匿名板で小説書きたいのです

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32:匿名 age:2015/08/09(日) 22:56

「こんばんは・・・おじゃましますよー?・・・って、誰も居る訳ないか・・・」
少女は墓場の入り口にたどり着くと、おそるおそる中を爪先立って覗き込んだ。
墓場は不気味に静まり返っている。この空気と少女の白いワンピースは、ひどく場違いだ。

「はあ。早く夜が明けてくれないかな・・・」
墓場に入ってすぐ、少女は糸が切れた様に座り込んだ。いくつもある墓石の一つを背もたれ代わりにして寄りかかる。
墓場から見上げる空は、灰色の雲ばかりがたちこめて益々不気味だ。
「お化けでもでそう・・・」
黙っていると更に怖くなってしまいそうで、少女は独り言を続ける。
「ううっ。焼き菓子・・・」
少女が呟いたのとほとんど同時だった。
ガサッ
背後の茂みで物音がした気がする。彼女の体が一気に固まった。
ガサガサッ
「え・・・。ま、まさか・・・」
少女は涙目で振り返る。すると、黄色い二つの目と目が合った。
「う、うああああ!!」
そのまま悲鳴をあげ、墓石からはって離れる。少女は数秒深呼吸をして落ち着きを取り戻そうとした。それからもう一度先程の茂みを見つめる。
「・・・・ん?」
茂みをガサガサといわせ、そこから姿を現したものに少女は驚いて叫んだ。
「へ・・・蛇・・・!!」
一匹の蛇だった。茶色と黒の斑模様をした蛇が、茂みから少女の前に出てきたのだった。
「こ、こんにちは」
毒があるかもしれないと、少女はそのまま苦笑いで蛇との距離をあける。
「シューッ、シューッ・・・」
蛇は真っ赤な舌を出した。そしてそのまま続ける。
「オ・・・・・イ・・・デ・・・」
「えっ?!!」
蛇が口をきいた。枯れ果てた声で。それだけでも驚愕すべきところなのだが、おいでとか何とか言われた気がする。
少女は反射的に返した。
「ひょっとして・・・キミがこのお墓のお化け??」
蛇は舌を口の中に引っ込めると、もう少女には目もくれず茂みの中に戻っていってしまった。
「・・・・・・」
少女は何も言えなかった。
雨に濡れても構わない、とにかくこの不気味な墓場を出て先に進もうと、力が入らない体で無理矢理立ち上がる。
「誰?!!!」
突然墓場に叫び声が響き渡った。少女が出した物ではない。
「うああああっ!!ご、ごめんなさい!!」
今度は反射的に謝っていた。少女はせっかく立ち上がりかけていたのに、驚いて腰を抜かしてしまった。
そんな少女の前に、人影が浮かび上がった。少女は尻餅をついたままその人影を見上げる。人影は逆に少女を見下ろして言った。
「わたしの墓場に、おまえは一体何の用?!」
女の子の声だ。少女の前には女の子が立っていた。だが少女よりかなり年上に見える。十七歳くらい。服装も少女とは真逆だった。
黒いワンピースだが袖の部分だけ赤くなっていて、靴もまるで葬式にでも参列していそうなものだった。長い黒髪だ。黒い瞳は今少女を睨み付けている。
「何の用?」
その問いに少女は困ってしまい、黙る。というより怖くて声が出ないのだ。彼女はただその女の子を見上げていた。


匿名:2015/08/09(日) 23:00 [返信]

お!復活したか
長過ぎて読めないけど頑張るんやで


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