情にも影と
其の主は去って行く

届かぬよ
届かぬのよ

茨には届けど
私には

406:アビス◆wc:2018/06/06(水) 21:10

(5)

闇染の空に
月が昇る

隠れた太陽の
光を浴びて
月と星が黄と白に輝く

しゃれこうべの一つを
逆にして

血の杯に映る
波で歪む月星見つめて
すすり飲む

407:アビス◆wc:2018/06/06(水) 21:15

(6)
闇は深まり
月も出ずらず
雲の幕引き

白花の群は
今日も増えた

不知婦が
鳴いたから

私はまた
眠ろう…

次は金糸雀が
鳴く迄
朝を迎えない

ずっと
しゃれこうべは歌うよ
猟奇の詩を

408:アビス◆wc:2018/06/08(金) 23:14

「キンデルの少女」

キンデルダイクの風車
チウリップが咲いてる風景

一眼レフカメラを持ち
広い鐔の白帽子を被っていて

白のワンピィスを着た
幼気の残る可憐な少女を
一枚の紙に収める

日常によくあるのかと
存外そうでも無いらしい

春が吹いた
花弁と共に少女の帽子が
連れ去られる

きっと風精霊の
悪戯なのだろう

少し跳んで
少女の帽子を
捕まえた

チウリップの花畑に
体が沈んだ

少女は心配そうに
顔を覗く

少女の金色の髪先が
当たる形に
こそばゆい

帽子を返した
少女は抱きついて
お礼を云った

そんな無邪気な顔を
向けられたら

此方は何も
云う事が
出来なくなるだろう

少女は母親らしき者に
手を引かれて
彼方の方へと去る

去り際に
少女は手を高く
振っていた

私も同じく
手を振る

一枚の写真を
記録帳に収めて
私はまた歩き出す

409:アビス◆wc:2018/06/10(日) 21:00

「マカーブルの烈女」

ツタの葉
蔓延る 古き城

ひび割れた窓から
光が差してる

中から聞こえる
金属のぶつかる音

一人 女が踊っていた
周りに浮いているのは
両刃片刃 様々な剣

女が踊る度
周りの剣も追従し
対峙せし者を切り刻む

ひらり舞う 黒衣の妖しさ
飛沫く血の苛烈が 相まって

女を殊更に
引き立たせる

魅惑等は
とうに超え

シャルマンの域に
達している

近くで見たいが
恐らく 其処の者と
同じ運命を辿るだろう

只の旅人たる私では
マカーブルの舞踊相手は務まらない

410:アビス◆wc:2018/06/10(日) 21:15

「dea」

神殿の井を
見上げる

崩れた所に
明けの明星
己は此処にいると

云わんばかりに
瞬いている

ヴイナスよ
判っているさ

おまへが何の星よりも
強く 強く輝いている事位

だから直ぐに
おまへを見つけられる

一部が欠けた
サンタ・マリヤの
彩色硝子の上

刻示の針が
或る時を示した侭
止まっている

祭壇の獣が
苦しみ喘いだ死体の前で

跪いて
祈りを捧げる
者がいた

ヴイナスの金光によって
姿が露になる

骸が祈っていたのだ
砂にまみれた
ローブを着て

骸の両手にあるのは
銀の懐中時計
十字架が彫られている

生前は聖職者
だったのだろう

祭壇の獣に
火をつけ燃やし

白百合の花を添え
骸の隣で私も祈る

私に出来るのは
此れ位だ

灰の獣よ
骸の聖職者よ

おまへ達は
時から解放された

行くが良い
女神の元へ

411:アビス◆wc:2018/06/11(月) 22:07

「パラキート」

ピィピィ鳴いてる
インコが可愛くて
籠から出した

指に乗せて
頭を撫でる

何が気にくわないのか
指をつつかれた

二度とつつかれたくない
だから嘴を切った

次の日から
つつかれなく
なったけど

可愛く鳴く事も
無くなった

インコは籠の中で
動かず其処にいる

インコを土に埋めた
生きている様な気はしたが

私は埋めた
生きていても
埋め続けたであろう

友達が来て
インコは何処と
聞いたので

私は盛る土を
指差した

友達は怒って
そして 泣いた

そういえば
あのインコは
友達のだった

あまりにも泣くので
土を掘り返し

インコを
友達に返した
口の中に

412:アビス◆wc:2018/06/13(水) 21:49

太陽が嗤っている
薄気味悪い 目をしながら

空の色は
くらついて仕舞う程
鮮やかな紫と黄

それが混じって
うねうねするものだから
時間感覚が失われる

否 其もこの空間に
時は存在するのか?

地を歩く
何時か人に
会えるかもしれない

色は空に負けじの
サイケデリック

目に星が入る程の
ピンクと緑

道の真ん中に
黒い玉が
落ちている

コロコロコロコロ
回って転がる
私の周りを

少し離れて
大きくなった

手が生えて
地団駄

オレンジの歯を
カチカチ云わして
カチカチカチカチ

笑っている 嘲笑っている
嗤っている

アハハのハ
アハハのハッハ
アハハのハッハッハ

413:ねこさ◆Qc:2018/06/14(木) 18:18

続いてますね
尊敬します
アビスさんの不思議な世界観大好きです
これからも待ってます

414:アビス◆wc:2018/06/14(木) 21:07

>>413
ありがとう!
頑張るよ!

415:アビス◆wc:2018/06/14(木) 21:15

海に落ちた
底から見上げても
日の光は届かず

周りを見渡しても
暗澹としていて
岩しか判らない

通り過ぎる魚等が
私を見ては 嗤ってる

馬鹿だ 馬鹿だと
罵って

嗚呼!そうさ!
私は馬鹿さ!
だからこんな事に!

誰かを信じたら
こうなった

いっその事
心が壊れる迄
私を嗤えよ!

下手な慰め
心にも無いことなぞ
いらん!

其の方がもう
清々しい!

どうせ助けなんぞは
来ないだろう

自力で上がろうにも
体の何処も
動きはしない

深海の底が
私の墓場か…

なんとまぁ!
広き事だろう

落とされた
怒りも恨みも悲しみも
忘れる位に

愚かな私には
贅沢過ぎる!

416:アビス◆wc:2018/06/14(木) 21:21

壺に蟻を入れる
百足を入れる
蛙を入れる

他にも生物入れて
蓋をして逃げぬ様
閉じ込めたなら

さぁ
観察でもしようか

互い互いに
喰らい合え

お前等全てが
補食者 餌だ

下剋上は
当たり前

生きたきゃ喰らえ
家族や同胞

尸にたきゃ喰われろ
家族や同胞に

私は示そう
社会縮図を
この壺で

中の生物は
所謂人間

平等 平和
秩序が語る
ぺてん言葉

そんな物は
此処に無い

あるのは
生きる 喰らうの
貪欲なる生存本能

417:アビス◆wc:2018/06/15(金) 23:16

「集合写真」

写真を見つめる
笑顔の人間が
写っている

私は針を
突き刺した

無性に憎くなり
突き刺した

これだけでは
収まらないので 火で炙る

燃える写真に
溶けた笑顔

私はそれに
心から安堵する

穴の開いた顔に
黒インキを注射した

あたかも存在が
無い様念入りに

写真の中の
皆が消えた

最後に自らを
首だけ切り捨てた

集合写真なんて存在しない
誰もいない 私もいない

418:アビス◆wc:2018/06/17(日) 22:50

「黄金泡時代」

熱気と狂気が
入り混じり
黄金の泡が生まれる

人が踊れば
金の風

風が舞えば
塔が立つ

バベルみたく
恐れを知らず

兎に角生きた!
兎に角笑った!

其の時代の者達は
己を示した

眩き
束と共に!

マルコポォロよ
私は見たぞ
ジパングを

時を超えて
確かにあったのだ
黄金郷が!

そして其れは泡沫だった
黄金の泡が見せた
夢想だった

消えたのだ
突如として

陰鬱なる
心の影が
人々に堕ちて来た

栄えし物よ
亡びろと

人がおらぬ塔は
汝等の墓標か…


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