「くーちゃん、何してるの?」
空花はぎょっとしたようにこちらを振り向き、こう言った。
「あ、なずな。ここのダンス、ちょっと上手く出来なくて。本気出すって訳じゃないけど、上手くならないといけないし……」
……空花。
「ねっしん、なんだね」
私がそういうと、空花は少し恥ずかしそうな顔をしながら「気のせいじゃない?」とはぐらかした。
「ま、出来なかったらそれでいいし。なずなは先帰ってていいよ。遅くなるし……」
「私も、いい?」
適当な子だなと思ってたけど、空花も頑張ってるんだ。
そう思うと、何か手伝ってあげたくなっちゃった。
「……悪いよ。時間とかあるんじゃない?」
「大丈夫! 門限まだだし!」
私がそう言うと、空花は「仕方ないな」といったような顔になり、私から顔を背けてこう言った。
「……いーなら、付き合って」
「うん!」
……よし、まだ時間はある。
私はもう一度レッスン着に着替えるために、一旦レッスン室から出た。
おお、いいかも。
じゃあクールはそうしよっか