呼んで
助けて
慰めて
褒めて
労って
今日は疲れた。多分、明日も疲れると思う。その明後日もどうせ疲れる。疲れていない日なんておそらくない。
そういえば去年の一文字は勤。今年の一文字は疲。そして来年の一文字は怠。そしてその次の年はおそらくは、死になるんじゃないか。
いかん。このままじゃ本当にいかん。全く遺憾。
変えなきゃ。自分を変えなきゃ。変わんなきゃ。そうだ何かしよう。何かして、続けよう。そう思って始めたのがこの掲示板。
これは日記というか記録というかなんというか。とにかくこれは、言葉の記述を通じて心に蓄積した老廃物を削ぎ落とすような作業に近い。屋根上の雪かきと一緒。下水管の錆落としと一緒。汚れたトイレ掃除と一緒。
何事も管理して綺麗にしておかなきゃ、いずれ崩落とか、破裂とか、腐敗とか、そういうものが起きる。心も例外じゃない。
今年は体の管理ばかりに目を行き過ぎていた。心の方も適切に管理しておかなければマジで詰んでしまう。
そういうわけでこれからは、この薄汚れた心の清掃活動を続けていきたいと思う。
心が綺麗にして、自分を変えて、来年の一文字こそ清とか、明とか、なんかそういうポジティブな文字を書いてやるのだ。
とはいっても…明日も、というか今日も膨大な言語作業が待っている。声高に心の清掃だ！と叫んでいても暗い現実が差し掛かる。
業務とレポート提出。
時間は静かに今も過ぎていく。レポートの期限はジリジリ迫ってきている。それなのに私は布団の中であったかぬくぬく現実逃避。しかし数時間したらバイトもある。業務がある。
頭に浮かんできたのがバックレの4文字。社会的な責任を放棄するというもの。
あーー何考えてるんだか。自分が嫌になる。
嫌になっても、現実は何も変わらないことにも嫌になる。嫌々の連鎖にも嫌になる。3歳のイヤイヤ病の時から私の本質は何も変わっていないらしい。
現実、今年も、もう一年が終わろうとしている。一年というのは時間に換算すると8760時間。これだけ膨大な時間がありながら一体何してきたんだろう。手元にあるのはスマホとポテチと煙草。
お金の浪費癖はさることながら、いつの日か、時間の浪費癖までついてしまったらしい。
私は多分、大学に合格して完全に浮かれてしまったんだろう。
確かに、つらいつらい受験勉強を自分は乗り越えてきた。英単語帳を何百周したことか。英語長文を何十回音読して声が枯れたことか。クソほど勉強した。
自分を褒めてやりたい。お前はよく頑張ったと親の代わりに抱きしめてやりたい。合格したあの日、一瞬だけだけど、自分が好きになれた。
でも今はどうか。クソだ。全部クソ。トイレにこびりついたクソ並みに醜悪な人生を送ってる。
掲示板で「心の清掃」だ！とさっき叫び散らしたことが今ではすごく恥ずかしい。粋った自分がとても恥ずかしい。続ければいいってもんじゃない。
それに、さっき何かを続けることを宣言したことは、ここで現実逃避するための口実作りに過ぎないんだと思う。
うん、なんというか…
こういう生き方がマジで醜いんだよ！
言い訳ばっかり、嘘ばっかり、自己欺瞞、自己正当化、自己陶酔、自己暗示、もうたくさん。うんざりだ。こんな自分で悩むのも嫌だ！しね！めんどい！うざい！ちんこ！レポート書け！動け！私！動けよ！ばーか！何してんだよ！早く体動かせや！ポテチ食うなよ！早く動けーーー！！！
今日は片付けをした。
片付けたのは部屋じゃない。机の上でもない。バイト先の憎っくきアイツでもない。レポートではない。片付けたのは、因縁だ。
私の人間関係を支配する憎たらしい因縁を処理してやった。
日中から開発を学問して業務している私にとっては、この人間関係というのは常に、承認やその他欲求を仲立ちとするシステムに見える。
貨幣経済の仲立ちはまさにお金であるように、人間の体の仲立ちは血であるように、人間関係の仲立ちは承認やその他欲求。
一つここで重要なのは人間関係の形も色も十人十色で、それこそビジネスモデルのようなもの。経営のあり方が多様に違うように、人間関係の運営というのも多種多様。那由多通りある。
なんでかって、そりゃあ、その人間関係で、何が最も価値があって、罪科は何で、何が相互に得られるのか、世界観は何なのか、どのような条件を満たすと「いいね」を押されるのかーーそういう承認の循環経路が、それぞれの人間関係の形を決めている。
今日、私が処理した人間関係の場合、何が最も価値のある行為だったのか、それは……それはち……、あーやっぱ言いたくないや。
ていうか、もうここまで書くの疲れた。馬鹿みたい。私が言いたかったのは、人間関係は天使である私にはうまく適合できるもんじゃねえってこと。
高いところから人の不幸を見下ろして最大の幸福を覚える人外感性の私には、人間関係の中の一部品となって役割を果たすことなど無理ゲー。
私はコンパューターで言うバグみたいなもん。
こんな時間に、期限の迫る課題にも取り組まないで、みっともなく、愚かしく、情けなくこうやってガムみたいにぐちぐちねちねち、粘着質な言葉を掲示板に貼り付けてる社会不適合者。でも諦める才能だけは世界一だから最後まで書き綴らない。愚痴すら、主張すら、途中で頓挫する。
終われない病。
何かを一貫して終わらせることのできない、コンプレックス。
しかし人間関係の面倒っちい因縁をこのコンプレックスを使って断ち切ってやった。
「もう疲れた」「ごめんなさい」
人間関係をこの、途中で断ち切る力によって、逃げる力によって、あきらめる勇気によって、ジェンガの積まれたところを突然ちゃぶ台返しする図々しさによって、私は片付けてやったのだ。
強靭な狂人。ごもっとも。それでいいよ。どうせさ、どうせ私は人間様にはなれない。人間様になりたいけど。なりたいけど無理。もちろん憧れてるよ？憧れてるけど無理。
だから処理した。人間関係を殺してやった。首を絞めて息の根を止めてやった。エヴァQのシンジくんがフォースインパクトを起こしたみたいに全て無茶苦茶にしてやった。終わりだよもう。終わり終わり。はぁ、酒飲もう。次の始まりに乾杯