「ビックリするわよね。和騎君と彩黄ちゃん。ブラジルのいろいろを回る時は一緒するのよ。」
美樹さんは会釈して、小塚和彦さんの後ろに下がった。
すると、黒木さんと若武選手が来た。
「アーヤ、上杉、久しぶりだな。和騎もいるじゃん!久しぶり。俺とまたプレーしような。」
若武選手目の前!
サッカーの若武選手。
トップ下と呼ばれるポジションの、お兄ちゃんの憧れの選手。
ママとパパと仲良しなのは、私も知っているけど。
実際会うのは初めて!
それより、
「黒木さんっ!久しぶりです!会えて嬉しい♪」
私が会いたかったのは黒木さん!
優しくて、かっこよくて、笑顔が素敵で、理想の王子様っ!
「俺も彩黄ちゃんと会えて嬉しいよ。久しぶりだね、彩黄ちゃん。」
黒木さんとバッチリ手を繋いでっ!
こんな年齢なのに普通にいける!
「黒木君、ごめんね。彩黄が。」
ムッ!
ママなんてこと言うの!
黒木さんに悪いことしてないのに!
フンだ。
「アーヤ。そんなこと言っちゃ駄目だよ。彩黄ちゃんが会いたいって言ってくれたんだ。久しぶりなんだから、いいだろ。」
ママの負けー!
ママにはパパがいるでしょー!
続く