「 わたしたちって、花から花へ飛び回る蝶々と同じなのよ。素敵な世界だと思わない? 」 今日も花の匂いが辺りに立ち込めている。わたしはもうそんな香り、うんざりだった。彼女の笑みは薄明るい月明かりではよく見えない。わたしは彼女の目線から逃げるように目を反らすことしかできなくて、きゅっと、下唇を噛んだの 。