妹コンプレックス

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1:宮奈:2015/10/08(木) 21:08

私には、双子の妹たちがいる。
名前は、春野芽衣と菜緒。
姉の私がこれを言うのも少しあれだけど、二人とも、結構可愛らしい顔立ちをしていると思う。
大きな瞳に、くっきりとした二重瞼に長いまつ毛。
軽くウェーブのかかった綺麗な髪と透き通るような白くてきれいな肌。
そして私はこんなに可愛い妹たちにコンプレックスを抱いている。
小学2年生の二人は、勉強も運動もでき、歌声もきれいでピアノ伴奏をこなし、さらには習っている英会話教室の影響で英検4級までを持っており、英語の発音はネイティブ並みだ。
両親ともにこんな完璧な二人を溺愛している。

2:宮奈:2015/10/08(木) 21:12

私の家族は、父と母、私と双子たち。それに小1の弟がいる。
中学2年生の私は、うっかり屋で目立つのが苦手。
成績は中の下だし、運動はできない。
歳が離れているとはいえ、私にはもっていない才能を持っている双子たちに、嫉妬の感情を抱いたこともある。
しかし、それを二人に言うと、

3:宮奈:2015/10/08(木) 21:22

「あのね、ねぇね。芽衣と菜緒はね、元々がいいわけじゃないの」
芽衣がはっきりとした口調で言う。
「うん。菜緒たちはね、お姉ちゃんに勝っているわけじゃないんだぁ。菜緒と芽衣は、双子だから。いっつも比べられちゃうの。だから、私達は雄太やお姉ちゃんにはないものを身に着けて、完璧になった。
ただ、それだけ」
菜緒も続けて言う。
まさか、小2の、まだ幼い妹たちからこんな言葉が出てくるとは思っていなかったので、私は少し戸惑った。
ちなみに、雄太とは私達の弟の名前だ。

4:宮奈:2015/10/08(木) 21:30

「お姉ちゃん」
ふいに、菜緒が口を開いた。
「何?」
「……お姉ちゃんはさ、菜緒と芽衣の違いが分かるよね?」
「えっ?」
私は少し驚いて、二人を見下ろした。
同じ顔の不安そうな表情が見える。
そういえば、芽衣と菜緒のこんな表情を見たのは初めてだった。
……心配しなくてもいいのに。
いくら二人が同じ顔でも、姉ともなると二人の違いは案外明確にわかるし、分かるからこそ、こうやって二人と話ができるのだから。

5:宮奈:2015/10/08(木) 21:35

「分かるよ」
「……本当?」
芽衣は強気に、芽衣は不安そうに尋ねる。
「じゃあさ、どっちが芽衣で」
「どっちが菜緒でしょうか?」
息ぴったりの同じ声。
二人は少しぐるぐる回ってシャッフルしてから、ピシッと気を付けをした。
ほほえましい光景に、私の口からくすっと微笑が漏れる。
「こっちが芽衣で、こっちが菜緒」

6:宮奈:2015/10/08(木) 21:36

↑の訂正。
「芽衣は強気に芽衣は不安そうに」×
「芽衣は強気に菜緒は不安そうに」○

7:宮奈:2015/10/09(金) 10:24

すると、正解なのか、二人の目がそっくり同じ形にみはった。
「ねぇね、すごーい!」
「お姉ちゃん、さすがぁ!」
二人は一卵性の双子のため、外見は一緒だけど、長く接してみると案外違いは明確なのだ。
姉の芽衣は、気が強く少し生意気。でも、少しナイーブなところもあって、いかにもお姉ちゃんといった感じだ。
妹の菜緒は、おっとりした性格で天然気味。しかし芯は意外と強く、自己主張はめったにしないがしっかりと自分の意見を持っている。
この二人は、小学校では有名人らしい。
その可愛らしさももちろんそうだが、こんなに完璧な双子もまた珍しいので他学年からも注目を浴びている。

8:宮奈:2015/10/09(金) 12:13

妹たちに励まされた私。
でも、やっぱり私は、双子たちが羨ましいと思うのであった。

to be contenewed ・・・

9:宮奈:2015/10/10(土) 11:34

<双子の姉>

俺には、双子の姉たちがいる。
一番上の姉は平凡な中二。
で、一つ上の姉たちは完璧な双子と言われるまでになった。
で、弟の俺が言うのもなんだけど、二人は結構整った顔立ちをしていると思う。
確か、二年生で一番モテるのがこの双子なんだとか……。


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