【正味】自由に書きますわ【新しくスレ作るんもうエエ】

葉っぱ天国 > 二次創作 > スレ一覧 1- 101- 201- 301-キーワード▼下へ
1:ぜんざい◆A.:2016/10/07(金) 22:41 ID:74A



 どうもこんばんはぜんざいです。

 私、思ったのです。書きたい作品が多すぎて、その分だけスレを作ると数がとんでもないことになるからどうしようと、完全に無駄だぜ? と。そして答えがこうなりました。


 もういっそ全部引っくるめて自由に書いてしまえと(

 終着点がここなのです。

 なので、とにかくひたすらジャンルバラバラの夢小説書きます。
 コメント及び感想待ちます! 小説投稿はやめてほしいんだぜ?(⊂=ω'; )

 まあ簡単に言うと、私の落書きのようなものなので、他の人は感想だけということになりますね。うわあ上から目線だぁ! 恐らくコメントには感涙します、めっちゃなつきます。ビビります。

 ジャンルは大まかに言えば、wt、tnpr、妖はじ、turb、krk、FT、中の人、FA、mhaです。
 これからも増えるだろうと思われる模様。
 2ch的なものも出てくると予想されます。

 これまでの上記で『2chやだ!』「作品がやだ!」「ぜんざいがやだ!」言うからは目がつぶれないうちにご帰宅or gohome(΅΄ω΄→ ハヤク!

 2ch系では顔文字や「wwww」表現が出るかと思われます。嫌な方はブラウザバック!


 それでは、そしてーかーがやーくウルトラソheeeeeeeey((

 文的にうるさくてすいません。



.

270:マメツキ◆A.:2017/10/02(月) 00:06 ID:xPo


 私が扉を開けると、そこにはシンドバッドとその後ろに控えるジャーファルが居た。



「おはよう! シン! いい朝だな!」
『おはようございます! シンドバッド様、今日はいいお天気ですね! お互いシンとややこしいので私の事は『七海(しちかい)』とお呼びください』



 正直まだ眠い。眠気から倒れないように目を細めるも、どうせシンドバッドたちに見えちゃいない。うん、笑顔が素敵だなシンドバッド。
 口と頬だけの笑みを作り、シンドバッドにそう対応してからジャーファルにも『ジャーファル様もおはようございます』と挨拶をする。ジャーファルさんは柔和に微笑み「はい、おはようございます」と返してくれた。なんだこの人は! 天使か!
 片やシンドバッドは不服そうに口を尖らせ、腕を組んだ。



「別に『シン』で良いじゃないか。被ることはそうそう無いぞ?」
『……ソウデスネ』



 ジャーファル頼むから苦笑いしないで。

**

 どうやらシンドバッドは八人将に私を紹介したかったらしい。前置きが長い! とハルナちゃんならズビシと指を差して叫ぶだろう。



「昨日、俺が食客として招いた『七海シン』だ。俺の短称と同じ名前だが、ちゃんとシンと呼んでやってくれ」
『よろしくお願いします』



 シンドバッドの隣でそうぺこりと頭を下げ、視界の端でローブが揺れるのが見えた。本当に、本格的にバレではいけないことになってきた。やべーよどうしよう。
 直ぐ様解散と言う形で私はシンドバッドとジャーファルに着いていこうとしたのだが、くいとローブの裾が引っ張られ、そちらに目を向けると金髪の可愛らしい幼女が居た。うわ幼女可愛いっょぃ……。こんな彼女でも八人将だからすごいもんだ。そして側にヤムライハまで寄ってきた。胸の肌色が眩しい……!



「私ピスティ! よろしくね! シン!」
「私はヤムライハよ。仲良くしてね」
『あ、よろしくお願いしま』
「敬語禁止! 王様から聞いたけどまだ16なんでしょ!? 私より三つも上なんだから!」
「私も、理由は違うけど敬語、はずしてほしいわ」



 天使の笑みと美人の笑みに勝てるやつっている? 居ないよな。快く即刻快諾しました。ええ、しましたよ。しかしシンドバッドの「じゃあ俺にも敬語は無しで」と言う申し出には速攻で断りを入れたが。



.

271:マメツキ◆A.:2017/10/03(火) 00:44 ID:xPo

シンドリアの食客になって数日。ピスティとヤムライハの二人とはいい関係を築けていると思っている。
そんな仲良くなってくれた二人と共に、武官の訓練を見に行こうと言う話になったので演習場へと三人で足を運んできた。目の前にはカンキンと剣で打ち合う武官たち。それを横目に、先程から開始されたヤムライハとシャルルカンの魔法VS剣術の口論を眺める。

「剣術なんかより魔法の方がよっぽど役に立つわ!」
「なに言ってんだ!?剣術の方が偉大だろうが!」

白熱してるね、そうだななんて会話をピスティとしていたら、武官たちの方が何やら騒がしくなった。そちらに目を向けると、武官の手を離れた剣が回転しながらヤムライハに一直線に飛んできている。シャルルカンが素早く己の剣に手を掛けるも多分間に合わない。ヤムライハも驚きで硬直しているし……。
私は剣が私の目の前を通りすぎる直前。タイミングを見計らって腕を引き、足を振りあげた。ヒュオッと風を切りながら私の足の裏は剣の面と衝突し、当の剣はくるくると回って宙へと持ち上げられる。落ちてくるソレをなんなくキャッチして、唖然とする武官へと手渡した。

『ヤムライハ、怪我はないか?』

目を見開くヤムライハに声を掛けると、ハッとした様子の彼女は「シンってもしかして、強い?」とぽつりと呟く。それに答えあぐねていると、ピスティがすごかった! と感想をくれた。うーん。
とりあえず、怪我もない様子だし、大丈夫だろうと見切りをつけて見学に戻ろうとしたとき、シャルルカンの腕が私の肩を掴んだ。彼はにや、と笑って手合わせしようぜと私を強引にそちらまで連れていく。なんてこった。

「俺は剣だ! お前は何にする? 何でも良いぜ!」
『じゃあ、素手でいかせていただきます』
「なるほど素手か……。って敬語要らねえって! 同い年だろうが!」

え、ゴメン。と呟き、拳を構える。直ぐ様シャルルカンが飛び出した。隙のない構えにほう、と素直に感嘆。それから、突き刺すように一撃を放ったシャルルカンの剣を左手のひらでパン、と外側に避けてからスッと右の肘を振り抜く。しかし流石八人将、後ろに下がってうまく技をかわした。だが私はその隙を逃さず直ぐ様後ろ回し蹴りを浴びせ、戻ってきた剣を横目で確認してから彼の懐に潜り込んで右の手のひらでシャルルカンの腕をパシンと押し退ける。力は込めた。だからか、その衝撃でからんからんと彼方へ飛んでいく剣をぼんやり眺めてから『私の勝ちだな!』と不敵な笑みを浮かべた。

「……おいおい。マジかよ」
『マジだ! 紛れもないだろう?』

カラカラと笑うと、周囲から途端にわあ、と歓声が沸き上がった。どうやら注目を集めていたようだ。
シャルルカンにどかりと肩を組まれて「また今度一緒に飲みに行こうぜー!」と元気よく誘われた。何やら気に入られたらしい。直ぐ様ヤムライハが「剣術バカが移るわよ、シン」と言われ、シャルルカンがキレ出したのは言うまでもない。

シンドバッドside

シンとシャルルカンの手合わせがなぜか起こったので彼女の実力を見るために俺もそれを観戦した。彼女、七海シンを最初はアバレオオダコが投げた船から飛んできたただの女性だと思っていた。しかし彼女を助けて触れた瞬間、心臓がどくりと大きく跳ね、訳のわからない衝動に負われた。彼女を助けて別れたあと、謝肉祭で偶然にも見つけ、声をかけたのだ。
感じられる堂々とした雰囲気が普通のものではなかった。そして今。雰囲気と変わらず彼女は強かった。八人将のシャルルカンを軽く圧倒して見せたのだ。しかし、彼女の強さはこれではない気がしてならない。俺はどうやら当たりを引いたようだ。

「彼女、本気ではありませんでしたね」
「ああ!やはりシンを迎え入れて正解だった!」

ジャーファルの瞳は純粋に感心を示している。良いことだ。しかし、俺は違っただろう。妙に熱っぽい視線を向けている筈だ。
顔を見せないミステリアスさ、ローブの上からでも分かるその豊満な胸、話しやすい雰囲気に、先程の蹴りの時にローブがはだけて見えた、白く輝く艶めかしい太股や脚。そして色香を誘うような声。何もかもが俺を釘付けにして離してはくれない。

272:マメツキ◆A.:2017/10/04(水) 00:12 ID:xPo



 以前の手合わせのせいでよくシャルルカンやファナリスと言う戦闘種族のマスルールに誘われて武官たちとの試合に誘われることが多くなった。
 試合なんて相手がいなくて久しぶりだったから楽しくて仕方がない。あまり放っておくと倦怠や技の鈍りが出て戦闘に支障が出てきてしまうからだ。
 ドラコーンとスパルトスは落ち着いた性格、と言うのが印象深い。ドラコーンに最初、私が怖くないのかと聞かれたときは流石にハテナを浮かべたものだ。「以前、身近にドラコーンさんみたいな人が居ましたから」と伝えると大層驚かれた。どうやら向こうの世界で普通に存在していた亜人も竜人もこの世界には居ないらしい。そりゃそうか……。スパルトスは一緒にいて沈黙が苦にならない男だった。
 ジャーファルは特殊な暗殺術を使うらしい。腕に巻かれた赤い糸の先に刃のついた暗具が武器のようだ。なるほど、うちには銃使いの真名や狗神使いの小太郎ぐらいしか暗殺術を持つやつが居なかったから少し新鮮だ。糸の、と言うのも珍しい。辛うじて似たやつはまき絵のリボンぐらいだけだしなあ。



「ここでの暮らしには慣れたかい?」



 とある昼下がり、廊下を歩いているとこの世界の私であるシンドバッドに出会い、しばらく雑談をしてからそんな質問をいただいた。
 目がとても微笑ましいものになってるぞシンドバッド。



『はい、大分。皆さん良くしてくださいます』
「そうかそうか! それは良かった!」



 腕を組みながら豪快に笑うシンドバッドに笑みが浮かぶ。こちらの私は過去はどうだか知らないが現在は楽しく生きているらしい。ホッと安心するのも束の間、ニヤ。と笑ったシンドバッドは顔を寄せてきた。



「慣れた次いでだ、その顔の面符を外して素顔を見せてくれないか?」
『駄目です』
「……頑固だなあ」



 色々憶測が飛び交っているんだぞー? とぶすくれるシンドバッドから聞かされるその憶測たち。
 私の顔は醜い、だとか顔に傷がある、とか。素顔を見れたら幸福、または最厄に見舞われる、とか。どっから出てきたんだよ……。
 しかしまあ、わかる。わりと日数を過ごしてそれでも顔を見せないのは少し不安になるだろう。最近ヤムライハとピスティがよく素顔を見せて、とせがんでくるのにも納得だ。しかしなあ……顔だけは、駄目なんだよなあ。
 なんせ、目の前のシンドバッド王を女らしくしたような顔だ。かなり似てると言っていい。困ったな……。



『……王相手に失礼かもしれませんが、これで妥協してください』



 決死の覚悟でローブのフードをぱさりと外す。久々に人前でこの菫色の髪を見せたかも知れない。何せ、前傾姿勢なアホ毛までそっくりときた。
 肩より上ぐらいの短い髪は左右に少しばかり跳ねていて、その跳ね方すら似てると来たもんだ。悟らないでほしい。
 目を見開いたシンドバッドは不意に言葉を口にした。



「……驚いたな、パルテビア人か?」
『(……え、パルナ? いや違うパルテ……ん? なんて言ったコイツ?)……いや、私は極東の小さな島国出身ですけど。色々な髪色や目の色は一部では珍しくないところでした』



 金髪青目、桃髪緑目、深紫黒目等々。うちのクラスが代表的だ。銀髪も居たしな。
 なんだ、違うのかと言ったシンドバッドには苦笑いが溢れた。



.

273:マメツキ◆A.:2017/10/04(水) 23:53 ID:xPo

 ふと、夢を見た。

_うわっ、マスター! たっ、助けてくださいシンさん!
_はっはっは! ネギくん! 男ならそれくらいの波は読んで乗りきって見せろ! エヴァ嬢もそう思うだろう?
_まったくだ! 我が弟子ながら情けない!
_えええええ!? 助けてくれないんですか!? いてっ、マスター待っ、うわわわ!

 ネギくんとエヴァのマギア・エレベア同士の激しき攻防と言う名の修行を、高台から胡座を掻いて見守るのが私。
 幸福な時間だ。アスナやこのか、刹那にのどか、夕映、ハルナ、その他諸々も楽しげに笑顔を浮かべて私の周りにやって来る。あやかなんかは私に飛び付いてハァハァ言っていたが。君、ストライクゾーンはネギ位の年齢じゃなかったか? てかネギくんじゃなかったか?
 そんな一面も砂嵐にさらわれて、次に見えたのは私の居た国が滅ぶところだった。原因は内戦。私の祖父の国だった。オスティアの近くの、南国の『夢の国』とまで言われた島国。
 つまり私は、その王国の第二王子の娘だった訳だ。日頃から武力や魔法の訓練しかしていなかったから、変わり者扱いされていたが。
 場面は父が私の目の前で、高い実力を誇った父は敵に切り捨てられた。奴等は手練を雇っていたらしい、父を切り捨てた男は私と病気の母を見て上玉だ、といやらしく笑う。幼くして苛立ちから舌打ちが出た。
 そして助けに来たのは、かの英雄『ナギ・スプリングフィールド』一行。救われた私は父が切り捨てられた目の前で何も出来なかったことを悔い、力がほしいとナギにすがったのだ。今考えるとなんとも馬鹿らしい。しかし、ナギは笑顔で容認した。彼は馬鹿のように鳥頭で何も考えちゃいなかった。しばらくの修行ののち、母が亡くなってしまう。永くないのはわかっていた。

_後悔するなよ? ファーストキスが俺って、後で喚いても知らねーぞ、シンドバッド。
_力が手に入るなら私はなんだって構わない。復讐なんかじゃない、次こそ大切なものを守れるように。今の私にはアーティファクトが必要なんだ。
_幼い王女とは思えない覚悟ですねえ、ナギ。
_アルうるせえ。……六歳のクセに。
_歳は関係無いさ。ファーストキスが英雄なんてめでたいことだろ。それと、もう『シンドバッド』の名前は捨てたよ。アンタは私に『七海 シン』って名前をくれたじゃないか。とっとと終わらせよう。

 ナギとパクティオーをして、アーティファクトを手に入れた。そのあとはなぜか現在のエヴァの持っていた別荘の真逆の性質『中で一日過ごせば、外では一週間が経過している』魔法球でナギ、アルビレオ、詠春と修行して、強くなって。三人は私を置いて行ってしまったけれど。魔法球は学園長に借りたらしい。なんと。
 タカミチがアスナを連れてきて、私が七歳になって外に出るとあれからもう13年が経っていて、そのまま麻帆良に。それからは以前の通り、エヴァと友人になり、ナギのことを話しながら別荘でマギア・エレベアを教わってそのあと魔装を完成させた。



『……懐かしいな』



 もう一ヶ月経った。

274:マメツキ◆A.:2017/10/05(木) 00:32 ID:xPo


 やたらと懐かしい夢を見て、目を覚ます。まだ深夜だった。南国のシンドリアは昼間より涼しくなっている。もう覚えていない私の国もそうだった気がした。それにしても、シンドバッドの名前まで同じとは恐れ入るなあ。
 今更二度寝をする気にもなれず、私は顔に面符をつけて、彼と私が一時でも同じ時間を過ごしたと言う証のカードを持って、部屋を出た。
 ローブは以前のフードを外した一件からもう着用していない。ここに飛んだとき、着ていたのが半袖で心底良かったと思う。
 庭に出て、とすりと草の上に腰を下ろした。胡座を掻いて体を左右に揺らす。



『……ナギ』



 アーティファクトカードを片手に見つめながら溜め息を吐く。
 私のアーティファクト、『覇王の軌跡』は、私が一度見て聞いて喰らったことのあるアーティファクトを使用できると言うわりとチートな激レアカードのものだ。使用時には左の前髪が後ろに引っ張られ、服装も変化する。恐らくこれも、シンドバッドはしていたことのある姿なのだろう。カードにはそんな風貌の女が口の端を吊り上げて不敵に笑み、細身の太刀を手にしていた。太刀は亡国の国宝だ。契約の精霊はイラストが得意なのだろうか。
 ああ、無性にネギくん筆頭に彼女たちに会いたくなってきた。



『……くそっ、駄目だ駄目だ! 私らしくもない。エヴァ嬢が今の私をみたら何を仕掛けてくるか……うん、考えないようにしようか。確実になにかしら首が胴体と離れる。それか書類整理……もうやめよう』



 笑顔で精神的にも肉体的にもぼこぼこにされる気しかしない。ばふ、と背中から柔らかな草の香りがするそこに倒れて、吐き出した。とばかりに息を吐いた。途端に微睡み出してくる。先程までは眠くなんて無かったのに。
 そこにとある男の陰が掛かった。誰かも暗くてわからない。しかし、私はその男と……ネギくんをどうしてか重ね合わせて憧憬を覚える。そんな誰かもわからない彼に、ぽつりと『この世界の私は、言葉にできないほどすごかったよ……』とか細く呟く。



『力を酷く貪欲に求めすぎた私と違ってなあ……。……なぁネギくん。どうしたもんだろうな、……見知った、長い間一緒にいた友人が居ないだけで、こんなにも不安になるらしい。や、恐らく……彼女たちの個性が強すぎたことも、有るんだろうが……この私がだ。……はは、こんな弱音を吐いた姿を、晒すのは久しぶりだ…。仕事はサボる、何を考えているかわからない、利用するだけ利用する、そんないつもの、仲間を守るためならどんな冷酷な手段だって構わず使う、ずるい、私らしくないと……君はきっと、言うんだろうな……』



 思えば、君を一度たりとも『ネギ先生』と呼んだ事がなかったな、と言う言葉を最後に、意識が飛ぶ。その直前に私の唇は何かに塞がれた気がした。


.

275:マメツキ◆A.:2017/10/05(木) 01:04 ID:xPo

カードの絵は更新されていく捏造設定。

シンドバッドside

 夜、目が覚めて適当に徘徊していたらシンの後ろ姿が見えた。それに着いていくと、庭に出る。彼女はふらりふらりと手に何かを持ってとすりと微かな音を立てて胡座を掻き、左右にゆっくりと揺れた。
 まったく、女性なのだから流石に胡座はいけないだろうに。彼女の足は普段、太ももまでの長い靴下に包まれていて、それでもスカートと靴下の間の肌は魅力的だ。しかし今は靴下すらも履いていないから、真っ白で柔らかそうな脚が惜しげもなく晒されている。まったくこんな夜更けに。少し注意の意味を兼ねて声をかけようとしたのだが。



『……ナギ』



 その言葉に近付いて声を掛けるのをやめた。彼女は先程持っていた何かを見つめ、溜め息を吐く。
 何かを思案していたらしい、しばらくしてから『あー、駄目だ駄目だ!』と声をあげた。



『私らしくもない。エヴァ嬢が今の私をみたら何を仕掛けてくるか……うん、考えないようにしようか。確実に何かしら私の首と胴体が離れる。それか書類整理……もうやめよう』



 一人言を呟いて少しげんなりした彼女に少し既視感が湧く。とす、と後ろに倒れた彼女に近付きながら俺は首をかしげた。
 上を見た彼女を見下げるように側に腰を下ろす。微睡んでいるらしい。不意に彼女が苦笑した。



『この世界の私は、言葉に出来ないほどすごかったよ……』



 誰かと勘違いしたようだ。俺はシンドバッドだ、と言うように口を開くと彼女は遮るように言葉を続けた。



『力を酷く貪欲に求めすぎた私と違ってな……。……なぁネギくん。どうしたもんだろうな、……見知った、長い間一緒にいた友人が居ないだけで、こんなにも不安になるらしい。や、恐らく……彼女たちの個性が強すぎたことも、あるんだろうが……この私がだ。……はは、こんな弱音を吐いた姿を、晒すのは久しぶりだ…。仕事はサボる、何を考えているかわからない、利用するだけ利用する、そんないつもの……仲間を守るためならどんな冷酷な手段だって構わず使う、ずるい私らしくないと……君はきっと、言うんだろうな……』



 思えば、君を一度たりとも『ネギ先生』と呼んだことがなかったな。と呟く彼女の微笑みに思わず自分の唇で、シンの唇を塞いだ。
 ハッとして顔を彼女から離す。これでは寝込みを襲うようなものだ。一体俺は何を。
 そんな思考が巡り始めたとき、彼女の手のカードに目が行った。多分彼女が持っていたものだろう。悪いと思いながら見させてもらった。そこには。



『……昔の、シンドリア商会の時の俺、なのか……?』



 いや、微妙に違う。俺にこんな豊かな胸の膨らみはない。
 不敵で色っぽい笑みを浮かべるカードの絵の俺に似た女は控えめだが高価だとわかる装飾のされた太刀を手に、俺の16の時ほどの服に似たものを身に付け、白い足を短いズボンで晒し……。そこでぱっとシンを見た。なんで彼女が、こんなものを持っているのか。カードの字は読めやしない。



「……すまない」



 彼女の薄っぺらい面符をゆっくり捲った。
 仮説だが。このカードの絵の女がシンならば、シンの言った「この世界の私」とは……。



「……そう来たか」



 俺のことか。



.

276:マメツキ:2017/10/05(木) 23:46 ID:zdo

http://ha10.net/up/data/img/21505.jpg

アーティファクトカードイラストイメージです。カードに描かれてるのはこんな感じなんだなくらいに留めておいてください。

277:マメツキ◆A.:2017/10/06(金) 01:46 ID:zdo

目が覚めると、私はあてがわれていた自室のベッドに横たわっていた。誰かが運んでくれたのだろう、衣服の乱れは無いし大丈夫な筈だ。ふと、やけに眩しい朝日に目を細める。はて、面符をしているのにこんなに眩しかったか。と目元に手をやるも、紙質はない。

『……嘘だろ』

鏡を見た。自分の姿が映っている。最悪だ。多分私を運んだ人だ、なんたる不覚。
何か代わりになるものは無いかと探していると、不意に扉がノックされ、カチャリとドアノブが回り出し『は、おい!? ちょ、待っ』と焦る私だが無慈悲にも扉は勝手に開けられる。そこには怖いくらいに笑顔のシンドバッドがいて、ひらりと面符を手にしていた。

「少し話そうか。聞きたいことがある」

参ったな、私を運んだのはこの男(私)か。さっと血の気が引いた気がした。自室にシンドバッドを招き入れ、人払いをしてから扉を閉めてシンドバッドに呆れたように視線をやる。この男、私のパクティオーカードを興味津々に眺めている。やめろ、わりと古いんだぞそれ。ドカリと備え付けの椅子に座ってシンドバッドと向き合うように腕を組む。シンドバッドはカードを私に返却してからにこやかに笑って言った。

「昨日の深夜、君の姿を見つけてね。声を掛けようと思ったんだが、独り言を言い出した。見に覚えがあるだろう?」
『…なるほどな、あの男の影は……』
「ああ、俺だ」

あっけらかんと名乗り出たシンドバッドにさらに深い溜め息がこぼれる。きっと『この世界の私』と言う言葉も聞いた筈だ。その独り言を聞いて私の顔を見たに決まっている。はあああ〜、と今までに吐いたことのないぐらい長い溜め息を吐き出して頭を掻いた。

『私と同じく理解の速いお前のことだ、もう気付いてるんだろうシンドバッド』
「ああ。……シン、お前は別の世界の俺なんだろう?」
『ドンピシャ正解、流石私だ』

ビシ、と真面目な顔でシンドバッドを指差したあと机に額を擦り付けるように倒れ込む。あーだのうーだの唸っていると、シンドバッドが急にカラカラと笑い出した。ビビるからやめれ。

「なるほどな、素は俺そっくりだ!」
『ほんとにな。ここまで一緒とは、とか思わなかったからな私は……仕事はサボる女好きで手癖は悪い、要らんとこまで全く同じだ』
「女性は美しいから仕方ないだろ」
『ほら見ろ同じだ』

ははは、とげらげら笑いあった。するとシンドバッドは急に真面目な顔を取り繕い目的を聞いてきた。なぜこの国に来たのかどうやってこの世界に来たのか。

『入国したのは本当に偶然だな、気が付けば煌帝国に居てシンドバッド王にそっくりだと言われて見に来たのさ。無論、拝謁したらすぐに帰ろうとは思っていたがまさか食客にするとは思わないだろ普通』
「それは俺が悪かったよ」
『本当にな。まあ、それで、どうやってこの世界に来たのか。って質問だが、私自身よくわかっていないんだ、悪いな。敵から攻撃を受けて、気が付けば煌帝国に居たんだ。帰る手掛かりを探しているんだが、どうせ出口は向こうからやって来てくれる。ま、気長に待つさ』

どうやらシンドバッド自身、私を手放す気は無いようだ。それもそうか、置いておけば別世界の自分なのだから戦力になるのは理解している。そこからは私の世界の文明の話をした。
私の世界では魔法ではなく科学が発達した高度な文明の栄えるところだと。魔法は一般人には認知されないよう隠されていて、万が一知られたら知った方の記憶消去、又は知られた方がオコジョになる重い罰。あとは歴史諸々。わりとシンドバッド頭いいから教えるのがとても楽……。

「そちらの世界の魔法はどうなんだ?」
『……まあ、まずルフはないな。己の体にある魔力を使うところは同じだが、命令式はないよ。詠昌があるけど。種類も様々だ。この世界で言う、六つの属性はあまり意味を持たない、使えるものは使えるし種類も抱負だからな』
「例えば?」
『魔法の射手(サギタ・マギカ)、最も基本的な攻撃魔法だよ、一本でもまあ小さな威力はある。こんなのでも199本あると極大魔法と大差無いが』
「他は?」
『……あまり好きじゃないが、「花風・武装解除(フランス・エクサルマティオー)」。相手の武器や武装を弾き飛ばす魔法だ』
「なんだ、便利じゃないか! なんで好きじゃないんだ?」
『脱げるんだよ。武装どころか服まで弾き飛ばすんだ』
「なん……だと……?」
『教えないからな』

.

278:マメツキ:2017/10/06(金) 23:31 ID:zdo

以前ストップしたネギま!男主の続き。
男主私服。http://ha10.net/up/data/img/21510.jpg
設定
緋影伊織
 赤い瞳のつり目が特徴的な寡黙かつクールな少年。一応魔法使いだが、魔法剣士の部類に入る。魔法拳士でもある。「アホか」が口癖。得意な魔法の属性は炎。実力はエヴァと同等かそれ以上。
 そのせいというかなんというか学園長に「男子校満員になっちゃったから女子中等部通ってね」とわざとらしくただ一人女子の中に放り込まれた苦労人。表向きは共学テスト生。鋼の理性を持ち合わせており、学園では硬派なのも相まってかなり有名。イケメンである。空手四段。ネギに同情の念を抱いており、何かと世話を焼く。何が起こっても動じない。
 長瀬より少し高いぐらいの身長。声低い。クラスのネギ至上主義に呆れているのだが、同時に自分にもそれが向いているとは思っていない。ネギのようにおおっぴろなアピールはないが、同級生な為みんな恥ずかしがってアピールは控えめ。
 イメージ画の刀は相棒の『アヴァタール』。熱くなれと意思を込めれば刃がめっちゃ高温になって高層ビルぐらいなら溶けてすぱーん。普通の状態でも切れ味は抜群。
 明日菜のように固有能力を持って生まれているただの人間。向こうの世界出身ではない。能力は『身体炎化』、攻撃には使えないものの、移動速度は瞬間移動に近く、相手の攻撃はすり抜ける。ネギの雷化の劣化ver。人間に危害は加えない比較的優しい能力。
 のどかが気になっているものの行動に移す気は無い紳士。但し無表情。温厚派。両親は既に他界。
**



 11時となり、乙女達(大半がネギ狙い)が血気盛んに盛り上がっていく頃、一方のいおりは外へと涼みに来ていた。和服があまりにも似合わないと思って自嘲した彼は持参のワイシャツにカーゴパンツ姿。酷く涼しげである。
 途端、ふるりと背を這うような悪寒と、何かしらの執念を感じとり、小麦色の肌に鳥肌を立たせて旅館を振り返った。



『……なんだ?』



 訳もわからずに眉を潜めるいおりは地面に光るものにやっと気が付いた。足元に電球でも埋められているのかと思っていたが、どうやらソレは仮契約用の魔法陣。魔法陣はぐるりと旅館を囲っており、ようやくいおりはカモミールか、と人相悪く舌打ちをかました。
 成功すれば仮契約は一人につき五万円を協会が支払うことになっているのだが。大方、金に目が眩んだか、か弱いネギ先生が多くの女子にモテるところをにやにや見ていたいのか。どちらとも取れるその行動にいおりは再び舌打ちをひとつ。
 妙にカモミールと仲が良かった朝倉の事だ、アイツも参加していると考えていい。そしてこの異様な執念。恐らく朝倉に焚き付けられて何か仮契約、言わばキスに関するゲームでもやっているのだろう。まったく、ロクなことをしてくれないバカたちだ。しばらく外にいる方が安全だと思い、ベンチに座って月夜を見上げる。綺麗だと思うと同時に、あの夜を思い出した。



……や、やめっ、やめてくれ、俺を……

[……嫌だぁっ、死にたくないっ、死にたくない死にたくないっ! 嫌だあああああ! あああああ!]
[ぎゃああああっ! いやっ、熱いっ! 熱いよおおおおお! 何で、何であんただけっ!]
[助けてっ、助けていおりくんんんんん! 熱いのっ、痛い、溶けそうなの! ずるいずるいずるい! アンタずるいんだよ! ひぎっ、熱いいっ、あつ、ああああああ!]

……また、死んだ。一人二人、三人四人、大勢が俺に助けを求めて死んでいく。積み重なる屍に俺は涙を流すのみだった。鉄格子から覗いているのは漆黒の闇とそのときの俺を嘲笑う化のように爛々と輝く綺麗な月。残っているのは、俺と__。

 ハッとして目をぱちりと見開く。周囲はあまり変わっていないが、時計を見ればもう11時半。寝てしまっていたようだ。俺の体は汗がぐっしょりで、はあ、と息が上がっていることに気が付く。ずいぶんと昔の夢を見た。気分の悪い夢だ。気持ち悪い。

279:マメツキ◆A.:2017/10/07(土) 00:33 ID:zdo


 再び周辺を歩き、汗を引かせた俺はようやく昼の宮崎の件を思い出す。告白されたのなんて人生ではじめての出来事でちょっとパニックに陥って神楽坂たちには無様な俺を見せてしまった。
 返事返事と考えるも、よくよく思うと俺はあまり宮崎を知らないことに気がついた。あまり知らない子を振るのも受けるのも俺的には失礼だと確定しており、宮崎に言うべきことがきちんと決まる。
 宿に戻ると奥からぱたぱたと宮崎と綾瀬が走ってきた。一体どうしたんだ。ゲームにしては騒がしい気がしたしなにがあったのだろう。
 とりあえず、「宮崎」とだけ呟いてぴたりと面白いぐらい硬直した俺は少し動いてくれ。



「あ、緋影くん……」
『……あー、昼のこと、なんだが』



 俺がそう切り出すと「いえー、あの事は良いんです、聞いてもらいたかっただけでー!」とあわあわと慌て出す宮崎に『良いから聞いてくれ』と落ち着くように促す。
 そうは言ったものの、どうしようか。どこに行ったいつもの俺。



『……悪い宮崎、こう言っておいてなんだ、その、肝心の結論がまだ出てない。こう言い訳がましくなるのは俺の本意じゃないんだが、何せ、こうして好意を伝えられることが初めてで……困ったな……、こういうときに何を言えばいいんだ……。
……まあ、とにかくだ。考えてて思ったんだが、俺はクラスが二年とちょっと同じだったクセにお前のことをあまり知らない。これからは出来るだけ意識をするようにする』



 頭を掻いて視線を逸らしながらそう言い切る。くそ恥ずかしい。初めてこんなに情けない姿を人前に晒した。明石と長谷川がそこにいると言うのに。正座で。お前らなにしたの……?
 流石に今度はきちんと宮崎の目を見て告げた。



『……だから返事は……“二学期”になるまで待っててくれ。それまでに『宮崎のどか』が俺の中でどんな存在か、考えるて、返事をする』



 そう言い切ると宮崎はしばらくきょとりとしてから、「はいっ」と微笑んで返事をする。ばきゅんと何かが俺を貫いた気がするのは気のせいか。気のせいか!? 大丈夫か俺!?
 ふー、と緊張からかゆっくりと息を吐いて、『戻るか』と努めていつも通りを装う。



『新田に見つかるとまずいんだろ』
「あっ、そうだったっ」
「……」



 ぱたぱたと先行する宮崎_のどかの後を追って足を踏み出すとガッと何かに足が引っ掛かった。宙に浮く体の先には宮崎が居て、恐らく虚空瞬動を使えば衝突は免れる筈だ。いやしかし、宮崎、綾瀬、そこで正座してる長谷川と明石は一般人。見られるとわりと不味い。
 何かに気付いたのどかがぱっと振り向いた。綾瀬、足を引っ掻けたのお前か。お前なんだな。



『あ¨』



 時すでに遅し。最早陰謀のような力すら感じるほど上手いこと重なるお互いの唇。しかし、それも束の間。185cmの身長の俺の体重に耐えきれなかったのどかはぐらりと後ろに傾き、そのまま勢いよく二人して倒れてしまった。
 さすがに後頭部を打たせる訳にもいかないので咄嗟にそこに手のひらを滑り込ませていてよかったと心底思う。ナイス反射神経だ俺。
 そしてハッと気付けば、宮崎の顔が至近距離かつ下に存在し、真っ赤に染まっている。一連の流れを見てみると、ああ、もう。わざとじゃないとは言え押し倒していることは明確。瞬間顔に集まる熱に珍しく表情筋が動いたのが分かる。



『っ、!』



 バッと上体を起こして両手をあげる。横目で綾瀬を見ると、サムズアップ。長谷川を見ると唖然、明石を見ると口をあんぐりと開き、いつの間にか居た神楽坂と桜咲も似たような感じだった。あ、ダメだ。



『っ、せ、責任は取る! 悪かった宮ざ、っ、のどか……!』



 頭はもうオーバーヒート仕掛けで、咄嗟にその場から離脱する。全速力で駆け出した。



.

280:マメツキ◆A.:2017/10/07(土) 23:01 ID:zdo


 三日目八時半。気まずい気持ちを抱えて食堂にいくとみんながわいわいと騒がしい。聞くところによるとあのあと新田に見つかって朝まで正座させられていたようだ。だから早く戻れって言ったのに。
 どうやら昨日のキスで仮契約が完全に成立してしまったらしい。これは由々しき事態だ。魔法を知らない彼女はこれで無理矢理その血みどろの世界に引きずり込まれたようなもの。アルベール・カモミールめ、この事態の重さを、きちんと理解しているのか。

 ロビーにて、それをカモミールに問い詰めると、ビクビクしたようにコクコクと頷く。本当かよ、と言うようにキッと睨んでから腕を組んで居ると、隣の神楽坂が「まったくもー」とスカカード五枚とのどかのカードを持って怒鳴る。



「ちょっとどーするのよネギ! こーんなにいっぱいカード作っちゃって一体どう責任とるつもりなのよ!」
「えうっ!? 僕ですか〜!?」



 ガミガミ叱る神楽坂から少し視線を逸らしてから『それは俺にも責任がある』とネギ先生を援護した。仮にも、先生が身代わり人形を使ったのであって先生に非は別にない。見回り言ってたようだし。



『ネギ先生ですら身代わり人形でスカだけだったのに、俺は、俺は……。のどかにああ言った後で、彼女に失礼過ぎる。死にたい』
「ちょ、言い方が悪かったわよ! ごめんって! 落ち込まないでよー!」



.

281:マメツキ◆A.:2017/10/08(日) 18:50 ID:zdo


 そのあと、今日は私服の自由活動日だったので部屋にいって着替える。ワインレッドのワイシャツを腕捲りにし、濃い色のカーゴパンツ。それに肩掛けを背負えば準備は完了だった。
 手の中にあるのどかのパクティオーカードのオリジナルを見て唸る。これは先程カモに押し付けるように渡されたのだが、やはり常備していた方が良さそうだ。
 ロビーにて。オリジナルパクティオーカードを肩掛けに入れてさぁ行くか、と言うところでネギに呼び止められた。



「緋影さぁーん」
『ネギ先生。どうしたんですか、そんなに慌てて』



 ぴたりと出入り口の自動ドアのところで振り返り、先生と視線を合わせる。先生は肩に忌々しいオコジョのカモを乗せて『お願い』をしに来たらしい。
 申し訳無さそうに女子から見ると愛くるしいであろう顔を歪めた。



「……その、実は僕、学園長から関西呪術協会の長さんに親書を渡すよう頼まれているんです。あの、それで、僕一人じゃ不安なのでパートナーのアスナさんと一緒に行くんですけど……」
『馴染みのある同性の俺にも着いてきて欲しいってことですか』



 こくりと頷いたネギを前に、ふむと少し考える。確かに、あのクソ親父の仲間だった英雄、ナギ・スプリングフィールドの子供とは言え、異性ばかりじゃ不安なのだろう。よく考えなくてもコイツは10歳で親元を離れて心細いのもあるだろう。俺自身先生には良くしたいと思っているし。
 何より、その判断は正解だ。少なくとも、俺がいれば戦闘で負けることは有り得ないことが確立される。



『そういうことなら、全く構いませんよ』
「ほ、ほんとですか!? やったー!」



 両腕を突き上げて手放しに喜ぶ先生は本当に弟のようだ。『姉』と『弟』と言う存在に酷く執着しているあやかの気持ちも分からないではないが、一人っ子の俺はそこまで執着したいとは思わない。……いや、本当は俺にも兄や姉、弟妹と言った存在が居たのかも知れないがいたとしても俺の所為で亡くなっているケースだろうなと今まで見てきた赤の他人を思い浮かべた。背中の大火傷は死ななかった代償というより、今までの犠牲者の怨念というのに近いかもしれない。
 そんな後ろ暗い過去を思い出しながら裏口から外に出て、神楽坂と待ち合わせをしていると言う石橋までやって来たのだが。



「わぁー! 皆さん可愛いお洋服ですね!」



 絶句した。まあ表情は相も変わらず無表情だろうが。なぜ神楽坂以外の五班のメンバーも勢揃いしちゃってんだおかしいだろなにこれドッキリかよふざけんなマジで。
 神楽坂は早乙女にうっかりバレてしまったらしい。そういうとこホント成長してねえな。呆れの視線を神楽坂に送ると、バツが悪そうに顔を背けられた。おいこっち見ろコラ。
 絶句した理由はもうひとつ。ネギ先生なんでそんなことサラッと言ってのけるんだ馬鹿かこのガキ。お兄さんネギ先生の将来が心配だよ。
 のどかの持っている本も気になるがもう知らん、なるようになれ。
 とりあえず親書渡しは途中で抜け出して届けにいくらしい。わりと呪術協会から嫌がらせを受けてるみたいだから慎重にやれよ。



「わー、宿の近くもすごくいい所なんですねー!」
「はい。嵐山、嵯峨野は紅葉の名所も多いので秋に来るのもいいですよ」
『……よく知ってるな、綾瀬』
「事前に調べてきましたから」



 妙に手際の良い綾瀬も修学旅行を楽しみしていたということで良いだろうか。桜咲はお嬢に押しきられて連れてこられた様子が見られるから、事情は把握しているのだろう。
 早乙女に目的地はどこかと聞かれたときのネギ先生の言い分はあっちの方だったかな、と下手くそだがまあ子供だから仕方ないさ。



「……ねぇアスナ、ちょっと聞いて良い?」
「ん? 何?」
「……あんた、ネギ先生と付き合ってないよねぇ?」



 早乙女の質問に神楽坂がいきなり近くの信楽焼に頭をぶつけるもんだから驚いた。確かに、二人でこそこそしているのを見られるとそう思われるのも無理はない。神楽坂は10歳相手にそれはないと必死に弁明していたが、どうだかな。とりあえず、俺は先生と生徒とのそういう関係にある程度釘を刺す気で居るからそこのとこよろしく。



.

282:マメツキ◆A.:2017/10/08(日) 19:25 ID:zdo



 そのあと、早乙女が目敏くゲーセンを見つけて、プリクラを撮ろうと言い出した。それにみんなが同意してぞろぞろ動き出すから流れで俺も最後尾を着いていく。



「ぷ、プリクラー……?」
「そうそう! 伊織くんも一緒にね!」
「あ、え……」



 なんだって。聞き捨てならないことが聞こえたが気のせいか。
 ゲーセン内に入ってうろちょろしようと思ったががっちりと早乙女に腕を掴まれてのどかと放り入れられた。女子に手を挙げるつもりはないが、いっぺん叱るぞ早乙女。
 プリクラ機内では隣でのどかが申し訳なさそうに俺を見ていた。



「ご、ごめんね……ハルナが……」
『……いや、いい。あいつらなりに気を遣ってるんだろ。それに俺には丁度いい機会だ、昨日の責任もある。こういうのは初めてだから楽しい』



 そう言うとぱしゃりとプリクラ機が光る。撮れたのだろう、と外に出ると特定人数がなぜかにやにやと俺を見ていた。ろくなことはまず考えてなんてないだろうなと呆れた視線をお返ししてやった。
 その他にも、先生が綾瀬と早乙女のやっているデータカードダスのプレイを見てやってみたり、地元のニット帽を被った学ランの少年と対戦して負けたりとか。



「ほなな、ネギ・スプリングフィールドくん」
「あー君、勝ち逃げはずるいよー!」
「えっ!? ど、どうして僕の名前を!?」



 いや先生、ゲーム始めるときに自分で入力してたろうが。とそんなことを離れた場所から思う。そうこうしているうちに関西弁の少年は「ほな」とタッと駆け出した。
 おっと。見た目はただの小学生だが、明らかに裏の仕事に着いているようだった。雰囲気もそこらの能天気な子供じゃないし、何より足音がない。
 しかし、少年は俺より前に先生たちに近いところにいたのどかとぶつかってしまった。その時その少年から少し脱げた帽子から覗く黒い髪に紛れて、何かを見た気がする。



「あたた……」
「ナハハ、ごめんなお姉ちゃん」



 しかし。去り際少年は「パンツ見えとるでー」と言い残し去っていった。
 びしりと体が固まるのがわかる。どうしてかは知らないが、確実に驚いた。これが最近の子供、怖いもの知らずか。
 そのあと、そのデータカードダスの関西限定カードを集めると言い出した早乙女、綾瀬、お嬢。
 その隙に神楽坂は桜咲にお嬢を任せたと頼み、俺とネギ先生、神楽坂はその場から駆け出した。



.

283:マメツキ◆p.:2017/11/12(日) 01:35 ID:KXc

ネギま世界のシンドバッド♀のあの話を完結させたいなって……思って……その……。うん、上は一旦停止。先こっちだ。

**

 そのあと、朝議にて改めて私の紹介を行う、とシンドバッドにニコニコされて告げられ、思わず立ち上がる。



『嘘だろやめろ私のばかっ!』
「知らせないといけないだろう? こんな重要案件は!」
『おま、だんだんと楽しんでるだろ!』



 はっはっは、と私と似たような笑みを浮かべるシンドバッドに、私は左手で机に手を付き、胸ぐらをもう片手で掴みあげ、ガクガクと揺さぶる。
 別に報告してくれても構わないが、一応こちらの記憶を見せるつもりでいる。それよりも目の前でハハハと爽やかに笑う私にムカつきすぎてヤバイ。私いつもこんなんだったのか……ごめんエヴァ嬢。



「あ、そうだそうだ」
『あ?』



 ぐい、と胸ぐらを掴んでいた方の手を引かれ、態勢は机を挟んで崩れていく。気がつけば目の前には笑みを浮かべたシンドバッドで、狙いすましたように金色の瞳と友に目が細められた。零距離で広がる彼の整った顔といまだ感じる温もりに目をぱちくりと瞬かせるも、私の状況判断能力はとても優秀だ。生娘のように反応は遅くない。
 力の抜けた左腕を建て直し、ぱっと上体を逸らした。
 がたりと席につけば勢い余って椅子が前後にぎっこんと音をたてて揺れるもそんなことたぁ問題じゃない。大切なのは、今、私とシンドバッドがどうなったかと言うことだけだ。



『……私?』
「俺はお前を『俺』として、『自分』としてじゃなく女として、見ているよ」
『……は』
「それだけ言いたかったのさ」
『んん!?』



 突然の奇行にまぶたを必要以上に瞬かせ、目の前で以前変わらずにこにこ笑みを浮かべる彼を見る。要するにそれは、そう言うことで。



『……くそっ、……そういうことか』
「そういうことだ」



 ぐわっ、と上昇したと分かる己の額に手を当てて項垂れる。
 言ってしまうが、私に男性へのこういう経験は皆無に等しい。そもそも、私の通う麻帆良は男女別だから仕方ないと言えば仕方ないし、麻帆良では専ら私が男性側だ。魔法世界のクルト総督に呼ばれた舞踏会だってエヴァが私のために作った性別転換薬を飲みまんま目の前のシンドバッドになってスーツを着て挙げ句女性と踊ったのだ。
 目の前の私は私の反応に意外だったようで、ちょっと驚いたように私を見つめていた。



「免疫がありそうなのにな」
『お前男性に言い寄られたことがあるのか』
「俺はないな……あぁ、なるほど」
『お前がそうなら私もそうに決まってるだろうが』



.

284:マメツキ◆p.:2017/12/12(火) 00:06 ID:woA

また新しいの。
 magi。全国一位の関西人剣道女子が転生したら練家の紅明双子姉になってた原作知識持ちのお話。ちょっと近親相姦。

 練 紅影(こうえい)
 煌帝国第一皇女。紅明の双子の姉。原作知識持ち。前世が関西人なので関西弁だが、禁城では最早紅影の喋り方になっている。上の白兄弟が生きていた頃は隣は白蓮、逆隣は紅明に貼り付かれていた。二人が死亡したあとは紅明が余計べったりになる。練家可愛いよ好き好きなブラシスコン。おとん(紅徳帝)は嫌い。白蓮に恋心を抱くも押さえつけ、彼が死ぬと同時に完全に断ち切った。紅炎は純粋に兄として上司として慕う。弟あいらいく。
 原作を変えるつもりはなく、兄弟の流刑までついていくつもり。嫁にいく気も全く無し。
 見た目は紅明に吹き出物がなくなって泣きボクロが追加。女らしい顔つきだが紅明そっくり。髪に関して、襟足は紅明と似たような感じだが髪は紅炎程の短さ。髪色は紅明と同じ。
 腰もとに太刀程の大きさの日本刀所持。のち金属器になる。

 幼少期から。



.

285:マメツキ◆p.:2017/12/12(火) 00:19 ID:woA

このお話の紅明さんは「姉さん!」な独占欲強し。姉さんはあはあ姉さんな人。姉さんはうはうなう。

**

 どうもこんにちは君の分身ですなんてふざけてる場合でも何でもないぞ、どうした私。
 気が付いたら双子として生まれていた私は今世では紅影と言う名らしい。いやいや全く意味がわからん。
 前世じゃ交通事故に合って呆気なくお陀仏になった全国一位な私、実はオタク。夢小説とかそういうのも読んだから知ってる、これ転生したやつや。



「おはよう、紅明、紅影」
「おはようございます……兄上……」



 マギに転生しとる。よりにもよって煌帝国の紅明の双子の姉に転生しとる。あかん、うちの兄さんと弟が可愛くてあかん。あかん、現実逃避に走っとるヤバい。
 部屋から出てきた私に駆け寄ってきた紅炎兄さん。なんと実兄である。マジかよやだー超かっこいい一生ついていきます炎兄。まだ幼くて可愛い、兄さんマジ可愛い。
 そして私の腕に引っ付いてへにゃっとした笑顔で兄さんに挨拶したのがマイエンジェル紅明。寝起きだからか余計可愛いこの子可愛い。本当はね、部屋は別々に用意してあったんですよ、寝室。しかし、紅明が私と離れたくないと駄々を捏ねたのである。MH5(マジで鼻血噴出五秒前)だった。耐えたけども。鍛練や勉強以外じゃ私にべったりで離れてくれんのですよ死んでしまう可愛い。



『おはよお、兄さん』



 当時四歳、練紅影。長い長いお話の始まりである。



.

286:マメツキ◆p.:2017/12/14(木) 01:12 ID:YkM


 先に言っておくと、私と紅明は世にも珍しい一卵性異性双生児で、顔もそっくりなのだ。私の方には左目の下に泣きボクロが、紅明はちょっと肌が荒れてきてる。部屋に籠ってばっかやからやこの子はもー。
 あれから六年、十歳になった私たち。わりと色々あった気がするなあ。
 終始にやにやした笑顔で鍛練を名残惜しく終えたあとは、何やらそこら辺で毛玉になっている愛しの弟の元へと向かう。



『紅明ー』



 もさあ、とどこに顔があるのかすらわからなかった紅明の髪を分けてやると、「……眩しいです」と顔をしかめられた。顔をしかめるでないぞ弟よ。
 腕に巻いていた紐をしゅるりとほどき、見た目ほど多くはない紅明の髪を右に集めてサイドテールにする。視界が広くなりました、と呟く弟に『そらそうだろうよ』と苦笑いした。
 そのまま二人でとてとてと廊下を歩くと言うより散歩していると、前方から白雄皇子、白蓮皇子が紅炎兄さんを伴って歩いてきた。



「おや、紅影、紅明」
「二人とも散歩かー!」
「『はい、散歩です』」



 さっと二人して頭を下げると言葉すら重なって殿下二人と兄さんたちは微笑んだ。
 楽にしなさいと白雄様に言われてようやく頭をあげる。すぐにぴたりと物理的に側にくっついてきた紅明はさておき、そのまま紅炎兄さんに声を掛けた。



『紅明が天使過ぎてどないしょう紅炎兄さん』
「気持ちはわかるが知らん」



 二つ上の兄の言葉がとても冷たい。が、しかし、原作のギラギラした視線と表情は面影がなく、普通に笑っているので内情は暖かい人だ。わしゃわしゃと私たちの頭をかき混ぜるようにして撫でたこの人も大概ブラシスコンである。紅炎兄さん好き。隣で撫でられて嬉しそうな紅明は天使、好き。
 途端、脇に手がさしこまれ、一気に目線が高くなった。私を持ち上げて満足そうにしているのは白雄様である。歩きながら持ち上げているからか、景色が流れて新鮮だ。白蓮様は紅明を持ち上げていた。ちょっと羨ましいぞ紅明。



「改めてみると大きくなったな、この双子も」
「紅影は将来きっとと言うか絶対美人になりますよ、兄上」
「大きくなって美人になると、他国からも引く手あまただろうな……」



 白雄様がそういった瞬間ガンっと紅炎兄さんが足を滑らせて柱に額をぶつけた。あまりにいきなりなことなので歩みを止めて四人共ちょっと驚いて目を見開きながら紅炎兄さんを見る。額をぶつけても尚表情を変えない炎兄は流石の一言だ。額押さえて痛みに耐えてるのはとてもイイ。



「……そうか、紅影もいつかここを出るのか」
「なるほど、妹がどこかにいくのを思い出してか、わからなくもないぞ、その気持ちは」
「いや……まあ、そうなるのですかね」
「まあ、兄上も俺も、白瑛が嫁に行くってなると引き留めるだろうしな!」
「大きな声で言えたもんじゃないぞ白蓮」



 地面に下ろされた私は何年先の話しとるんやと苦笑いしながらそれ光景を眺めていた。すると、ぽすりと紅明が私のそばで「姉上は、どこにも行きませんよね?」とやけに曇った瞳で見つめてくる。それにちょっとした恐怖を覚えながら、『行かへん行かへん』と笑い飛ばした。



「……本当に?」
『ほんまほんま』
「……本当ですか?」
『……疑り深いなぁ』



 ならこうしよう! と声高々に腰の短刀を抜き、ざくりと左頬に深い傷をつけた。兄さんたちは目を向いているが、気にすることではない。じくじくと痛む頬とぽたりぽたりと滴る鮮血に口の端が釣り上がった。



『これでもう傷物やからどこにもいかれへんよ』



 このあと兄たちに物凄い形相で叱られたのは仕方ないと言えば仕方ない。



.

287:マメツキ◆p.:2017/12/15(金) 00:35 ID:YkM


 マギコミックス巻末のオマケ漫画をご存知だろうか。あれや、番外短編的な。オマケペーパーも然りやで。
 なぜ突然そんな話を持ち出したのかと言うと、現在、紅覇の話が始まったからである。
 紅覇を産んだあと、紅徳に見向きもされなくなった紅覇の母は気を病み幼児化、現在紅覇が母の代わりとして行動し、近くに近付くと刃物で切りつけたりしているようだ。
 そして私は紅明、紅炎兄さんと共に紅兄弟三男の様子を見に行った訳だが。
 兄は切りつけられ、弟は殴られ、てんで散々な目に遭っている。私はというと「ど、どっぺるげんがー!!!」と大声を挙げられた。心に深い傷を負ったんだが可愛い弟よ。
 まぁ結局は紅炎兄さんに頭を撫でられてほだされたのだけど。可愛いなあもう。
 それから数日、ようやく私達に気を許したのかにこにこしながら紅炎兄さんにベッタリな紅覇は、兄さんの服の袖をギュッと握りしめながらふと疑問を口にした。



「ねー、なんで明兄と影姉はいつも一緒なの? べったりだー」



 仲良しだねえと笑う紅覇は天使か。その隣でちょっと顔をしかめたのが兄さんである。



「……紅明はいつになったら姉離れするんだ」



 ちょっと呆れを滲ませた兄さんに紅明は俄関せずと言ったようにいつも通り私と手を繋いで指を絡ませ、所謂恋人繋ぎをしてぎゅうと握る。ちょっと満足げなのは如何なものか。達成感満載なんだが。可愛い。
 紅明は握った手から視線を逸らし、「……何がいけないのですか?」と兄さんを見つめてきょとりとした。



「それだ」



 繋がれた手を指差し全く、と項垂れる紅炎だが、紅明は直す気がないらしくぎゅっと腕に抱き付く。まだ身長が一緒だからか顔が近いがとにかく可愛い。
 すると紅覇が「僕もやるー」と兄さんに抱き付いた。えへへと笑う紅覇を見て少し頬を緩ませた紅炎兄さんはさっきまであんなにお小言を漏らしていたクセに見る影もない。アンタも大概だな。
 へらりと頬を緩ませて、真似をするように私も紅明に抱き付いた。



.

288:マメツキ◆p.:2017/12/16(土) 01:10 ID:YkM


 最近、胸が出てきた。以前まで着ていた服は胸回りがぐっとキツくなってきてヤバイ。ぱつぱつである。まぁとにかく、ぐんぐん大きくなっているのだ。ぐんぐんヨーグルかよ。別の漫画だっつーの。前世で全く色気のなかった貧乳の私と同程度にまで大きくなっている。まだ15にもなっていないこの年で。前世の私ぐっない。
 あれか。練家の血筋的なあれか。いやあれってどれだよ。まあ白瑛もでかかったしな。いや、あれは玉艶の家系の血筋か? それなら私の母がでかいのか? 謎やわー。前世で読んだネ○まの女の子たちも一部かなりでかかったし、そんな感じのあれか。だから別の漫画だっつーの。
 とりあえず、ぽよぽよと揺れるそれが鍛練のときに邪魔で仕方ないという話だ。練家の定めか。そうなのか。嫌だな。
 そしてこの年になっても双子揃って一緒に寝るってどうよ。紅明、お前夜伽はどうしたんだ。原作白龍から聞く限り皇族男児は流れ作業なんだろ、流れ作業。とっとと卒業してこいよ。
 私はと言うと、顔に大きく傷を負ってしまっているので嫁には出れない。好都合である。ずっと煌に居たい。それが出来ないのは分かっているが。将来将軍か兄弟の護衛を勤めたいな。まぁ必要なのは金属器だ。金属器欲しい金属器寄越せジュダル。
 とりあえず、鏡の前に立ち、ぽつりと胸を見ながら呟いた。



『……将来どないな大きさになるんやこれ』



**
紅明side

 凛とした佇まいからかもし出される雰囲気は気だるげだが威圧感を纏って色気を伴い、腰の太刀が無骨な装飾ながら花である彼女をいっそう引き立たせる。今の時点で兄上や殿下達すら退け煌帝国内一番と謡われる程の剣の腕を持つ彼女は私の双子の姉、紅影だ。
 最近彼女は胸が出てきたと気にしていたが、今は成長期だし、寝静まった頃に私が揉んだりしているのも原因のひとつだろう。変態じゃないですよ。
 と言っても私、何を隠そう彼女を愛している。要するに恋愛的好意を実の姉に寄せているのだ。



『姉さん』
「お、どないした紅明」



 最近私の方が高くなってきた身長に少し感謝しつつ、後ろから姉へと抱き付く。姉は嫌がるでもなんでもなくただ笑って私を享受するのだ。
 姉に惚れたのは簡単だ。私の為に頬を盛大に切り裂いてくれた時から、私は彼女に惹かれて仕方がない。



『紅明』
「嫌です」
『まだなんも言うてへんわ。本読みたいから資料室行こ』
「……むう」
『ほら』



 渋々と、私は紅影姉さんの首に巻き付いた腕を外し、差し出された右手を取った。



.

289:マメツキ◆A.:2018/02/05(月) 23:49 ID:5/6


 ヒロアカ転生トリップ。爆豪の二つ上の雄英ヒーロー科兄主。
 一人称『俺』
 個性は『爆発火』。弟みたいにニトロのような汗を手のひらから出し、手のひらで爆破したり、そのニトロ汗が付着したものを意識的に爆破できるガチの爆弾。時間差。
 面倒見は良い。頭は普通、運動神経が良い。弟が天才肌過ぎていつか抜かれそうで内心怖い。
 髪の毛は跳ねてるけど爆発はしてない。名ばかりいけめん。中身のが男前。前世の記憶があるからかかなり達観しているクラスのお父さん。下手したら自分のお父さんよりお父さん。
 ビッグ3に並んで『帝王』なんて呼ばれてるヤバイ人。中身は普通。
 顔の左側ガチめの火傷跡。自分のせい。


**

 記憶持って転生して、爆豪とかヒロアカじゃんマジでこんな名字あんだなとか呆けてたら個性やヒーローオールマイトがうんちゃらかんちゃら、まっさかー、みんなよってたかって騙そうとするのはいただけねーなーなんて冷や汗掻いてたら二歳の時『勝己』なんて名前の弟が生まれた。おいおい。そして四歳で爆発火の個性が出た。おいおい。マジでどうした俺の手のひら。ちょっと甘い匂いすんだけどこれニトロ? ニトロなの?
 手のひらじっと見てたら左目めがけて大爆発が起こって顔半分マジで火傷あとになった俺の時間はその時から正常に動き出した。とりあえず顔の左側に消えない火傷跡が残った。最悪すぎかよ。

 そして悟る。あ、これ、ヒロアカだわって。

 それから。構って構って遊んで遊んで兄ちゃん個性かっこいい見せて見せてと喧しい原作の面影のおの字も見えない弟、爆豪勝己をそれなりに仲良く構い、日々庭先でバンバン個性爆発させて伸ばしに伸ばした。なんか検証の結果俺のニトロ汗は遠距離でも意思ひとつで爆発が起きるらしい。マジの爆弾人間だ俺! やべえ!

 なぜ日々訓練しているのかだと? 決まってんだろ死にたくねぇからだよ。だって誰でも個性持ってんのよ? 敵なんて見えないところで近くに居たりすんのよ? 怖すぎるわ!
 ということで個性の免許取るためにとりあえず雄英ヒーロー科目指すことにした俺。……アッ、アッ、待って待ってビッグ3と同期とか霞むじゃんやめろください。



「兄ちゃん遊ぼーぜ!」
『おうぅっ、締まってる締まってる! 勝己俺の首クソ締まってるやめろバカ!』
「遊べよ!」
『ついに命令系だと!?』



 ちょっと弟の未来が心配になってきた今日この頃。

……え? 俺の名前? 『爆豪 壱己(かずき)』だけど。


.

290:マメツキ◆A.:2018/02/06(火) 00:20 ID:5/6



 小学校に入学した頃、勝己が年中になり、勝己の幼馴染みの出久が無個性だと罵られ始めた頃。
 俺はこの世界の人々がちょっと心配になってきた。



「壱己くんその痕触っていーい?」
「壱己ー! 火傷痕かっけーからちょっと触らして!」



 何 が ど う し て こ う な っ た 。
 火傷痕とか絶対なんか周りから言われんだろ幼き俺の馬鹿野郎とか思っていた俺の憂いを返せ小学生ども。なぜそんなに興味津々なんだよ! もっと怖がれよ! いや別に怖がられたい訳でもないがな!? 個性あるし許容せにゃならんこともあるだろうよ! それにしたって普通の子は怖がるもんだろ!
 俺の常識がおかしいのか? なんて思ってたけどこの世は超常が常識なんだから俺の常識がおかしいのかと考えを改めた。いや何でだよ! 前世The・普通! な人で職業は警視で普通に家庭築いて普通に家族円満だった俺からしちゃこんなもんパニくるわ! 死んだ覚えないけど転生しちゃったんだぞ俺! せめてめちゃくちゃ出来た嫁と中学生なのになぜか全く反抗期が来なくて不思議な娘に一言言いたかったわクソが! 明日は遅くなるけど待っててくれよとか、とっとと反抗期迎えた方が後が楽でいいんだぞ! とかな! 俺は父親か! 父親だったなそう言えば! ダメだ一旦落ち着こう、錯乱している。餅つけ俺。ぺったんぺった……何餅ついてんのちげーだろうよ落ち着くんだ俺。

 まぁこれも一応過ぎたこと。案外あっさりしてんねとか言うなよ。割りきってんの俺は。伊達に前世40後半も生きてねーよ。……おっさんとか言ったら怒る、クソ怒る。ブチギレるからなおうこら。
 半年も経てば火傷に興味示すやつなんざ居ねーわな。



『なぁ夜久』
「ん? 何?」
『小学生って残酷だよな、あ、俺も小学生だったわ』
「何言ってんだお前頭大丈夫か?」
『親友の唐突な毒舌に俺は今戸惑いを隠せないでいるんだが』
「なあ、戸惑ってんだよな? 本当に戸惑ってんだよな? 表情変わってねーよ? 本当に戸惑ってんの?」
『実を言うとそこまで戸惑ってねーよ』
「要らん嘘つくなよ……」



 親友、影山 夜久(かげやま よるひさ)との無難な掛け合いにここの一角既に高校みてぇな掛け合いしてんなとぼんやり考える。
 影山夜久。個性『操影』と言う影を操る個性を持っている。相手を拘束したり、鋭利な刃物になったり需要の高い良い個性。本人は自分は動かずに色々物取れるから楽だと言う勿体無い使い方しかしていない。馬鹿だなコイツ。
 夜久なげーし819に夜久って名字居たよなと思いだし「夜久(やく)」と言うあだ名で呼んでいる。本人は別に嫌がってないようなので多分このままだ。



『あ、夜久。次理科室だとよ』
「ファイルファイル」



 パタパタと席を立ち後ろのロッカーに向かった夜久に俺のも取ってよるひさちゃーんと声を掛けると「ちゃんヤメロ!」と叫ぶ。ファイルが回転しながら飛んできて角が当たって額でスコンと良い音が響いた。



『ってぇんだよこの夜久!』
「取ってやったんだろ!? ってこの夜久ってなんだよ!?」
『サンキュー』
「俺もうお前のテンションがわかんねーよ、この夜久ってなに」
『いくぞー』
「だからこの夜久って何!!?」



.

291:マメツキ◆A.:2018/02/06(火) 00:45 ID:5/6



 時が経つのって本当はえーな。なんやかんや紆余曲折あってもう俺中学生だよ。中一だよ中一。
 身長もぐんぐん伸びて筋肉もわりとついて、何て言うか……細マッチョ? そんなんになった。肉体美だろ、見ろこの肉体美。頼まれたって見せねーよ。
 そろそろ雄英への入学入試のために赤本買うかとか学校の帰り道に呟いたら夜久に「早くね?」とぼやかれた。



『雄英に早すぎなんてことねぇんだよ。倍率約300だぞ勉強しねーと死ぬわ』
「あー、お前雄英行くんだっけか。言ってたなそう言や」
『夜久は?』
「俺別にヒーロー目指すつもりねぇしな。とりあえず雄英の普通科受ける気。つっても二年も先だけど」
『あと二年だぞ馬鹿かお前。あ、馬鹿か。馬鹿だもんなお前。知ってんだぞ前の小テスト0点取ったこと』
「何で知ってんだよ!!! 俺はバカで結構! 俺は地道にやるし!」
『ウンソウダナ』
「めんどくさがりやがった……」



 それにしても雄英とは。夜久お前俺のこと大好きかよ。と呟けばガチトーンで「キモッ」と言われる。ちょっと傷付いたぞ……。
 とは言え、雄英目指すのは分かる。たとえ普通科でも雄英は雄英に違いはない。就職便利だろうな。


**



『たでーまー』



 帰路すがら本屋寄って赤本買ってコンビニで勝己用にオールマイトが付録だった新発売のお菓子買って帰宅すると、母さんから「おかえりー」と元気よく返ってきた。そしてどたどた聞こえる廊下を駆ける音に身構えた。



「兄貴っ」
『うぶっ。ぐ、流石の俺の素晴らしい腹筋も勝己の頭突きには耐えらんねぇわ……いてえ』



 ずどんと音がしそうなほど頭突きぶちこんできた勝己に多少ふらつくも、まだまだ軽いその体を抱き上げる。「……おかえり」と最近見せるようになったブスくれる顔に苦笑いして『ただいま』と返した。
 そっと下ろしてからリビングに入ると後ろからとたとたと勝己もついてくる。



「何壱己もう赤本買ってきたの? 二年先よ?」
『まーなぁ。雄英だし用心するに越したことねーよ。高校範囲まで分かるから、一応確認みたいな』
「こうっ……どこでそんな知識身に付けてくんのよアンタは」



 驚愕を声に滲ませる母にからから笑って、勝己に「新しいの売ってたから買ってきた」とお菓子を渡すとサンキューと叫んで早速机で袋を開けていた。
 お菓子開けるとききちんとテーブルの位置につくとこは母さんの教育行き届いてるよな……。外じゃブイブイ言わせてるけど、基本礼儀正しいもんな勝己は。

 学ラン脱ぎながら母と目線がカチ合い、きっと同じこと考えてたであろう。お互いにへらりと笑みを浮かべた。



.

292:マメツキ◆A.:2018/02/06(火) 01:11 ID:5/6



 時間って経つのクソ速ぇなとつくづく感じる。今や小学生だった勝己も出久も中二になり、俺は雄英ヒーロー科入試を無事に通った。
 いや、まぁ前世県警で働いてたし赤本とか復習してたしで入試問題はかなり簡単だった。拍子抜けしたと言えば実技かな。コミックスの時みたいな設定の対ロボット仮想敵。ぼこぼこのフルボッコにしたら一般入試一位取って入学したわ。
 そう言えば夜久。アイツ普通に普通科受かってた。ヒーローなんねーのと聞くと「俺万能個性だし本当に心配して言ってるみてーだけど、本当にヒーローに興味沸かねーの。お前も同じ目ぇしてるけど」と返された。
 まぁそうだね。認めよう。俺別にヒーローなりてー訳じゃねえわ。個性使える免許目当てだ。グラントリノとかそんな感じの動機だったし俺もそんなんでいいだろ適当だよ悪いか。オールマイトにはなんの魅力も感じねーしな。見てりゃただの2mのムキムキなおっさんだよ。いやまあ憧れるの分かるよかっこいいし。
 俺が惹かれなかっただけだ。



「じゃあまた放課後な【王様】」
『誰が王様だ夜久コルァ』



 朝、登校して廊下のヒーロー科と普通科で教室が分かれているので、それぞれのクラスに向かって進む去り際そう言われて思わず罵声を返す。本気で王様ってなんなんだよ。
 がらりとクソでけえ扉を開けて入ると教室に将来のビッグ3がいた。……うそーん。
 天喰は名前順の関係かすぐそばに居た。通形も天喰の机に寄ってきている。うわ、マジモンだ。
 一瞬硬直するも、流石にここに立つのは邪魔かと思い「よろしくな」とだけ声を掛けて指定の席に着席する。……後ろの席が波動ちゃんだった。

 ……ちょっと囲われ気味なのは気のせいか?


**


 やって来ました雄英体育祭。
 ここまで来るのにかなり紆余曲折。入室時に天喰と通形に声を掛けたからかなんか仲良くなった。わりと三人で行動したり。俺が夜久と行動したりするから抜けたりするけど。意外なのはわりと天喰がちゃんと話をしてくれるところだなうん。人見知り発動かと構えてたから拍子抜けした。そして波動とは後ろの席と言うことで話しかけられるのなんの。ねぇねぇその左の顔の火傷どうしたの個性ってなに等々。つきることないな疑問! 可愛いから許すけど! まぁよく話す仲だ。そして他のクラスメイトには顔の火傷が原因で話し掛けて貰えない。小学生だった頃のあの感性今こそカムバックの日だろおい……。

 ギャラリーからの凄まじい歓声の中、クラス委員に従ってぞろぞろ歩いていくと、通形に「大勢居るな! 凄い!」と話し掛けられた。



『マジそれな。やべー心臓爆発でこえー』
「爆豪でも緊張したりするんだな……」
『わり真に受けないでさっきの嘘だから。周囲なんて騒音くらいにしか思ってないから』
「爆豪得意の意味のない嘘だな!」
「なぜ嘘を……っ!」
『緊張解けたろ』



 ポカンとする二人ににやァ、と笑ってやると二人して顔を見合わせて笑ってから通形に背中を叩かれた。おいやめろなにをする。とりあえずその場繋ぎの嘘で誤魔化せたから良しとする。別になんにも考えず嘘ついたからな俺。結果論だけど緊張溶けてよかったよかった。



.

293:マメツキ◆A.:2018/02/06(火) 01:43 ID:5/6



 そして選手宣誓の時。この役目は入試一位、つまりは俺の役目だ。
 「爆豪壱己!!」と叫ばれた自分の名前に呼ばれるまま壇上に立ち、背筋を伸ばしていすまいを正す。



『宣誓!! 今年の一年体育祭は』



 ぎらぎらと光る眼光のままに舌なめずりをしたあと、にやっと口角をあげて、カメラに人差し指をつきつけた。



『俺が、一位だ』



 一切の迷いなく断言。その一言に他クラスは唖然、俺のクラスはクスクス笑ってアイツやりよったとばかりの雰囲気を出している。一気に沸き立つオーディエンスと実況席にほくほくした気分で列に戻ると通形に肩を組まれ、天喰に「お前はヒーローに向いてるよ……」と苦笑いされた。マジか俺ヒーローむいてんの。
 今まで一定の距離を保ってきていたクラスメイトたちにわっと囲まれ、「よく全国中継で断言するわ」「コレ一位になれなきゃ超はずいやつな」「さすが私らの王様ね」「むしろ帝王だろ」「「ああー」」『てめーらばかにしてんのか』と軽口を叩き合う。今までの距離どうした。



「ねえねえ一位なれなきゃ恥ずかしいの知ってる? 知ってた?」
『全部承知の上だ。俺が纏めて蹴散らす』



 ひょこひょこ近付いてきた波動にそう返すと「ねえねえ爆豪! コレが王様、もとい帝王って呼ばれる由縁なんだよ! 知ってた?」としたり顔をしてきた。この態度だった……だとぅ?

 **

 結果から言おう。俺、完膚なきまでの一位を取った。最初の競技はやっぱり妨害オッケー障害物競争。言葉通りに自分のクラス纏めて全てを蹴散らし圧倒的大差をつけてゴール。まぁ途中足捻挫して転けそうになった女子抱えて一時走ったけど、すぐ担架に乗せた。捻挫のとこ真っ青だったしあれはやばい。そして次の種目も圧倒的一位。昼休憩はクラスの奴等に誘われたが、夜久と約束していたので断って二人で飯食った。ランチラッシュの飯最高。
 トーナメントも体術と爆発火を最大限駆使し無傷で駆け上がった。



「マジで一位取ったアイツ……」
「チェックチェック!」
「カメラ! 早くしろ! 彼映せ!」



 ざわめく観客席がめちゃくちゃ気持ちいい。世に知らしめた俺と言う存在に叫びたい衝動に駈られるが、隣の通形にぱっと口を手で塞がれた。もがむごと意味のない言葉が漏れてクラスがクスクスと笑みを溢す。
 そう、これ。こういうの。こういうの俺は望んでたの。和やかなクラス。ヒーロー科の時点で個性的すぎる奴等ばっかだけど、こういうクラスで楽しむって奴! 俺好きこの雰囲気。

 一位の壇上に上がってメダルを首に下げると、直ぐ様マイクを向けられた。え、なに。ちょっと困惑なんだけど本当に何?



<宣言通りに一位を取った爆豪くんに一言お願いしたいと思います! どうぞ!>
『嘘だろ聞いてねぇよ!? なんだこれ!? いやまぁ当然かうん待って待ってちょっと待ってね今言うこと考えてるから超テンパってるから。だっせーとこ映すのやめろください』



 多分会場のみんな思ったろう。なんだこのギャップと。しまりねーの分かってるよ! しめるよ今から!



『……来年も完膚無きまでに圧倒的な一位をもぎ取ります。王様だ帝王だとかクラスメイトから変なあだ名つけられてるけど、それに対して恥ずかしくないように、実力と自身と風格的等を身に付けれて行ければと思ってます』



 その日以降、俺は王様ではなく『帝王』と呼ばれることが増えた気がする。



.

294:マッキー◆5A hoge:2018/02/06(火) 17:36 ID:F6g

すみません!小説のリクエストとか出来るでしょうか?
常闇とカカシの絡みとかいうの、見てみたくて。

295:マメツキ◆A.:2018/02/06(火) 23:19 ID:5/6



はい、出来ますよー! いつになるか分かりませんが、とりあえず短編になるので

【正味】ジャンル様々【短編やで】

 の方で書かせていただきますね。リクエストありがとうございます!

296:マメツキ◆A.:2018/02/06(火) 23:37 ID:5/6



 今まで若干の距離があったクラスメイトとも打ち解け達成感に満たされながら学校から帰宅した俺は、リビングを抜けたところにテレビの前でいつの間にか原作元祖爆豪になった弟が居座っていた。
 ちら、とこちらに目をやってから、モゴモゴ口を動かして、最終的に「チッ」と舌打ちをかまして自室に戻って行く。
 なんだあいつ。いや、なんだあいつ。舌打ちて。酷くね?



「壱己お帰りー。「俺が一位だ」なんて大口叩いて一位で優勝してきたねアンタ、すごいわ」
『ハッ、俺が一位以外とか有り得ねーし』
「またそんなこと言う」



 呆れる母さんにからからと笑ってから俺は今日一日の汗を流すため風呂場に向かった。


**

 休日を挟んだ登校日には、職場体験の為の指名が発表された。俺の獲得票よ。五千越えて。そしてそれに伴い、ヒーローネームを決める授業が取り込まれた。判定はミッドナイトらしい。
 うわ俺なんも考えてねぇ。
 通形が「ルミリオン」、天喰が「サンイーター」などなど抜けていく中、俺は、なかなか思い付かなくて頭をうんうん言わせて捻らせる。
 みんな頭をふり絞れ! 知らねぇ?有名な魔王の子連れ番長の不良漫画。
 あー、だのうー、だの意味のない言葉しか出てこない。ミッドナイトが呆れた視線を俺に向けた。そんな目で見ないでください。



「ねえねえ爆豪決まんないの? イメージないの? これねぇ世に認知されるからちゃんと考えないとだよ! あれ、これ知ってたっけ?」
『知ってます……重々承知しております』
「爆豪がおります! ねえねえなんで敬語? どうして? 不思議! 爆豪って不思議!」



 ど こ が !?
 ウンソウダネソウカモネと適当に波動をあしらいながら、ふと頭に浮かんだのをサラサラとボードに書いていく。そのペンはゆどみなくボードを滑って、きちんと綺麗な字で書かれていた。ああ、これわりとしっくり来るかも。



「書けた?」
『おー、書けた書けた』
「どんなの? 何? 不思議!」
『発表するから落ち着けよ』



 がたりと席を立って、教壇にドドンと公開する。ミッドナイトは「グッド! かっこいいわ覚えやすいし! ……でもなんでそれにしたの?」と笑顔だった。



『誕生月だから』



【如月】。これが俺のヒーローネームだ。そして誕生日は2月1日である。ぴったりだな。師走とかになると俺的にヒーローネームとしてイマイチだから。



.

297:マメツキ◆A.:2018/02/08(木) 00:18 ID:4z.

 俺、今かなり超絶級に困ってます。


「ねえ。ちょっと爆豪くんのパンツ貸してくれない?」
『丁重にお断りさせていただきます!!』


 俺は隣のクラスのヒーロー科の女子に俺の下着を要求されてます。

 こうなったのは少し前に遡るんだが。林間合宿二日目にて、訓練もそこそこに、みんなで作った夕飯を美味しく食べたあとだった。テーブルにてA・B組ほとんどのクラスメイトが居るなか、俺とは別のクラスの女子が声を掛けられる。見覚えが有ると思えば、体育祭で足怪我して運んだ子。
 霧崎 零(キリサキ レイ)。個性『結界』の子だ。防御力が高く、そしてまた、結界の形は自由に変えられるので攻撃力も高い。そんな個性の女の子。
 さらさらとたなびく腰までの長さの綺麗な黒髪は光に当たって天使の輪を作っており、また、その涼しげに整った顔は所謂クールな美少女。胸も大きなスタイル抜群ときた。なんだこのクールビューティ。これは多分既にクラスの複数の男子から好意寄せられてんなと確信する。この時の俺はめちゃくちゃ美少女じゃねーかこの子なんで体育祭でよく見なかったんだよ馬鹿とか思ってたよ、ええ思ってましたとも。
 お礼か、やっぱりいいことすると気持ちいいわそれも美少女からなんてひゃふーとか茶番を繰り広げてたら。


「体育祭の時に一目惚れしたの、好きです爆豪くん。付き合ってください」


 そんなこと言われてきょとんとした。もちろん今世の俺に耐性等ない。そうですよ、前世はともかく今世は全くないですよ! 今は精神がわりと肉体に引っ張られてるからホントこういうの慣れない。今世で初じゃね? 告白されるとか。怖い。なんだこれ天下の爆豪くんが情けない。
 oh? 俺は微かな笑顔を称えたまま首をかしげる。
 シン、と静まる周囲になんか喋ってくれ聞くな聞くなと思いながら、沈黙に耐えた。耐えたよ俺。
 スッと彼女のたおやかな両手が俺の無骨なかくばった手を取った。
 うおおいきなりなんだ。……あれ、え、ちょま、え、体動かねえんだけど。


「だから」
『は、』


 表面上硬直してというかマジで動けないでかなり狼狽えている俺の胸板にそっと左手を置いた彼女はそれを支えに背伸びし、俺の左頬に右手を添えてから__。


「唾液くれない?」
『ふぐっ』


 聞いといて採りに来たこの子。柔らかな感触を唇に感じながら、滑り込んできた舌が唾液をさらっていく。
 周囲が沸いた。沸くな! 誰だ口笛吹いたのは!
 互いの唇から銀糸が引かれ、俺よりずっと身長の低い霧崎の口の端に垂れた。離れた彼女の顔は恍惚として、俺の唾液を飲み込み、端についたそれすらも舐めとる。
 唖然とした。
 硬直が解けた俺が第一に思ったのはこの場に先生居なくてよかった、だ。絶対反省文とか書かされるやつだこれ。
 次は色々なワードが頭の中を駆け巡っては消えてまた浮かんでくる。そろそろ脳がキャパを越えそ……


『う…』


 くるりと回った視界にあっキャパオーバーとどこか冷静な頭で考え、意識はプツリと途切れた。最後に見たのは俺を見て頬赤く染めてはぁはぁ言ってる霧崎だった。

 それ以来なんかこうして度々変態的要求をされるのだ。あの付き合ってくださいの返事は『お前のその変態的要求が収まってからだ!』と告げている。天喰にちょっと失礼じゃないのかと言われた。そうかもしれないけどな、我慢ならんのよ。


「じゃあキスしたい」
『じゃあってなんだ!? やだわ! つか俺のファーストキス持ってったの誰でしたっけ!?』


 周りに変態が増えた。



.

298:マメツキ◆A.:2018/02/08(木) 00:55 ID:4z.



 それから。まぁ二年経ちました。俺ももう高3で、天喰や通形、波動、霧崎さん、そして我が親友夜久と決まった面子でワイワイしてましたよ。インターンとかな。
 そして夜久が一年の林間合宿後にサポート科に転向してた。実用的価値が他のサポート科の生徒と見ても圧倒的だった夜久のアイテムは基本俺が使っている。というか夜久が俺専属みたいになってる。
 夜久が熱に反応して溶ける防水性の布やガラス、プラスチックとか開発したので、俺の攻撃の幅がグンと増えた。だって俺遠距離意思型でもある。布に飴玉大に包んだニトロ汗を投げると意思ひとつで爆発可能。まじもんの爆弾人間になった。ガラスのは地面に叩き付けて染み込ませて相手をそこに誘導すれば疑似噴火なんてのも可能。設置型かよ。技もいろいろあるが割愛。
 何だかんだ夜久のお陰で俺の攻撃手段が多彩になりつつある。お前にこんな才能があったなんて知らなかったよ俺ぁ。

 高二の時に弟の勝己がヘドロ事件で被害者としてテレビに出たのを無事だって分かっててもガチで心配した。だって身内だもん。めっちゃうざがられた。「兄さんうぜえ失せろ」って言われた。これが世に言う兄離れってやつか。わりと辛い。俺のブラコンの気があったのに驚きつつ、まぁ弟も雄英の一般入試をトップで合格した。お兄ちゃん嬉しいよ。意外にも勝己が俺のこと「兄貴」呼びではなく「兄さん」呼びだったのにびっくりした。
 ま、とうとう原作が始まった訳であるが。



「ねぇ壱己くんちょっと精えk」
『言わせねーよ!?』



 とんでもないものねだってきた霧崎さんの口を片手で慌てて塞ぐ。なんちうこと平然と口にしてんだこの子は!
 二年経った今でも俺と霧崎のこの曖昧な関係は続いている。そろそろ返事してやれよとヒーロー科からの視線が痛い。確かに待たせ過ぎだとは思ってんだけど。コイツも二年でかなり成長したからな。容姿しかり性格しかり。ワガママボティになってくれちゃってやがる。男子としてそういう目で見てしまうのは仕方ないと言うか。でも絶対言わない。言うと調子のって脱ぐ。確信が俺にはある。まあ、なんだかんだ言って多分きっと恐らく俺もコイツ好きだから、変態的欲求なくなったら、うん。収まるところに収まるはずだ。最早なくならないかも知れないと思っている今日この頃。
 ぺろりと舐められた手のひらにぞわわと背筋に何かが走る。肩を跳ねさせた俺は、はふはふと息を荒げて笑う霧崎の頭をべしりと叩いた。

 俺はというと、なんか知らんがビッグ3と別枠で雄英の『帝王』の座についている。認知度高過ぎて最早あれだ、雄英じゃあ俺=帝王みたいな方程式出来てるから。原作こんなポジションなかったよなぁと悩み中だ。

 もうすぐ時間だから戻るわね、と凛々しく去っていく雄英一のクールビューティにどうしてそういう態度を俺の前で出来ねぇのとしょぼくれながら教室に入ると通形や天喰がハアとため息を吐いていた。やめろ。


「…ま、いっか! それより壱己、お前の弟、ヒーロー科入学したらしいね!」
「俺も聞いた。ヘドロの…」
『合ってる合ってる。俺に対してめちゃくちゃ絶賛反抗期な弟が入学した訳だ』
「「壱己に対して」」
『俺と比べられていらいらしてるっぽい』



 ああ、と言った風な二人に俺は哀愁漂わせてため息を吐いた。



.

299:マッキー◆5A:2018/02/08(木) 01:57 ID:F6g

ありがとうございます。楽しみにしてますね。それでヒロアカ以外に好きなアニメや漫画は好きですか?

300:マメツキ◆A.:2018/02/08(木) 23:46 ID:4z.

週刊少年漫画全般です! 全部好きなんですけど、特に完結したのが好きですね。

**

 USJで敵がやって来たと学校側から通知されて臨時休校になった今日。俺は休みだから遊ぼうぜ、と誘ってきた夜久が家まで迎えに来るのを待っていた。
 勝己はなんか釈然としなさそうにトレーニングに励み始めたので声を掛けるのは止した。本当になんか大変だな、今年の一年A組。
 ぴんぽんと鳴るチャイムに、あぁ夜久が来たのかと母さんに「行ってくるわ」と声を掛けて玄関を開けた。



「こんにちは壱己くん」
『……霧崎さん、こんにちは、挨拶って大事だしな、うん、大事。夜久、説明』
「偶然会った。から誘った」
「そうよ」
『……あー! わかっとるわ! 誘われたらしゃあないわな! しゃーねーな!』



 玄関を出て、ボディバッグを背負い直して歩き出す。誘ってしまったのなら仕方ない、仕方ないのだ。
 「イケメンで俺様なくせして優しいからモテるんだよなコイツムカつくわー」「流石私の壱己くん」聞こえてんぞクソ夜久。俺は今は誰のでもありませんけど。
 嘆息した俺の両隣に、顔を見合わせて当たり前と言う風体で並んできた二人に頬が微かに緩む。……この配置は悪くない。
 目的地である大型ショッピングモールに向かいながら他愛もない話を三人でしていたら、夜久が不思議そうな顔をして俺達を見た。なんだよ視線クソ鬱陶しい。



「……なあ。なんで霧崎は「壱己」なのにお前は「霧崎さん」なんだよ、気になんねえ? お前がさん付けとか珍しいけどさ」
『気にしたことねーわ』
「私は常々いつ名前で呼んでくれるのか待ってるのだけど」
「ほら」
『ほらじゃねえんだよ』



 不意と夜久から視線を背けて前を見つめると「呼んで」「呼んで」と両隣からコールが聞こえてきた。呼ばねーよ。



「零って呼んでほしい」
「ほら壱己」
『……』
「零って呼んでほしい」
「ほらかず『エンドレスかっ!!』



 黙ってやり過ごそうとした俺にエンドレスコールし出した二人に思わず突っ込む。これたぶん言わないとずっと言うやつ。『しつこい』、これは夜久と12年、霧崎さんと2年半過ごしてわかったことの中の一つだ。こんなとこで二人揃って発揮すんなよ。
 言葉を口で転がす俺に二人して期待の目を向けてくるからやりにくい。夜久は別に関係無ぇと思うのは俺だけか。俺だけなのか。多分二対一で俺の負けだわ。



『……零、』
「!」
「おお」
『…さん……』
「!」
「うわ」
『文句あんのかコルァ』



 なにしてんだコイツと言うような目に変わった夜久に余計なお世話だと二、三発ぶちかました。余計なお世話だバカヤロー! こんな曲なかったっけ。
 それより霧崎さんである。そろっ、と振り返り、ちょっと唖然とした彼女と目があった。途端にぼっと音がしそうなほど真っ赤になる。どういうわけかマジの素で照れてらっしゃる。どうした、いつもの変態的要求のがはずいの知ってるか。後ろでボソッと「このリア充どもめ」と呟いた夜久を振り返らずに叩いた。



「まさかさん付けされるとは思わなかった……! 次から霧崎さんって呼んでも反応しないことにするわね」
『零さん呼び強要かよ。素直に名前が良いって言えやそれくらいしてやるから』
「サラッとこのかっこいい発言どう思います未来の奥さん」
「流石私の壱己くんね」
『ちょっとお前らマジで黙ってくんねーかな』



.

301:マッキー◆5A:2018/02/09(金) 14:10 ID:F6g

おお!少年漫画という事は、サンデーやマガジンもですか!
銀魂なら好きなキャラは誰ですか?
それと、ヤングジャンプって漫画雑誌ご存じですか?

302:マメツキ◆A.:2018/02/09(金) 23:24 ID:4z.

週刊少年誌四大タイトルをよく読みますね。
銀魂なら高杉さんです。高杉さんかっこいい。
 ヤングジャンプ…は、知ってますが読んでないですね。

**

 二週間後、やって来た雄英体育祭に三年生は最後のチャンスと心を踊らせている。特に俺は一応三連覇が掛かっているのだ。
 終わった俺の選手宣誓に周囲からのギラギラした視線を鼻で笑って跳ね退けて、ズボンのポケットに手を突っ込む。負けるつもりは毛頭ない。一位以外に興味はない。隣の零さんは体操服の上着のチャック全開でブイネックから覗く鎖骨を見てはあはあ言ってらっしゃる。つーか近ぇ。



「壱己くんの鎖骨がエロ過ぎてかっこいい。好き、ホント好き」
『いつも以上に露骨だなてめーは。息整えろよ、はあはあうるせえ』
「ねえねえ! 霧崎さんは今日も通常運転だね! なんで?」
「こんな大観衆のなか、相変わらずなのはすごい……」
「いつも通りが一番ってことさ!」



 やって来たビッグ3に『お前らもかよ』と眉を寄せる。「当たり前じゃない」と平然と腕を組んだ零さんは口を開いた。嫌な予感。



「だって私は壱己くんの勝利の女神だもの」
『……』
「「「えっ、否定してない」」」



**

 入場前の控え室で待機しているよりも前。いりくんだスタジアムは人気のない通路が多い。そんな中で、俺は零さんに呼び出されていた。



『…なんだよ』



 真剣な彼女の顔に改まるような内容だと察した俺は静かに言葉を待っていたが、急に右手を彼女の両手で握られて当惑する。表面には出さないように努力はした。



「……最後の体育祭だから」
『……ん』
        帝王
「きっとみんな“貴方”を倒そうとするの、よってたかって、絶対に」
『だろうな』



 そんなもん覚悟の上である。俺の印象は良い方に傾いてはいるが、こんな性格だ、よく思ってないやつもいる。今年の一年A組がB組一部と普通科のクラスに好かれてないように。俺も、万人に好かれている訳じゃない。



「私、」



 俺の手に注いでいた視線をふと俺へめがけて見つめてくる。真正面から見える彼女の顔はやはり整っていた。一見冷たい印象を受けるつった目付きのアイスブルーに、口を真一文字にした、半分顔に火傷のある仏頂面の俺がくっきり映っている。相も変わらず、俺を真っ直ぐ見ている目だ。俺はこの二年できっと、最初はこの目に惹かれただろう。本当に、良くできた美少女である。



「……私は、貴方が負けるところなんて見たくないからね」
『負けねぇよ』



 即答した俺に少し目を見開いた零さんに微かに微笑んで『変態でも一応俺の勝利の女神だからな』と頭を撫でた。



『優勝して帰ってきてやる。そんで、ちゃんと返事をする』
「……うん」



 「二年経ったわ、待たせ過ぎよ」と不服そうに言った彼女からはまさにその通りだと笑顔で目を逸らした。


.

303:マッキー◆5A:2018/02/09(金) 23:28 ID:F6g

成る程!高杉さんですか!声が子安武人さん!カッコイイです。
そうなのですか!それでヤングジャンプでは干物妹!うまるちゃんが好きです。そしてそのうまるちゃんがアニメ化されたの超嬉しいです。そしてまさかヒロアカとうまるちゃんが制作会社が同じTOHOanimationなのに驚いちゃいました!

304:マッキー◆5A:2018/02/10(土) 03:41 ID:F6g

あ!干物妹!うまるちゃんはこういうあらすじでございます!

学校では成績優秀!スポーツ万能!才色兼備で老若男女に好かれる女子高生!土間うまる!だが家に帰るとゲームや漫画でグータラ過ごす干物妹(ひもうと)!それを知っているのは兄のタイヘイだけ!というギャグ漫画!日常コメディです!

うまるちゃんはこちらです。
干物妹(左) 美妹!

http://ha10.net/up/data/img/23269.jpg

305:マッキー◆5A hoge:2018/02/10(土) 12:14 ID:F6g


あ!これ私が書いた小説でして!私のオリジナルでは有りませんよ。ただなりきりスレのロルや会話をそのまんま写しただけで!

とりあえず!ご鑑賞下さい!
http://ha10.net/test/read0.cgi/ss/1516580052/4

後、なりきりスレというのはこちらでございます!

http://m.saychat.jp/bbs/thread/629724/

マメツキさんも楽しんでいただけるかと、もし良かったら参加とか!ヒロアカとかありますし。あなたならロルとかレス、とっても上手だから楽しみたくて。うっとうしかったらごめんなさい!

306:マメツキ◆A.:2018/02/11(日) 01:20 ID:4z.

紹介ありがとうございます! 鑑賞させていただきますウォォオ!。参加はしないですけど、楽しんで読ませてもらいますね!

**
予選の二競技、妨害有りな4人一組の玉入れと本選出場を決める単純なトーナメントが終わり、本選も終了。優勝したのはもちろん俺だ。開始前の零さんとの約束もあるし、何より三連覇したかった。返事するっつったし。今考えると絶対言うってことになるよなうわ恥ずい。
 表彰台の一番高いところに乗ってインタビューを受ける俺に、遠くから頬の緩んだ零さんが見える。傍らにはにやにやした夜久とにまにました通形、そわそわしている天喰と波動。絶対零さん漏らしたパターンだな。なんで広めんの……。内心はちょっと半目になって唸っているが、今は全国放送のインタビュー中。気を緩めてはならない。ならないのだ。根津校長にずずいとマイクを寄せられ、最後に! と締め括りを要求され、にこ、と笑ってマイクを受けとる。

『あー、俺が最初に優勝した一年の体育祭で、今呼ばれている『帝王』のこと言ったこと覚えてる方いらっしゃいますか。あ、わりと居ますね、ありがとうございます。二年前の俺って『帝王』の名に恥じない風格や雰囲気に成長したいと言った気がするんですが、今もその勇名に相応しい実力を身に付けたかは、今の自分ではわかりません。だからこそ、もっと上を目指して研鑽を積み重ね、プロの方々からもある種俺が誇りを持って掲げている『帝王』と言う、その勇名を認めて頂けるように、それこそ我が校の校訓『Plus Ultra』の精神で実力をつけ、頑張っていきたいと思います』

営業スマイルと言うか世間用の笑みのまま言い切ると、一部角の席からきゃーと声が上がり、せーのと聞こえたあと「爆豪くーん!」と大きく歓声があげられた。一年の後半になって誰かが立ち上げた本人非公式巨大ファンクラブである。三年の女子の半分と二年の女子1/3が入会してると聞いたことがある。最早組織じゃねぇか。なんか零さんがちゃんと許可してるらしい。
撮影許可とかファンクラブ活動とかを認めてるっつってた。ねぇ俺は? 肝心の当事者は? 当事者全く知らずに許可とかドユコト? ねぇドユコト? これ二年の時も似たような自問自答した覚えあるわ。これが巷で噂のデジャヴか。うわあ。
 対応に困ってそちらに苦笑いを向けると、「あ¨っ」と低い声が響いてバタバタバタと何人かが倒れる音がした。ぎょっとする。訳がわからない。そちらで「担架担架!」「撮影班さっきの苦笑い撮った!?」「バッチリです隊長!」「誰かティッシュ一枚ちょうだい! 鼻から血が止まらないの!」「A型の血液分けてぇ……!」と言う騒ぎが起こっている中、敢えてそれを放置してマイクを校長に腰を屈めて返却する。

「思ったよりクソ真面目でタメになる言葉だね! 以上、雄英体育祭三連覇を果たした帝王、爆豪壱己くんだったのさ!」
『お疲れ様でしたー』

カメラに向かってひらひらと笑顔で手を振る。クラスメイトからの視線が「全国放送だからか営業スマイルだ……」とひしひしと伝わってきた。たりめーだろ営業スマイル超得意だよ。前世で笑顔で圧力掛けんの憧れてたしな。要するに練習したわけだ。

体育祭後のSHRも終わり、誰も彼もが既に帰った教室で、約束を果たすために俺は零さんと向き合っていた。

「私の言いたいこと分かる?」
『二年も待たせてすんませんした』
「本当ね」

でもそれは零さんの変態的要求が原因なんだぞわかってんのかと言えるほどいつものふざけた雰囲気ではないのは理解している。少々強ばった顔をする彼女を不思議に思いつつ、ずっと考えていたことを口にした。

『二年もお前のこと見てきて、色々わかったわ』
「…何を?」
『お前ほんっと俺のこと大好きな』
「そうね、愛してるわ」
『う、』
「重たい?」

不安そうに覗き込んできた零さんに目を逸らしてふるふると首を振る。

『いや…そんくれぇが一番安心出来る』
「安心、」

 開始前にしたように彼女の頭を撫でて『好きだよ』と笑うと、零さんはじわじわと目に涙を浮かべてきて焦りが滲む。うつ向いて俺の胸元に額を擦り付けた零さんは「…おそい」と掠れた声で呟いた。

307:マッキー◆5A hoge:2018/02/12(月) 00:26 ID:F6g

参加しない・・・ショック〜!楽しい場所なのに。あ!ちなみに小説どうでしたか?私が書いた

308:マメツキ◆A.:2018/02/12(月) 00:39 ID:4z.

雄英体育祭も無事終わり、高校進学祝いで貰ったもののひとつ、テレビにて自室で録画していた一年の体育祭を拝見した。ら、あらまぁやっぱり今年の一年やべぇなってなった。前世の記憶とかは別にして素直に。半冷半熱とか言うチートな複合型の個性を持つやつは居るわ出久が分かっていたがオールマイトから貰った個性でぼろっかすになっているわ、触れた相手の個性を五分間コピーする個性持ちは居るわ。たったの五分とか言われてるけど戦場での五分とかなげぇからな。肝が据わってる性格からか、煽るのがすげえ上手い。俺の次位に上手い。物間か。マークだマーク。
問題は勝己だろ。なんだあれ。漫画で知ってるとはいえなんだあれ。ありとあらゆる拘束具でがっちがちに縛られてんじゃねーか。我が弟ながら情けない。

『なーんてこの俺が言うと思ったか! よくやったおめでとう勝己ー!』
「うっぜえわ!」

音もなく階段を降りてリビングの扉を開け放ってソファで三年の体育祭を見終わったらしい勝己にばっ、と腕を広げて飛び付くとサッと避けられた。避けられた兄さんは悲しいぞ。なぜ俺がソファにダイブしなければならない。回避して距離を取った弟に恨みがましく視線をやると鬼の形相で睨み付けられて挙げ句「クソキモいわ!」と怒鳴られた。

『可愛い可愛い弟にキモいとか言われて今俺の心に何かが刺さったぞ、心的重傷だぞ』
「可愛いとかきもちわりぃわ! 行動がねーわ!」
『俺も思った、お前に可愛いとかねーわ。せめて言うなら猛々しい』
『っぜーわ!』
『わんわん吠えんなうるせぇな』

がうがう言いそうな程吠える勝己にソファに転がりながら「でも表彰式のあれはねーな」と言うと一気に静かになる。鋭い舌打ちして視線を逸らした勝己は『あのな』と呟いた。

「俺が取んのは圧倒的な完膚なきまでの勝利だったんだよ!」
『俺か』

背もたれに背を預けて肘おきに腕を置きながらポツリと理由を述べるとぐっと言葉に詰まる勝己はきっと俺に隠し事は出来ない。図星か。もっと上手に隠せよ、ヒーローは動揺を悟られちゃいけねぇんだぞ。

『本来なら、お前は俺が居なくてもそう言うだろうな』
「…んだそれ」
『お前さ、俺と比べすぎなんだよ』

俺とお前がちげぇのは当たり前なんだぞ、と告げると勝己はぽかんとしたあと、ギッと睨み付けてきた。こういうところでよくも悪くも素直と言うか。

「俺が、」
『出来損ないなんて言うなよ、お前は優秀だ。お前ほど出来た才能を持ったやつを俺は知らん。それに俺と違ってヒーローの素質がある。顔の凶悪さを除けば子供にだって人気が出るさ。きっと俺より強くなる』

は、と言うような顔をする勝己に『俺はヒーローになる気なんざ無ぇわ』と言うと、「は、」と抜けた声を出して固まった。

『分かるか。俺とお前の違いは二つ。一つ目は目標だ。目標があると人は成長する、そういう生き物だ。お前はヒーローになると言う目標がある、成長の見込みがある。俺はヒーローになるなんて御免だ、だからきっとこれ以上は成長出来ねえ』
「な」
『二つ。実力の近い奴等が居ることだ。人間、追い付かれたくない追い抜かれたくない置いていかれたくない。こんな感情を持つはずだ。追い付きたいから努力する。追い抜かれたくないから努力する。追い抜かれたくないから努力する。無意識にだ。そうして周りのレベルは上がって自分も比例する。俺は実力が近いやつを知らん、負けたこともない。きっとその分挫折が大きくて立ち直れない』

呆然としたような勝己は棒立ちのまま、「なんで、ヒーローになるための学校に、テメェがいんだ」と言葉を漏らす。苦笑いしてこう答えた。

『怖いからだ』
「は?」
『だって、怖いだろ。
襲われるかもしれない、どこかで恨みを買うかも知れない。そんなときに個性を使ってはいけない、そんな法律だ。敵にはなりたくない、でも個性は使いたい。俺はヒーローになって他人のために命を削るなんて御免だね、痛いのも苦しいのも嫌いだ。親しい周りの奴だけ守れりゃそれでいい。他はきっとお前らが補ってくれる、そう信じてるから、俺はヒーローになりたくない』
「……勝手なんだよ」

背を向けてリビングを出ていこうとする勝己は最後に「兄さんでも怖いもんがあるんだな」と呟いた。

309:マメツキ◆A.:2018/02/12(月) 00:39 ID:4z.

すみませんまだ小説とか読めてません! なりちゃは見てきましたけど!

310:マッキー◆5A hoge:2018/02/12(月) 00:43 ID:F6g

そうなんですか!あ!唐突にすみませんが、あのなりチャの問題出しますね。うまるちゃんが、初めての男友達になったヒロアカキャラは誰でしょうか?

311:マメツキ◆A. hoge:2018/02/12(月) 01:52 ID:4z.

すみません……ややこしすぎてそこら辺はよくわかってないです。

312:マッキー◆5A:2018/02/12(月) 02:56 ID:F6g

それじゃヒントを、あなりチャのレスで、62から90のを見ればわかります。
それで参加したら楽しいから誘ったけど。後また新しい小説書きました。

313:マメツキ◆A.:2018/02/16(金) 01:03 ID:XP2

 とりあえず、これは雑談に入ると思うので少し控えましょうね。

**


 期末テストも終わり、勝己が林間合宿に出発した。ここで勝己拐われるんだよなあと心配になりつつもまぁ無事に帰ってくるからいいかと結論付けた。
 あの俺の衝撃告白から、勝己は普通に話すようになった。というか、若干なついた気さえする。どうした。お兄ちゃん弟の心境がわかんねーわ。
 あとオールマイトだよなあ。あれだ、実はもうギリギリだったみてえな。うわー、勝己へこむやつー。俺は別に憧れになんかしてなかったからなあ、ああそう、まじかーくらいにしか思ってないわ。正直ゴメンと思ってるよオールマイトでも興味が湧かないんだ。



「私を前にして何ぼーっとしてるのかしら、壱己くん」
『あー…弟が林間合宿行ったから怪我してほしくねーなって』
「……ホントブラコンね!」



 怒鳴ってむすっと顔を逸らした零さんに苦笑いを漏らすと「ここ違うわよ」と鋭い声で問題用紙を指差される。あ、計算式めちゃくちゃだ。
 零さん。なんというか、付き合い出してからあの変態要求は成りを潜めている。これもっと早くに付き合った方が良かったんじゃねーのと思うぐらいにはそう思わざるをえない。マジか。可愛い。
 消しゴムで消して元の計算式に戻し、ドヤ、と顔で訴えると恍惚とした顔をされたのでちょっと距離を取った。こういうとこはあまり変わったように思えないんだよな! 直せよ!脳内で喚いても意味がないなんて知っとるわコルァ! 
 尚、現在は夏休み明けのテストに向けて零さん家で勉強中である。とりあえず暑いのは分かるけど俺が居るのにタンクトップと短パンにニーハイはやめてくれ。薄着だなおい。なんかもう色々やめてくれ。何回も何回も続くとわりと堪える。



『零さん狙ってんですか誘ってんですか』
「わぁ変態」
『いや俺お前にだけは言われたかねぇよ!?』
「変態」
『二回も言った! 二回も言った!!』
「誘ってんのよ」
『やっぱそうなのかよ!!! 何回目だ! 手ぇ出さねぇつってんだろ!』
「意外とプラトニック……」
『っせーわ!』



.

314:マッキー◆5A:2018/02/16(金) 01:25 ID:F6g

そうでした。すみません。それじゃあ難民板にあるスレに来てくれないでしょうか?アニメオタクが入るスレに、規制された人達様にもと建てて。

315:マッキー◆5A hoge:2018/02/16(金) 21:45 ID:F6g

こちらなのです。
http://ha10.net/test/read.cgi/nanmin/1518453510/l50

雑談を主体にする時はこちらに。

316:マメツキ◆A. hoge:2018/02/16(金) 22:53 ID:XP2

そうしますね!

317:マメツキ◆A.:2018/02/18(日) 00:31 ID:XP2



 バタバタと慌ただしく日々は過ぎていく。合宿先を変更しても敵に襲われた現実、勝己がさらわれた事実、敵にオールマイトに対抗でき、それ以上の力すら持つ実力の敵がいた絶望。オールマイトが既に戦えない体だったことが知れ渡った虚しさ。
 そのいずれもが俺の知識に有るように過ぎていった。
 帰宅した勝己は、警察に外出禁止を命じられている。まあ確かに敵の狙いだった訳だし、そんなのが町をうろちょろしてたらマスコミに襲われるわな。
 予め録画していた相澤先生の会見を座椅子に座って某有名かき氷的なソーダアイスキャンディーをしゃぐしゃぐ食らい付きながら見ていたわけだが。

 バンッ!



『っ!』



 扉が勢いよく開けられ、肩を跳ねさせてげほげほと蒸せながら爆音の原因を涙目ながらに睨み付ける。下から「うっさいわよ!」と母の怒鳴り声が飛んできた。ごめんな、けど俺じゃねえんだ母さん……。



『げほっ、勝己……!』
「……」
『お前どうしてくれんだ! アイス落ちたろうが! んの馬鹿!』
「知らんわ! 何にキレとんだ!」



 いやうん、ごもっとも。ごめん弟よ。
 ビビって手から離れたアイスがフローリングへ見るも無惨にべちゃあしている。俺のアイス……。まぁ勢いよく飛んでうまいことカーペットには落ちなかったのが幸いか。
 立ち上がってティッシュでアイスの残骸を拭っていると、俺が座ってた座椅子に勝己がどかりと腰を下ろす。おいこら。
 しかたねーなとあからさまに溜め息を吐いてベッドに腰を下ろした。あっ、テレビ消しやがった。



『……で、敵にさらわれて万国人間ビックリショーみてえな体験してきたお前がどうした珍しいな俺の部屋に来るとは』
「……」
『……いや、なんか喋れよ。突っ込めよ、万国人間ビックリショーってなんだよって元気よく突っ込めよ突っ込んでくれよ、俺クソはずいだろ』
「うるせえっ!!!!!」
『てめーがうるせーよ』



 やれやれと首を振ると、ぐぬぬと勝己が俺を睨み付けたあと、「……デクに助けられた」と呟いた。



『ははあ、出久が……』
「……切島にだ!」
『どっちだよキレんなよ……』



 くわっ、と顔を般若にした勝己に呆れた視線を向ける。ホントお前出久嫌いな。内容的には出久たちに助けられたオールマイトたちに助けられた出久がオールマイトに認められてんのに俺はオールマイト終わらせちまった出久とオールマイトの間には何かあるどうしたらいいお兄様って感じか。脳内でまとめてたら「……変な風に変換してんじゃねーぞ」と底冷えするような声で言われた。ごめんお兄様は無いわ。



『……とりあえず、その切島に暗視ゴーグルの金額返しとけ。聞く限りお前を助けるためのもんだろ』
「ん」
『あと、オールマイト関連は……聞く相手を間違えてる。俺は出久でもオールマイトでもねえ、出久とオールマイトに聞け。俺が言うとお前の為にならん。そっからは勝己が決めなさい』
「俺が言うと……兄さんは、全部知ってんのか、全部」
『……』



 その質問に関してはどうだろうなと苦笑いして誤魔化した。



.

318:マッキー◆5A:2018/02/18(日) 00:40 ID:F6g

それじゃあ来てくれますか?

319:マッキー◆5A hoge:2018/02/18(日) 22:02 ID:F6g

あ!それで良いでしょうか。ヒロアカキャラで好きなのは誰ですか?


新着レス 全部 <前100 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
サイトマップ画像お絵かき長文/一行モード自動更新Twitter シェアする?RSS