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11:空ラビ◆mU:2017/08/01(火) 11:51


あぁ、

叶わない恋なら捨ててしまいたい。

気づかない愛なら壊してしまいたい。


「猫田さん、起きて」

「…え、あ」


ここは、保健室、かな?
白い天井、白いカーテン、硬めのベッド。
あぁ、ここは保健室で…、

「誰、ですか」

目の前に座るのは、綺麗な顔をした男子だった。
不意に、なんて綺麗なんだろう、と思った。
私の好きな人は、茶髪で、いかにもアイドルみたいなキラキラした人だけれど、
目の前の男子は黒髪で、綺麗な人…。

「同じクラスの…、蓮夜。」

「名字は、何?」

名前まで綺麗なだとも思ったけれど、下の名前を知っても、ね?

「…教える気無いよ。それより、どうしてここにいるか気にならない? 」

何で名字を教えないの…と少し苛立ったけれど、別に知りたくもないから質問に答えることにした。

「だって、これでしょ? 」

そういって腕のほうに目をやると、やっぱり包帯が巻かれていた。
自分を傷付けるその行為は、駄目だとも知っていても止まらない。

「…やめないのか」

哀しそうに眉を潜める蓮夜。
優しい人、なんだね。

「やめないよ。だって私は、ひとりだか、」


ら…、


優しい石鹸の香りに包まれた私は、とにかく冷めていた。
抱き締められているとわかっていても、

「あはは、何?初めて話して、可哀想だったら抱き締めるんだね。」


そんな、少女漫画みたいな話、私は、



「だいっきらいだ…」


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