…*魔法少女mirai*7/~*…【創作】

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1: 苺ましまろ*◆LM …*:2016/12/07(水) 05:55




メモ板は若干板違いかもなので…* 😅
基本れす禁です~* (◍•ᴗ•◍)

>>0002

16:苺ましまろ*◆LM:2017/09/08(金) 20:34

私は大きく息を吸い込んだ。
「…………赤色の妖精さ─────ん!
赤色の光の紅ちゃんはここに居るよ─────!」
一か八か、空に向かって叫んでみた。
まるで夕焼けみたいな真っ赤な空に、私の声は吸い込まれていった。
「桃音?」
気が付くと、妖精さんも赤色の光の女の子も闇も、皆が私を見ていた。
「……あはは。こんなんじゃ来ないよね。
紅ちゃんの居場所が分からなくて困ってたら、この声で居場所が分かるんじゃないかなって」
我ながら浅はかな考えだなぁ。単純で、何の根拠も無いのにね。

でも、きっと、赤色の妖精さんに届くよ。
「あなた……」
紅ちゃんは眉を潜めて私を見上げた。
……あれ?紅ちゃんが見てるのって、私じゃない……?

「……ぁぁぁああああああああああああああっ!」
「え!?」
甲高い悲鳴と共に、何かが物凄い勢いで落ちてくる音。
「……え__あっ!」
脳天に衝撃が走る。
__あぁ、赤色の妖精さんが来たんだ。良かったけど、何で皆私の頭に落ちてくるかなぁ?
 

17:苺ましまろ*◆LM:2017/09/10(日) 04:07

 
声を振り絞って叫んだ途端、私の身体からブワッと桃色に輝く光が溢れ出してきた。
ミラクルキーを握った両手が、勝手に胸の辺りに近付いていく。心臓辺りに重なった途端、私が着ていた青空学園の制服はすうっと溶けていき、魔法少女のワンピース姿に変身していく。

気が付くと光は無くなっていて、私は魔法少女のワンピースに変身した姿で立っていたんだ。

「………すごい」
相変わらず夢みたいだよね、ほんとに。
「感心してる暇はないからな。行くぞ、桃音」
「う、うん!」
妖精さんは物凄い勢いで玄関へ飛んでいく。私もブーツをガタゴトと鳴らしながら後に続いた。
鍵を開けて外へ出てみると、結界の中だからか誰も居なかった。
当たり前なんだろうけど、白黒の世界の中で人が居ないのはちょっとだけ怖い。

いや、本当に怖いのは敵の方だよね。妖精さんも高い位置から落ちたからとは言え、かなりの量の傷を負っていた。今はもう回復して元気みたいだけど、あんな傷を全身に負ったんだから、きっと物凄く痛かったよね……。
いざという時は、私が妖精さんを守らないと……!
「どこに居るんだ、結界を張ったからには自分から出てこい!」
妖精さんは叫びながら住宅街の上を飛び回っている。
今もこうして私のサポートをしてくれてるんだ、甘えてばっかりじゃいられないよね。
よし、気を引き締めて頑張ろう。

「……言われなくても出てくるよ」
背後から声が聞こえて、私は思わず振り向きざまに尻もちをついた。かなり情けないけど、やっぱり怖い……!!
「どーも。桃色の光を恨みに恨んでいる桃色の闇だよ〜。あははっ」
女の子は

18:苺ましまろ*◆LM:2017/09/10(日) 04:16


 
声を振り絞って叫んだ途端、私の身体からブワッと桃色に輝く光が溢れ出してきた。
ミラクルキーを握った両手が、勝手に胸の辺りに近付いていく。心臓辺りに重なった途端、私が着ていた青空学園の制服はすうっと溶けていき、魔法少女のワンピース姿に変身していく。

気が付くと光は無くなっていて、私は魔法少女のワンピースに変身した姿で立っていたんだ。

「………すごい」
相変わらず夢みたいだよね、ほんとに。
「感心してる暇はないからな。行くぞ、桃音」
「う、うん!」
妖精さんは物凄い勢いで玄関へ飛んでいく。私もブーツをガタゴトと鳴らしながら後に続いた。
鍵を開けて外へ出てみると、結界の中だからか誰も居なかった。
当たり前なんだろうけど、白黒の世界の中で人が居ないのはちょっとだけ怖い。

いや、本当に怖いのは敵の方だよね。妖精さんも高い位置から落ちたからとは言え、かなりの量の傷を負っていた。今はもう回復して元気みたいだけど、あんな傷を全身に負ったんだから、きっと物凄く痛かったよね……。
いざという時は、私が妖精さんを守らないと……!
「どこに居るんだ、結界を張ったからには自分から出てこい!」
妖精さんは叫びながら住宅街の上を飛び回っている。
今もこうして私のサポートをしてくれてるんだ、甘えてばっかりじゃいられないよね。
よし、気を引き締めて頑張ろう。

「……言われなくても出てくるよ」
背後から声が聞こえて、私は思わず振り向きざまに尻もちをついた。かなり情けないけど、やっぱり怖い……!!
「どーも。桃色の光を恨みに恨んでいる桃色の闇だよ〜。あははっ」
女の子はおかしそうに笑いながら、ゆっくりと私に近付いてくる。
「こ、来ないでっ!」
やっぱり気合いじゃどうにもならないよ、怖いものは怖い。目を瞑ると、全身が硬直して動かなくなっちゃった。

どうしてそんなにふざけてるの?どうして私を恨んでいるの?どうして恨んでる人を目の当たりにしてもそんなに笑っていられるの?
全部が全然分からないよ。何を考えているのか、これから何をしようとしているのか。
「……大丈夫?」
「え?」
目を開けると、目の前に真っ白な手のひらがあった。その手は女の子の手で、きょとんとした顔で私に手を差し伸べてくれていたんだ。
「どうして?私の事恨んでるんでしょ……?」
恨んでいるのに、どうしてこんなことするの?
「恨んでるよ、そりゃいっぱいね。桃音ちゃんは気付いてないと思うけど、私はあんたの事大っ嫌いだった。」
女の子は笑いながら言った。

19:苺ましまろ*◆LM:2017/09/11(月) 05:18

 
声を振り絞って叫んだ途端、身体中からブワッと桃色に輝く光が溢れ出してきた。
ミラクルキーを握った両手が、勝手に胸の辺りに近付いていく。心臓辺りに重なった途端、私が着ていた青空学園の制服は光の中にすうっと溶けていき、魔法少女のワンピース姿に変身していく。

気が付くと光は無くなっていて、私は魔法少女のワンピースに変身した姿で立っていたんだ。

「………すごい」
相変わらず夢みたいだよ……。
「感心してる暇はないからな。行くぞ、桃音」
「う、うん!」
妖精さんは物凄い勢いで玄関へ飛んでいく。私もブーツをガタゴトと鳴らしながら後に続いた。
鍵を開けて外へ出てみると、結界の中だからか誰も居なかった。
当たり前なんだろうけど、白黒の世界の中で人が居ないのはちょっとだけ怖い。

いや、本当に怖いのは敵の方だよね。妖精さんも高い位置から落ちたからとは言え、かなりの量の傷を負っていた。今はもう回復して元気みたいだけど、あんな傷を全身に負ったんだから、きっと物凄く痛かったよね……。
いざという時は、私が妖精さんを守らないと……!
「どこに居るんだ、結界を張ったからには自分から出てこい!」
妖精さんは叫びながら住宅街の上を飛び回っている。
今もこうして私のサポートをしてくれてるんだ、甘えてばっかりじゃいられないよね。
よし、気を引き締めて頑張ろう。

「……言われなくても出てくるよ」
背後から声が聞こえて、私は思わず振り向きざまに尻もちをついた。かなり情けないけど、やっぱり怖い……!!
「どーも。桃色の光を恨みに恨んでいる桃色の闇だよ〜。あははっ」
女の子はおかしそうに笑いながら、ゆっくりと私に近付いてくる。
「こ、来ないでっ!」
やっぱり気合いじゃどうにもならないよ、怖いものは怖い。目を瞑ると、全身が硬直して動かなくなっちゃった。

どうしてそんなにふざけてるの?どうして私を恨んでいるの?どうして恨んでる人を目の当たりにしてもそんなに笑っていられるの?
全部が全然分からないよ。何を考えているのか、これから何をしようとしているのか。
「……大丈夫?」
「え?」

20:苺ましまろ*◆LM:2017/09/11(月) 05:19

目を開けると、目の前に真っ白な手のひらがあった。その手は女の子の手で、きょとんとした顔で私に手を差し伸べてくれていたんだ。
「どうして?私の事恨んでるんでしょ……?」
恨んでいるのに、どうしてこんなことするの?
「恨んでるよ、そりゃいっぱいね。桃音ちゃんは気付いてないと思うけど、私はあんたの事大っ嫌いだった。」
女の子は笑いながら言った。
「い、今、桃音ちゃんって……」
私の事を桃音ちゃんって呼ぶ人はたくさん居る__
と言うか、私の知り合いのほとんどは桃音ちゃんって呼ぶから、この子が誰なのかは全く想像出来ない。

会った事はあるはずなのに、どうして思い出せないのかな。
「おい、そんな態度を取って油断させられたと思うなよ。桃音は騙せてもワタシは絶対に騙されないからな」
女の子の背後で妖精さんが叫んだ。
「油断させようなんて思ってないよ。ただ、あんたが闇についてちゃんと説明してないのはどうしてかなって思ったけどね」
「そ、それは……」
少し不愉快そうに言う女の子に、妖精さんは言葉を詰まらせた。
闇についての説明?それなら昨日してもらったけど……
「どうして私があんたの闇なのか、その理由は聞いた?」
「あれ、そう言えば聞いてないや……」
そもそもこの女の子が私の闇だって事も聞いてないよ。そもそも私の闇って何、どうして闇なの!?
「妖精さん、どうして教えてくれなかったの?」
もしわざと教えてくれなかったんだとしたら、尚更。
「それは……時間が無かったからだよ。お前も疲れてただろ」
妖精さんは目を逸らしながら言った。
「今日、お前が学校から帰ってきてから話そうと思ってたんだよ。」
「本当に?」
「そうだよ」
本当なのかな。目を逸らしてるから何となく疑っちゃうなぁ。あーあ、私にも妖精さんの考えてることが分かればいいのに!
「疑われちゃってるね、妖精さん……」
女の子はくすくす笑いながら妖精さんを茶化す。
「何だと……?」
「そんなんじゃ先が思いやられるよ。妖精が光の戦士に信じてもらえないだなんて……その子が闇になるのも時間の問題じゃない?」
「うるさいッ!桃音はまだ未熟だから__」
「未熟って。あなたは桃音ちゃんだけのせいにするんだね。自分は何も悪くないみたいな態度で不快だな。
そもそも桃色の光自体が__」

「その話はするな!!」
妖精さんの声が、物音1つしないモノクロの住宅街に響き渡る。その甲高い声は、まるで余韻のように、少しずつ小さくなりながら空に吸い込まれていく。

21:苺ましまろ*◆LM:2017/09/11(月) 05:19

……静寂。妖精さんは下を向いてわなわなと震えて、ゆっくりと地面に降りていく。女の子は目を見開きながら、そんな妖精さんを見ている。
私の知らない話ばっかりだ。妖精さんも女の子も、光の事をもっと詳しく知ってるんだ。私の何倍も、もしかしたら何十倍も、何百倍も。
私が今知らないことは、知った方がいいことなのかな。
例え知らない方が良かったことだとしても、いつかはきっと、知らなくちゃいけない時が来るのかな。
このまま何も知らないでいるのも、何か大変なことを知ることになるのも、どっちも嫌だ。
怖い。怖い。怖い。

「……言い過ぎちゃったかな?やっぱりあんたは弱過ぎるんだよ。戦う力があっても、結局は自分を守るために他人《ひと》に責任を押し付ける軟弱者。」
女の子は立ち上がって、冷たい目で妖精さんを見下ろす。
「桃音の光以前に、あんたの人間性の問題だったみたいだね。昔もそうやって桃音ちゃんを傷付けてきたんでしょ?」
「………」
妖精さんは何も答えなかった。
私の頭の中にも、女の子が言っていることの内容が入ってこない。言葉はちゃんと聞き取れるんだけど、その中身だけ抜かれちゃったみたいに。

何言ってるの、この子。
昔、妖精さんが、私を傷付けた?
「……いつまでも逃げてな。
桃音ちゃん、いつでも私のところに来ていいからね。辛い事からは逃げていい時もあるんだよ。
それに、もし私達の仲間になってくれたら、もう新しい仲間を作ろうと必死にならなくていいし、私の正体も教えてあげるね。
今日は妖精の精神状態を不安定にさせるために来たから、あなたを傷付けるつもりはないから。」
女の子はすくっと立ち上がって、電信柱の上に飛び乗った。

「……じゃあね」
すぅっと溶け込むように、周りの景色が色付いていく。
膝を付いたままの妖精さんは、何も言わずに、動かないままだった。
「……妖精さん、戻ろう」
私は放心状態の妖精さんを抱きかかえて、家の中に入った。

魔法少女のワンピースが、ボロボロと崩れ落ちるように消えていった。
 

22:苺ましまろ*◆LM:2017/09/11(月) 18:39

 

「……あれ」
気が付くと、私はリビングの床に寝そべっていた。淡い色合いの花柄のカーペットがくすぐったい。
思いっ切りよだれを垂らして寝ちゃってたみたい。あーあ、かなりの爆睡だ、夜は寝られないかもしれないね。

外を見てみると、かなり時間が経っているのか、紺色の空に星がぽちぽちと浮かんで見えた。
「……妖精さん?」
近くに妖精さんの姿は見えなかった。
私の部屋にでも居るのかな?
どうしよう、さっきの事が気になって気まずくなっちゃうかもしれない。妖精さんもかなり落ち込んでたみたいだし、何て声を掛ければいいのかな。

23:苺ましまろ*◆LM:2017/09/11(月) 20:44


「……あれ」
気が付くと、私はリビングの床に寝そべっていた。淡い色合いの花柄のカーペットがくすぐったい。
私の頬とカーペットにべったりと何かが付いている。……思いっ切りよだれを垂らして寝ちゃってたんだ。あーあ、かなりの爆睡だ、夜は寝られないかもしれない。

外を見てみると、かなり時間が経っているのか、紺色の空に星がぽちぽちと浮かんで見えた。
「……妖精さん?」
近くに妖精さんの姿は見えなかった。
私の部屋にでも居るのかな?
どうしよう、さっきの事が気になって気まずくなっちゃうかもしれない。妖精さんもかなり落ち込んでたみたいだし、何て声を掛ければいいのかな。

だけど、このまま何も聞かないでおくのはいけないような気がする。早く本当のことを話した方が、妖精さんも気持ちが楽になると思うから。
それから、夢の中の女の子に実際に会えるとしたら。
もしそんな日が来るなら、私はその女の子を助けてあげたい。
辛いって叫んでも、誰にも届かないんじゃ意味ないよ。

よし。
「妖精さん、本当の事教えてよ。私より先に光になった女の子の事も、闇の事も、ちゃんと全部私に教えて。
私だってこれからたくさん戦うことになると思うから、ちゃんと理解しておいた方が良いと思うんだ」
妖精さんがどこに居るのかも分からないけど、とりあえず声に出してみた。妖精さんなら私の心を読めるから、わざわざ言う必要ないかもしれないけど、何となく言葉にして伝えたかったんだ。

伝われ。妖精さんに。
「……妖精さん、出てきてよ。居るんでしょ?」

24:苺ましまろ*◆LM:2017/09/12(火) 03:12


立ち上がって訊いてみるけど、返事は返ってこない。
……本当に居ないのかな?
「妖精さん」

25:苺ましまろ*◆LM:2017/09/18(月) 01:35


「お願い翡翠ちゃん、私の話を聞いて!」
「嫌だ、あなたの話なんて聞きたくない!帰ってよ」


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