☆3話☆
家は、いたって普通に綺麗だった。
「汚いけど、上がってって」
汚くないよっ!
私の部屋より片付いてて、綺麗・・・。
と、夏音さんが笑った。
「聞こえたよ。ありがとう」
ほへ?
も、もしかして・・・。
心の声、だだ漏れ〜!?
「はいっ!ゆもちゃん特製の愛情たっぷりドーナツだよ〜」
ひぁ!?
夏音さん、うそ言わないでください。
と、ぬうっと大柄な人が私を見て、ニコッ。
「いただきま〜す!」
わぁっ、こんなに喜んでくれるなんて。
嬉しい。
「あのっ、お名前、教えてくれませんか?」
サービスしたいし。
「ふぉんふぉうふぃふぁみ」
はっ?
ドーナツのせいか、聞き取りにくい。
夏音さんが、通訳してくれる。
「近藤勇さんよっ!」
近藤さん!?
なんか、聞いた覚えがある名前だな・・・。
あっ!
もしかして!
「新選組の〜!?」
夏音さんが驚いてる。
なんで知ってるかって?
親友の真綾が好きな歴史人物だから!
うるさいくらい聞いている。
「やっぱ、近藤さんって、男の中の男だよね!カッコイい〜」
って、言ってたもの。