天空七百年

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16:のん◆Qg:2018/12/04(火) 22:33

謎の物体をつかんだ指先がじんじんと痛む。
きっと軽い火傷を負ってしまったに違いない。

突然の出来事にまだ動悸が治まらなかったが、少年の意識はすでに指先の痛みよりも、今しがた自分が放った物体の方に向けられていた。


無意識に身を起こす。

どの辺りに投げてしまったかな...

少年は怖々と地面を撫でて、あの物体を探し始めた。

あんなもの絶対に今まで無かった。

とは思うものの、事実それは自分の服の中に入っていたのだ。
コンクレンツァではいかなる道具の持ち込みも禁止されている。
だから穴に吸い込まれるまで身一つでいたはずなのである。

どう考えてみても、修道服の中で形作られたものとしか思えなかった。


駄目だ、これ以上なぜあの物体があったのか考えても仕方がない。

それでも思考を続けようとする自らを遮るように、少年は激しく首を横に振った。

「いや...そんなことよりも、あの声は」

不意に彼はそこで言葉を止めた。手に何かが触れたのだ。何か、角ばったものが。

恐る恐るその表面を人差し指でなぞる。
ほんのりと熱を感じた。

これだ。

間違いないという直感があった。

しかし先ほどの物体のような強烈な熱ではない。
まるで人肌に触れているような心地よい温かさである。


のん◆Qg:2018/12/04(火) 22:40 [返信]

>>16訂正

×身を起こす
○顔を上げる


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