「怪談」とはちょっと違うけど…

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3:【書きようによって、笑い話が怪談になる】:2020/09/25(金) 06:15


遠藤周作による怪談──

「時計は12時に止まる」

時計が超高級品だった時代。
とある時計メーカーの小僧が多額の売掛金の請求書を持って販売店に行った。

初めてのことで要領を得ないものの、受付だと思ったところに請求書を差し出し、受付印をもらうことはできた。

しかし、現金の支払いが遅いので小僧が催促すると、

番頭は「その請求書には出納印が捺してある。もうウチは支払っている」と言った。
つまり、受付印ではなかったのだ。

豪商である時計店は、印鑑ひとつを物的証拠として、弱小メーカーの小僧の言い分など取り合わない。
売掛金は踏み倒された。

小僧はどうしようもなく、手ぶらで帰る途中、自ら命を絶つ。

やがて、豪商から買った時計はすべて真夜中の12時ちょうどに止まるようになる。

小僧の恨みとの噂が広がり、時計が売れなくなった販売店は廃業を余儀なくされる。

後味の悪い怪談だ。

この話、よく考えると無茶苦茶だ。

ファミレスでたとえてみよう。

食事を終えた客が、レジに自分の三文判が捺してある伝票を見せて、
「オレは支払いが済んだ請求書にはこの印鑑を捺すことにしている。つまり、オレはもう払った。それでいいよな」
と言っているようなものだ。

こう書くと笑い話にしかならない。

こんな時、小僧ならぬファミレス店長は、
「わたくしどもは、お代を頂戴したらレシートをお渡ししています。恐れ入りますが、レシートを確認させていただけますか」
と言うだろう。

そして、レシートなんか捨てた、と言う客を警察につき出すだろう。

★★★★★★


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