僕+X=日常

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16:須見:2016/03/04(金) 17:33 ID:M.c

すみません、訂正で、なぜか「おもいます。」の後にぼくの、とついていますが、無視でお願いします。

17:須見:2016/03/04(金) 18:00 ID:M.c

それから、柚子葉の家でハンバーグを食べて、日向夏にも少し食べさせて、そして時刻が9時半過ぎだったので、ここに泊まることにした。
「光ー、私と一緒に寝よー!」
布団を出していたら思いっきり飛びつかれて、そのままバランスを崩して倒れる。
「柚子葉、これから体当たりするのはやめよう」
「えー?なんでー?あ、恥ずかしいのー?もー、光ってばシャイなんだから!」
ぎゅうぎゅうと抱きつかれ、頬を擦られる。
相変わらず硬質だなぁ・・・
「ほら、布団が出せないでしょ。抱きつかない」
「・・・光が冷たい」
「だって早く用意して一緒に寝たいじゃん?」
「そうだねー!!えへへー!」
・・・単純な奴め。
「そういえば、日向夏っていつもどこで寝てるの?」
その言葉に、柚子葉は少し苛立ちを覚えたような表情になった。
「知らない。あいつなんて、世話する意味ないもん。光じゃないから」
実の弟なのに、僕以外の生き物はさぞご興味はない様子だ。
しかも、姉弟揃って、互いの呼び名があいつか。妙な共通点発見。
「でも、ほら。弟でしょ?」
「知らない知らない!光、どうしたの?なんであいつのことなんか気にしてるの?光、今から光と私以外のこと話すの駄目!話したら許さない」
首に手を添えられて、伸びた爪が僕の肌に食い込んでいる。
本当にこのまま殺されそうな剣幕だ。
「・・・わかった、分かったから離して、柚子葉」
スッと柚子葉の手が僕の首から離れる。
確かに柚子葉は自分勝手で、どこか壊れていて、独占欲が凄く強くて、僕という存在を失う事を1番恐れている。
恐らく容姿以外なら、どこも良いところがない。
強いて言えば、どこまでも僕という存在に対してブレることなく一途というところだけ。
そんな柚子葉と付き合い続ける理由は、柚子葉が壊れてしまった事に対して僕も少なからず関わっていて、尚且つその事に負い目を感じていたからだろう。
日向夏の言葉から、過去の出来事を、思い出したくないことを掘り返す事にした。

18:須見:2016/03/05(土) 12:42 ID:M.c

僕と柚子葉が初めて出会ったのは、小学3年生の夏。
夜遅くまで近所の公園で、舞の稽古を独自でしていた柚子葉に僕が声をかけたのが始まりだった。
その頃は勿論柚子葉は壊れてなくて、やっぱり顔は整っていたけど、元々引っ込み思案な性格の為、友達は少なめだったらしい。
男友達は初めてのようで、最初はなかなか心を開いてくれなかったけど、だんだん2人だけで公園に行って話したりとかしてくれるようになった。
そのまま何も進展がないまま2人とも中学にあがり、クラスが別々になってしまった事もあり、疎遠になる。
しかし、中学2年生になり、クラスが1つに統一されると、また仲が良くなった。
その頃からだんだん柚子葉僕という存在に依存するようになる。
事件が起こったのは、中学2年生の時の、9時12日。土曜日だった気がする。
その日は柚子葉の家に遊びに行っていて、まだ6歳の日向夏と一緒に3人で遊んでいた。
突然、窓硝子が砕ける音がした。
30秒ほど経った後、僕が先頭になってその方向へ歩き出した。
金属のような硬質な音と、鈍い音と、叫び声が聞こえた。
柱の角から恐る恐る覗いてみると、柚子葉の父親が頭から血を流して倒れていた。
柚子葉が父親に駆け寄ろうとするも、金属バットを握った30代ぐらいのおじさんがバットを振り上げて、柚子葉の脳天めがけて振り下ろした。咄嗟のことで避けきれなかった柚子葉は床に倒れこむ。
おじさんが笑いながらまたバットを振り上げたから、僕たちは窓から逃げた。
柚子葉は持っていた護身用のスタンガンを相手の足に押し当て、怯んだ隙にふらふらとよろめきながら外に出る。
僕が柚子葉を背負って、薬品がしまってある倉庫に隠れた。
そこで何か役に立ちそうな薬物を探したけど、無かった。
警察を呼びたかったけど、携帯を持っていない上、倉庫の戸を叩くのが聞こえた。
間も無く僕らは引きずり出された。
おじさんを見ると、泣きつく柚子葉の母があった。
「子供には手を出さない約束よ!」
という声が聞こえた。
「約束って・・・」
柚子葉が母の姿を凝視する。
おじさんが、言った。
「お前のお母さんはな、お前のお父さんの他に俺と付き合っていたんだ。でもな、お前のお母さんは俺の金を搾り取るだけ搾り取って、逃げようとしたから殺すんだ」
その言葉で、柚子葉の世界から母は悪いものだと上書きされる。
母は悪人だ、ゲームデータのようにやすやすと書き換えられていく。
「不倫・・・ってこと・・・?」
おじさんはどこまでも楽しそうだった。

19:須見:2016/03/05(土) 13:01 ID:M.c

まだ6歳の日向夏は訳が分からず、ただただおじさんと母を交互に見ていた。
おじさんが、僕の手から柚子葉を引き剥がす。
必死に抵抗したけど、手を殴られて離してしまった。
柚子葉の喉元にナイフが当てられる。
おじさんは静かに言った。
「お前たち2人のうち、どちらががお母さんを殺さないと、この子が死ぬよ」
僕は、例え柚子葉の母を殺しても、僕らも殺されてしまうことを悟った。
でも、だからと言って何もしないのは殺されるのを早めてしまう。
柚子葉は何も喋らなかった。
柚子葉の母は泣いていた。
こんな事を、まだ6歳の日向夏にはやらせたくない。
「目、瞑ってて」
日向夏は僕の言うことを聞いて、すぐに目を閉じた。
おじさんからナイフを渡されて、柚子葉の母に突き刺した。
躊躇いは無かった。
味わった事のない触感が神経を逆なでる。
ナイフを力一杯引き抜いて、今度は急所に突き刺したした。
なるべく苦しい思いをさせたくなかったから。
母が息絶えると、おじさんは案の定、僕からナイフを奪って僕を殺そうとした。
その時だった。
柚子葉がおじさんの腕に噛みつき、手を振りほどくと、少し離れて、倉庫から持ち出したのであろう瓶を開けておじさんに振りかける。
あそこの倉庫には何もなかったはずだが、柚子葉が倉庫の上の方に登ってなにかやっていたので、それだと思う。
おじさんの肌がみるみる溶け出す。
瓶には、硫酸と書いてあった。
なんでそんなものがあるのかと問いたいが、今はそれどころではない。
ナイフを奪い、おじさんに何回も突き刺す。
数えきれないほど突き刺した、おじさんが動かなくなっても突き刺した。
その後はよく覚えていない。
警察の人が来たらしい。病院に僕らを連れて行ったらしい。
お母さんとお父さんから言われた。「あなたは何も悪くないのよ」って。
翌日、柚子葉が入院している病院に行ってみると、柚子葉の記憶は消えていた。
いや、都合がいいように書き換えられていた。
僕が全てやっつけてくれた。僕は柚子葉のヒーロー。簡単に言えばそんな感じだった。
日向夏は自分を認識してくれなくなった姉を見て、だんだんと性格が捻くれていった。

これが、柚子葉が壊れた経緯だった。

20:須見:2016/03/05(土) 15:26 ID:M.c

目が覚めたのは、翌日の5時。
学校には8時に登校すれば良いので、まだかなり時間がある。
柚子葉はまだ寝息を立てて熟睡しているので、僕は家に鞄と荷物を持ってくるのことにした。
日向夏の部屋と札が書かれた扉を開けてみると、日向夏は部屋にはいなかった。
台所へ行ってみると、日向夏が朝食の準備をしていた。
皿は・・・1人分、自分の分だけか。
「・・・随分と早起きなんだね」
「ああ・・・荷物を取りに行かなきゃいけないから」
「またあいつと一緒に行くんだ。全く、理由がわからないよ」
嫌味をオブラートに包みもせずそのまま直接僕に投げかけてくる。
「ああ、お前にはまだ分からないかもな」
少し反撃。でも、日向夏はそんな僕の反論を更に棘を増やして跳ね返す。
「ああ、一生分かりたくもないと思うよ」
と僕の言葉に少し似せて返してきた。
うぐぐ、と反論する気も起きなくなり、スープを味見している日向夏に用件を言う。
「ああ、そうそう。多分僕らの分も作っておいてなんて言っても作ってくれないだろうから、この台所、日向夏が済んだら使っていいかな」
日向夏はちらりと横目で僕を見て、いいよ、と消え入りそうな声で呟いた。
「そうか、ありがとう」
と返して玄関に向かう。
靴を履いて、アパートへダッシュする。
今日も雪は結構降っていて、服から出ている部分がかじかんで少し痛い。
雪が積もったアパートの階段を駆け上がり、自分の部屋の前で止まる。
ポケットに入れてある鍵を出して古い鍵穴に差し込み、捻った。。
カチャリと軽い音がして鍵が開き、ドアノブを捻り、急いで靴を脱いだ。
台所を見ると、昨日作ってラップを雑にかけたまま放置されているカレーがあった。
・・・流石にこの鍋を持って柚子葉の家に帰るってのもなぁ・・・
ということで、カレーは放置。
時間割表を見て必要最低限の物だけ鞄に放り込むと、その鞄を背負って玄関を開け、また柚子葉の家にダッシュ。
その途中、近所のおばさんに変な目で見られたが、気にしない事にした。
柚子葉の家に着く。
往復10分か。
僕としては結構早かったと思う。
玄関で靴を脱いで、台所へ向かおうとした時。
何かが割れる音と叫び声が響いた。
まさか。
僕が台所へ飛んで行くと、湯気がたっている鍋を持った柚子葉と、全身をビショビショに濡らした日向夏の姿が。
日向夏の服にはベーコンやキャベツ、人参などがついており、あの熱したスープを頭から被ったのが一目でわかった。
日向夏の火傷、大丈夫か。
テーブルを見ると、倒れた皿にスープが皿と机の上に流れていたので、火を止めてスープを皿によそって、飲んでいたのがわかる。
しかし、量が多く、火を止めて間もない所に・・・
柚子葉が鍋を振り下ろすと、日向夏が素手で鍋を受け止めて身を捩る。
そのまま受け身をとって転がり、飛んで一歩後ろに下がった。柚子葉が割れた皿の破片を持って日向夏に襲いかかろうとしたので、僕が体当たりして柚子葉を転けさせ、皿の破片を持った手を強く握る。
「ひ・・・か・・・?」
柚子葉がわけが分からないと言った表情で暫く僕を見つめたが、突然叫びだした。
「なんで!なんで光はそいつを庇うの!?私、光の朝食作ろうと思って早く起きたのに、光いないから!心当たりって言ったらそいつしかいないから!!偉そうに朝食作ってて!!許せないの!!」
日向夏の方を見ると、苦しそうに風呂場に向かっていた。
やはり火傷を負ったのだろうか。
まずは、とにかく柚子葉を説得させなければならない。
さて、どうしよう。

21:須見:2016/03/05(土) 15:55 ID:M.c

柚子葉は簡単に気が逸れるから、なんとかして気を逸せばいい。
何を言う?「柚子葉、最近太った?」ダメだ、あの子包丁で肉を削ぎ落とそうとするから。「柚子葉、一緒に朝食作ろう」これもパス。日向夏の火傷の跡を見て救急車を呼ばなければいけない。時間はとれない。
あ。いいこと思いついた。
「柚子葉」
「何、光。いいから早くそこをどいて」
「あのさ、130個のお願い、決まった?」
その言葉の後、柚子葉の目が少し逸れる。
すぐ焦点が僕の顔へと定まり、笑みが零れた。
「うん、決まった!えっとね、1個目が光が料理を食べさせてくれて、2個目が光が、3個めは・・・」
「柚子葉。僕以外にないの?」
「うん!」
朗らかに言われた。
「そうか。じゃあ、ちょっと待ってね。トイレ行ってくる。ついでに、シャワーも浴びてくる」
「なんで?」
「服が、スープで汚れちゃったから」
柚子葉がふーんと上を見て呟くと、
「あいつのせいで光の服が汚れちゃったんだ。後であいつが動けないように縛っておくから」
と言われた。
「いや、別にそこまでは良いんだ。とにかく、行ってくる。柚子葉、ご飯よろしく」
「はーい!」
柚子葉の元気な返事を聞いて、僕は風呂場に急ぐ。
風呂場では、日向夏が服の上から冷水を浴びて、火傷を冷やしていた。
ちゃんとこういう知識もあるんだ。
火傷をしたときは、むやみに服を剥がさず、その上から水を流して冷やす。
服を剥がすと、服だけじゃなく、火傷した皮膚もおまけとなってついてくるから、余計に怪我の範囲が広がり、酷くなってしまう。
「日向夏。火傷、大丈夫?」
僕が問いかけても、日向夏は黙ったままだった。
「救急車、呼ぼうか」
まだ返事はない。
一旦風呂場から出て、119番に通報する。
もう一回風呂場に戻って、日向夏と対話を試みた。
日向夏が柚子葉を嫌うのはよく分かるよ。でも、柚子葉だって、元々あんな風だったんじゃないでしょ?

22:須見:2016/03/05(土) 16:05 ID:M.c

柚子葉は簡単に気が逸れるから、なんとかして気を逸せばいい。
何を言う?「柚子葉、最近太った?」ダメだ、あの子包丁で肉を削ぎ落とそうとするから。「柚子葉、一緒に朝食作ろう」これもパス。日向夏の火傷の跡を見て救急車を呼ばなければいけない。時間はとれない。
あ。いいこと思いついた。
「柚子葉」
「何、光。いいから早くそこをどいて」
「あのさ、130個のお願い、決まった?」
その言葉の後、柚子葉の目が少し逸れる。
すぐ焦点が僕の顔へと定まり、笑みが零れた。
「うん、決まった!えっとね、1個目が光が料理を食べさせてくれて、2個目が光が、3個めは・・・」
「柚子葉。僕以外にないの?」
「うん!」
朗らかに言われた。
「そうか。じゃあ、ちょっと待ってね。トイレ行ってくる。ついでに、シャワーも浴びてくる」
「なんで?」
「服が、スープで汚れちゃったから」
柚子葉がふーんと上を見て呟くと、
「あいつのせいで光の服が汚れちゃったんだ。後であいつが動けないように縛っておくから」
と言われた。
「いや、別にそこまでは良いんだ。とにかく、行ってくる。柚子葉、ご飯よろしく」
「はーい!」
柚子葉の元気な返事を聞いて、僕は風呂場に急ぐ。
風呂場では、日向夏が服の上から冷水を浴びて、火傷を冷やしていた。
ちゃんとこういう知識もあるんだ。
火傷をしたときは、むやみに服を剥がさず、その上から水を流して冷やす。
服を剥がすと、服だけじゃなく、火傷した皮膚もおまけとなってついてくるから、余計に怪我の範囲が広がり、酷くなってしまう。
「日向夏。火傷、大丈夫?」
僕が問いかけても、日向夏は黙ったままだった。
「救急車、呼ぼうか」
まだ返事はない。
一旦風呂場から出て、119番に通報する。
もう一回風呂場に戻って、日向夏と対話を試みた。
「日向夏が柚子葉を嫌うのはよく分かるよ。でも、柚子葉だって、元々あんな風だったんじゃないでしょ?」
そこまで言うと、日向夏がとても小さい声で呟いた。
「ねぇ。なんで僕だけこんな目に合わないといけないのさ」
日向夏がゆっくりと振り返る。
顔もびしゃびしゃで、それが涙なのか水なのかわからない。
「僕のクラスの人たちは、皆お父さんとお母さんがいて幸せなのに。お姉ちゃんもお兄ちゃんも、弟も妹も性格は破綻していないのに」
ずっと心に溜め込んできた、まだ幼い小学4年生の叫び。
「先生も信用できない。結局何もしてくれない。僕は、ちゃんと僕っていう存在を認識してくれて、僕を人間として扱ってくれる、そんな普通の家庭で良いのに。高望みなんて全くしてないのに」
耳に、救急車のサイレンが聞こえ始める。
「ねぇ、光お兄ちゃん。どうして」
4年ぶりのその名称は、最後に呼んでくれた時よりも嗚咽が混じっていて。
「どうして僕は幸せになれないの?」
純粋な疑問だった。
しかし、普通に生きている者には絶対に頭の中に浮かばない疑問。
日向夏の目から確実に涙が零れて、水と同化し、服に吸収された。
僕は、何も答えられなかった。

23:須見:2016/03/05(土) 16:06 ID:M.c

あら、なぜか途中の書き込みが。
無視して、>>22を見てください。

24:匿名:2016/03/05(土) 21:42 ID:WRs

入間人間さんの嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんの書き方にすごく似てると思うのは僕だけですか?

嘘だけど、とかすごい似てると思います。
パクリですか?

25:須見:2016/03/06(日) 19:08 ID:M.c

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんですか。(以下みーまーと略します)
この話を書く前に、全巻読んだので大きく影響を受けているかもしれませんね。
不快に思ったのだったら済みません。
私は入間人間さんはとても尊敬してますし、彼の書く小説はとても癖があるので、書くときに参考にさせてもらったりしています。
というか、みーまーを知っていたことに驚きですwもしかしたら仲良く入間人間さん著の小説について語り合うことができるかもしれません。
閑話休題、別にパクったつもりはないですが、先ほど前述した通り影響を受けていますし参考にしているので、似ていると感じるのは分かります。
不快にさせてしまってすみませんでした。


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