君に、愛の言霊を――、

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26:遥姫 ◆ml2:2016/04/01(金) 15:14 ID:gBQ


近くて遠いその関係 【 うたの☆プリンスさまっ♪ / 翔×夢主 】

 幼なじみ。
 それは、切っても切れぬ関係。



 いつものように、机をくっつけて友千香と、ハルと3人で弁当を食べる。
 昨日のテレビの話題から、最近の流行の話を終えた頃、友千香がある一点を見つけて、ふと、呟いたのだ。


「思ったけど…、翔ちゃんとあんたって、本当仲いいよねぇ……」
「そう?」
「はい! 見てて羨ましいです」
「……そうかなぁ」


 友千香が見つめていたのは、クラスの男子と騒いでいる私の幼馴染である翔。
 でも、仲がいいと言われても学校では必要な時ぐらいしか話さない。どっちかというと友千香やハルと喋る方が多い。そう伝えると、友千香は溜息をついた。


「仲いいじゃない。今朝だって、一緒に登校してきたし」
「でも、それは幼なじみだし、近所だから」
「幼なじみでも、近所でも、一緒に登校してくる男女はそういないってば」


 確かに言われてみればそうかもしれない。
 でも、それがどうした、っていう話。


「というか、なんで、そんな話になるの?」
「仲いいならいっそのこと、付き合っちゃえばって話よ」
「な……」


 唖然とする私の手から、箸が床へと転げ落ちかけるが、タイミングよくハルがキャッチしてくれたおかげて、どうやら水道まで行く羽目にはならなかったようだ。
 箸を受け取り、今度は落とさないよう机の上に置いたあと、改めて問いかける。


「……友千香。もう一回聞くけど、なんでそんな話になるの」
「はぁ……、あんたたち見てるとほんっと、いじらしいのよ。とっとと付き合えばこの苛立ちも収まるっつの!」
「と、トモちゃん……」
「それに!……あんた、翔ちゃんのこと好きなんでしょ?」


 バッチリ見破られてしまった。何も言えずにいれば、「図星ね」と言われ、ため息までつかれてしまった。


「なら、告白しちゃえばいいじゃない」
「……そう簡単にいかないのが、幼なじみってものだよ。友千香」


 ちらり、とまた翔の方を見ると。先程まで一緒にいた男子の姿は見えず、今度は数人か女子の姿があった。
 翔はお洒落さんだから、よく女子のファッションについての相談を受けてる。でも、こっちからしたら見え見えなんだよね。翔が好きだから、お洒落はその話題の種にしているだけだってことが。

 でも、翔は鈍いから、そんな女の子とたちの気持ちに気づかない。そんな翔に、幼なじみである私も想いを寄せてると伝わればどうだろう。――確実に、この幼なじみである関係は崩れてしまうだろう。


「好きだよ、どうしようもないくらい」
「なら」
「……でもね、きっと彼奴は私のことを幼なじみとしか見てないから。なら、この関係で満足しとかなきゃいけないの」


 私は、力なく笑った。



 幼なじみ。
 それは、近いようで遠い関係。

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 トモちゃん大好きです。
 あと、真弘先輩と翔君って、なんか似てるよね、色々と、()
 


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