4.ふみちゃんと
カフェを出ると、すぐふみちゃんの背中が見えた。
「ふみちゃん!カフェラテの代金」
「真美ちゃん。いいのいいの。これが感謝の表しだと思って」
感謝…?
ふみちゃん、わたしに感謝してくれたんだ。
わたしなんかに。
「わたし、違うものでふみちゃんに感謝を表すね!」
「…楽しみにしてるわ。じゃあね」
ふみちゃんと別れて、おばあちゃんのところに戻った。
おばあちゃんは、料理の本のところにいた。
「杉田さんと別れたの?」
「うん。おばあちゃんまだ見る?」
「いいえ。もういいわ」
「じゃあ、もう帰ろう」
おばあちゃんがうなずくのを確認して家に帰る。
車の中でも、赤ちゃんの本をめくっていた。
すると、今日の思い出がよみがえってきた。
ふみ会長から、ふみちゃんって呼び方に変わったこと。
ふみちゃんと一緒に名前を考えたこと。カフェラテをおごってくれたこと。
「おばあちゃん、今日の夜はハンバーグがいいな!」
「ハンバーグ?じゃあおばあちゃん、頑張ってハンバーグ作るね」
「うん!」