【ナミゾウと花宮(ほんのりBL感ありかも?)】
オレの幼馴染は花宮真。オレが生まれたとき、真の家はオレたちの家の向かいにあった。
「まーこーと!」
「あぁ?」
「今日ウチに来ねぇ?母さんもゲンのおっさんも仕事なんだよ」
「…仕方ねぇな」
小学校の頃から、母さんとゲンのおっさんがいないときはウチに泊まっていた真。
「マコーー!!」
「あ、真ー!」
「よぉナミ、ノジコ」
もちろんナミとノジコも真が大好きで、いつも真が泊まりに来るのを楽しみにしていた。
「マコ!今日はあたしと寝る?」
「あぁ?」
「悪ィけどダメだナミ!真はオレと寝る!」
「なんでよ!あたしもマコと寝たい!!」
「まあまあ…ナミはあたしと寝よ?」
「うん!」
「誰とでもいいから、早くメシ食おうぜ」
オレはナミのことが大好きで、なにかを許してたり譲ったりしていたけど、真のことはどうしても譲れなかった。
「ナミゾウ!!また真を泊まらせたな!」
「っるせーなジジイ!!真の名前を気軽に呼んでんじゃねぇよ!」
周りの奴になんて言われようと、オレは真の隣から離れようとしなかった。
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「ナミゾウ」
「……真…」
母さんが死んだあと、オレは家を出た。
あんな腐った人間と一緒にいたら、オレまで腐っちまう。
「ナミとノジコが心配してた」
「……」
家を出て、街を歩いてたらスカウトされてモデルになった。そして事務所が所持しているアパートに住んだ。
それでも、真はオレに会いに来ていた。
「それだけだ」
「…………真!」
「あぁ?」
「オレ、お前とノジコと同じ中学行くから!その、えっと、くそ…し、心配すんなって伝えとけ!!」
「ふはっ」
いつものように笑っただけで、真はなにも言わずに事務所を去った。オレが稼いだ金を、ノジコとナミに届けるために。
(ナミが中学に行くまであと約一年…それまでにナミの学費稼げるか…?)
いや、稼げるかじゃねぇ。稼ぐんだ。
そして、ゲンのおっさんが死んだと聞いた。
中学に行ってから、オレはさらにモデル業に専念した。有名になって、テレビにも出るようになった。
「真」
「あぁ?」
「オレ、もう一回やり直してみるな!」
「…おう」
「そしたらしばらく会えねぇけど…」
「引っ越し、すんのか」
「おう。帝光の地区にいる母さんの親戚がアパート持ってて、タダで部屋貸してくれるって」
「そうかよ…じゃあ帝光中に転校すんのか?」
「しねぇよ?ノジコはするけど…オレがいなくなったらマコっちゃん、悲しいだろ?」
「…!ふはっ、誰がマコっちゃんだよ。んなワケねぇだろバァカ」
「えーー!ひでぇな〜、真は!」
そしてオレたちはナミが小6、オレが中1、ノジコが中2の冬にまた三人に戻った。
「真!!オレ、お前と一緒に高校行くからな!絶対連絡くれよ!」
「気が向いたらな」
「なんだよー!気が向いたらって!」
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「あーー!!原っ!お前真に近付きすぎ!!」
「別にいいじゃん。オレにも花宮貸してよ」
「ヤダねぇーっだ!あ!古橋!!あとザキ」
「オレはついでかよ!!」
「おーい、健太郎起きろよ〜」
「無視すんなっ!!」
「うるせぇよテメェら!!」
「怒んなよマコっちゃ〜ん」