みんなでコメント繋げてお話作ろう #2

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1:匿名:2018/10/03(水) 22:01

真面目でもおふざけでもOK。匿名民のみんなで小説を書いていくスレです。
パート1が終わってから書き込んでください。
次スレは>>980越えた辺りでお願いします。

前スレ
https://ha10.net/toku/1528722784.html

登場人物やストーリーなどの語りや感想などはこちらで。
https://ha10.net/toku/1529934918.html

53:匿名:2018/10/07(日) 20:58

「相当だなぁ…」
腕男はゴーグルに映る整った顔を睨み続けた。

54:匿名:2018/10/08(月) 15:39




腕男は挨拶がわりに矢を射った。ストンッと音を立てて矢は壁に刺さる。良治の頬にかすったようだ、つーっと血がつたった。
「…何っ……」

55:匿名:2018/10/08(月) 15:47

「良治くん⁉」
黒を基調とした巫女衣装を身にまとった覡の玄が良治のもとに駆け寄ってきた。

56:匿名:2018/10/08(月) 15:49

腕男を睨む。

57:匿名:2018/10/08(月) 15:50

涙袋の大きな玄の眼が大きく見開かれる。
「血出てるじゃん…」
膝間付き、良治の頬を丁寧に消毒し絆創膏を貼る。
「良治くん、立てる?」

58:匿名:2018/10/08(月) 15:53

「う、うん」
良治は差し出された手に素直に応じた。

59:匿名:2018/10/08(月) 16:07

「ここは窓際だから危ないよ。大輔のいる部屋に行こう」
そう言うと、玄は良治の手を取って歩き出した。

60:匿名:2018/10/08(月) 17:26

玄は彬や大輔と同い年な上に偉大な巫女の子孫だが、彼のあまり高くない身長と可愛らしい顔立ちも手伝って少年のようなあどけなさを感じる。
良治はそんな玄に親近感を感じたのか、数日の間ながら少しずつ心を開きつつあった。
「とりあえずここまで来れば大丈夫かな…」
扉を見上げて呟く。優しく包み込むような玄の声を聞くと心が安らぐ。
「さっき大輔と話付けてきたんだけど、今何かの理由で良治くんを大輔のいる部屋に入れることはできないらしい。だからこの部屋でちょっと休んでてほしいってさ」
玄が後ろの下の方で腕を組み、踊るように部屋を歩き回りながらベッドに座った良治に語りかける。
「大輔さん…何かあったのかな?」
「うーん、俺も分からないんだけど多分大丈夫だよ。ただでさえ大変な状況なんだからあんまり考えすぎないでね」
そう言って玄が部屋から出ていこうとすると、良治はふと寂しくなり声をかけた。
「ねぇ、玄」
「どうしたの?」
「一人でこの部屋いるの怖いからさ…一緒にいてくれない?」
「…分かった。変なこと期待しないでね」
玄は良治をからかうように笑った。

61:匿名:2018/10/08(月) 18:05

その頃ゴーグル男と美菜子は…

「ちっ…命中していれば美菜子しか見えなくなったんだがな…」とフードプロセッサーじゃない方の手に吹き矢の吹き筒を持ったゴーグル男が言った。どうやらあの矢には惚れ薬が塗ってあったようだ。
「まぁいい。かすったとは言えほれ薬は傷口から入った。美菜子を好きになるのも時間の問題よ。」
と言い、吹き筒をアタッシェケースに分解して入れた。

62:匿名:2018/10/08(月) 18:20

ホテルに帰ると、美菜子が鍋を食べていた。
「ご主人様、お帰りなさぁい。ホテルの厨房貸してもらって鍋作ったのぉ。ご主人様も食べてぇ。」

63:匿名:2018/10/08(月) 19:53

「…ああ。」
ゴーグル男は美菜子のとなりに座った。

64:匿名:2018/10/08(月) 21:31

暑そうな人参を頬張りながら美菜子が問いかける。
「そういえばご主人様、今日矢なんて持っていってどうしたのぉ?濡れてたから拭いておいたわよ。」
「ちょっと用事があってな…待て、拭いた?」
「そうよぉ、あんなに濡れてたらカビ生えちゃうじゃない。」
男は焦った。惚れ薬を拭かれていたなんて聞いていない。

65:匿名:2018/10/08(月) 23:44

その頃、和真は熱が下がり回復し始めていた。

66:匿名:2018/10/09(火) 20:31

和真「あ、37.18℃...。細かすぎね?」

67:匿名:2018/10/09(火) 20:36

和真は少ししか熱が下がらない事よりも体温計が小数点以下2桁まで表示することに驚いていた。

68:匿名:2018/10/09(火) 21:16

「おお、だいぶ顔色が元に戻ったじゃねぇか」
お粥を運んできた大輔が和真の顔を覗き込む。
大輔は和真が熱を出してから毎日お粥を作って食べさせていた。お粥自体も塩味が効いていてとても美味しいが、和真が飽きないように毎回醤油をまぜるなりしらすを入れるなりと工夫が凝らされている。
「今日はザーサイ入れてみた。不味かったら遠慮なく言ってな」
和真は布団から起き上がり、お粥に手を伸ばす。
体を起こすのにもあまり辛くなくなり、自らが回復しているのを実感した。
遠くの窓から見える外はとても明るく、上の方で太陽が輝いている。まだ昼のようだ。
「なぁ大輔ー。俺の飯はまだなん?」
彬がアヒル口を作りながら不満そうに、大輔のTシャツの袖を引っ張る。

69:匿名:2018/10/09(火) 21:59

「まーだ。お前はあとだよ」
大輔は彬の頬を片手でグッとつまんだ。

70:匿名:2018/10/09(火) 22:23

俺は…未だ信じられない。
目の前でふざけて笑っている、俺とさほど歳の変わらなそうな男性が、俺を育ててくれた彬兄さんだなんて。
視線に気付いたのか、彬さんが俺に近付いてくる。
「何やそんな顔して、大輔取られるんが寂しいんか」
おどけたように言われる。その笑顔が眩しい。
「やめろよ、俺は和真のもんじゃねぇ。もちろん、お前のもんでもな」
この俺に優しくしてくれる大輔さんという男性は、なぜ俺はもといた時代で会ったことがなかったのか。疑問は募るばかりだ。
そんな俺の心の中を見透かしたように、大輔さんがふと深刻そうな顔になって口を開く。
「…そろそろ、お前のことについて話してもらうか。和真、お前の口から話せるか?」
彬さんが戸惑ったような表情になり、俺と大輔さんの顔を交互に見合わせる。
「…はい。」

71:匿名:2018/10/09(火) 23:07

俺は目の前の彬さんに全てを打ち明けた。俺が未来から来たこと。石橋良治の息子であること。そして、彬さんに育てられたこと。伝えている間は、彬さんの目を見ることができずずっと下を向いていた。彬さんが口を開く気配がする。
「…よう言うてくれたな」
顔を上げると、俺の予想に反して彬さんは笑っていた。
「過去の育ての親の側で平常心保つんやって大変やろ?そやのに自分からそんな言うてくれたお前は凄いで」
彬さんに優しく頭を撫でられた。その感触が幼い頃によくしてもらったそれと同じで、懐かしさと安心で涙が出てくる。

72:匿名:2018/10/10(水) 18:57

「……ありがとう、ございます…」
和真は彬に心から感謝している。本当に、心から。

73:匿名:2018/10/10(水) 19:14

「ええって、何で泣くねん。」
彬さんが再び眩しい笑顔になり、俺の頬をぱしぱしと叩く。
「お前は俺の息子みたいなものやし。あんまかしこまらんといてや」
やはり目の前のこの男性が、俺を男手ひとつで育ててくれた武田彬…彬兄さんなんだ。
少し歳が若いだけで、その優しさもかっこよさもコテコテの関西弁も何一つ変わっていない。
なぜか俺はそれが誇らしくなり、少し笑えた。
「…はい。ほんまにありがとうございます。」
「なんや和真、かわええ笑顔できるやんけ」
背中をバシバシと叩かれる。それすらも俺にとっては彬兄さんが変わっていないことの証明になって、嬉しかった。
「はい、俺はこないかっこええ人に育てられたんやと思ったら嬉しなってもうて」
「何や、嬉しいこと言うてくれるやん。さすが俺が育てただけあるわ」
彬兄さんと二人で笑い合っていると、大輔さんがご飯を運んできた。
「おい彬、ベタベタしてねぇで早く飯食え。冷めちまうぞ」

74:匿名:2018/10/10(水) 22:52

「やっと飯やー!ありがとう大輔!」
満面の笑みでご飯の置いてあるテーブルに駆け寄っていく。
美味しそうな出汁の香りが、ないはずの食欲を沸かせる。
「ええなぁ…彬兄さん、俺にもひとくちくださいよ」
「あかんあかん、風邪治してからにしぃや」
ご飯粒を頬に付けながら、彬さんがいたずらっぽく笑う。
…この人、本当に関西学園大学出身か?

75:匿名:2018/10/11(木) 07:43

関西学園大学には自己中心的でよく暴れる学生が多いらしい。

76:匿名:2018/10/11(木) 07:44

彬はその中で唯一の優男の可能性もある。

77:匿名:2018/10/11(木) 07:45

とも言われているが、それはネット上での噂の類に過ぎず。本当の所は関西でも数少ないとても頭のいい大学だ。

78:匿名:2018/10/11(木) 14:00

なんせ生徒のほぼ全員が九九を全部言えるのだ!スゴイ!

79:匿名:2018/10/11(木) 15:52

その頃、良治は…

80:匿名:2018/10/11(木) 18:25

話疲れてしまったのか、ベッドで眠っていた。
玄はベッドの下の方に腰掛け、優しい表情で眠る良治を眺めている。
「確かに…優二に似てるなぁ」

81:匿名:2018/10/11(木) 18:32

玄は彬の遠い親戚であるため、優二の存在も知っていたのだ。

82:匿名:2018/10/11(木) 18:45

彬と玄は秋葉原で合体した地下アイドルらにジュースを奢り、LINEIDを交換した頃からのよしみである。
勿論その頃は遠い親戚だと言う事は知らなかったであろう。

83:匿名:2018/10/11(木) 18:52

玄も彬や大輔と同じく関西学園大学の出身で、大学時代は3人とも同じ法学部に在籍していた。

84:匿名:2018/10/11(木) 19:02

(>>83誤字りました。正しくは「在学」です。)

85:匿名:2018/10/11(木) 19:25

三人は法学部時代、ロンドンへと留学していた。
しかし留学途中、ロンドンの文明退化により飛行機が停止した。
日本への帰国は貨物運搬船の荷物の鉄骨の上で過ごしたという。

86:匿名:2018/10/11(木) 19:32

そう。時代は2518年。
最初に地下アイドルにジュースを奢った時からもう500年は経過しているのだ。
その間戦争は一度も起こらなかったものの、時代は変わっていった。
そんな中でも日本やアメリカなどいくつかの国は約500年もの間全く変わっていなかった。
人間の平均寿命は800歳を超え、若いままの容姿を保つことも可能になった。

87:匿名:2018/10/11(木) 20:19

バイオテクノロジーの発展は人々に恩恵だけを与えたわけではなかったのだ。

アン・ポンタン博士は遺伝子研究の世界では伝説的な存在であり、本能寺の跡地から織田信長の毛髪が発見されたとき、博士はそこからDNAを抽出し信長を現代に蘇らせた。

織田信長は次々と当時の家臣を復活させ、遂には日本を支配するに至ったのだ。

88:匿名:2018/10/11(木) 21:08

しかし実際に支配されてみると思ったよりも平和で、人々は今までよりも安心して生活をできるようになっていた。


…と、ここまで玄が小説を読み終えたところで目を覚ました良治が起き上がってくる。

89:匿名:2018/10/11(木) 21:40

良治「あ...おはよ(?)。」

90:匿名:2018/10/11(木) 21:42

「良治おはよ。よく眠れた?」
「うん…多少はね。見ててくれてありがとう。」

91:匿名:2018/10/11(木) 23:08

危うく覚醒するとこだったがかろうじて眠らせることに成功した。

バクのスピルバークは子供をさらってきては催眠術で眠らせ、その夢を食っている妖怪である。

眠っている間は気付かないことはよくあるが、そうそう夢オチや小説オチなど都合の良い展開あるわけがないのだ。

ちなみにヨシハル云々はスピルバークが過去に作った自作映画の設定であるが、無茶苦茶な展開で大不評を買った経緯がある。さて、次はどのような展開だったか。

スピルバークは記憶の海に眠る遺物を掘り起こす作業に戻るのであった。

92:匿名:2018/10/11(木) 23:09

そんなスピルバーグと手を組むことを目論む男が一人。
そう…腕男だ。

93:匿名:2018/10/12(金) 11:06

「スピルバークって誰だよぉおおおお!?…はっ!?」
「よかった!みなとくんが起きた!」
…見渡すと辺り一面の荒野。そしてとなりに吟。
どうやら隕石の着弾でメキシコまで飛ばされてしまったようだ…。そして吟がつきっきりで面倒見てくれたようだ。
「あ…面倒見てくれたのか…ありがとう。」
「いいのいいの。困ってたらお互い様だし。」
(しかしまた予知夢見ちまった…)
…そう。みなともふしぎな能力を持っているのだ。
気絶のような状況に陥ると友達がどんな状況になっているか見れる一種の占い的な能力だ。

94:匿名:2018/10/12(金) 16:10

「吟…良治たちは?」
「分からない…どこにいるかも全く。」
申し訳なさそうに吟がうつむく。
「…吟のせいじゃねぇだろ。」
「でも…」
「いいんだって。とりあえず俺らも生きないとだろ?」
「…うんっ」
みなとの優しい微笑みに、吟も応えた。

95:匿名:2018/10/12(金) 17:56

玄side
「…懐かしい夢を見ました。」
ベッドから起き上がって俺の隣に座った良治くんが急に優しい表情になり、空気に向かって声を放つように語り出した。
「どんな夢?」
「俺の昔の夢です。みなと、とか、吟、っていう友達とか、美菜子と幸せに暮らしてた頃とか。」
美菜子の件は彬から聞いていた。しかし、その他の名前は初耳だ。

96:匿名:2018/10/12(金) 19:17

「…そう。どうだった?」
「久しぶりに…凄く幸せな夢だったよ。」

97:匿名:2018/10/12(金) 23:32

「あいつらどうしてるかな…まさか隕石で…」
「…きっと生きてる。大丈夫だよ。」
「そうだな…多分生きてるよ…な…」
「りょ、良治くん!?」
「…zzzzzz…」
「よかった、寝てるだけだ…」

その頃…腕男と手を組んだバークは良治のいる家近くのホテルで会話していた。
「しかし驚いたな。昔考えたヨシハルとそっくりな男がいるとはな…」
「偶然だよ。私が羊毛マスターになったようにな。」
「そういえば君は羊毛で衣料を牛耳っていたな…!リョウジが寝付いたぞ…どうする?」
そう、バークは夢の妖怪。近くで人が寝だしたかどうかなぞお見通しなのだ。
「バークくん、良治に夢を見せてやりなさい。美菜子と一緒の幸せな夢をな。」
「…内容は?」
「ヨシハルの出た映画の楽しいシーンのヒロインを美菜子、ヨシハルを良治に置き換えて夢を見せてやれ。支離滅裂な展開はカットしろよ?」
「…了解した。」

98:匿名:2018/10/13(土) 02:51

「36.54℃…やっぱ細かいねんなぁ」
まだ体温が残っている、一風変わった体温計を、首をかしげながら見つめる。
ふと後ろから伸びた手が、体温計を奪い取られる。
上を向くと、腰を大きく折り曲げて片手を背中に添えた彬兄さんが視界に入った。
「おはよう。もうだいぶ下がったみたいやな、気分はどうや?」
すとん、と俺の布団に腰を下ろした彬兄さんに、同じ目線で問いかけられる。
「おはようございます。ん…確かに、もう苦しくないです」
「さよか、良かったなぁ」
目の前に向日葵のような笑顔が咲く。それが何だか明るくて、つられて俺まで明るくなるようだ。
「そういえば、大輔さんはどうしたんでっか?さっきからおらんみたいやけど…」
部屋を見回す。昨日までならエプロンなんて着けないままキッチンに立って、朝ごはんを作っているはずの大輔さんがどこにも見当たらない。
「おう、大輔なら良治んとこやで。」
良治…さん…確か大輔さん、俺に会ってもらうって言ってたかな。話でも付けにいってくれてるんだろうか。思考を巡らせていると、彬兄さんに背中を叩かれた。
「昨日も言うたけど、敬語とか使わんでええから。血繋がってへんとは言うても、親父に敬語使う子供がどこにおんねん」
喋ると同時に彬兄さんも叩きすぎだと思ったのか、申し訳程度に叩いたところを撫でてくれた。

99:匿名:2018/10/13(土) 15:03

その頃大輔はというと。

100:匿名:2018/10/13(土) 15:28

寝ていた。

101:匿名:2018/10/13(土) 16:35

「…んっ」
首がガクッと下に傾いたのに気付き、目が覚める。
いつのまにかトイレで座ったまま寝ていたようだ。
急いでズボンを上げ、立ち上がる。
トイレから出て、31秒かけて階段を駆け上がり少し廊下を歩くとその部屋がある。
ドアを開けると、良治と玄が話し込んでいた。
「大輔さん!」
良治が驚きながら、俺を見る。
「今までどうしてたんですか?」

102:匿名:2018/10/13(土) 17:24

大輔は答えた。
「なぜかトイレで寝ていた…どこか不気味な夢を見ていた気がする…」

103:匿名:2018/10/13(土) 18:04

「疲れてんじゃないの?大輔は大学の時からいつも頑張り屋だったからね。はい、これ飲んで」背の低い玄が、大輔を見上げながら栄養ドリンクを差し出す。
「おう、ありがとう」
「そんなことより、どんな夢見たの?」
玄は関西学園大学で法学部を卒業したあと短期大学で心理学を学んでいた。その経験を生かし、今は少し特殊な心理カウンセラーをしている。

104:匿名:2018/10/13(土) 18:48

「近くにトンネルのある澱んだ川で良治が微笑みながら蝙蝠の群れから降りてきたかわいい蝙蝠を肩に乗せて『俺、いかなきゃ。じゃな。』と言って包帯を巻いた黒猫と首のずれている背広を着たマネキンと共にトンネルに消えていく夢で…その後は思い出せない…」

105:匿名:2018/10/13(土) 19:03

「お、俺っすか…?」
良治が目を見開き、大輔の顔を凝視する。
「そっか…それはあんまりいい夢じゃないね。」
玄が可愛い顔を歪める。
「良治くんにまた何かよくないことが起こる、という予知夢か、大輔の心理状態を反映してるのかもね。」
良治が今にも泣きそうな顔になる。いつも冷静なはずの大輔も不安そうだ。
「でも、夢の修正ならできるよ。」
「…修正?どうやって?」
良治が訝しげに問いかける。
「俺の仕事、忘れちゃった?」
先程までのテンションが嘘のように、これからいたずらをする少年のような顔になる玄。
覡衣装の胸元を引っ張り、自分が偉大な巫女の子孫であることを主張する。
「大輔、そこに寝て。今からいい夢に直してあげるから」

106:匿名:2018/10/13(土) 21:08

「こうか?」
そういうと大輔は寝転んだ。そして玄が呪文を唱える。
「そうそう!いくぞぉ…カキタマヒトダマゲンノアゲダマネムクナール…」
「おーこりゃいい…zzz」
その呪文の効果により大輔は寝た…

そして大輔の夢の中…
マネキン、蝙蝠、包帯猫といる良治が
『俺、いかなきゃ。じゃな』
と言い、トンネルに入ろうとしている。
(これは夢のつづきか。)
するとお守りを首からぶら下げた良治がもう一人現れ
『良治(よしはる)ぅー!』
と叫んだ。
すると良治(よしはる)は
『りょ、良治!?』
と驚く。

107:匿名:2018/10/14(日) 07:47

そのお守りにはなぜか何も書かれていなかった。

108:匿名:2018/10/14(日) 17:34

それを見た瞬間、大輔は覚った。
「お守りに効能はない」、つまり「このリョウジは、偽物だ」。
そうと分かれば何も怖がることなどない。雄叫びを上げながら、偽物のリョウジに突っ込んでいく。
「うおぁぁぁぁぁぁっ!」

109:匿名:2018/10/14(日) 18:22

そうすると、偽物のリョウジはふっとんでいった

110:匿名:2018/10/14(日) 19:02

…しかし本物の良治はどこにいるのだろう?

111:匿名:2018/10/14(日) 19:03

まず、この夢の中にはいないのではないか?
悩んでいると、脳内に玄の声が響いた。

112:匿名:2018/10/14(日) 19:18

「調べたけど、トンネルの奥にいるみたいだよ!そこへ向かって!」

113:匿名:2018/10/14(日) 19:26

大輔は恐る恐るトンネルの方へ向かった。

114:匿名:2018/10/15(月) 07:27

トンネルの奥には一軒の小屋があった。

115:匿名:2018/10/15(月) 17:54

小屋の中から「眠い…コーヒー、栄養ドリンクやエナジードリンク、お茶が飲みたい…」
と良治の声が聞こえる…
「ダメだ!寝ろ!」
何者かの怒声も聞こえる!

116:匿名:2018/10/15(月) 17:57

今良治が寝たら、何か悪いことが起きる気がした。
小屋のちゃちな扉を蹴り破った。

117:匿名:2018/10/15(月) 18:24

ドアを破りながら中に入ると
「「何者だ!?」」
バクと謎の男と
「あ、大輔…さん…」
良治と
「お休みーお休みー寝ちゃいなさーい♪」
天井に数匹のコウモリがいた。
良治はコウモリ数匹のうたうコウモリの子守唄、略してコウモリ歌を聴かされているようだ…

118:匿名:2018/10/15(月) 18:38

「お前ら…去ね!」
大輔は手で九字を切りながら呪文を唱え始めた。
コウモリやバク、男が苦しみ始める。
九字を切るスピードは速く、呪文を唱える声は強くなっていく。
良治は眠るどころか回りをキョロキョロと見渡し、最終的に大輔を応援するように強くも優しい視線を向けた。

119:匿名:2018/10/16(火) 08:40

謎の男は良治に何をしようとしていたのか。

120:匿名:2018/10/16(火) 16:37

熱い抱擁だろう。

121:匿名:2018/10/16(火) 18:40

大輔が呪文を唱え続けた結果
「ぐおおお…どうする!?」
「仕方ない!いったん退くぞ!」
「キー!」
とバク、熱い抱擁をしようとしていたと思われる男、コウモリは苦しみながら逃げていった。

122:匿名:2018/10/16(火) 21:51

その頃、みなとと吟は食事をしていた、
「ふぉふぁえ、ふぉきどきふふぇふぅんびふぃふぃふぉな」
「みなとくん、食べてから話して。聞こえないし汚い」
口に酢昆布を含んだまま喋るみなとに、吟が正論を冷たく突きつけた。
飲み込んで、またみなとが喋り始める。
「『お前、ときどきすげぇ準備いいよな』っつったの。まさかいつも持ってるそのクソデカいカバンに食糧が詰め込まれてるなんて思いもしなかった」
「『クソ』とかも言わないの。食事中でしょー。」
吟が膨れっ面を作る。それを見て思わずみなとの笑顔が溢れる。

123:匿名:2018/10/17(水) 12:08

その時テレビでとあるニュースが流れた。

124:匿名:2018/10/17(水) 12:19

東京都新宿で暴走した坊主が愛媛をぶち壊しにいくと

125:匿名:2018/10/17(水) 16:47

その話を聞いて立ち上がる男が…
そう、地下アイドルとおじいさんもとい伝説のスーパー爺さんだ。

126:匿名:2018/10/17(水) 18:17

「ついに…この時が来たようじゃな」
「そうですね…」

127:匿名:2018/10/17(水) 20:16

ときは来た、それだけだ。

128:匿名:2018/10/17(水) 20:45

(テレビを見ている)
みなと「ふーん...まあ、愛媛県警がなんとかしてくれるだろ。」

129:匿名:2018/10/17(水) 21:52

「あれ、みなとくん、テレビなんかどこから持ってきたの?」
吟が首を傾げ、問いかける。
そう、ここはメキシコの荒野。電気など通じるはずがないのだ。

130:匿名:2018/10/17(水) 22:03

みなと「モバイルテレビ知らないのか?」

131:匿名:2018/10/18(木) 01:28

吟「モザイクゲージ……?」

132:匿名:2018/10/18(木) 02:34

みなと「…ようするにスマホのテレビ機能使ってんだ。」

133:匿名:2018/10/18(木) 08:32

吟「それにしてもメキシコの荒野に飲食店があるなんて不思議だよね?」
みなと「うん。ただ食糧たくさんあるのになぜわざわざここで食事しなければいけないんだよ。」

134:匿名:2018/10/18(木) 17:42

「お菓子じゃ栄養が足りないでしょ?だからここで食べようと思って」
大きなバックパックから手のひら一杯ほどのメキシコ・ペソを取りだし、どうだ、とでも言うような笑みを浮かべる。
「ほんと、お前には敵わねぇよ。」
みなとはヒラヒラと手を振ってからその手を皿に伸ばし、トウモロコシのトルティーヤを一口かじった。

135:匿名:2018/10/18(木) 17:57

その頃、和真は彬に連れられ長い廊下を歩いていた。
「彬兄さん、どこ向かっとるん…?」
「行ったら分かるはずやから、ついてこい」
言われなくてもついていってるだろ、というツッコミは胸に仕舞ったまま彬兄さんの後ろを歩く。やがて気付くと、一枚の扉の前に来ていた。
「彬兄さん、ここは…?」
「お前が、ずっと会いたかった人がおる部屋や」
彬兄さんが珍しく真剣な表情をしている。
部屋の扉が開けられると、そこには寝起きらしき大輔さんと、黒を基調とした巫女衣装を着た少年のような容姿の男性。そしてあと一人…年下だろうが、俺によく似た少年がいた。
向こうも同じことを思っていたようで、俺を見て驚いている。

136:匿名:2018/10/18(木) 22:27

「…兄さん、あの人は…?」
隣の彬兄さんに問いかける。
「ずっと会いたかったんやろ?お前のほんまの父親やで」
耳打ちされ、ようやく事実を知る。
目の前のこの少年が、『石橋良治』なんだ。
「…親父…?」

137:匿名:2018/10/19(金) 07:29

すると和真は少年に声にもならないような声で
「親父…!」
と叫んだ。

138:匿名:2018/10/19(金) 07:34

最初は戸惑っていたものの、隣の巫女衣装の男性に何かを耳打ちされ、良治の表情がパアッと明るくなる。

139:匿名:2018/10/20(土) 10:04

良治と和真はしばらく無言で目と目を合わせ続けた。

ただ2人はお互いの思っていることがなんとなくわかっていた。

140:匿名:2018/10/20(土) 12:53

親子だということはまだ信じきれてはいなかったが、互いになんとなく、信頼はしている。
「君が…俺の、息子…?」

141:匿名:2018/10/20(土) 16:01

和真「親父こそ...どないして。」

142:匿名:2018/10/20(土) 18:41

「この部屋に入ってきた瞬間、分かったよ。親父の性、ってやつかな」

143:匿名:2018/10/20(土) 21:01

良治はその美しい目を和真だけに向けて笑った。

144:匿名:2018/10/20(土) 21:57

和真も心の整理がついたのかにこりと微笑んだ。

145:匿名:2018/10/20(土) 22:09

「…石橋良治だ。[良心的]の[良]に、[治る]で[良治]。…息子に聞くのもなんだけど、君は?」
首を傾げながら、手を差し出される。
「…石橋和真や。[和歌山]の[和]に、[真実]の[真]で[和真]。親父が…良治が、付けてくれた名前やで」
差し出された手を強く握る。
「和真か…いい名前付けたな、俺」
茶化したように笑われ、俺もつられて笑顔になる。
「そやろ?俺も気に入ってんで」

146:匿名:2018/10/21(日) 13:39

和真「ところで親父。なんでその姿なん?」

147:匿名:2018/10/22(月) 06:51

良治(玄に訊く。)

148:匿名:2018/10/22(月) 06:51

147は間違いです。

149:匿名:2018/10/22(月) 06:52

良治「...忘れた(笑)」

150:匿名:2018/10/22(月) 17:03

「俺が着せかえておいたんだよ。良治の服、汚れてたからね。」
唇を尖らせながら、玄は言う。
良治は今、玄の着ているものと同じデザインの覡衣装を身にまとっている。
「あ、嫌だったら言ってね。普通の服もあるから」

151:匿名:2018/10/23(火) 21:45

良治「ふつうの服でいいや。」

152:匿名:2018/10/23(火) 21:56

「あ、そう?じゃこれ着て。」
クローゼットから薄い灰色のパーカーと動きやすそうなジーンズを引っ張り出し、良治に差し出した。

そのころ美菜子は…


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