鵬翼

残渣。

褒められたいのに、いざ褒められた時に純粋に褒めてくれた相手を疑ってしまうのは何故か。傷だらけの口内に檸檬の果汁が沁みるよ。自分で自分を苦しめて何が楽しいのか、本当に理解し難いね。

全く最悪な気分だ。冥界のフェアニヒターたるこの俺が、よもや齢十五(これすら嘘かどうか分からない)の子供に掌で踊らされようとは。いやはや遺憾だ…。まぁ、それもこれも俺がまいた種なのだがな。しかし、やはり俺の選択は間違っていなかったということか。初志貫徹していた事が、こうも良い具合に事を進めようとはな。
それにしても、あんなに好き好き言っていた人間にまで嘘を吐くとは、人間とは底が知れぬ奇妙な生き物であるな。まぁ、今さら考えてももう遅い事だ。もう終わったのだから。
これで俺も余念なく試験勉強に勤しめるというものだ。今日はもう眠いので寝るがな。

とか言いつつ根は弱気なのが僕の弱点だ。ナルシストなのに自虐的なのだからおかしな話だ全く笑えん。本当は今日の件で凄く怖かったし、最後の最後で自分で選んだ選択すら揺らぎそうになった。もう人間を信じられなくなりそう。怖いよ。友達にも迷惑をかけてしまった。裏切る様な行為をしてしまった。全部僕が悪いんだ。僕の知識が浅いばかりに。
何時もそうだ。僕は図体だけでかい世間知らずな唯の餓鬼だ。一人で何も出来ないくせに、自分の浅い知識で全部判断しようとする。そもそもやるなという話だ。きっとこんな事話しても親だって僕が悪いと言うに違いない。本当の愚者は僕なのだ。

僕は度し難い愚か者だ。泣いても泣いてもまだ泣き足りぬ。後悔してももう遅い。