暇なんで、とりあえずなにか↓
原作ガン無視です。
キド。またね。
あいつは、俺に言った。
笑顔で言った。手を握って。
それを言って、逝ってしまった。
涙が欺ききれてなかった。
「なにがまたねだ。バカか」
呟いてから気づいた。
うん。そうだ。そうだった。
「ハハ…バカは、俺か」
こうなってしまう事は、始めからわかっていた。あいつも、わかっていた。近いうち、死んでしまう事なんて。
少し前、あいつがぶっ倒れた。
病院に行くと、「病を患っている」そう告げられた。
それは、命に関わる重いものらしい。その上、今の医学では治せないと。
それなのに。
「最後まで、お前を好きでいてしまった」
あいつが言い出したんだ。
『僕、残り少ないならさ、一個だけ約束。いいかな?』
俺は、了承した。
あいつの約束。それは。
『僕は、キドが大切なんだ。だから、僕が逝くまでに、僕以外の大切な人を、見つけて』
どんな約束だって、最後くらいは、絶対守ってやる。
そう約束したのに。
「俺はまだ、カノが好きだ」
カノの手は、もう温もりをもっていない。静か過ぎる病室は、涙腺を緩ませた。
俺は一言告げて、病室を出た。
「またな。カノ」