オーディナリーを乗り回して、貴方と鉢合わせられたら >>2
あした
あなたに
あえたら
雨の日は もう一つ街が見える
水たまりに映った にじんだ街
車のライトがぼやけて映って
街がはじけた
もうひとりのわたしもはじけた
雨の日は もう一つ街が見える
水たまりに映った きみとぼくの
きみのめじるしは、
たとえばかわいいえくぼだったりして、
きみへのめじるしは、
たとえばうなじのほくろだったりして、
きみへのめじるしは、
きみをみると、体が火照るあの感覚だったりする
その日はありえないくらい早起きしたし、
その日はいつもより念入りに寝癖を直した
その日はいつもより丁寧にスキンケアとかしてみたし
その日は新作コスメとか使ってみた
その日はシャンプーだって変えたし
その日はいつもより時間をかけて服も選んだ
君は絶対に気づいてないけど
わたし、きっといつもよりかわいいよ
きみの瞳に吸い込まれた
レンズ越しの視線 その先の
ふときみを見つめた
目が合ってしまって そっぽをむく
太陽の光を受けて
透き通ったきみの瞳 涼しげなめもと
かわいいものとかきれいなもの
カメラに移したら捨ててしまおう
好きなもの好きなままいつか
あたし大人になって 今も視線気にしてる
厚底の靴の音 リボンを揺らして
移りゆく街並み ドッペルゲンガーを探してる
怖くないように 見つけたらシャッターを切ろう
嫌いなもの 全部切り取って あたしの姿だけ
理科室からポップコーンの匂いがした
別に爆発が起きたとかじゃなくて
なんか ポップコーンみたいな匂いがしたの
そう 映画を見てるような
ポップコーンの匂いがしたの
ああ、塩味だな、って思ったの
「 どうして? 」なんて言われて説明できないけど
とりあえずきみが好きで、でもそれだけじゃ、きみは。
「 どこが? 」なんて言われても答えられないけど
どこまでもきみが好きで、でもそれだけじゃ、きみは。
きみとふと目があって、頬が綻ぶなどしました。
きっとわたしは悲劇のヒロインを気取りたいタイプだから、きっときみに好きな人がいることを含めてきみが好きなんだと思うの。そう割り切りたいのに、やっぱり悔しかったりもするの