たとえ、叶わぬ恋だとしても 【12歳。】

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18:こすめ◆Xk:2019/10/23(水) 18:10 ID:44w


[カコ視点]


「カコはさ、この学年でいちばん可愛いって思う女子、いる?」


想楽ちゃんが唐突に聞いてきた。


「え…う……ん」


可愛い、と言われて思い浮かぶのは、やっぱり春桃ちゃんの顔。


あと、結衣ちゃんも美人だと思う。


「さ、春桃ちゃん…とか…」


そう言うと、想楽ちゃんはムッとした顔をした。


「やっぱそうだよね〜。最近手当たり次第色んな人に聞いてるんだけどさー、みんな揃って春桃って言うんだよね」


想楽ちゃんは口を尖らせた。


「いいなぁ〜春桃は可愛くて。性格がいい人がモテるとか言うけどさー、顔に興味持たなきゃそもそも性格に興味なんか持たないっつーの」


「……想楽ちゃんだって、可愛いし優しいじゃん」


「お世辞ありがと」


少しイラッとしてしまう。


最近、想楽ちゃんは愚痴ばかり言う。


想楽ちゃんだって可愛いし、十分性格だっていい。


なのに、春桃ちゃんとかと比べて、ため息をつく。


最近の想楽ちゃんは、なんだかいやだ。


「みんな席ついてー」


先生が教室に入ってきた。


席に座ると、朝の会をやる前に、先生がなにやら机と椅子を持ってきた。


そして、私の後ろに置かれた。


ん?


みんながざわめく。


…転校生?


そして、先生が喋りだそうとした瞬間、ドアがガラガラっと開いた。


みんな目を丸くして教室の入り口に目を向ける。


「な…ちょ、小野寺さん!」


先生が慌てたように走っていった。


「先生が言ったら、って言ったでしょう!?なんでこんな早く……」


すると、その子は先生の間をするりと抜けて教室に入ってきた。


「私はクリスマスプレゼントじゃないんだから。なにもったいぶってんだよ」


女子にしては低め、男子にしては高めの声で、少女はそう言った。


パーカーのポケットに手をつっこんでいて、肩より長い髪の毛は、ボサボサではあるが髪質のよさそうな黒髪。


そして少女はスッとこちらを向いた。


その瞬間、私のは電撃が走ったような衝撃を受けた。


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