銀河系の果てで(近世ハイファンタジー)

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10:伊168:2019/01/06(日) 19:04

第5話:酒場


3人はどうにかして現地語を学ばねばならぬと思った。一番手っ取り早いのは学校に通うことだろうが、一つも言葉を知らないので学校を見つけることは難しい。それに、入学できる保証がない。低俗な小説でよくある金をポンと渡せば即入学なんていうことは、ほぼありえない。
ならば一般人に教えてもらうことになるだろうが、話せてもちゃんと教えてくれる人を探すのは難しい。
生憎、3人とも勘がいい人間ではない。一人一人当たっていくしかないだろう。
少なくとも、「言葉」と「学ぶ」と「ありがとう」の三単語を知っておかないと教えてもらえる訳がないので、3人はジェスチャーに関するテキストを取り出して子供が通りかかるのを待った。
大人より子供の方が言葉を教えてくれる可能性が高いと習ったからである。

結構人通りが多かったので、子供を見つけるのにそれほど時間は掛からなかった。早速4、5人の子供たちの集団に近づいた。そして、足元の黄ばんだ石を拾い上げて必死にジェスチャーをした。
すると、ジェスチャーが伝わったようで子供達は歓声をあげながら、

「ヒーン!」

と言った。これはまじめに答えてくれそうだと思った3人は知りたい単語を矢継ぎ早に質問した。側から見れば3人の大人が5人の子供に積極的に話しかけているのは滑稽だったろう。
3人は紙を取り出して、そこに絵を書いた。石と違って「学ぶ」だとか「ありがとう」だとかいう物は転がっていないからである。
3人とも絵心はないが必死に書いたお陰か、なんとか伝わったみたいだ。それっぽい答えが返ってきた。
学ぶは「インペート」ありがとうは「スパーダ」というようだ。

3人はとりあえず、手前の酒場らしい店に入った。
中には沢山の男が談笑しており、壁に貼られている紙を見比べているものも沢山いた。ドアの奥の方には寝床もあった。中世後半から近世にかけての酒場に近い感じだ。
3人が座った席の隣では、やや立派な服を着た男たちが、

「パールヨハネスXII トールス ウン ディファイト ア ツェンターレスリア インペルオ ウン キール ア ノールスアシィ!」

「ホーディドゥ カイザーフランツ アレクト ア タイル」

どうでもいい会話であるが、シュミットはその言葉にひとつだけ分かる語を見つけた。他はさっぱりわからないが「カイザーフランツ」と言った所だけは聞き取れた。やや発音が違うが、大発見だろう。
3人は取り敢えず店主に勉強を教えてくれないかと片言で言った。店主は手を叩いて笑うと、3人を別室へ案内した。


伊168:2019/01/06(日) 19:05

>>10 ミス
「ホーディドゥ カイザーフランツ アレクト ア タイル」 →「ホーディドゥ カイザーフランツ アレクト ア タイル?」


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