姉妹がウザいと思っているあなたへ

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1:ひまり:2015/05/08(金) 19:56

姉が居なければいい、妹が居なければいい。
そんな風に思ったことはありませんか?
しかし、本当に居ない方がいいのでしょうか?
これは、お互いが憎み合っている、とても仲が悪い、双子の姉妹のお話です。

2:ひまり:2015/05/08(金) 20:26

☆笹ちゃんside


双葉なんて大嫌い。
私は一人っ子が良かったのに。
お姉ちゃんなんて、いらない―……。

「起きなさい、笹ー!」
朝、お母さんが私を起こしにやってきた。
朝はもっぱら弱い私。
今日もシャキッと起きられそうにない。
「まったく、双葉はもう起きてるわよ!」
その言葉に私は反応した。
『双葉』という言葉に。
がばっと起きると、私はだんだんと音を立てながら階段を下りる。
バンッと荒々しくドアを開けると、そこには双子の姉の双葉の姿が。
まだパジャマ姿の私を見て、双葉はにやりと笑った。
「もうちょっと静かにできないの?あ、体重五百キロの人に言っても無理かー」
「はぁ!?あんたこそ毎日毎日、私をからかってさ!ウザいんだよ。ハゲ!!」
「なっ……」
私は「ハゲ!!」と言い放つと同時にドアを閉めた。
後ろから「ちょっと、ハゲって何よ!!」という双葉の声が聞こえてきたが、構わずに歩き続ける。
まったく、何であんな人と双子なんだろうね!
しかも一卵性って……。
運なさすぎでしょ。私。

3:ひまり:2015/05/09(土) 18:01

朝からテンション下がるわー……。
はぁ、と重いため息をつきながら身支度を済ませる。
鞄をつかんで、再び一階に降りた私は、白い皿に乗せられた食パンとハムエッグを食べ始めた。
むすっとした表情のままパンをかじっている私を見て、お母さんはため息をつく。
「何であんたたちはそんなに仲が悪いのよ。『世界一仲が悪い双子』って、ギネスもらえるんじゃない?」
「そんなわけないじゃん!だって、双葉が毎朝毎朝私をからかうからっ!!」
さらに声を荒げる私を見て、お母さんは困ったような表情を見せた。
「あんたたちに名前付けるときに、似たような名前付けなくてよかったわー」
じゃなきゃどうなっていたことか、と嘆くお母さん。
別にお母さんを困らせたいわけじゃないんだけどさ、どうしても双葉とは仲良くしたくないんだよね。
何でかな?

4:ひまり:2015/05/09(土) 21:09

そんなことを考えながら、コートを羽織る。
「行ってきまーす」
玄関の外へ出ようとしたところで、自転車の鍵を忘れたことに気付いた私。
私は自転車通学なので、冬でも雪が降らない限りは自転車に乗る。
下駄箱の上に置かれていた自転車の鍵をとりに行って、私は学校に向かった。
私の学校は校則が厳しい。
だから、「自転車通学は可とするが、その自転車は決められた場所以外には止めてはならない」という校則に従うため、私は裏門まで遠回りして、小さな駐輪場に自転車を止める。
鍵を鞄にしまいながら、私は教室のドアを開けた。
「おはよー」
「あっ、笹!おはよう!」


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