地獄から這い上がる者〜カイラ編〜

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1:映姫さん:2018/06/01(金) 03:44 ID:0LQ

色々地獄から這い上がる者編作っていきたいと思います。助言は主が喜びます。荒らしはどっかいけ。
カイラさん主役の
スタート

2:映姫さん:2018/06/01(金) 03:55 ID:0LQ

監禁、ていうのかな、それをされて千年。
あくる日もあくる日も看守に暴力を振るわれ…。
死傷だらけだった私の心は冷たく、黒く…。
とある日
今日は因縁の先代エンマの葬式だと。あの奴が。
看守は葬式に行くと、それと、念を推された、
「じっとしてろよ」
その時、尋常ではない程度の妖力が体の奥から吹き出し、看守の体をバラバラに砕いた。
ああ、なんて綺麗なんだろう。
空には美しい太陽が出てとても澄み渡っている。
千年も見れなかった景色。妖艶に輝く桜。
湖面は太陽を映し出す鏡のようだ。

3:映姫さん:2018/06/01(金) 04:15 ID:0LQ

あ、そうだ。
あいつにも会わなきゃね。
今日葬式のあの奴の孫である新エンマ大王。
私の心は青空のようだった。
弾むようにこっそりバルコニーに入ると、うん。
本当に貧弱な私より、凛々しい。
家来に話しかけるエンマは、私とは違うんだねぇ、
エンマがここを出たときに、会いに行こうか。
エンマは書類を取りに書斎へ向かった。
おい。
おーい。
私だよー。カイラだよー。
エンマは驚きのあまり、手に持っていた書類を落とした。
「なんで…カイラが…」
驚いた口が塞がらない程度に驚いたのだろう。
「うん。久しぶりだねぇ」
私の言葉にエンマは少し落ち着いたようだ。
私は少し顔を赤らめ、
「あそこへ行こうよ、」
エンマの返事は仕事が終わってから、だそう。
私はそこで一旦別れた。
屋敷の裏は、暖かい日が照り、昔の幸せを憶いだす。
私にとって幸せな世界に、一歩ずつ進んでいる。
エンマがこちらに駆けてくる。
あそことは、よく華を摘みに行った華畑。
私たちは、体を擦り合わせ、くっつき、顔を寄せる。
私はそこで話を持ちかけた。あの辛い牢獄の中での。

4:映姫さん:2018/06/01(金) 04:34 ID:0LQ

「あのさ、私がいた牢屋でのことなんだけど、本当に
暗かったよ。」
これを憶いだすと胸が苦しくなる。
そして、エンマの顔が曇る。
「暗いっていうのは、明るさじゃないよ。光は入っていたけれど、本当のところ、

看守にいじめられてたんだよね。
しかも、他の人からは悪口言われてね、ひどい時は血だらけになったよ。」
私は涙が出そうなのを抑えながらエンマの顔を覗くと
私の感情が移ったんじゃないかというほど、苦しい顔をしていた。
「いいよね。エンマは。たくさん撫でてもらって、美味しいご飯を食べてて、たくさん抱かれて、私なんて
捨てられた雑巾みたいだもん、苦しくても誰も聞いてくれる人なんていない。第1、私の両親にも捨てられたからね。」
私は自分の感情が抑えられなくなるのが怖くて、そこで話をやめた。その時、
エンマは私の体を包むように抱きしめてくれた、
ああ、あの幸せがよみがえる、
エンマが口を開き、
「大好き、ずっと……あ、」
さっきの哀しさの何倍も感情が込み上げて来て、
もう私はこれだけで幸せの絶頂、だけとまだ何かあるようだ。何か、ためらっているようだ。

5:映姫さん:2018/06/01(金) 04:40 ID:0LQ

「ずっと愛してる…。」
なんとも言えない哀しみと幸せが込み上げて来て胸が熱くなり、涙まで流れて落ちた。
エンマがまた口を開き、
「…だから、一緒にいてくれ………。」
堕ちゆく夕焼けに染まる花の丘、2人の少年が抱き合い、紅い空の下、キスをし合う。

6:映姫さん:2018/06/01(金) 04:55 ID:0LQ

いつか、亡びる2人。
今のうちに、幸せに浸りたい。
また、いつか必ずここを離れる私。
夕日が沈み、星で埋め尽くされた夜空の下、2人は手をつなぎ、家路へ向かう。
「エンマ、聞きたいんだけれど、ぬらりは?」
屋敷の中では一回でも見ていない。
「ああ、元気だよ。とても、前くらいには動かんのだけど…。」
ぬらりは私が捨てられているのを見つけて拾ってくれた。でも、そのあとのぬらりは先代エンマに暴力を振るわれ、ケガだらけでも私の面倒見てくれたから……。少し心配して聞いただけなんだけど。
部屋に着き、エンマと寄り添い寝台につく。
エンマの脇元に頭を置く。
「カイラ、そんなにくっつきたいなら…。
もっとくっついてていいぞ。」
こちらからよく見えるエンマの顔は真っ赤だった。
そして、私は幸せに浸りながら意識を落とした。

7:映姫さん:2018/06/01(金) 04:55 ID:0LQ

ホモじゃん。

8:映姫さん:2018/06/02(土) 03:05 ID:0LQ

……………。


私は暗く閉ざされた牢獄の中
光のない世界
看守からの暴力
そして
夢に終わった懐かしき友との恋
あの日のことは全て幻想
でも、また会いたいなぁ…………………。


30年後


私は牢獄に3000年閉ざされた。
あの憎いやつが。
あいつのせいで…………ッ!

牢獄をぶち壊し、中からでてきた私の姿はとても
闇に堕ちた青年 苦しくても誰も聞いてくれない世界 一生幸せな青年 何を言っても話に乗ってくれる世界


もはや私には
「エンマ」
という存在など、必要がない。

この後のお話は、映画でレンタルしてね

9:映姫さん:2018/06/02(土) 03:10 ID:0LQ

あ、表現不足ですみません
>>8のいちばん最初、カイラは目覚めたらあの牢獄にいます。


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