学園もの短編集

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1:ちくわ:2015/12/06(日) 01:58

おはこんばんは!
ちくわと言う者です。

タイトル通り、学園ものの短編集を書こうと思います。
精一杯頑張りますので、どうかお楽しみください!

2:ちくわ:2015/12/06(日) 01:58

そのいち【桜】

「桜が綺麗ですね」

私立美野風高等学校の制服を着た少女…『秋風真帆(あきかぜまほ)』が俺に話し掛けていた。
真帆は俺、『加藤尚人(かとうなおと)』の友人。

「それは桜じゃなくて月じゃねーの?」

「良いんですよ、これで。自然と言うのは美しいものです」

にーっ、と笑みを浮かべた真帆。
中学からの付き合いなのだが、未だに真帆は敬語がとれない。
同い年なのに、違和感がある。

今日から美野風高校の2年生になる俺ら。

真帆は茶色い髪を黒いヘアゴムで縛りながら、何かを思い出したようで『そういえば』と呟いた。

「今日、転校生が来るらしいですよ」

『転校生』
この三つの漢字の並びで、生徒たちは色んな妄想を掻き立てる。

転校生が男子ならば、わいわいとばか騒ぎをしたり。

女子ならば、恋愛フラグを立ててあんなことやこんなことをしたりと…

可愛いのか、不細工なのか。
イケメンなのか、ブサメンなのか。

顔のパーツの位置で、扱いが決まってしまうこともあるので転校生もドキドキ、俺らもドキドキ。

転校生の事を考えているうちに、高校についていた。

3:ちくわ:2015/12/06(日) 01:59

あ、ミス。

2年生じゃなくて3年生です。

脳内修正お願いします

4:ちくわ:2015/12/06(日) 02:20

そのに【クラス替え】

3年生の玄関に向かうと、同じ3年になる同年齢の男女たちが群がっていた。

「同じクラスになれると良いですね」

「だな」

群衆を必死に掻き分け、クラスを決めるポスターを見る。
美野風高校はそれぞれ5組まであり、1クラスに34人。
同じクラスになれる確率は5分の1なのだ。

しかも3年となると夏から受験勉強もあり、中学時代の悪夢を思い出してしまう。
嫌だな、なんて思うが残念ながら時間には抗うことはできない。

俺と真帆は3組だった。

「どうでした!?」

「同じクラスだったぞ!」

そう聞いた真帆は跳び跳ねた。
余程嬉しかったのだろう、嬉しそうなオーラが滲み出ていた。

真帆と駄弁っていると、突如膝カックンをくらった。
ピン、と足に体重を掛けて立っていた俺は膝カックンをまともにくらい膝から崩れ落ちてしまった。

「ってーな何すんだ!」

「ってーなじゃねーよ!」

仁王立ちで怒鳴る真帆の面影があるこの可愛いげのないゴリラ女は真帆の双子の姉、『秋風真琴』。
茶色い髪をショートにして、スカートの下からジャージを履いている。

「あ、真琴。真琴も私たちと同じクラスでしたよ」

真帆は身内にも敬語で会話しているようだ。
真帆の報告を聞いた真琴は真帆と同じクラスになれた嬉しさで喜んでいたが、余程俺と同じクラスになるのが嫌だったのか俺を睨んでいた。

「よろしくお願いしません」

俺に近寄り、そう言い舌を出すゴリラ女。
ムッと来た俺はこう返してやった。

「こちらこそよろしくお願いしませんよクソゴリラ女が」

と。

「ンだと?」

「やんのかゴラ」

俺とゴリラ女の目線から火花が散る。

「二人とも止めてください!」

真帆に止められ渋々喧嘩をやめるが、目線からは相変わらず火花が散っている。

双子とか兄弟やら姉妹やらは、片方があんぽんたんだともう片方が立派に育つと聞いたが、やはりそれは本当のようだ。


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