本当は言いたいよ、君に___。

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1:結夏:2016/05/25(水) 21:09



*川坂 ゆりあ
神谷駿に想いを寄せている。
常に笑顔でポジティブ思考。

*神谷 駿
学年の数人が「イケメン」と言っている。
男子友達からは「性格良すぎる」と言われており
頭も良くスポーツができるが少し口が悪い。

*蒼井 佳奈美
男子友達が多い。
ボーイッシュでフレンドリー。

*柿谷 愛
学校では少しヤンチャをしているが
根は優しい。片想い中。ゆりあのクラスメート。

*岡本 聖矢
女友達が多く短気。
キレると誰かれ構わず暴言を吐く。
割りと優しい一面も。

2:結夏:2016/05/25(水) 21:15



       『 一目惚れ 』

ある日の放課後。
私は愛と英語のワークをしていた。

「…ゆりあ、ここ教えて」

いつも通り愛がしかめっ面で
私に聞いて来た。

私だってそんなに英語は得意じゃないのにね。

「んー?どこどこ」

私は愛のワークを覗き込み
伺った。

「ここ」

愛がバシッという音を立て
問題に指をさす。

どうやら、わからなくてイライラしているらしい。

てゆうか、こんなの全然わからない。

「わかるかよって」

私は愛の頭を軽くペシッと叩いた。
そしたら、愛が笑うから私も笑ってた。

本当、いつも通りの放課後______。

3:結夏:2016/05/25(水) 21:29



すると、なにやら
後ろから楽しそうな声が聞こえる。

愛が小声で

「岡本…!」

と私に言った。

愛は岡本が好きだ。
すごく仲が良くて見ててこっちがニヤける。
だって愛ってばすごく幸せそうだから。

すると、聞き覚えのない声が聞こえたため
私は後ろを振り返った。

そこに立っていたのは見知らぬ男子。
私は目を疑った。

しばらく、その男子を見つめた。
何秒見つめたは覚えていない。

「おーい、アホアホ、ゆりあー?」

愛が私を呼んでる?
わからない。全くわからない。
完全に頭がボーッとしていた。

「どしたん?」

愛が私の肩をポンポンっと叩いた。
そしてやっと呼ばれてることに気づいた。

「え!あ!ごめん!ちょっとトイレ行かない?」

私が反応してそう言うと
愛はきょとんとしてコクンとうなずいた。

私は愛の手を引きトイレに入った。

「あのさ…あれって誰?」

愛に尋ねて見るが愛は

「え?あれ?ん?なんのこと言ってるの?」

と頭にたくさんのはてなを浮かべて
私に尋ね返した。

「ほらっ岡本と話してた…」

私は自分の説明不足と気づき
改めて聞いてみた。

「あー!あの人か。愛も話したことないけど
名前は知ってんで!確か…神谷。佳奈美と
仲良かったはず」

愛は上を向いて考えて
述べた。

「…神谷?」

私がそう聞くと
迷わず愛は「うん」と言う。

「待って待って待って!
かっこよすぎる!えぇーーーあんなイケメン
うちの学校に居たの!?」

私はずっと我慢していたけど
叫んだ。本当にびっくりだった。
あの時振り向いたら自分好みのあんなイケメンが
居るのだから。動揺が隠せなかった。

「え?え?そんなかっこいいかな」

愛は戸惑いながら言った。

「かっこいい、最高」

私の目はきっと今キラキラと輝いている。
そして、私は愛を連れて教室へ戻った。

4:結夏:2016/05/25(水) 21:40


すると、愛が岡本に話しかけに行った。

「岡本ー!なにしてるの?」

愛は少し照れながらも
元気よく岡本に問いかけた。

「んー?神谷違う地域から来たらしいから
どこから来たか聞いてたんだよ」

岡本は言った。

そうなんだ…私は心でそうつぶやいた。
私達は田舎に住んでるため
高校が少ない。そのため顔なじみが多い。
小中高と同じ人がほとんど。

「そうだったんだ」

愛がニコッと笑い岡本に言う。
愛すごく嬉しそう。

そしたら、愛が

「岡本!ワーク教えて」

と岡本を連れて元の席に着き
私に人差し指と中指を立てて見せた。
ピースしてるんだか二人で話しなよと伝えてるのか
わからなかった。

私は人見知りのため
どうしていいかわからずとりあえず
近くの椅子に座った。

すると神谷が口を開いた。

5:結夏:2016/05/25(水) 21:57


「どこから来たの?」

すごく優しくて少し低い声。
神谷の声は私の体全体に響いた。

「…わ、わたしは!学校のすぐ裏に家が
あってぇ」

緊張して声が裏返ってしまった。
とんでもなく恥ずかしくて思わず下を向く。

神谷のほうをちらっと見ると
なにやら、口角が上がっている

その瞬間

「プッ…クク…」

笑ってる…?
神谷は笑っていた。
徐々に笑い声が大きくなってた。

この人こんな風に笑うんだ。
少し声が高くなるんだ
笑うと可愛いんだな 

そんなことを思っていた。

「俺はちなみにここからバスで2時間かけて
行ける所の中学に通ってたんだ。でも、親がこの高校に通ってて勧められたからこの学校に来た」

神谷は私の顔を見ながら
話してくれた。

そのあとも自分の中学の話。
家族の話。私が質問したら全て返してくれた。

神谷はまた私の顔を見ながら話してくれた。

すごく目を見て話してくれる…
と思ってた。

岡本と愛がワークを終えこちらに
向かって来た。

岡本が

「神谷ー!今日一緒に帰えろ」

と神谷に尋ねると
神谷は微笑み

「うん」

と言って帰った。

愛が岡本に手を振り
私もとっさに神谷に手を振ってみた。

神谷は 「ばいばい」 って言ってくれた。

なんだろう…。
ただかっこいいと思ってただけなのに
神谷の 「ばいばい」 の一言だけで
舞い上がってる自分が居た。

そして、また話したいと思っていた。

今日だけで私は神谷のことをたくさん知った。

お姉さんが居ること。
笑顔が可愛いこと。
目を見て話してくれること。
お父さん似なこと。

私は愛に

「帰ろっか」

と言った。

愛は岡本と話せて
ワークを教えてもらって嬉しかったんだろう
とびきりの笑顔で

「うん!」

と言い私に抱きついてきた。

私の胸がドキドキしてること
愛にバレちゃうかな。


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