登場人物
春川 ひなこ
4歳の小さな幼稚園児
6歳年上の姉がいる
おとなしい性格
春川 たまこ
10歳になったばかりの小学4年生
6歳年下の妹がいる
ひなこ同様におとなしいが、ただおとなしいだけで、ひなこのような大人らしさが感じられない
・・・ひなこside・・・
チチ……
朝、7時。
私はもうすっきりと目が覚めていて、庭の花にホースで水をやっていた。
今は春。
花に水を上げながら、ほんのり香る春のにおい。
春は好き。おねーちゃんの好きなチューリップが満開になる季節だから。
花に水をやり終えると、私はホースをぐるぐると巻き、蛇口のところにどごんっと置いた。
今日はいい天気。朝ごはんを食べたらお散歩にいこーかな?
ちょーど、幼稚園もお休みだしね。
そんなことを思っていると、ママが私を呼んだ。
「ひなこー!朝ごはん出来たよー」
「はぁい!」
私は元気に返事をして、家の中に入り、いただきますをして、ご馳走さま。
「ママ、おねーちゃんおこそっか?」
「うん。お願い」
階段を上がると、すぐにおねーちゃんの部屋がある。
私とおねーちゃんの部屋はお隣。
―コンコン
ドアをノックして、おねーちゃんの部屋に入る。
「おねーちゃん、朝だよ」
私はカーテンを全開にしながら言った。
「うーん……あ、ひなちゃん……」
「おはよー、おねーちゃん」
私はもう、完全に目が覚めてるけど、おねーちゃんはまだ眠そう。
「早く起きないと、朝ごはん、おねーちゃんの分も食べちゃうからねー」
なんて冗談を言いながら、私はおねーちゃんが起きるまで待つ。
「いいよ……ひなちゃん、もう食べたんでしょ?たまこの分も食べていいよ」
「ダメだよ。ほら、起きて!」
私はおねーちゃんの体を揺さぶった。
「分かったよぉ……おはよう、ひなちゃん」
「うん、おはよう!」
にっこりと笑ってご挨拶。
私達は姉妹、そっくりのサラサラショーヘアに、同じような部屋。
だけど性格はちょっと違う。
私は、おねーちゃんの部屋を出て、予定通り、お散歩に行った。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」