・・・んむゥ〜・・・長らく空けてなかったからかァ、埃だらけになっちまったねェ。
(/げふん、と大きな咳を一つ漏らすと、はたきをぱたぱた振りながら石油ストーブのスイッチをかちり。窓を開けて換気をしながら棚を整理。此処のお菓子には賞味期限が「存在しない」上、「主が居ないと時が止まる駄菓子屋」であるのでお菓子はいつでも新鮮。それを分かった上でこのお惚け店主はくるくると紅い蓋を開け、黄粉棒を一口。丁度空気も入れ終わり、ストーブも温もりを発し始めた頃、にまァ、と妖しげに笑いながら窓を閉めて一言。
「さァさ、皆様。長らくお待たせしました。 不思議な駄菓子屋のはじまり、はじまり。」