怪盗レッドのオリジナル小説書いてみます!(8)

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964:べるなに◆zLg:2018/08/08(水) 12:18 ID:Dtw

私は今盗品の売買、それも超重要な物。売れば高層ビル一つ買えるくらいの1万年に1つと言われた最高峰のダイヤモンドを取り返しに来ているのだけれども……

「……なんでアンタがいるわけ?」

怪盗PNTが倒れている女の人をひん剥いて写真を撮っていた。正直今すぐ後頭部に膝蹴りを叩き込んでやりたいけど、多分コイツには見切られるだろう。

「あ、怪盗レッドか。実はここに可愛い女の子がいるって情報屋から来てさ、ちょっと気になって来たんだよね。
でもなんかイマイチ。情報屋に少し騙されて落ち込んでる気分さ。」

「いっそのこと男にでも出会ってその顔事粉砕されればいいのに」

私は少し悪態をつくと、PNTは「それは面白いジョークだね」なんて返してくる。
半分以上が本気なんだけどね……

「まぁ、今回は実のところ、君に用件があってきたんだよ。多分情報屋はそれを見抜いて君のいるところに行くように誘導したんだろうけど。」

「私に用件?」

PNTは目つきを変える。随分深刻そうだ。

「僕と手を組んで欲しい」

「は?」

インカムの向こうのケイも釣られてなのか「は?」と声を出していた。
いやいやいや待って待って。なんでPNTの犯罪にわざわざ加担しなきゃならないのよ。

「いや、条件はコレ。」

PNTは条件の書かれた紙を懐から取り出して、広げて見せた。

怪盗レッド、怪盗PNT同盟条件

・怪盗レッドはいかなることがあっても怪盗PNTをタキオンの逃亡から手助けすること
・怪盗PNTは怪盗レッドのミッションを手助けすること
・お互いに信頼し合い、裏切らないこと
・怪盗レッドも怪盗PNTもお互いのやっていることに口出ししないこと

暗視グラスを通して、ケイは見ているだろうから、わざわざ言う必要もないだろう。
ケイはインカムの向こうで、少しうーん、と悩んでいる様子が聞こえた。

『罠には近いが……この戦力が手に入るのならば俺は同盟を組んでもいいと思っている』

私だってそうだ。下手すればファンタジスタよりも強いPNTを仲間に出来るのなら、大歓迎。
ウェルカムトゥーPNTだよ。

「早めに決めてくれよ。」

PNTはそう言って牛刀を腰から抜き放って、私の目の先にいる男を見た。
……タキオンの連中だ。こんな大掛かりなことともなれば、ラドロかタキオンと絡んでいると思っていたけども……

「君がその条件を飲むのなら、タキオンの連中を俺一人で追っ払うけど」

「わかった。交渉成立ってことで」

私がそう言うと、PNTは勢いよく走り出して向かってくる黒服の男の首筋に蹴りを叩き込んで気絶させ、殴りかかって来る黒服男を避けて、勢い余って激突して転ぶように誘導したり、牛刀で首筋に小さく斬れ込みをて恐怖で気絶させたりと、私以上のセンスで動いていた。

『改めて見ると凄いな……アスカでも苦労しそうな奴をあんな風に倒すなんてな。』

「まぁ、一対一なら負ける気はしないけどね?」

そうして見ていると、黒服は拳銃でPNTの持っている牛刀を弾いていた。PNTの武器がなくなった……と思っていたら、PNTは背中から何かを抜き出した。
それはただの鉄の棒……に見えていたけど、違った。

「槍?」

槍。巨大な二つの刃が付いた槍だ。

「有名な漫画にあった、『カブトホーン』ってのを再現しようと思って自分なりに作ってみた……
そうだね、『ユニコーンオルトロス』とでも名付けようかな。」

PNTはそう言いながらそれを力任せに振り回すと黒服の男を蹴散らした。 
小学生くらいの子供がただブンブン振っている木の枝みたいな乱暴なやり方なのに黒服たちはみねうち同然だった。

「まぁ、こんなもんかな」

PNTはそう言いながらユニコーンオルトロスを背中に納めていた。

「多分ファルコンが来ると思うから、さっさと逃げよう。ユニコーンオルトロスは対集団戦用だから、多分これじゃファルコンみたいな化け物には勝てない。アイツの体じゃ牛刀でも両断しきれるかどうか怪しいし……」

PNTが珍しく(?)弱音を吐いている。私とPNTは通路を走りながら抜けて行ったら……

「待っていたぞ、裏切者と……怪盗レッドか。」

「ウッソだろオイ」

PNTはそう言いながらも戦闘態勢に入っていた。相手はもちろん……ファルコン。


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