パラパラと日記帳をめくる音だけが、しんとした夜に響く。
なんで、なんで私が……。
こんな目に合わなきゃいけないのかなんて。
そんなの、きっと、だれにも分からない。
こんにちは。珱りです。小説書いていきます。
前作↓
【ha10.net/novel/1473927553.html】(行けなかったらごめんなさい)
今回も切ない恋愛系を書いていこうと思います。
感想、批評、アドバイス等してくれると嬉しいです。
※完結できない可能性あり
**Prolog**
私は歩いた。
その薄暗い夜道を、とぼとぼと。
未だに信じられなかった。
まさか、まさか。
忘れようと、あれは夢だと何度も自分に言い聞かせていたのに。
あの記憶は、写真のようにくっきりと頭に焼き付いている。
何故……?
何故、三桜が爽太に告白してるの━━━━━━━━?
**Character**
星水 乃亜 ホシミズ ノア
この物語の主人公で、中学2年生。小学生の時から爽太のことが好き。
鈴木 三桜 スズキ ミオ
乃亜の親友。小学校は違う。
山吹 爽太 ヤマブキ ソウタ
三桜の彼氏。クラスのお調子者。
山田 なぎ ヤマダ ナギ
小学生の時、三桜のグループに入っていた。が、三桜を極端に嫌っている。
** 1 嘘 **
「ちょっと三桜!」
私は三桜が教室に入ってくるなり、三桜の腕を掴んだ。
「来て」
三桜はやれやれといった顔で、横にいた彩愛にバックを手渡す。
私は三桜の腕をがっちり掴んだまま、人目のない屋上へ連れて行った。
「ちょっ、乃亜、痛い」
三桜にそう言われ、仕方なく手を緩めた。
「三桜。私になんか言うことあるでしょ?」
私がゆっくりと、頑張って、落ち着いた声でそう言うと、
「はぁ?そんなのないし……。乃亜、次移動だよ?早くしてよ!」
かったるそうに私の手を振りほどく三桜。
「私が爽太のことずっと好きだったって、三桜知ってるよね?」
「えぇ……?あぁ、うん」
あれだけ強気だった三桜の声が、小さくなった。
私は確信した。
三桜、やっぱり爽太に告白してるんだ。
「じゃあ、なんであんなこと……?」
私は泣かないように、目尻にぐっと力を入れて三桜を睨んだ。
「はぁ?あんなことって、なんのこと?」
三桜は知らんぷりを続けるってことか。
そんなの。そんなの。
私はどうなるの?
「三桜さぁ……、親友だと思ってた」
「はっ?乃亜?」
三桜が眉間にしわを寄せる。
「でもさ……」
「もう、終わりにしよ。友達ごっこは……」
【友達ごっこ】。あんなことを言ってしまったその後、私はずっと1人で行動した。
三桜は友達も多いし、私がいなくても大丈夫なんだ。
しみじみと感じさせられる。
三桜は、私と一緒にいる時よりも笑っていた。
きっと、三桜は私の事親友だなんて思っていないんだろうな。
……むしろ、邪魔な存在。
私は特にやることもないし、1人で居ることが恥ずかしかったので、机に突っ伏して昼休みをやり過ごしていた。
三桜の話し声がするたび、胸が苦しくなる。
私の悪口を……皆に言っているんだろうか。
今日の朝のことも……。
早く家に帰りたい。
そう思いながら、ずっと、目の前にある机の木目を追っていた。
今更ですが……
×三桜が爽太に告白→○三桜が爽太にキス
でお願いしますm(_ _)m
(似た作品が存在しています。作者様がもしご不快になられるようでしたら、すぐに変更します)
「今日の日直は……、星水と山吹だな、残れよー」
「うぇー、最悪……。鬼だなぁ川本先生ー!!」
爽太がふざけてる。
先生、タイミング悪すぎ……。
いつもの私なら、一緒に残れてラッキーって思ってるんだろうな。
ふぅ……とため息を付いて、先生から渡された学級日誌を手に取る。
鉛筆を探していると、後ろの方から爽太たちが話しているのが聞こえた。
聞こうともしていないのに、自然と耳から話し声が入ってくる。
「そういえば爽太、今日塾じゃねぇの?」
「んー、そうなんだけどさぁ、星水1人に任せるのもどうかと……」
爽太はお調子者だけど、優しい。
でも、無理してほしくない。
後で、靴箱で書こうっと。
「ふぅ……。終わったー」
迫真の演技をしながら、私はバックの中にまだ書き終わっていない学級日誌を入れ、帰る用意を始める。
「星水、もう終わったのかよ?」
爽太が寄ってきた。うわ、近い。
顔が赤くならないように気をつけながら、
「うん、私もう帰るねー……。あ、これ、先生に渡しとくから」
と足早に教室を去った。
一緒に書きたかったなぁ。
なーんて。ふふふ。
私は学級日誌で口元を隠しながら、靴箱へ向かった。
私はすっかり忘れていた。
三桜と、爽太の、あの場面を……。
『プルルルル……』
その夜、私は三桜に電話をかけた。
このままじゃやりきれない……。
電話越しだったら、三桜も、本当のことを話してくれると思うから。
小さく震えるスマートフォンと手の震えが重なった。
「夜にどうしたの?乃亜……」
眠そうな三桜の声が聞こえる。
「今日の、朝のことだけど……」
私は、勇気を振り絞って話し始めた。
「ホント……なの?」
「……うっざぁ」
話そうとした時、三桜がそう呟く。
「ホントウザいよね、真穂って!」
びっくりしたぁ。
私のことかと思った……。
真穂とは、三桜が今、いじめのターゲットにしている女の子だ。
三桜は、ルーレット制でいじめの相手を決めていく。
私の名前は除外されているらしかった。
真穂は、クラスの中心的存在。
正直、私も真穂はいじめられないだろうと考えていた。
いじめが始まったのは、1週間前。
三桜のことを怖いって思うことは、前からあった。
「そうだよね……仕切り屋っていうか……!あなたの為にしてることじゃないって感じ」
私は嘘をついた。
ごめんね、真穂。
「そうそう!学級委員長だからって調子のりすぎぃ〜」
私がノッたのが嬉しかったのか、三桜はどんどん悪口を言った。
「ブスだし」 「ほんとほんと プッ」
「モテないよーあれじゃぁ」 「カワイソ ウワ」
「あん時もさぁ、私ちょー我慢してたからぁ」 「嫌われてるってわかんないのかな〜 アハハ」
相槌を打つたび、涙が止まらない。
きっと、三桜のストレス発散のために、真穂が選ばれたんだ。
こんなこと言ったら、いよいよ私がいじめられる番だ。
逆に、朝私が言ったことが未だに信じられなかった。
言ったら自分がいじめられる。
でも、言わずにはいられなかった。
「ねぇ」
「ん?」
三桜は甘ったるい声でそう答える。
「三桜ってさ」
「人間の屑だね」
** 2 ターゲット **
「あ、来たきた〜おはよ〜乃亜ぁ」
翌朝私が教室に入るなり、三桜が近寄ってきた。
「おはよう」
なるべく関わらないように、挨拶は手短に済ませる。
「黙れ、キモい声なんか出すなよ」
ふいに後ろから声がした。
「こっち見ないで?ブスが移る〜」
後ろでニヤニヤと笑っていたのは、由子だった。
由子はいつも大人しくて、真穂と仲が良かったのに、真穂がいじめられた途端、三桜のグループに入った。
強いものにつく、そんな人。
「ちょっと由子?可哀想だよ〜?乃亜はこ〜んなに可愛いのに?」
三桜が私の肩に、自分の頭を乗せた。
「星水もいいけど、鈴木と比べたら……なぁ?美女と?凡人的な〜?」
男子がこっちを見て笑っている。
私は恥ずかしくて、三桜の手を振りほどいた。
「痛ったぁ……!」
三桜が手を抑えながらその場に座り込む。
「ちょっと、大丈夫?」
由子が駆け寄る。
三桜がこっちを向いて……そして、ニヤッと笑った。
「私は大丈夫……!皆、ありがとう!」
三桜はくるりと一回転して、そして私を指差した。
「ねぇ、乃亜。私に言うことあるでしょう?」
わざとらしく頬を膨らませ、腕を組む三桜。
はぁ?あんたが勝手にこけただけでしょう……。
私はそっぽを向いた。
「星水、あんたサイテー。人に怪我させておいて無視?ひどっ」
由子が冷たい視線を向けてくる。
「ちょっと…?なんか言えや」
彩愛も加勢する。
三桜とは幼稚園からの幼なじみ。
だから、中2になってから三桜と仲良くなった私をよく思っていないらしい。
「ごめんなさい。三桜」
私はこれ以上くだらない言い争いをしたくなかったので、深々とお辞儀した。
三桜は私が謝ったことで気が済んだのか、
「ん。いいよ〜別にそんな痛くなかったし〜」
と明るく笑った。
「もう〜座り込んだから余程の怪我かと思って心配したんだよ〜!良かった〜、浅い怪我だったんだぁ」
由子がそう言うと、三桜はてへ☆と頭を小突いた。
なにそれ……謝った私が馬鹿みたい。
それに、三桜があんな事行っても三桜をかばう皆も……馬鹿。
** 3 過去 **
「あ……星水さん、ちょっといいですか……?」
廊下を1人で歩いていると、後ろから肩を叩かれた。
振り返ると、おかっぱあたまに黒縁眼鏡。なぎちゃんだ。
「え?良いけど、ここでできないの?」
私がそう言うと、なぎちゃんは廊下で2人と話していた三桜をチラッと見たあと、
「ここではできないんです……あの人に聞かれたら困ります」
と私の背中を押す。
「うん……分かった」
私は半ば強引に、中学校の中庭へと連れて行かれた。
「ここなら、多分大丈夫ですね……」
なぎちゃんは周りをキョロキョロ見渡して、ふぅーと息をついてベンチに座る。
「星水さん。あなた、今から鈴木にいじめられます」
なぎちゃんがグググと私の顔に自分の顔を近づける。
「うん、うん、分かったから」
私はなぎちゃんの肩を持って、グググと引き離した。
「甘く見てはいけません。鈴木は転校生ですが……、転校してきた理由、知ってますか?」
転校した理由?そういえば、前にちらっと
『私転校生なんだ〜っ。小6で引っ越してきたの!』
って言っていたような……?
「鈴木は、前の小学校でもいじめをしていたそうです。そして、そのいじめられていた子が、自殺したんです。それが理由です」
……三桜が、いじめて、自殺……?
テレビで見た、新聞で見た、いじめ自殺のニュース。
まさか、三桜が?
「あくまでも噂ですけど……、とにかく、鈴木にはあまり楯突かないほうが良いですよ。言いましたからねっ!」
なぎちゃんは稀に見る大声を出し、ベンチから飛び降りて校舎へと駆けていった。
「あっ、待って!」
私は全力疾走。
なぎちゃんの腕を掴む。
「な、なんですかっ!?」
「なぎちゃん、なんで三桜のこと『鈴木』って言うの?いつも敬語使ってるのに……?」
私がそう言うと、なぎちゃんは急に低い声になった。
「あの女が大嫌いだからです。同じクラスになった時は自殺しようかと思ったくらい。理由は考えたらわかります」
短く早口で言ったあと、なぎちゃんはまた普通の声に戻り、
「さ、星水さんっ!次移動ですよっ!早く!」
と階段をダッシュで登っていった。
ハロウィンネタ書きたかった……。(´;ω;`)
多分もう少ししたら書きます……タブン……(*ノω・*)テヘ
「Trick or Treat!!お菓子くれよぉー中島センセー!」
あぁ、そういえば今日はハロウィンかぁ。
色々なことがありすぎて、それどころじゃなかったし……。
「はいはい……でも、学校にお菓子はダメだから、特別に実験用具をプレゼ……」
「実験用具なんかいらなぁい!アハハ」
絡まれているのは中島先生。理科の専門教師。
理科室は独特な臭いがして好きじゃない。
私は横目でなぎちゃんを見つめた。
理由……?
なによ……、わかんない……。
あれそういえば、三桜の過去を話してくれていた時、『前の小学校【でも】』って言ってたような……?
もしかして……!
なぎちゃん、小学生の時に三桜に……
いじめられてた……!?
書きたすぎてちょろっと書きました。
放課後にパーティーとかかけたらいいなぁ……(人´∀`).☆.。.:*・゚
** 4 告白 **
「happy?」
「「「Halloween!!」」」
放課後、三桜主催のハロウィンパーティーがあった。
三桜の家は綺麗で、同じ学年全員が余裕で入る大きさだ。
私も呼ばれたので、魔女の仮装をして隅でやり過ごしていた。
「はーい、パーティーももうそろそろ終盤になりました」
司会は彩愛。
周りから不満そうな声が聞こえる。
「ということで、最後のイベント、告白ターイム!!」
彩愛が言った瞬間、皆がわっと湧いた。
は?告白タイム?そんなの聞いてないぞ……。
「それでは、告白して貰う人をくじで決めたいと思います!5人!」
私は奥にいる爽太を見る。
もし私があたったら……爽太に告白しなきゃいけないの?
そんなの無理……!
いや、でも今の三桜ならやりかねない。
「はい、結果が出ました!」
始まる……!
「ずっと好きでしたっ……!わ、言っちゃった……!」
1人目、3人目は成功。2人目は失敗だった。
2人目の子は泣いてしまい、そのまま家に帰ってしまった。
次は4人目の発表。
「4人目は……!」
彩愛が左手を紙切れの中に突っ込む。
「星水 乃亜!」
あ……やっぱり来た。
って、そんなこと考えてる場合じゃない。
どうすれば……。
考えている暇もなく、前に連れて行かれる。
「告白したい相手は居ますかっ!?」
彩愛がマイクを私に送る。
「い、いま……いま……す」
言ってしまったぁ……!
「では、告白のお相手の名前を呼んでください!」
三桜がニヤニヤしている。
三桜と爽太って、付き合ってるんだよね……。
付き合ってる人に告白ってアリ……?いや、無いな。
無理だ。
よし、逃げよう。
思考回路がおかしくなった私は、すぐさまマイクをほっぽり出してドアに向かって走りだした。
「彩愛、待って」
私を引き留めようとした彩愛を、三桜が止める。
「……、行ってきて」
その言葉は、よく聞こえなかった。
ここまで来たら、大丈夫かな……。
私は、三桜の家から数100メートル離れたところにある公園のベンチに腰掛けた。
「……好きです……爽太のことが……ッッ」
なにこれ……恥ずかしい。
勝手に赤面している私を、砂場で遊んでいる幼稚園児が不思議そうに見つめている。
ううぅ、見るなぁ!
私は顔を手で覆った。
「言えるわけないよぉ……」
「なにが?」
ファッ?!
私は顔が赤くなっていることもつゆ知らず、声のする方へ顔を向けた。
「……爽太……ん?んんんんん?ん?
________うわぁ!!」
そこに立っていたのは、爽太だった。
って、いや。
少女漫画とかでよくあるやつ……。
いや、急にぶっこまれても困るんだけど。
ちょ、作者ー!
タイミング考えろよ……おい!
私が作者に文句を言っていると、爽太が
「何言ってたんだよー?」
と……。
言えるわけ……!
私はハッとなって、あたりを見回す。
いけるかも?
三桜も居なさそうだし……?
「あのさぁ……」
「ん?」
無邪気な顔。
ほんと、
「好き。」
あっ。
言ってしまった……////
※スラッシュは、恥ずかしいところとか、照れてるところに使います。
この場合は、乃亜が照れている……という意味で使ってます。
(作者です)
スランプ気味なので読者いたら書くぞ
読んでますよー
更新まってます
僕も読んでますっ!
更新待ってますよ〜
とても面白いです
続き楽しみにしてます