異変に気づいた棗はいち早く走ってくる。
続いて蛍や先生も。
「蜜柑!どうした!?」
棗が蜜柑を抱き起こす。
しかし、蜜柑は目を閉じたまま動かない。
「日向、とりあえず佐倉を病院に!」
先生の声に棗は蜜柑を抱き、病院に走っていった。
「みんなは自習をしておくように!」
先生は一言そう言うと棗のあとを追っていった。
IN病院
「日向、お医者様と話すからお前は出ていっとけ。」
先生は蜜柑の手を握っている棗に声をかける。
棗はなにも言わずに立ち上がると病室から出ていった。
「それで…佐倉は?」
棗が出ていったのを確認した先生が口を開く。
すると、医者は言いにくそうに口を開いた。
「分からないんです。」
「分からない?」
思いもよらない答えに先生は目を見開く。
「はい、でも重い病気であることは確かです。いつになるかは分かりませんが可能性としては記憶障害が生じるかもしれない。」
「記憶障害…ですか…」
「まだ決まったことではありません。当分、入院してもらって調べさせてもらいます。」
「そうですか…わかりました。ありがとうございました。」
先生は医者の話を聞き終えると病室から出ていった。
「鳴海先生に報告だ…」
先生は急いで鳴海先生のところにむかった。