探偵チームKZ事件ノート14

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612:クスノキ◆qc:2017/02/14(火) 19:04 ID:Rfs

続き書きまーす

>>607
〜お花見は知っている〜  彩side

「私、出るよ」
今受話器に近いのは私だから、嫌だけどしょうがない。
「はい」
「あ!アーヤ?僕だよ」
小塚君!?
小塚君から電話が来たのは久しぶりで、ビックリして声が出なかった。
「アーヤ?」
名前を呼ばれハッとなる。
「あ、ごめんね。何でもない。どうかしたの?」
「若武が、今日はお花見日和だからお花見しようだって。前は気づかなかったけど、大きいのがあるみたい。アーヤは大丈夫?」
正直、お花見は嫌い。
虫はたくさんいるし、酔ってる人もたくさんいて汚いから。
でも、若武の家なら平気だよね。
私はさっきの桜の映像を思い出した。
満開な桜が、たまに吹く風に揺れて少量の花びらが舞っているの。
うん、行きたい!
あ、でもママたちがなんて言うかな……
「ちょっと待ってて。聞いてみるから」
「うん」
保留ボタンを押し、リビングへ戻る。
「アーヤ、誰からだったの?」
「小塚君から。お花見しようって。ね、行ってもいい?」
ママはパパが頷いてるのを見てから、ニッコリと微笑んだ。
「いいわよ。小塚君によろしくね」
違うっ!


クスノキ◆qc:2017/02/16(木) 19:53 ID:Rfs [返信]

前回 〜お花見は知っている〜

「小塚君、オッケーだって」
瞬間、嬉しそうな雰囲気が伝わってきた気がした。
「良かった、アーヤが来れて。実は、今日行けるの若武の他に上杉だけだったんだ。僕たち皆、何かと用事が入ってて。これなら二人がケンカしても安心だね。11時に若武の家集合だよ。頑張ってね」
言い逃げされるように切られた受話器をそのままに、私は立ち尽くしていた。
そして、叫びたくなる。
あの二人のケンカを止めるなんて、無理っ!!

ゲンナリとした気分で若武の家に向かう。
上杉君はもう来ているみたいだった。
あぁ、神様。どうか二人がケンカしませんように。
そんなことを考えていると、若武と上杉君が家の中から出てきて私の顔を見、苦笑する。
「アーヤ、俺たちだってずっとケンカしてるわけじゃねーよ」
「ん、毎回意見が食い違ってたらここにいねーし」
あ、そっか、そうだよね。
勝手に決めつけてしまったことに恥ずかしくなり、同時にひどく反省した。
「ごめんね。でも、どうして私が考えてたことが分かったの?」
上杉君はメガネのフレームをクイッと押し上げると口を開く。
「それについては、お前が言えよ。俺より、お前の方が詳しいだろ」


続きは明日更新しまーす


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