光を忘れた少女

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15:あや:2014/02/20(木) 12:10 ID:NMA

小さな門を開いて、

街の中に入る。

受付みたいな場所があり、

そこには大きな男の人がいて、

「ようこそ、

 スピチャイルの街へ!!」

と陽気に言ってもらったら、

エルフは優雅にお辞儀をした。

「君は……エルフだったかい?

 前にも武器を買いに来たね。

 また買うのかい?」

男はエルフに言った。

「あれは姉様の遣いとして、

 この街に来ただけですよ。

 今日は彼女をここへ、ね」

エルフは私に顔を向けた。

私はとりあえずうなずいた。

「名前は?」

男が私を見る。

「……」

私は黙った。

自分の名前が分からない。

呼んでもらった覚えがない。

「人見知りらしいです」

エルフはそう言うと、

男に軽く挨拶をし、

私の前を歩いていった。

あの男の姿が見えないくらいに

真っ直ぐ進むと、

エルフは止まった。

「君の名前は?」

私はまた屈んだ。

『分からない』

それだけ書いた。

エルフは口を開けていた。

「驚いた!!

 君には名前が無いのかい!?」

エルフは私をマジマジと見て、

そう言った。

私はうなずいた。

「困ったなぁ……。

 でもとりあえず、

 水飲みに行こうか」

私はうなずいて、

エルフについていった。

16:あや:2014/02/20(木) 12:53 ID:NMA

しばらく進むと、

木の根の通り道が見えた。

それも通ると、

奥には大樹を切った、

切り株が見えた。

その中は掘ったのか、

空洞になっていた。

「1日で無くなってるなんて。

 昨日は祭典でもあったのかな」

エルフはブツブツ呟きながら、

手を切り株の淵に当てた。

その瞬間、エルフの足から

僅かな風が吹き出て、

エルフの手からは光が出た。

その光は、あの暗い部屋にいた時の

蝋燭のような光と同じだった。

「『出でよ』」

エルフがそう言うと、

切り株の底から、

透明な液体が、

キラキラと輝きながら

わき出てきた。

17:あや:2014/02/20(木) 16:33 ID:NMA

「この液体が、

 水、というものだよ。

 あの部屋は暗かったから、

 水の色が見えなかったんだね」

私はうなずいた。

「あ、飲むものがないね。

 ついでに声が出るものも、

 買いにいこうか。

 こっちきて」

エルフはそう言うと、

来た道を戻り、

右に曲がった。

そこには、木の上に、

家のようなものがあった。

「ツリーハウスさ。

 さ、中に入ろうか」

エルフは木の棒でできた

ドアを開いた。

「エルフじゃーんっ!!

 えーっと、一週間ぶり!!

 元気にしてたー?

 今日は何をお求めで?」

金のキラキラ光る髪の毛を

している女は言った。

「テシーナ、今日は僕が

 用事がある訳じゃないんだ。

 彼女に薬をあげたくてさ」

エルフは私の背中を押した。

「へぇ……」

テシーナと呼ばれた女は、

私を睨んだ。

「……」

私はそれになんの感情も

持たなかった。

「早くくれないかな。

 名前も聞けなくて、

 困ってるんだよ」

エルフがそう言うと、

テシーナは私にツンと鼻を向け、

奥の部屋に入っていった。

「素直じゃないよね、

 テシーナはさ」

エルフはフッ、

と笑いながら言った。

18:あや:2014/02/20(木) 18:11 ID:NMA

しばらくして、

テシーナは奥の部屋から、

こちらに戻ってきた。

「どうぞ、エルフ。

 なんでエルフは小さな

 この子といるの?いくつ?

 しかも汚い服ねー……髪型も。

 あたしが何とかしてあげるよ」

私はテシーナに手を引かれ、

ひとつの扉の前に立たされる。

「まずお風呂入りな。

 蓋開けて、椅子座って、

 石鹸で髪の毛を洗うの」

テシーナのジェスチャーを見て、

私はうなずき、扉を開けた。

上がったとき、前にきらびやかな

ワンピースがおかれていた。

『それ着て』

扉の向こうから声がした。

私はうなずいて、

頭からかぶった。

そして扉を開いた。

「綺麗になったね。

 じゃあ髪の毛も結おうか」

私はうなずいた。

19:あや:2014/02/20(木) 18:27 ID:NMA

綺麗に二つ結びにされた、

私の髪の毛。

私はエルフのしていたように、

お辞儀をした。

「フン」

テシーナは鼻で笑った。

私はエルフの待つ場所へと戻った。

「おぉ、戻ったか、テシーナ。

 ……ん?あれ、君、服が……!!」

私は口の両端を上げた。

「綺麗になったでしょ」

テシーナは自慢げに笑った。

「綺麗になったところで、

 水飲み場に行こうか」

私はうなずき、扉を開けて、

外に出た。

「ね、あたしも行きたいから

 ついてくー!!」

テシーナは靴をガタガタ鳴らして、

外に出た。

20:みみ:2014/02/21(金) 19:30 ID:A1.

よくなったな・・・(泣)

21:あや:2014/02/21(金) 19:32 ID:NMA

テシーナを連れ、

私たちは切り株へ行く。

「へぇ、昨日は長老の生誕祭が

 あったからスグに水がなくなって

 困ってたんだ」

テシーナは目をキラキラさせながら

言った。

「やっぱりなにかあったのか」

エルフはフゥ、と言った。

「あ、チビに薬飲ませたら?」

テシーナは私に指差しながら言った。

「だね。

 ほら、手で水をすくって、

 飲んでみて」

私はエルフの言う通りにし、

薬を手にした。

「……っ」

私は飲み込み、

息を吸って、はいた。

「……!!」

私は水を飲む。

「どうだい、チビ」

「どう?」

私は地面に書いた。

『声が出ない』

と。

「なっ。

 あたしの薬でも駄目か!?」

テシーナはじだんだを踏む。

「あ、まさか」

エルフはハッ、

と顔をあげた。

「エルフ、どうした?」

テシーナはエルフを見た。

「彼女がいた場所は、

 牢屋だった。

 テシーナ、牢屋には

 誰がいるか、わかるよな?」

テシーナはうなずき、

「エルフみたいな、

 魔法使いがいる。

 ……このチビ、

 魔法で声が出なく……!?」

テシーナは目をギョッとさせて

言った。

エルフも静かに、

「そうかも」

と呟いた。

22:あや:2014/02/21(金) 19:33 ID:NMA

>2
 本当、そうですよね……!!

23:あや:2014/02/21(金) 19:50 ID:NMA

私はわたわたと、

『私の声は

 助けてと叫んだ末に

 出なくなった声だから

 魔法なんて関係ありません』

と、書いた。

「魔法でダメになったことも

 考えられるよ」

テシーナは私を見て言った。

「僕はそんな魔法、

 勉強しようともしなかった」

エルフが自分の右手を見ながら

言うと、

「ダメエルフ」

とテシーナが言った。

「うるさいなぁ。

 じゃあテシーナがやれば?」

エルフは吐き捨てるように言った。

「あたしには魔力が無いから」

私はギョッとした。

『魔力ってみんながあるわけじゃ

 無いんですか』

私が地に書いたら、

テシーナが気づいたが、

「声が出てから教える」

とだけ言われた。

24:みみ:2014/02/22(土) 22:38 ID:A1.

すごいですね
魔法だなんて・・・!


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