哨務的自己防衛機構シルト

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1:アルフレート・ベルク:2018/01/04(木) 01:30

自己の安全と生存を維持するために、自らの生命を隔絶することにより、安康たる秩序を保持することが可能となった。
又、僕の安寧を形成する秩序への脅威、覿面してゆく敵は、全てシルトの力を持ってして、圧倒的力の差の元、捩じ伏せる。

2:アルフレート・ベルク:2018/01/04(木) 01:48

漆黒の闇に包まれし世界は、多くの人民に恐怖と空想をもたらし狂人へと覚醒させる。
そして、狂人は堕落し、罪を犯し、禁忌たる存在となる。
僕は狂気に目覚めた人間を、仁恤又は、その魂を屠ることが使命として哨務的自己防衛機構シルトの最高司令官より与えられた。
尚、その使命を遂行し、全うすることにより、それ相応の酬いが賜与される仕組みとなっている。
がしかし、狂気に果てへと、即ち修羅、阿鼻叫喚へと足を踏み入れた人間は、妖魔となり、己が欲望の侭に、どう猛にうごめく。

3:アルフレート・ベルク:2018/01/04(木) 01:50

夥しい妖魔に僕は両足を奪われ、現状に至る。

4:アルフレート・ベルク:2018/01/04(木) 02:01

妖魔によって引きちぎられた両足は、左右非対称の状態で、且つ瘡痕が、黒色につやめき、常に毟られるような痛みが軋んでいる。
この奇怪な現象が三ヶ月も続いている。
又、就寝時にて、両足が蛆のように蠕動し、僕の記憶が抉られるのを実感した。

5:アルフレート・ベルク:2018/01/04(木) 02:09

僕が属する機構には、この現象を報告していない。いや、報告する勇気が無いのだ。
僕の身体へと危険に及ぶ勧告命令、勅令、政令が下されることに恐れおののいている。
だからこそ逃げる。機関からも妖魔からも忌避し、孤独たる存在として隔離されることを自らで誠実に希求すれば、きっと神も哀れな僕を刮目し慈悲をもたらしてくれることだろう。
だがしかし、それは僕の主観であり空想であり理想であるがゆえ、現実という冷酷さ極まりない狂気が神、若しくは悪魔によって贈呈される。

6:アルフレート・ベルク:2018/01/04(木) 02:11

取り敢えず、恐怖と欠乏によって苛まされる僕は就寝に着くことを決めた。

7:アルフレート・ベルク:2018/01/05(金) 00:53

附憑性妖魔チムナターシャーフは、傲慢な人間へと如何なる厄災をもたらし、怨讐心を駆り立てる要因となりうる。
そして、怨讐により狂気に目覚めた人間へと、これら附憑性妖魔は取り憑き、人間に秘められし内なる生命力・精神力を搾取してゆく。
生命力・精神力を搾取し終えた暁には、附憑性妖魔は、新たなる器を求め、正常に機能する肉塊を形成し、最終的には一定の欲望を満たすことのみを目的とした邪神へと成り果てる。
その身躯は禍々しく、獰悪な形容と性質、殺戮的能力の絶大性から、全世界の中では、最上位に属する妖魔として、魅魔・妖魔征討教団ホフヌング、枢密国際組織をも脅かされることとなった。
附憑性妖魔チムナターシャーフ、否、邪神チムナターシャーフは、今宵欲望の疼きと共に降臨した。

8:アルフレート・ベルク:2018/01/05(金) 00:57

この地へと舞い降りた邪神を拝謁しに行こう。この不可解な両足の現象を知る手がかりになるかもしれない。

9:アルフレート・ベルク:2018/01/05(金) 01:06

なんだと…窓を開ければ、街は鬱蒼とした森林で広がっているじゃないか…!
それに…未だ森林の拡大は止まらない、もはや、密林地帯と化している…
この地域は温帯湿潤気候にも関わらず、なぜゆえか圧倒的林立率、超熱帯多雨林の世界…!!
高建造物に巻き着くツタなどの落葉性木本が、僕が住むマンションにまで這い寄ってくる…

10:アルフレート・ベルク:2018/01/05(金) 01:13

僕は、不本意ながら窓を閉めることにした。街からは狂気と恐怖を感じた。
闇夜の空は澱み、地上の何かを軸として、形成されてゆく颶風と旋風、そして慄然と降り注ぐ豪雨と霹靂。
圧倒的不可解。

11:アルフレート・ベルク:2018/01/08(月) 00:57

恐怖、欠乏、偏狭、圧迫、孤独、懈怠。
圧倒的無気力、恐々とした寒気と共に、豪雨と雷霆が奏でる恐慌たる轟音、否、爆音のような人を不安にさせるような音が今もなお、窓の外から鳴り響く。
あれから二週間が経過した。
僕は臆病ゆえ、怠惰ゆえ、何も行動を起こすことができなかった。もうじき食料が尽き始める頃合いだ。
この区域は、すでに混沌と化し、鬱蒼とした林立的熱帯雨林、木々が異常的急成長によって100mを超える高さにまで達し、近代的建築物と熱帯雨林の双方が混淆とした不思議な現象を眺めることができる。

12:アルフレート・ベルク:2018/01/08(月) 01:05

未だ軟化の兆しを見せない颶風、旋風、竜巻。
これらは、何かを軸として発生しているわけだが、これは一種の災いであって、邪神チムナターシャーフが齎したと推量できる。
これほど規模が大きく、翕然とした天災が覿面すること、それそのものが凶であるため、邪神チムナターシャーフに加え、さらなる妖魔が関与しているとも推量できる。

13:アルフレート・ベルク:2018/01/08(月) 01:18

また、僕の両足は、ある日を境に硬質化したため、今は痛みや物に触れる実感すらも感じない。
異常だ。何から何までが分からない。
此度の天災が要因で、多くの人間が亡くなったようだ。
そして、一部の地域で発見された斬首された多数の死屍。
魅魔・妖魔征討教団ホフヌングは、禁区域情報統制機関と連合し、邪神チムナターシャーフ討伐計画を防衛機関シルトを中枢とする協議会に立案したようだ。
審議結果、その計画は慎重に、且つ確実に、執行することが決定、しかし協議会では、多数の死者の発生が危惧され、批判の声が上がる。

14:アルフレート・ベルク:2018/01/08(月) 01:29

防衛機構シルトが始動するということは、僕にとって厄介かもしれない。
シルトに属する僕は、総司令部より防衛のため、戦うことを命じられ召集がかかる事は必然的だ。
この異様な両足が見つかれば、枢密的権限で僕の身体への拘束、及び国への委託義務が課せられることの可能性は否めない。
だめだ、思考すれば思考するほど怖い。
まあ、いいや、その時が来ればなんとかなるだろう、とりあえず今日も自堕落な一日だった。

15:アルフレート・ベルク:2018/01/08(月) 01:41

地震だ。揺れる。
大地が泣く、呻く、唸る、叫ぶ、喚く。
絶望に塗れ、建造物が瓦解してゆき、僕の家が崩壊し、僕が死没?
25階のタワーマンションに住居している僕は、突如の大地震により、その災害に瞬く間に飲まれた。
嵐の最中、高建築物の破壊後、燃え盛る炎。
僕は死んだかと思った。しかし、なぜか生きている。まるで魔物、妖魔のような性質を持つ。
あたりはガレキと烈火と化す熱帯雨林で広がっている。
地面は洪水の如く水害が起きているため、非常に不快。
というか、僕の両足がある。人間の形容をしていないが、確かに存在している。
家が無くなった。
もう、どうでもいい、
とりあえず僕は、これから邪神チムナターシャーフとの邂逅を成立させることにした。


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