ちょっと変哲のある俺が異世界で活躍してみた。

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1:さいだー◆ck:2017/12/15(金) 16:01


ラノベっぽいの初挑戦。至らない点もありますがご容赦くだされ。
気まぐれ更新ですー、みてくれたら嬉しいな。
感想、ダメ出し、報告、レス大歓迎。
それではー、スタート!

2:さいだー◆ck:2017/12/15(金) 16:23

鏡よ鏡、世界で一番美しい男はだぁれ?

そうだよな。俺だよな。

この美しい顎のライン、シャープな輪郭、高い鼻、パッチリとした目。どこを取っても最高だし。

あーあ、俺って、罪な男。

3:さいだー◆ck:2017/12/15(金) 16:42

1.俺の日常…?


突然、脳天を貫かれるような衝撃を食らう。俺…どうしたんだろ…教科書で…叩かれたか?…あ…目の前が回って見えて…だんだん暗く…


「全部口に出てるわよ秀(しゅう)!せめて心の中で言ってよね!」
「何でだよ涼夏(すずか)!俺は美しいんだ、真実を言ってるだけだろ?」
「知らないわよ変態!はぁ、これがなければなぁ…。ほんっと、残念なイケメン…。」

そう言って彼女はスタスタと女子の群れへと帰っていく。
あいつは矢越 涼夏(やごしすずか)。俺の幼馴染っていうか…腐れ縁?小さい頃は「しゅうくんかっこいいねー!」なんて言ってたくせに。あいつも変わっちまったな。


はぁ、今日も退屈な授業だな…。俺でも見るか。

「おい!桐沢(きりさわ)!授業中に鏡を見てるんじゃない!」
「これは鏡を見ているんじゃないですよ、先生。世界一美しい…俺を見ているんだ。」
「そうか、それなら仕方ないな…ってんなわけあるか!卒業するまで没収!」

4:さいだー◆ck:2017/12/15(金) 17:57


はぁ…こんなに気分が沈む日は初めてだ…。何てったって!常に!俺の顔を!見られない!

「はい」

誰かに、声をかけられた。俺の手の上には、小さな丸い鏡が載っていた。

「涼夏…。」
「か、勘違いしないでよねっ!別にあんたが心配とか、そんな訳じゃないし…。、」
「やっぱり俺の顔は美しい!」
「人の話を聞けぇい!!」
「ぐほぁっ」

涼夏お得意のドロップキックをお見舞いされる。俺の美しい顔に傷が付くじゃないか…。

でも、涼夏は昔から、なんだかんだ言って俺のことを気にかけてくれる、まぁ、ツンデレってやつだな。

「あ」
カツン、と鏡が落ちる。「ごめん、」と言いながら腰をかがめ、鏡を拾おうとした。

その時。

鏡から直視できないまばゆい光が俺と涼夏を包み込んだ。
俺はそのまま、意識を失った。

5:さいだー◆ck:2017/12/16(土) 22:57

2.ここは…異世界!?

ん…なんだ…目の前がクラクラする。
ここは…?なんだ、何も変わらないいつもの帰り道だ。何かがおかしい気もするが、まあ気のせいだろう。それにしても、なんでこんな所で寝てたんだ?俺。
そう思って立ち上がろうとした時、冷たい何かが指先に触れる。
「鏡…?、、、!!そうか、あの時、涼夏と光に包まれて…!!」

俺は近くに倒れていた涼夏の元へ駆け寄り、体を揺する。
「涼夏!しっかりしろ!」
「ん…んぅ…。」
「涼夏?起きたか。」
「うん…、あれ?私たち、何してたんだっけ。なんか光に包まれて…それで、、なんでこんなとこで寝てるんだろ?」
「あぁ、俺も今起きたんだ。この鏡から何か光が出て…気づいたら寝ていたよ。」
「変だね、私たち…。」
そうなのだ。何かがおかしい。たしかに風景はいつもと全く変わらないし、俺や涼夏に何か変化が起きたわけでもない。だがそもそも、道の真ん中で寝るなんて、ありえないし、鏡から光が出ることもありえない。
そして_____人が一人もいないのだ。
「人が、、見当たらない、?」
おかしい。この道路は大通りというわけでもないが、夕方にもなれば夕飯の買い物をする主婦やら、学校帰りの学生やらが歩いている道なのだ。

「だれか…誰かいませんかぁ!」
涼夏がたまらず声を発する。俺もそれに合わせて、声を出す。すると、かすかだが、ガサ、とビニール袋がこすれるような音がした。

「!!…あのあたりから聞こえたわ!」
「行ってみるか。」
他に人がいるということに安心し、半ば小走りのような速さでその小道へと向かった。

「すみません!どなたかいらっしゃいますか?」

音がした方へ声をかける。すると、ゆら、と人影が現れた。
「やっぱり人がいたんだわ!」
よかったぁ、と胸をなで下ろすような仕草をする涼夏。

「___待て涼夏、あいつ…人じゃない…ゾンビだ…!」

すると人影が目にも留まらぬ速さで動き出し、俺たちへ向かって走り出し…。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

俺たちは声にならない叫びをあげながら必死に逃げた。だがゾンビは逃げても逃げても追ってくる。くそっ…そろそろ体力が限界だ…俺でこんななんだから、涼夏はもっと辛い。こんなとこで死ぬのか!?俺は!?せめて最期にもう一度俺の顔を見させてくれ神様…。


__突然、パン、という短い銃声が響く。後ろを振り向くと、銃弾のようなものがゾンビに命中し、ゾンビが黒い粒子になって空は舞い上がって行った。

6:さいだー◆ck:2017/12/17(日) 11:30



「あんたたち、何してんの」

振り返るとそこには、黒髪の少女が立っていた。
ポニーテールを風にたなびかせ、黒いパーカーのようなものを着ている。
そして右手には___銃が握られている。

「俺たちは…人間だ。ゾンビじゃない。だから銃を降ろしてくれ。」
両手を挙げ、降参のポーズをとりながらゆっくりとまえへ進む。

「ジュウ?ゾンビ?聞いたこともない言葉。一体何者?」
銃を握る力が強くなっているのがわかる。
「と、とにかく、私たちはあのゾン…人のようなものじゃないわ。よくわからないのだけど…私たちはこの世界の住人ではない、と思う。迷い込んでしまったの。助けてくれないかしら?」
涼夏も前に出てきて少女に向かって語りかける。
少女はゆっくりと銃を降ろした。
「わかった。あんた達が敵じゃないことは分かった。でも味方ではない。とりあえず、話だけは聞いてあげる。来て。」
そう言って少女は歩き出した。


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