小説板で書いていたけど、短いのでこっちに移動。
【>>0002】 **スレタイについて**
【>>0003】 **作者について・注意etc.**
【>>0004】 **小説について**
「遅れてすいませんー……ん?」
教室の薄汚れた扉を開けると、教室内にはぽつんと1人、幸妃佳が居るだけだった。
あんな風に喧嘩売った後だ、できるだけ関わりたくない人物。
時間割を確認すると、次は体育で、体育館からボールの跳ね返る音が聞こえてきた。
げ……よりによって……。
幸妃佳はおもむろにイヤホンをポケットから取り出すと、それを鞄に隠していたケータイに差し込んで、音楽を聞き出した。
その様子からして、私に何かするような動きはない。
私は一息つくと、素早く体操服を持って更衣室へと走った。
なんだったんだ……?
運動が好きな幸妃佳が、体育を休んだことは一度もない。
なのに、何故__。
まぁ、いいや。
私は着替えてから、直ぐ様体育館へと向かった。
7.
体育では今日からバスケットボールだった。
「ねぇねぇ」
ドリブルの音とシューズの擦れる音が交互に鳴る中、私は暇そうに試合観戦をしている湖都の肩に手を掛けた。
「んー?なぁに?」
湖都はお得意の高い声を出して振り返った後、私の顔を見て小さく舌打ちをした。
「チッ___なんだ莉緒か 何の用?」
おいおい、その対応は無いだろうよ……。
私は苦笑いしながら、目の前に居る相手に聞こえるくらいの声で言った。
「幸妃佳、なんで一人で居んの?」
すると湖都は不気味に笑った。
「なんかぁー、梨華からの“ほーふく”があったらしくってさぁ、幸妃佳はびびってんじゃない?」
報復__?
あの幸妃佳が?
梨華、まさか私たちを___。
私は咄嗟に梨華を見た。
梨華は楽しそうに友達と雑談しているような、そんな、ごく普通の、
中学2年生、だよね_____?