こんにちは、貴璃と申します!
(題名長いのは気にしないでください)
ここは少年陰陽師の小説を書いたり、少年陰陽師の雑談をしたり、勝手に語ったりする場所です!
ふらっとやってきてふらっと去っても全く問題はありません!
とりあえず、来た方は名前と年齢と好きなキャラとタメOKかを言っていただけるとありがたいです。
題の通り、その季節に合った短編を自由に誰でも書けるところですよ☆
ではでは、気が向いたらどうぞお越しくださいませ!
願い。
きっと、二度と叶わない。
でも、強く、強く願えばーーーーーー
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「お願い事は、どうするの?」
朧な面影が、問う。
「もう、決まってます!」
幼い少女が、胸を張って元気に答えた。
そして、少し照れたようにふにゃりと笑う。
「ーーーずっと、かぞくよにんでくらせますようにって、かくんです。ね、おかあさま」
今はもう叶わぬけれど。
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朝になった。
窓の外に、昨日使用人たちが飾り付けた笹の葉を見て、ああ今日は七夕か、と思い出した。
「……どうして、今日、見てしまったの…?あんな、幸せな、夢…」
ぽつりと呟く。
あまりに幸せで、あの先の幸せも疑っていなかったから、目覚めた今、とても哀しい。
「…あまりに起きていかないと、お義母さまが、心配するかしら」
母の従姉妹にあたる、父の再婚相手。
とても優しくて、母によく似た面立ちの美しいひと。
「…心配は、させちゃ、駄目よね」
俯き加減に呟くと、脩子はベッドから降りた。
同時に、自分お付の使用人を呼ぶためのベルを鳴らす。
少し待つと、直ぐに綺麗に支度を終えた姿の藤花と風音がやって来た。
「御早う御座います、脩子様」
「おはよう、脩子様。今日は少し遅かったのね」
「おはよう、藤花、風音。少し、夢を見すぎていたみたい」
苦笑して、すぐに身支度を始める。
朝食と夕食は家族全員で食べる約束になっているから、遅れるわけにはいかない。
主に藤花に手伝ってもらいながら、ふと、思ったままに尋ねてみる。
「ねぇ、藤花。藤花は、毎年七夕で何をお願いしているの?」
「七夕…ですか?」
一旦手を止めて、頬に右手を添える。
「そうですね…ここ数年は、あまり気にしてませんでしたが…」
そして、どこか遠くを見ながら、懐かしむようにして言った。
「…ああ、昔は、ずっと幸せのままいられますように、と祈りました」
「幸せ…」
優しく微笑みながら自分を見つめる藤花は、矢張り母の定子にそっくりだった。自分しか気付いていないようだけれど。
「…そう。…私も、小さい頃、似たようなことを祈ったわ」
寂しげに、言う。
「もう、叶わないけれど」
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続いてしまった…
た、七夕っ!季節!!
続いても私はいいよ、むしろ大歓迎だよ!
しかも脩子さまだしっ!
ほとんどなにも七夕らしいことをしないまま七夕を終えてしまった自分を呪いたい…呪えないけど…
来年やればいいのさっ
683:貴璃◆5s hoge:2017/07/08(土) 19:58 ID:DhM 哀しげに言った脩子に、風音が首を軽く傾けながら問いかけた。
「どうして、叶わないと思うの?」
「え?」
「だって、今からでも幸せになれるはずよ?少なくとも、彰子様はそう望んでいるように見えるわ」
「それは、そう、だけど…」
俯く。
「…嫌いじゃ、ないの。私も、お義母さまのことは好き、なのだと思うわ」
俯いたまま、続ける。
「でも、でもね、私は本当のお母様と、敦康と、お父様と、私で、幸せになりたいと祈ったの。その頃はまだよしこは生まれてなかったけど」
「…」
「…叶わない、でしょ?」
沈黙が降りる。
すると、困った様子だった藤花がふと思い立ったような顔で提案した。
「術師に、お願いしてみてはどうでしょう?」
「?」
「昌浩か晴明様なら、聞き届けて下さいます。きっと、脩子様にとって良い解決策を出してくれるはずです」
「…そうね…。それがいいかもしれないわ。脩子様、昌浩に連絡しておく?」
「…。…うん!そうね…きっと、昌浩なら」
途端に期待に目を輝かせながら、大きく頷いた。
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まだ続く。
「あ、お久しぶりです、脩子様!」
その日の午後。
早速連絡したら、すぐに昌浩が来てくれたのだった。
「昌浩、久しぶりね!暑かったでしょう?早く入って。藤花、冷たい麦茶をお願い」
「はい、すぐにお持ちしますね」
「あ、いや、お構いなく…?」
控えめな遠慮の言葉は、華麗にスルーされる。
苦笑して、「じゃあ頂きます」と言った。
「…それで、どうなさったんですか?最近俺も学校や仕事で忙しかったりして顔を見せられませんでしたけど、急に呼ばれたので何かと…」
「えっと、ごめんなさい。そんなに大したことではないのだけど、少し、相談に乗ってほしいのよ」
「相談ですか?まぁ、俺に出来ることなら何でもやりますけど」
「本当?良かったぁ…」
ほっとしたように笑う。
昌浩は首を傾げる。
そこに、二人分の麦茶とお菓子を持った藤花が戻ってきた。
「お待たせしました。ここに置いておきますね」
「ええ、ありがとう、藤花。昌浩、遠慮せず食べてね」
「あ、はい。ありがとうございます。藤花もありがとう」
微笑み、一礼してから下がる。
昌浩は1口麦茶を口に含むと、尋ねた。
「それで、相談というのは?」
「うん。あのね、今日は七夕でしょう?…お願い事を、叶えてほしいの」
意を決したように、真剣な面持ちで言う。
自然と昌浩もつられて真面目な顔になった。
「…お母様に、会いたいの。今日だけでいいのよ、一目、…お姿を見れれば、それで」
両手をスカートの上でぎゅっと握りしめ、僅かに声を震わせる。
「元気でいるなら、それでいいのだもの」
「…なるほど」
少し考え、にっこりと微笑んで見せた。
「脩子様、ひとつ、禁厭を教えて差し上げます。夢の中で、会いたい人に会える禁厭です」
「夢の中で?」
「はい。…夢は現、現は夢。夢の中で起こったことは、現のことともとれるのですから」
「…!」
「今日、寝るときに、試してください。但し、効果は1回だけですからね」
「ええ!わかったわ、ありがとう!…本当にありがとう、昌浩!」
嬉しそうに笑う。
昌浩もまた笑ってみせると、「では俺はこれで」といって、残った麦茶を煽り、席を立った。
「またね、昌浩。また近いうちに来てくれたら嬉しいわ」
「わかりました。…明日にでも来ましょうか」
「ふふっ、そんなに早くなくてもいいわ!」
そうして、夜を迎えた。
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次で終わるかな…。
そっか、来年やる!来年やろう!!
昌浩流石だ。お禁厭すてき。
会いたい人に夢で会えるっていいよね。
その禁厭すごい使いたいって前から思ってたのだよ、実は…((
わかる…
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夢。
現。
どちらだろう。両方だろう。
少なくとも。
この幸せは、ほんもの。
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「おかあ、さま?」
ふわふわする。
でも不思議と実感もあって。
「…久しぶりですね、脩子」
目の前の母の笑顔は紛れもない本物で。
「お母様…!!」
溢れる涙をそのままに、脩子は定子に飛びついた。
定子もぎゅっと脩子を抱き締めると、膝を折って愛娘と視線を合わせた。
「大きく、なりましたね…。本当に、立派に育って…。お母様は、貴女のことを自慢に思います」
「お母様…。そんな、そんなこと…」
ふるふると、首を横に振る。
「私は、まだまだ駄目なんです。1人じゃ、駄目…。藤花とか、かざ…雲居とか、皆が私を助けてくれるから、“立派な脩子”としていられるんです」
だから全然立派じゃありません、と言って、定子の胸に顔をうずめた。
「…それでも、私は貴女を自慢に思いますよ。だって、貴女は自分が1人では駄目だと理解しているではありませんか」
微笑みかける。
「それは本来、とっても難しいことです。貴女は本当に賢くて、良い子。私の自慢の娘ですよ」
「ふぅ…っ、うっ…!」
脩子が、肩を大きく震わせる。
「脩子、寂しい思いをさせて、ごめんなさい。貴女とは、これでもう本当に会えなくなってしまうけれど、誰も憎まないで。貴女の周りには、お父様、弟、妹…お母様の従姉妹の優しい新しいお義母さまも、親切な使用人も、沢山いるでしょう?」
頷く。
「皆、貴女を愛しています。貴女も、皆を愛して…。私を愛してくれたように、他の人も、愛してください。ね、脩子」
「はい…はいっ…!!」
最後にもう一度強く脩子を抱き締めると、定子は立ち上がった。
「私はそろそろ行かなくてはいけません。どうか、元気で…脩子」
「はい…!お母様も、お元気で…哀しい思いを、しないで欲しいです」
「哀しいなどと思いませんよ。貴女が幸せであるだけで、そんな気持ちは消えてしまいます」
そうして、夢から目が覚める。
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「お母様…」
まだ夜の気配が残る空を窓越しに見上げ、呟く。
「ありがとうございました。私は…お母様の娘で、幸せです」
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終わり!!
ああ、脩子ちゃん…!
ほんと、いろいろ、成長していくよね…
脩子ちゃんが幸せでなによりだよ、もう!
脩子ちゃんには絶対幸せになって貰いたい…!
なんかね、もうね、昌浩と彰子がくっつけなかったら、脩子にその分うんと幸せになってもらいたいし、なんなら藤花のことをそのまま手放さないでほしい。
今藤花が安倍邸に帰っても、昌浩の寿命云々で衝撃受けて倒れるだけだしね!
そうだよね!
二人のことわかってくれてるし、人の気持ちとか思いに気づける聡い子だし!
私もそんな人間に育ちたかった…!
寿命云々は、知ってしまったら衝撃が強すぎて藤花の寿命まで危うくなってしまう気がするよ…!?
そうか、それはやばい…!
もう藤花は安倍邸帰っちゃだめ!!
脩子ちゃん、手放さないで!!!
※現パロです。
※いろいろアウト。
※アウト。ほんとアウト。
※なんでこの人…とか思わない。時間軸…とか思っちゃダメ。
「だああああっ……!暑い!ねえ!暑い!」
部屋のど真ん中で大の字になって叫んでいるのは昌浩である。
今は夏休み。
あまりの暑さにダウンしている昌浩は、先程からずっと唸ったり叫んだりを繰り返している。
少し前までは物の怪もいたのだが、その毛皮が見るだけでも暑苦しいという理不尽な理由で追い出されてしまった。
静かに部屋の片隅に鎮座していた天一が、その手を唇に当て首を傾げる。
「つい先程玄武が打ち水をしていたのですが…。
やはり冷房がないと厳しいのかもしれませんね…」
神将たちは普段人型をとっているが、そうすると人間の身体になるわけだから、それに伴って気温を感じやすくなる。
昌浩達には悪いが、暑さにやられるのは御免被りたい。
というわけで、最近は神将としての姿に戻っている。
「そうだよ…。なんで俺の部屋エアコンないの…。
扇風機だけでこの夏を乗り切れとかどうかしてる…」
ぐでっとした昌浩はしばらく復活しそうにない。
太陰を呼んで突風でも起こして貰おうかしら、などと考えていたその時。
ダウンしていたはずの昌浩ががばりと跳ね起きた。
「昌浩様…?」
その、やけにきらきらと輝いた瞳はなんだろう。
「いいこと思いついた…!」
……………………………
「昌浩ー!この姿ならいいだろう!毛皮もない、ぞ…」
考えた末にようやく人型になることを思いついたらしい騰蛇が、部屋の扉を思い切り開け放つ。
そしてそのまま、固まった。
びゅおおおおお……!
「お、おまっ、お前…っ!?」
引きつった顔の騰蛇が、震える指で指したその先に。
「随分とご無沙汰だな。あ、邪魔してるぞ」
不敵に口端を吊り上げる、少女の姿。
「あ、紅蓮だ!ねえねえ、俺すごくない!?
なんでもっと早く思いつかなかったんだろう!
暑いなら…
氷雨を呼べば良かったんだ!」
「な、なんで貴様がここにいる_____……っ!?」
…………………………
取り敢えずここですとっぷ。
……うん、何がしたかったのかな、私は。
生温い目で遠くから見守って戴ければじゅうぶんだからね…
現パロに本編の氷雨を連れてくるという強引さ。((
素晴らしいよ、咲夜。
私は思いつかなかった…貴女は天才かっ!?
楽しい〜!咲夜大好き〜!
私も気分転換に何か書こうかな…
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暑い暑い、夏。
いつもと変わらない、だけど、ちょっとだけいつもより涼しい夏。
昌浩は疲れたような顔でため息をついた。
「また…巻き込まれた…」
事の始まりは、道端に落ちていた扇子を拾ったこと。
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「あつ…」
強い陽の光に照らされながら、昌浩は学校に向かっていた。
いくら夏休みとはいえ、夏期講習があるからには家を出なくてはいけない。いや、むしろ今どき扇風機しかない家にいるよりはマシなのか。少なくとも、学校にはエアコンがある。
「うー。頑張れ、俺。負けるな、俺」
よく物の怪が言ってくれる言葉をつぶやく。
今日は…というか最近は暑いからといって物の怪を連れて出かけることはあまり無い。
そうこうしていると、ふと、道端に何か落ちているのを見かけた。
「あれ…?」
見覚えのある形。というか、夏の安倍家の必需品。
「扇子…?何で、こんな所に」
首を傾げながら近づく。
隠形している六合がいるだろう所を見上げて、もう一度首を傾げる。
「昨日は無かったよね?今どきは皆手持ち扇風機や団扇だし…誰のだろ…」
六合が顕現して答える。
「…一応学校の近くだから、先生に預ければいいんじゃないか」
「そっか、それもそうだね。よいしょっと」
屈んで扇子を手に取る。
その瞬間、ぞわっと冷気があたりを満たし、六合が慌てて扇子を払い除けたが、時すでに遅し。
「えっ…何これ!?」
扇子に憑いた念が、昌浩の霊力を媒介にして形を作りだす。
六合は舌打ちすると、昌浩を背後にかばった。
昌浩に何かあったら騰蛇にどやされる。
少なくとも学校の無断欠席は確定していた。
形を得た念の塊は、扇子を拾い上げてにっこりと微笑んだ。
「こんにちは」
「えっ?あっ、えっと、…こんにちは?」
馬鹿正直に昌浩が応える。
「貴方が形をくれたのですね。感謝します。只人が触れても何も起こらないようになってるのですが、最初に触れたのがこんなに霊力の強い少年だったなんて、私は幸運ですね」
「えっ?あっ…え?」
「あ、そうそう。迷惑ついでにもう一つ。私を匿ってくれません?形を得たからこの扇子から出たり入ったりは自由なのですけど、何しろ千年以上に渡って追われ続けているもので」
「え、いや、それは」
「いやはや、参りましたね?私もちょっとあの方に気のあった若者に悪戯しただけなのに、こうも恨まれて、しかもその若者、術師ときましたよ。成仏できないように、私のお気に入りのこの扇子に封じ込めてしまったんですから。ま、だからといってあの方と結ばれた訳では無いようですが。それを逆恨んでまた死んだ後も私を執拗に追いかけ回してくる始末。困りましたねぇ…?」
「うっ…?」
やたらお喋りだ。
しかも図々しい。
「いや、あの、俺は駄目とは言えないけど、でも…自業自得じゃないの…?」
「悲しいですね!!扇子に封じ込まれた時、“私のカタチ”まで封じられたのに!貴方のような強い霊力の持ち主の力を借りなければ、自分の形をもつことができないのに!」
「うぇえ…!?」
咄嗟に六合が窘めるために昌浩を軽く睨んだが、昌浩は頷いてしまっていた。
「わ…分かった。助けてやるから、その代わり、大人しくしててよ」
「ああ、助かりましたっ!貴方はいい人ですね。その心根を忘れてはいけませんよ」
「え、う、うん…」
そしてまた、昌浩は厄介事に巻き込まれた。
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あと2回くらいで終わる予定。
昌浩…頑張れ、頑張るのよ…
毎度のように厄介事に巻き込まれてしまう昌浩を見るのが好きです((
そして貴璃は新しい方々を登場させるのが上手いです…
感謝感激雨あられっ!
咲夜だって上手だよ〜!
私も厄介事に巻き込まれて涙目になってる昌浩好きです((ヲイ