『孟子』は孔子に後れること約100年、戦国時代に成立した。しかし、その内容は、孟子が諸侯や弟子を相手に行った問答・論争集である為にディベイトにありがちな揚げ足取りやこじつけが少なからず見受けられるものの、全体の格調は高く四字句を多用した文章は簡素で力強く、リズミカルである。また孟子のいう。覇道政治の不定は、心のパワーを見失わせている元凶を打破し、心の本来のパワーに目覚めさせてくれるだろう。(質問、論争は、面倒なのでお答えしません。)したすら、書き下し文と意味を書き込みしていきます。
79:(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2008/12/29(月) 00:05 ID:m-krU 【時と場合によっちゃ殺人もやむをえないことは認められない!】
『人の親を殺すの重きを知るなり。人の父を殺せば、人もまたその父を殺し、人の兄を殺せば、人もまたその兄を殺す。しからばすなわち自らこれを殺すにあらざるや、一間のみ。』
『他人の親を殺すほど重大なことはない。人の父親を殺せば、その子供は加害者の父親を殺そうとし、人の兄を殺せば、殺された者の兄弟は仕返しに加害者の兄弟を殺したくなるだろう。たとえどんな条件を付けたにせよ。殺人を支持するということは、自らを殺人を犯していなくても憎悪の連鎖を容認し、直接殺人を犯しているのと何ら変わりないことをしていることになるんだぞ』
81:(宦L・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2008/12/29(月) 00:16 ID:m-krU『人よく人を害するを欲することなきの心を充たさば、仁あげて用うべからざるなり。人よく穿踰することなき心を充たさば、義あげて用うべからざるなり。』
82:⊂(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2008/12/29(月) 00:22 ID:m-krU『もしも君が、どんなことがあっても他人を害さないと決心して生きるならば、この世に使っても使い切れないほどのおもいやりの気風を満ちあふれさせることができるようになるんだ。同様に、どんなことがあっても絶対に盗みをしないと決心して生きるならば、正義の気風を社会に満ちあふれさせることができるようになるんだよ。』
83:(怐L・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2008/12/30(火) 01:58 ID:m-krU 【そんなきれいごと言っていますが、逆に被害者に回って損をしませんか?】
『生もまた我が欲するところなり。義もまた我が欲するところなり。二者兼ぬることを得べからずんば、生を捨てて義を取る者なり。生もまた我が欲するところなれども、欲するところ生より甚だしきものあり。故に苟も得ることをなさざるなり。もし、人の欲するところをして、生より甚だしきもの莫からしめば、すなわち凡そもって生を得べき者は何ぞ用いざらんや。』
『長生きは誰もが願うものだろう。私だとて望むところだ。しかし、私は同時に正義の実行も強く望んでいるんだよ。両方がともには叶えられないとするなら、そうさな、私は生命を犠牲にしてでも正義の実行を取ろうと決意しているんだよ。そう言ったからとて、生命を軽んじているわけではない。逆に、生命よりも強く願う正義というものがあるからこそ、私は生命を本当に大切にできるんだよ。………続く………
85:⊂(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2008/12/30(火) 02:15 ID:m-krU………続き………いいかね、もしも人間が生命より強く望むものが何もないという状態になったとしたなら、人間は生きる為ならどんなことでもやってのけるようになってしまうだろう。あるいは逆に、あっさりと生命を捨ててしまうだろうよ。それでは、いったい何のための生命なのかね。』
86:(宦L・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2008/12/30(火) 23:53 ID:m-9so 『妖寿たがわず、身を修めて、もってこれを俟つは命を立つ所以なり。
この故に命を知る者は巌牆の下に立たず。その道を尽くして死する者は、生命なり。桎梏して死する者は、生命にあらざるなり。』
『人間には短命の人や長命の人がいるが、人間の寿命は天寿という言葉があるように、天の定めであって人間が完全には左右できるものではない。だから、人間がなすべきは、生死をあまり念頭におかずに、生ある間に少しでも精神的な高みに上ることだよ。寿命が天から与えられていることを理解している者は、危険な岩や今にも崩れ落ちそうな石垣にわざわざ近づくような無謀なことはしないものだが、もしも正義を貫いた結果として早死にするようなことになったとしても、それは立派に天から授かった寿命を全うしたものだと平然と受け入れられるようになるものさ。
………続く…………
………続き………その反対に、ただ生き長らえるために悪事をはたらき最期は手枷・足枷の刑で死ぬような者は、たとえどれほどの長寿に達していようとも、とても天寿を全うしたとは言えまいよ。』
89:(宦L・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/01(木) 00:51 ID:m-8hw 【他にもしちゃいけないことってありますか?】
『好んで人の不善を言わば、まさに後患をいかにすべき。』
『人の不善を必要以上に言い立てない。そんなことに熱中すれば、必ず後から禍が降りかかるからな。』
【補足】人の不善にばかり目を向けていると、自分自身の不善に鈍感になるという災いが来る
『己に勝つ者を怨みず。これを己に反求するのみ。
君子は天を怨みず、人をとがめず。』
『自分より優れた者を嫉んだり怨んだりもしない。まずは自分の身を反省して自分の至らない点を補うことを先にすることだ。ひとかどの人物になろうと思うなら、自分の運命を呪ったり、人をとがめ立てたりしてはダメだよ。人というのは他人だけじゃないよ、自分に対しても責めすぎてはいかんのだ。要するに不定思考や悲観思考で固まらないようにすることだよ。』
93:(⊃´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/03(土) 00:57 ID:m-8xk『仁にあらざれば為すなきなり。礼にあらざれば行うなきなり。一朝の患いあるがごときは、すなわち君子は患いとせず』
94:⊂(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/03(土) 01:02 ID:m-8xk『君自身の心の中に具わっている仁愛の流れに適合しないことはしないことだ。礼儀にかなっていない行為もしない。そう決心すれば、たまたま一時的に禍いが降り懸かってきたとしても、自分の悪い態度に原因があるんじゃないんだから、何事もなかったように平然と構えていられるよいになれるものだよ』
95:(⊂´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/04(日) 00:42 ID:m-PLM 【心を養う秘訣ってあるのだろうか?】
『大人なる者は、その赤子の心を失わざる者なり。誠は天の道なり。誠を思うは人の道なり。至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり。』
『純真であれってことかな。人格者というのは赤子のように生まれたままの純真さを保っているものだよ。
誠実であれ、でもいい。純真誠実こそが天然の要塞で、自然の流れであり、その流れに沿って生きようとするのが本来の人間の生き方なのさ。純真誠実に物事を行って上手くいかなかったことなど、この世に未だかつてあったためしはないんだからね。』
ごくろうさん。孟子より 孔子 老子 のほうが次元は上だが
98:(⊂´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/04(日) 23:44 ID:m-q/I『人はもって恥ずることなかるべからず。恥の人に於けるや大なり。機変の巧をなす者は、恥を用うるところなし。人にしかざることを恥じずんば、なんぞ人にしくことあらん。』
99:⊂(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/04(日) 23:50 ID:m-q/I『恥を知らないようでもいかんな。人間にとって恥を知ることは極めて重要だ。しっかりと自分の内面を見つめることだ。場当たり的な誤魔化し屋は、まったく恥じることがないときている。自分が人に比べて人格的に及ばないことを恥ずかしく思わないようでは、ひとかどの人物にはなれっこないな。』
100:(宦L・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/04(日) 23:55 ID:m-q/I『心を養うは、寡欲より善きはなし。その人となりや寡欲なれば、存せざるもの有りといえども寡なし。その人となりや他欲なれば、存するもの有りといえども寡なし。』
101:⊂(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/05(月) 00:04 ID:m-q/I『心を養うには欲張りすぎないことがコツだ。欲張らずに一つずつ究めていく者は、習熟していない分野が残っていてもわずかな時間で残りも究められるようになるものだよ。欲張りすぎて、あれもこれもと同時に求める者は、どれもこれもわずかしか究められないで終わってしまう。急がずたゆまず一日一度でいいから自分の心を見つめ直して、心と対話をするのが自分を育てる秘訣だよ。』
102:(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/05(月) 00:20 ID:m-bXw 【補足】
『多くの人は、自分にない能力を身につけたり自分の欠点を潰すことを修養と信じているが、孟子にとっては、自分を「変える必要のない」ことを発見・自覚することが修養の基本である。すべての能力は自分の内に具わっているのであり、「そんな能力はない」と思い込んだり絶望していること自体が「そんな能力」を認識している証拠であり、かつ能力を持っている証拠なのだ。だから、伸ばしたいと思う芽から自分のペースで養い伸ばしていけばよいのだ。人間は、社会に合わせて自分を無理やり変えるために生きているのではなく、自分が真っ当に生きられるように社会を変えるために生きているのだ。』
【家庭や家族ってなんで必要なんだろう?】
『君子に三楽あり。父母倶に存し、兄弟故りなきは、一の楽しみなり。仰ぎて天に愧じず、俯して人にはじざるは、二の楽しみなり。天下の英才を得て、これを教育するは、三の楽しみなり。しかして天下に王たるは、あずかり存せざるなり。』
『内面の豊かさを求める者には幸福感を味わえるものが三つあるよ。一つは父母が共に健在で、兄弟姉妹が無事に暮らしていることだ。二つ目は、天上の神に対しても地上の人に対しても恥じ入るような行為を何もしていないことだ。(もちろん。こういうことをする奴は、最低だが…)三つ目は、優れた子供や若者を集めて教育をすることだ。政治権力を握って人を支配するなど、上や下だとかいう見栄とかの覇道政治などは、幸福のものの数にも入らないな。』
105:(宦L・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/06(火) 23:35 ID:m-xAM 【親子や兄弟って何なんですか?】
『食いて愛せざるは、これを豕交するなり。愛して敬せざるは、これを獣畜するなり。』
『親が子供を養育するのに、ただ食事を与えるだけで愛情がともなっていないのでは、豚を育てているのと変わりないし、愛していても、尊重する気持ちがなければ、ペットを飼っているのと変わりないだろうよ。』
107:(宦L・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/08(木) 22:51 ID:m-EZU『孩提の童もその親を愛することを知らざるなし。その長ずるに及びてや、その兄を敬することを知らざるなし。親を親しむは仁なり。長を敬するは義なり。』
108:⊂(´・ω・`)y━・~~~やまだ ◆/3BU:2009/01/08(木) 22:56 ID:m-EZU『二〜三歳の幼児でも、その親を愛することを知らない者はいないよ。成長すれば、その兄を敬うことを知るようにもなる。親を愛し大切にするのは思いやりの基本であり、年長者を尊敬するのは道義の基本だ。人間はそうしたことを家庭で学ぶものなんだ。それが家庭の最大の存在意義だよ。』