_いつも賑やかな洋館の裏で、
その花園は秘かに栄える。
>>2
◎ 某スレの中身の専スレ
◎ もはや二次創作
◎ 非強制参加
◎ 基本hoge進行
スレ建てありがとうございます、!!
スレ立てお疲れ様です🙇♂
スレ立て乙です
>>3-5
纏めて申し訳ない……ありがとうございます🙇
リコット背後です、推しはココくんとオペラニキです! よろしくお願いいたします〜っ🙇🙇
ひ〜〜〜たのしみだ!!たぶんろむせんだけど、。
すれ立てありがとうございます、お疲れ様です~~ >◆d5/.様
パァルのうしろのひとです、! ( ちら )
うちのところ一人っ子 ( ? ) なのでキャラ追加考えてるのですがなにか不足してるポジなどありますか〜〜??気軽にどうぞ🙇♂
ほぼ箱推ししてるウェル、オペラ背後です〜!
ネタとか絵とか放り投げるので拾ったり避けたりよろしくおねがいします🙏
>>8
向こうでも言ったけどやみ系キャラ…をぜひみたいです(見たい)
ココとヴぁれちゃんの背後だよ( きゅるりん )
ちゃらい子!!ちゃらい?っていうか えみさんみたいな >>8
あ〜〜連レスもうしわけないけど、雑談していいらしいのでがばがば喋ると思うからろむ専でもなんでもないと思います、、失礼しました
>>7
ありがとうございます〜っ🙋
>>8
戦う気のない系統のこが少ないかと……、まああたしが創るかもですが()
>>8 病みキャラ〜!!! うちのパァルと対照的なのでめちゃめちゃにエモいですね、( ; ; ) ありがとうございます〜〜!!!!!!!!
>>9 笑さん〜〜!!!!! ( 突然の衝動 ) 笑さんめちゃめちゃ性癖おばさんなのでテンションぶち上がります⤴ ありがとうございます!!!!
雛伊背後です〜同意を得たらゲボ文章投下するかもしれないですね 威圧されているので…(がくぶる)
底抜けに明るい子とか見てみたいですね >>8
>>13 ごめ 安価ずれた ごめ
>>12 戦う気がない子…! たしかにわりといないですね🤔 リコット嬢のところにもお友達がふえるのですか!!!??たのしみです、ありがとうございます🙇♂
>>14 お待ちしてます♡
ん〜〜わたしも新しい子つくりたくなってきた(だめ)
新しい子は、お菓子にいけるとありがたいなあとか、少ないので
てわけで連レスに寛容に行きましょ〜〜◎
あたしももひとり増やしたいんですけど〜〜やっぱお菓子一派ですか!!
わたし、手が空いたら関西弁っ子つくりたいんですけど関西人さんいいらっしゃいますか 長く住んでいたわけではないので似非な気がするからこわい( 震え声 )話題増えてすみません🙇
ちゃんとレスを待たないからすれ違いしかなくてごめんなさい🙇♂🙇♂
>>14 明るい子、!すきです!!!!!紅茶也のテンションあげてきましょ⤴⤴⤴⤴ ありがとうございます💓
>>16-17 うちはお菓子になると思います! 紅茶に対する学がない!
がっつり関西人さんいますよ〜
ここに
>>18 関西ですよん〜〜でも寛容(←)なのでたぶん大丈夫です🙆
あたまおかしいがばがばの子とかいますかね!いなかったら少し考え…たいなあと…
>>16
ではお菓子で〜〜考えときますね🙋
>>19
了解です〜〜ありがとうございます🙏
>>21
メルトちゃんのキャラ掴めてないけど、もしかすると、
男女比どうなってますか!!! お菓子女子が少ない感じでしょうか???全体だと女子が多い???
>>23 ルトメさん…ちょい似てるかも、なんで練り直します💪(しなくていい)
>>20 >>21 関西人さんいらした!了解です〜
銀の匙で金儲けしようとするやつもしたいので関西人くんはやめますね、。
イメージは煙管使ってる子なんですけど、擬人化するならスモーキーな紅茶? 紅茶でも大丈夫なのでしょうか、、
>>24 おかし女子少ないですね、全体だと男子が3人だけ…だとおもいます、たぶん()
>>26 紅茶大丈夫だとおもいますよ〜〜煙管は紅茶風味とか…??
>>26 大丈夫だと思いますよ🙆♀
ところで今pfを読み返してたら気づいてしまったのですが、うちのパァルだけpfに年齢がありませんね!! 12yくらいのイメージでお願いします🙇♂ 失礼しました >>みなさま
新しいこ!なのですが!おらおらのヤンキー系の子とか大丈夫そうですかね!! ココくんとはまた違う感じの……
>>24
♂ : ♀ = 3 : 6 です、恐らく……
>>26
おお……楽しみにしてますね🙋
>>28
了解しました〜っ◎
>>27 >>30 ありがとうございます!!!色々考えた結果エディブルフラワーの女の子にしようと思うのですが、エディブルフラワーってお菓子として大丈夫でしょうか?? >>みなさま
>>29
大丈夫では!
>>31
お菓子……? まあごはんではないのであり寄りのありでは!()
>>32 エディブルフラワーそのものだとアウトくさいので、エディブルフラワーが乗ってるケーキやらクッキーやらを総括してエディブルフラワーって言いたいなと思うんですけど、流石にひどいですかね…?🤔
>>33
わたし面白そうなのでまるです🙋
>>31,>>33 それなら大丈夫だとおもいますよ〜、!
>>32 わーいじゃあ考えます…!
とある小説が素晴らしいので是非こちらでも…見たいなあ…(こら)
非戦闘タイプ無気力系お菓子男子を増やしたいのですがっ、お菓子の候補あったらお教えください〜〜無知で申し訳ない
>>36 飴とかガムはどうでしょ…?食べ切るのに時間かかるから表せるかなあ、なんて…()
先程のおらおらくんですけど、紅茶でもお菓子でもないんですね… なので、もし大丈夫なようでしたら角砂糖にしてもいい、ですか…?
>>37
成る程、! 参考にさせて頂きます、ありがとうございます〜っ✨✨
おお! 角砂糖くん〜〜面白いこは歓迎れす()
エディブルフラワーのお菓子ちゃん絶対かわいい!!!!のでいいと思います( あほ ) >>33
せんべいとか食べてると無気力になれるので無気力そうな子ができそうな気がします… >>36
許可頂けたので角砂糖くん頑張ります〜!!
pfできたら本編の方に投下して始める感じで大丈夫ですかね、?
>>39
和名2号くんになりそうですね……! ありがとうございます〜っ🙇
エディブルフラワーの許可ありがとうございます!!! >>みなさま
許可をいただいたところ申し訳ないのですが、とんでもないぶっ飛び提案をしますね… ( クソ )
まず、先程エディブルフラワーの女の子 ( お菓子派 )という名目で許可を取ったのですが、男にするか女にするかで一生悩めそうだったのでできれば兄妹がいいなあ、と考えました。 ( この時点でぶっ飛び )
そうすると男女比の偏りが出そうだったので、兄妹で派閥を分けた方がいいかなあと思ったんですよ ( アホ ) 一応エディブルフラワーを紅茶に浮かべることもあるそうなので大丈夫かな?と言った感じです。
そこで、紅茶派の兄とお菓子派の妹のエディブルフラワー兄妹を追加したいです ( 震え )とてもわたし一人では決められることではないので、
・ そもそもこやつらの中に肉親関係があるのか
・ エディブルフラワーがどちらの派閥でも受け入れられる存在なのか
についてみなさまに意見をお聞きしたいです…。かなりの無茶振りだというのはわかっているので、ダメだという方がいればすぐに変更するつもりです💦
長文失礼します、どうかよろしくお願いします🙇♂
>>42 わたしは管理できるのであれば大丈夫かとおもいます、絡む際はどちらかだけになるかもですが…
擬人化なので肉親関係は特に(考え)なくてもいいのかな〜と思います、兄妹という関係を持つのはいけるかと…
派閥の受け入れ…はこちらは構いません、どこの派閥でも普通に接すると思うので()
というのがわたしの考えです〜🙏
もうわたしは面白そうならなんでも楽しめると思うので〜〜やだとか言わないと思います、!! し、わたしその設定個人的にめっちゃ好きです〜〜ありで‼ >>42
>>42 >>43 まとめてしまって申し訳ない( ; ; ) ありがとうございます😭 キャラが増えると大変だと思うので、片方だけで全然大丈夫ですよ🙆♀
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一応?と言ってはなんですが、今のところ考えてある兄妹の大まかな性格など👇
兄 / 紅茶派 / ちゃらちゃらしてる!!! 妹ちゃんというかおんなのこすき ナルシシスト!!!!
妹 / お菓子派 / 気が弱い 兄ぴっぴにつめたい おどおどしてる ひとみしり ひっこみじあん
あ〜〜!!!安価ずれました!またやった!! レス消費&連続レス&凡ミス申し訳ないです( ; ; ) 土下座する体が足りない🙇♂🙇♂
>>42 私は全然いいと思います〜〜血縁関係もあったら面白そうですね…私はエディブルフラワーの何たるかがよくわかっていないので(!?)、派閥は私の計り知れるところではありませんが…!、
わ〜〜〜ん兄妹とか俺得、、( 震 ) エディブルフラワーの化身が分裂した姿、とか考えたらうまくいくと思います、たぶん! >>42
メルヴァレで「 ブルーハワイのかき氷 」です!! わりとまじめに百合処女作だから温かい目で見て…
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「ねえ、ヴァレちゃん。ブルーハワイって、ほんとはなんのあじ?」
もうすっかり溶けて色付きの液体と化したわたしのブルーハワイをぐちゃぐちゃに混ぜながら彼女は言う。彼女の胸元の赤いリボンがブルーハワイの青と対照的で、もうすっかり暗くなった夜の中ではきれいに映えている。
「特に明確な定義はないのよ、」
わたしは声の調子を平常に保ちながら、かき氷と、かき氷を見つめる彼女の視線を遠ざけるように目を細める。「先週、本で読んだわ」
彼女はふぅん、と相槌を打つと、自分のかき氷をストローでずずずと啜る。彼女のかき氷の味は彼女の頬と同じピンク色のいちごだった。
「あたしさ、いちご味のかき氷って好きくないんだ」
まだ少ししゃりしゃりを保っている自分のかき氷をつついて、彼女は呟く。
「それは、どうして?」
「だってベロの色が全然染まらないでしょう、ほら、わかる?」
彼女はピンク色に染まった自分の舌をみようと踏ん張っていたみたいだけど、すぐに諦めたらしい。そうすると、こちらを見つめて、にたあと笑う。
「ヴァレちゃんの舌も、見せてよ」
瞬間、彼女の顔がぐっとわたしに近づいた。彼女の茶色い瞳の瞳孔がぱっと開く。いちご味のかき氷の匂いがする。頬にひりっとかき氷で冷たくなった彼女の指の感触がしてから、すぐ体温が伝わってくる。わたしの頬が熱くなって、全体的にあったかくなる。
「やっぱり、きれいに青いよ」
頬から手を離すと、彼女はからりと笑う。「あれ、ヴァレちゃんの顔、赤いよ」、なんて冗談めかして肩を震わせる。
「貴方ってひとは、本当に…」
かき氷の抜け殻を捨てに行こうと歩みだした彼女の背中を見つめてそう呟くと、振り返ってなあにと笑った。頬も夜の気温も、まだあついままだ。
>>49 オァ…素敵…あなたらしい綺麗で可愛らしい文章、とてもすこです……
>>49 言葉がすごく綺麗ですらすら読めました…とにかくかわいい…かわいいです…全体的にふんわりしてて好きです、ありがとうございます(???)
>>49
何でしょう……読書感想文苦手なんですよ()
取り敢えず!! 描写が綺麗で、進む感じが軽やかで、それでいて最後はことん、って感じで終わってて文章が美しいと思います!
で、メルヴァレ落ちそうです〜〜素敵な作品をありがとうございました🙇✨
どこかの誰かさんに載せろと言われました……(不本意) うぇオペです、閲覧注意 自衛してくだせえ
__
__例の戦争まで、まだまだ時間があった。退屈に任せて応接間に入ると、そこには珍しいことに机に突っ伏し、見るからに意気消沈している、うるさいあいつがいた。面倒なやつに出くわした、と思わず上半身が仰け反る。が、このくらい静かなら構うことはない。声をかけることもせず彼の向かいの椅子に座って脚を組む。かち、こち、とやけに遅く感じる秒針が腹立たしく、無意識に人差し指は机でリズムを取っていた。
「ねぇ、ウェルルくん」
あまりにも小さなその声を一瞬聞き逃した。向かいに座る彼には__"いつもの彼には"とても似合わない声量と勢いの無さに狼狽える。
「その呼び方をやめろ」
いつものように反発すると、返ってくるはずの、ふざけた返事が無かった。雰囲気の違うこいつの正しい対応がわからない。なんとなく、落ち着かない。
「……ウェルくん、ワタシ、今凄く寂しいんだ。なんでだろうね。顔を上げればキミがいるというのに」
ゆっくりと、ぽつりぽつりと溢れる言葉。力無く机に沈む、彼の左手。いつもの元気が無いこいつは、なんだかひどく鬱陶しい。力任せにその左手を掴んで持ち上げた。
「ウェルくん……?」
「寂しいなら顔を上げればいい。俺が視界に入るだろう。それと、ルがひとつ足りないぞ」
ようやく上がったその顔が、心なしか泣いているように見えて。
沈黙からややあって、手を離した。
「紅茶を淹れてやる」
席を立って彼に背を向けると、すぐに背後からがたり、と物音がした。いかにも、椅子から立ち上がったような音。
「ワタシも手伝おうではないか!ウェルルくん!」
>>47-48 ありがとうございます( ; ; ) 一応兄妹追加の方向で考えていきたいと思います
>>50 ありがとうございます( ; ; ) 可愛い感じでかきました!おんなのこなので ( ? )
>>51 ありがとうございます😊 うれしいです〜〜!!どういたしまして!!! ( ? )
>>52 ありがとうございます🙇♂ メルヴァレ自体はわたしの発案でないのでゆるく書いてたのですが書いてるうちにわたしもメルヴァレの素晴らしさに気づいてしまいました…尊い……
>>53 すき!!!です!!!若干かっちりした感じがもうプロ…
うぇオペで「 傷みを持って得たモノ 」で…。( だっさ )
処女作につき温かい目を持ってどうぞ……
△▼
_もうすぐ時計の短針は3時を指す。意気揚々と戦争に向かうウェルに、後ろからとことこと着いてくるのは、…敵一派のオペラ。
「 ……ウェルルくん? 」
「 煩い、それで呼ぶなって言っているだろ 」
「 ッ… 」
オペラが後ろから珍しくおずおずと声を掛けるが、戦争のことで頭がいっぱいのウェルの耳には入らない。
「 ……ねえ、ウェルくん……、 」
「 _? 今、"ウェル"っt 」
甘えるようにもう一度、今度は耳元まで行って囁かれたウェルは、流石に些か困惑したようだ。そのままオペラが、素早くウェルの左手に自分の右手を滑り込ませる。
「 …! おい、 」
「 ……暖かい。もう少し、こうさせてくれよ? 」
ほわんと笑うオペラに、少しだけぴくりとウェルが反応した。が、直後に思いっきり叩き落とした。バチンッと、鈍い音が廊下に響く。
「 _痛ッ……!、 」
「 馬鹿じゃないのか。一体何のつもりだったんだ、… 」
痛がるオペラにウェルは冷たく吐き捨てると、つかつかと歩いていってしまう。
「 、待ってくれ! 今のことは、どうか内密に…… 」
「 _は? 何の話だ。 」
慌てながら言うオペラを一瞥すると、ウェルはさらりと言って、さっさと行ってしまった。一人廊下に残されたオペラは、
「 隠してくれるということは、……期待して良いんだね? 」
そう最後に一言残すと、"いつものオペラ"に戻り、戦争に参加しに行ったのだった。
>>55 三人称視点で書けるの、羨ましいです……、(尊敬の眼差し)
>>53
うぇあ〜〜好きです ぽんぽん進む感じが綺麗〜っ
>>56
あ、ありがとうございます…🙇🙇
みなさまの小説読みました〜!どれも素敵だったので後で感想文書かせて頂きます…長くなる予定、、( えへ )
こちら、オペラくん背後様のリクエストより、愚息のココとオペラくんのオペココでお題は「 好きには程遠い 」での小説もどきになります。地雷の方は開かないでね!!!
長いアホ面の文章な目に入るのは自分として吐き気がしちゃうのでこんな形でお披露目、?させて頂きます、。どうか皆様の大事な目がご無事でありますよう…( なむ )
https://i.imgur.com/DLbv9yc.png
https://i.imgur.com/F1JfWnH.png
https://i.imgur.com/FSwBCw6.png
https://i.imgur.com/vQ2WIE4.png
>>58 わああ、ありがとうございます…!!とてつもなく、もう本っ当に好きです…まず流れが綺麗でしんなりと通っていく感じがして好きで、ココくんのつんつん具合やらオペラのぼけ具合が最高にマッチしてて好きです…(わたしよりオペラ扱えてるほどに(()
リクエストありがとうございました、素晴らしいものが見れてよかったです…!!😂
パァルちゃん背後さまからお題頂けたのでここにも載せちゃいます( てへ )
うぇオペになりますので苦手な方は自衛お願いします…()
「 さあうぇるるくん、プレゼントだよ! 」
にこにこと笑みを浮かべて差し出すあいつ。それをどう対処しようかと、おれは眉を顰めた。
今日の日付は2月14日。…そう、誰しもが浮かれてへらへらと過ごすバレンタインデー。女が男にチョコを渡して告白する、という風習があることは少しだけ知っていた。ここの館でもそれは流行っていたから。本当の風習とは少し違うけれど、誰かが誰かに渡して楽しげにしていたのを覚えている。その誰かは覚えていないけれど。
まあ、そんなこともおれには関係がない、だってチョコレートはお菓子だろう。紅茶一派で、敵であるおかしのチョコを貰うはずも渡すはずもない。だから今日はいつもと変わりない、少しだけ甘い香りが漂う1日なだけ。
「 ムム、どうして受け取ってくれないんだい? 」
3時の戦争が終わって、なんとか紅茶一派が勝って。手当やら片付けやらで時間はかかり、数時間後にやっと部屋まで戻れば、鼻歌交じりにおれの部屋の扉に佇む一人の男が。緩く結ばれた三つ編みを揺らして、軽やかなメロディーを刻む男はたった一人しかいない。片付けの途中からいない事には少し気づいていたが。
そんなあいつはおれに気付くとぱっと顔を輝かせ、パタパタと駆け寄ってくる。その手にはリボンで結ばれて飾られた箱。なんだか見覚えのある物体に少しだけ目を細めると、その視線に気付いたあいつは「うぇるるくんは目敏いねえ」なんて言った。黙ればいいのに。
そしてその箱をおれの目前まで持ってくると、ふわりと香る甘い香り。元々甘いものは得意ではないため、眉を顰めると二歩三歩後ろに下がった。その動きにきょとんと目を丸くしたあいつは、首を傾げてまた距離を近づける。
「 お菓子は好きじゃない、敵一派だからもあるが元々甘いものは好んでいない 」
ただでさえ丸い目を更に丸くさせ、ぱちぱちと驚きを表すように瞬きをさせる。視線を外したおれに焦ったのだろうか、あいつは少し慌てたような声色で喋りだす。
「 …これ、ワタシが作ったんだ。えっと、シロップもかけていないし皆が言う変なこともしていないよ 」
今度はおれが目を見開く番だった。言っていることは普通だけど、こいつにしては珍しい事で。それに気づいたあいつは困ったように少しだけ視線を落とした。それから数回深呼吸を繰り返して、ぱっと顔を上げたあいつの顔はほんのり赤く染まっていて。
「 甘いものが苦手なのも知っている。…後で捨ててもいいから、受け取って欲しかったんだ。…ダメ、かな 」
初めて見るあいつの表情。少し照れたように視線は下を向いて、唇は少しだけ噛み締めて、体は忙しなく揺れている。そんなあいつの対応なんかした事がある訳もなく、いつも通りにすればいいことができなくて。たった一言「いらない」とさっきみたいに言えばいいのに、それすらなぜか言えなくて。
どうしようもなくなって、おれはなにも言わずにあいつの横を通り抜けてドアノブに手をかける。かちゃん、と音がしたとき「ぁ、」と微かに声が聞こえた。驚きと切なさが入り交じった少し泣きそうな声。それに釣られたようにちらりと視線を向ければ、ぽわんと口を開いたまま立ち尽くすあいつ。
「 ……要らないともなんとも言ってないだろう、…そんな所で突っ立ってないでさっさと来い 」
情がわいた訳でもない、チョコが食べたいわけでもない。…ただ、なんとなく、こいつを放っておいたらだめな気がして。ふいと顔を前に向けながら、ぽつりと言葉を零す。ちゃんと聞こえているのかは分からないが、「…え、あ、」と言葉にならない声が漏れている辺聞こえていたようだ。聞こえてなかったら無視していたのだが。
主すらまだ迎え入れたことのない部屋に1歩足を踏み入れては、ちらりとまた後ろを向く。来ないのか、そう目で促すように見やればあいつはぱああっと笑顔で駆け寄ってくる。それを顔を逸らして見ないようにして、押さえてた扉から手を離して中に入った。「お邪魔するよ!」なんて楽しげな声、緊張なんかしていない。