ねえ、覚めない夢のように〔 兎碧のつぶやきパート19 〕

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495:兎碧◆cul9sZ0zs 〔 明日は、晴れますか? 〕:2019/09/24(火) 00:04

追記
恋愛ものです、特にイチャコラはないけど。
死ネタエンドじゃないけど病気エンド……シリアスに慣れたい。

プロローグ
♧.┈┈┈┈┈┈┈.♧.┈┈┈┈┈┈┈.♧

「明日は晴れますか?」

君は、毎日私にそう聞いてくる。
毎日毎日、懲りずに、一日一回だけ。
ニュースばっかり見てるし、その頭の良さなら空を見ればある程度明日の天気は分かるはずなのに。
毎日、私にだけ聞いてくる。

特に決まった時間に聞いてくるわけじゃない。
なにか法則があるとしたら、周りに人があまりいない時か、2人きりの時。
自主練してる時がいちばん多いんだけど……わざわざ天気聞くために5時まで残るとか相当気の狂ったやつなんだろうなって

そう、思ってたのに。


























こたえ、たかった、のに___


兎碧◆cul9sZ0zs 〔 明日は、晴れますか? 〕:2019/09/24(火) 00:46 [返信]


♧.┈┈┈┈┈┈┈.♧.┈┈┈┈┈┈┈.♧

「男女の友情ってあり得ると思う〜?」

廊下を歩いている時に、いつも一緒にいる子の一人が聞いてきた。
どうでもいい。恋愛にも友情にも、そんな興味無いし。
てか女の子同士の友情にも魅力感じないんだけど。
いつも追いかけてくる君たちもさ、全国行ったり金賞とったりする私と形だけで仲良くしてるだけなんでしょ?
こないだ教室で馬鹿にしてたの聞いたし。
私と仲良くしてるフリしとけば都合がいいってことなんでしょ、陸部の子と仲良くなれるとか。陸部陽キャ多いしね、おめでとうございまーす、だけだわ。
私は君たちと仲良くする気はサラサラないし、名前覚えてすらいない。同じクラスかどうかも、正直言うと覚えてない。
まあ、君たちは自主練にまではついてこないから、アイツよりはましだと思ってるよ。

「どうでもいい。てか異性も同性も関係なく友情がどうでもいい。人生でいちばん楽しいのは運動だからそのことを考えてればいいと思う。」

そう言うと、面食らったような顔をする。
そして、私が「お前らもどうでもいいんだよ」と思っていることに気づいたかのように、焦った顔になる。
小さな時から馬鹿にされない態度とか適当な距離感だけは保ってきた。
だからか、最近は目を見ればある程度のことは分かるようになってきた、こいつらは。
考えてることが一定すぎてすぐ分かるから。
私に嫌われないようにしようとしてる、今は。

「ほんっと運動好きだよね〜!」

うん、運動以外取り柄ないから、好きになっとこうと思って。
また、こいつらに向けての憎悪が溜まっていく。
会話するだけで嫌いになってくんだからよっぽどだと思う、そろそろ大丈夫かな、私。

「駅伝も毎年区間賞でしょ〜! 陸の班は一位確定だし、ほんとスゴすぎる〜!」

まるで自分のことかのように周りに大きな声で言いふらす。
もう毎日の事だから周りの人達は気にも止めない。
というか駅伝のことは当たり前だから誰も気にしてない。

「陸って名前見た時に、ああ運動出来る子なんだなっておもったもん〜!」

どうせ違うくせに。
そうやってすぐ嘘をつくから嫌いなんだ、こいつらが。
どうせ聞いた事あるんでしょ、高橋家の噂話。

私のお父さんは十種競技の選手で、世界一を狙える日本屈指の存在だった。
でも、競技中に不慮の事故で皿を割った。
それは競技には致命的なもので、ドクターストップがかかってしまい、選手人生は諦めることになったそうだ。
お父さんの夢は、今も昔も「世界で戦うこと」
それは、自分でなくてもいいらしくて。
私に、一方的に夢を背負わせてきた、期待してきた。
一日中運動。日々聞かされる罵倒、怒鳴り声。
もうなれたから、虚ろな目をしている私と
何を目指しているのか分からないくらいに必死な、狂気すらも感じる目をしたお父さん。

対照的すぎる、だの
まるで幽霊に怒っているみたい、だの

もう聞きなれた、言われ慣れた、馬鹿にされ慣れた。


「羨ましいよ、ほんと〜!」
君たちと比べないで。
好きでもないことを永遠やらされて、出来ないと叱られて殴られて、家にも入れて貰えなかった。
同じ努力をしていると思わないで。
ランニングもしないで、スマホばっかりやってるくせに。
君たちがしてきた努力と同じだと思わないで。

やってきたことが違うんだから、


結果が違うのは当たり前でしょう?


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