君へ
君の顔、一度だけ見れたよ。
でもそれは、見たかった君の顔じゃなかった…。
私、ずっと好きな人は顔重視だと思ってたけど、違うって知れた。
君じゃなきゃ、ダメだって初めて思えたんだ。
もう一度だけ。
もう一度だけでいいから___
君に会いたい。
りおより。
(葉っぱ天国、ツイッターなど実際にあるものが出てきますが、事実とは違う場面があります。あくまでフィクションです)
「りお!購買行こ?」
隣で、親友のリリコの声が聞こえたけど、今はそれどころじゃない。
あたしは携帯をガン見しながら、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムを行ったり来たりする。
あたしが女王と呼んでいる〈那子〉のインスタグラムを見てると。
あれ?女王、おしゃスナじゃないの投稿してる…。
’葉っぱ天国’…?
きになる…。
早速、Yahooを開いて葉っぱ天国と打とうとする、と。
「りーーーーーおおおおお?聞いてる?お昼だよ?」
案の定、リリコの怒声。
「むあーい…。聞いてるってば」
「…そうだったかなあ?それより、そんなに携帯いじって大丈夫?目悪くなったり、依存症とかならない?」
リリコは真顔でそんなことをしゃべる。
ついつい、笑っちゃった。
「んなわけないよー、まあ、依存症ってほどじゃないから。さ、行こ行こ?購買だよね」
「オッケー。じゃあ、早く」
あたしと、リリコはタッタッと廊下を走る。
___今日に限ってなんでこんなに廊下が滑るんだろう…?
そんなことを考えながら。
「リリコ、おっそーい」
「だって本当は走っちゃダメでしょ〜」
「そうだっけ?まあ、いい…」
「りお、危ないっ!」
ドスゥン…!!
「…いったあ…」
なんでこんなとこで転んじゃったんだ??
ああ、床、滑るんだった。
もー、あたし運悪いなあ。
「りお、大丈夫!?」
「ああ、うん。まあ…。なんか硬いのが下にあって…なんだろ?」
「へえ…って、下下下!!なんか…男?がいる?」
リリコがつぶやく。
へ?男??
下を見ると、無精髭に茶色のロン毛。
「うひゃあああああ……」
「うひゃあああああ……じゃねえよ。なんだよ、俺をクッションにしといて今まで気づかず…お前の肉で俺死にそうになったんだけど」
「す、すいません!!」
顔に似合わず、凄いこと言う人だなぁ。
しかもあんなセリフ言ってるのに声、高すぎ。
「次から注意しとけよ。…あー、折れたかも〜足」
なんなの?この人。
まあ、私のせいなんだけど…。