素敵な青空を君に

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧 ▼下へ
39:酸素◆O2:2015/05/06(水) 19:53 ID:kE.

ああ、見られたくない。
「さあ行こう? 映画間に合わないし」
あんな怒りで満ちた目で級友から睨まれるなんて死んでも御免なのに。
どうして隣にいる彼はあんなに余裕があるのだろう。
冷えた真冬の風が首元の隙間から入り込んで、
物理的にも、精神的にも凍ってしまいそうだった。

私の彼はきっと鈍いんじゃなくて、全部計算し尽くしているのだろう。
「飲み物、何がいい? 」
そう私に好みを聞いて、私に合わせてしまうところも、
きっと全部計算し尽くしてでの行動なのだと思う。
映画館の受付の人は業務用の笑顔を浮かべ、ごゆっくりと私たちを見送る。
「あと何分? 」
「七分ですよ。間に合いましたね」
私がそう答えると、彼は安堵の表情を浮かべた。

座席に座り、ただ映画が始まるのを待っていた。
「さっきの子さ____」
彼が少し居心地が悪そうに話を切り出した。
「元カノ、ですよね? 」
そういうと、ああと頷いて一口飲み物を飲んだ。
「別に、怒りませんよ私は。
ただ、優希ちゃんのあの目が怖かっただけです」
彼の言いたいことはなんとなく分かっていた。

「ごめんね」

彼は自分が悪くなくても謝る癖があるのをきっと自覚していない。


新着レス 全部読む 最新20 ▲上へ
名前 メモ
サイトマップ画像お絵かき長文一行