“+*絵菜の短編小説集*+”

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1:絵菜◆8Q:2017/07/01(土) 16:22

はじめに

初めまして。
『ここは明確スイーツ研究部!』、
『1%の叶わない恋』、
『類木川小学校児童会』作者の絵菜と言います。
よろしくお願い致します。
ここでは、この3作他も書いていきますので、楽しんでいただけたら嬉しいと思います。
作品同士のコラボ、新作の短編(ここでの完結、小説板での完結作どちらもあります)。
暇な時間に少しどうぞ。

2:まい◆8Q:2017/07/17(月) 19:59

名前をまいに変えました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ここは明確スイーツ研究部!
    〜わたしの幼なじみ〜』

人物紹介

緑川 晴奈
真美の幼なじみ。
ずっと真美と親友だった。
今はヒマとユリと遊んでいる。
通称ハル。

多田本 真美
目立ちたくないを意識している小学6年生。明確ゼミナールに通う。

矢本 陽茉理
矢本くんの妹。
ちょっと前から真美たちと遊び始めた。
今では良き友達。
通称ヒマ。

利等万 由里歌
ずっとヒマと遊んできた。
ちょっと前から真美たちと遊び始めた。
今では良き友達。
通称ユリ。

3:まい◆8Q:2017/07/17(月) 20:19

1.新ニックネーム
わたし、緑川晴奈。
名前の由来は、温かい優しい子になってね…。
わたしはこれが多分出来てません。
どうしてかって?
それは___。
真美を怒らせたとき、何も出来なかったから、改めて実感したんだ。
何も言わなくて、自分だけ楽しんでる最低なヤツって思ったから。

「ハル、多田本さん抜けたし、ニックネーム変えない?」

時期には、幼なじみの真美のことも、多田本さんって呼ぶようになった。
突然のヒマの提案と、真美の呼び方にタジタジしながら、気分転換にもニックネームを変えることにした。

「ハルはぁ。ミドハルは?緑川のミドと、晴奈のハル!」

ユリが提案してくれて、わたしのニックネームはミドハルになった。
それと同じように、ヒマはヤモハル。
ユリはリトユリになった。
もし、真美がいたなら、タダマミか。
何となく、真美だけ語呂悪いね。

「ミドハル。今日は、学食でご飯買ったら校庭で食べよ」

リトユリが言って、学食へ行った。
すると、学食のすみっこに、真美とふみ会長がいた。
ふみ会長とは、我らが私立彦宮学園初等部の児童会長。
頼りになるんだよね。
真美と一緒にいると、ヤキモチみたいなの焼いちゃうけど、気にしないことにしよっと。

「わたし、ミドハルに合わせるから。何頼む?」

ヤモハルが言って、わたしがヤモハルとわたしの昼食を決めた。
結局、ハヤシライスをお願いして、リトユリはシチューを頼み、校庭へ移動した。
暑いなあ。
ただいま10月1日。
昨日体育祭があったばかりだ。
ちなみに、わたしたち1組のい組は、優勝したんだ!

「ミドハル。座らないの?」

「ああ、座る座る」

そう言いながら、校庭の日影に腰をおろした。

4:まい◆8Q:2017/07/17(月) 20:40

2.恋は実る
わたしは、普通にしているつもりで、だいたいグループのリーダー。
いつも先頭に立って歩いたり、物事を決めたりする。
さっきも、ヤモヒマの昼食決めてあげたし。

「ミドハル〜。わたしの幼なじみ知ってた?ヤモヒマは、言わないでね」

リトユリが言い、うーんと頭をひねってみた。
以外な人かも。
はたまた、ヤモヒマかも。
彦宮学園というので、じっくり考えてみた。
でも___。

「分かんな〜い。降参」

わたしがお手上げすると、前をちょうど藤本先生が通った。
キャアッ!
I LOVEな藤本先生ッ!

「ミドハル、藤本先生だねっ!」

リトユリが声をあげて、わたしは完全に目がハートっ!
リトユリは、藤本先生を好きなんじゃないよ。
わたしが教えてあげたから、声をあげてるだけ。
だって、リトユリの好きな人ーーー恋人は、中等部の隅木田先輩だもの。

「リトユリ、隅木田先輩通ったよ」

わたしがお礼にリトユリにも教えてあげると、新たに声をあげて喜んだ。
すると、ヤモヒマも隠れて喜んでる。
実はなんだけど、ヤモヒマも隅木田先輩に恋してる。
リトユリの恋人って分かってても、恋し続けてるんだ。
想いが強いってわけだ。

「あ、由里歌ちゃん。陽茉理ちゃんに晴奈ちゃんも。あれ?真美ちゃんはいないの?」

リトユリが嬉しそうに答える。

「多田本さんとは、ちょっと喧嘩みたいなのをしたの。ふみ会長と遊んでるから大丈夫よ、きっと」

リトユリ、タメ口かあ。
いいような、悪いような。
このまま発展したら、リトユリたちどうなるんだろ。
わたし、ほっとかれないかな?
真美、ほっといてごめんね。
謝ってすまないよね。
よし。
真美って、みかん大好きだよね。
坂宮くんと、みかんのスイーツ作ってあげようかな。

5:まい◆8Q:2017/07/24(月) 13:20

3.優しい坂宮くん
「坂宮くんいますか〜?」

サッカー部の部室に来てみたけど。
いないかな…?
すると、奥の子が手を挙げた。
後ろ姿からして、坂宮くんかな。
部活、わたしも行かなきゃだから、急いでもらってもいいですかー?

「どうしたの。あ、晴奈ちゃん」

わたしは、今まで真美とあったことを坂宮くんに話した。
みかんのスイーツのことも。

「いいぜ。頼ってくれて、サンキューな。練習終わったら、校門来て。日程合わせるから」

坂宮くんって、結構いい子じゃん。
真美、そう言えば坂宮くんに何度も告白されてるんだよね。
意外と、真美ってすごいんだよね。
坂宮くんと別れて、部室に行こうとしたんだけど。
わたし、部活変えたんだ!
バドミントン部に入ったんだけど、真美をいじめていたと言うあこちゃんと仲良くしちゃって。
わたしもちょっといじめられちゃったんだよね。
で、部活変更期間じゃないから、強制的にパソコン部になった。
つまらなさそう。
パソコン室へ行くと、部員は3人しかいなかった。
部金も、少なそう。

「緑川さんよね。どこでもいいから、パソコン使って、パソコン部入った理由や意気込みのレポート作って」

ええええ!
めんどくさいよーっ!
同級生が部長ということで、ちょっとにらんだ。
でも、気付いてないようで、イラッっとした。
れっきとした新入部員歓迎とかないのかよ。
ムカムカしながらレポートを作っていると、クッキーのいい香りがした。
料理部か。
美味しそう〜!

6:岬◆8Q:2017/09/17(日) 18:51

名前変えました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4.わたしたちの会話
校門近くへ行って、ヘトヘトになりながら坂宮くんのとなりに立つ。

「緑川さん、俺の家に来て」

坂宮くんの家!?
ちょっとドキドキしながら、となりに並んで歩く。
周りの目がちょっとキツイ。
坂宮くん人気だもんね〜。
わたしみたいな人といたら…。

「あれっ、ミドハルじゃん!」

「ヤモヒマ〜!」

ヤモヒマが自転車を急ブレーキして止める。
坂宮くんはギョッっとしながら後ずさりした。

「ミドハルって二股なの?」

「どうして?」

ヤモヒマはクスッっと笑って、坂宮くんを指差した。

「坂宮くんと付き合ってるんでしょ?藤本先生も好きなのに」

ゲッ!
わたしは、自転車を押しながら歩いているヤモヒマを叩いた。

「付き合ってない!ちょっと用事!わたしは藤本先生一筋よ」

ムスッっとしながらヤモヒマをにらんだ。
すると、本気で受けたみたいで、ヤモヒマは肩をすくめた。
「はぁっ」っと言っているようで、ションボリしたようで。

「気にしないで、ヤモヒマ。別に怒ってないし。ノリだし」

ヤモヒマがギャハハッっと大きく笑いながら、ペダルに足を乗せた。
一度振り返って、ウインクしてくる。

「明日ね、ミドハル!」

ヤモヒマが自転車をこいでいくと、坂宮くんはプッっと吹き出した。

「緑川さんたちって面白いね。矢本さんカワイイ」

「でしょでしょ!テレビ出れるくらいカワイイんだから!」

わたしのことのようににっこり笑って言うと、坂宮くんはお腹を抱えて爆笑する。
そんなに面白いかなぁ。

7:岬◆8Q:2017/09/19(火) 18:05

5.わたしの歌?
坂宮くんの家で、わたしはイチゴクレープを作ることになった。
真美の好きなイチゴ。
クレープも好きだった気、するし。

「真美ってイチゴ好きなんだ」

坂宮くん、真美のこと好きなのは分かるけど、手伝ってください。
わたしド下手だから。
ボチボチ指を絡めていると、坂宮くんが腕を引っ張った。
キッチンへ行く。
広いキッチンと言うよりは、ちょっと小さいかな。
必要な物が必要なだけあるって感じ。

「ちゃちゃっと作っちゃおうぜ」

どんどんかき混ぜたり、焼いたり、切ったり…。
坂宮くん、うまっ!
さすが明スイ。
真美もこれくらい上手いんだろうな。
ふたりでオムライス作ったときも、かき混ぜる作業が早かった。
坂宮くんもそんなイメージ。

「緑川さん、それ、取って」

「はいっ!」

きれいな生クリームをクレープに塗りながら、ふと手を止めた。

「わたしのこと晴奈って呼んで」

坂宮くんはにっこり笑って、「晴奈」と言った。
わたしの歌を作りながら作る。

『晴奈 晴奈 真美の幼なじみ 晴奈
緑川 緑川 緑川 晴奈』

何それ。
プッっと吹き出しながら、またクリームを塗った。

8:岬◆8Q:2017/09/19(火) 18:13

6.昔の真美
翌日の帰り道。
わたしは久しぶりに真美と遊んだ。
ランドセルのわたし。
スクールバッグの真美。
公園で、昔みたいにブランコやったんだ。

「真美、」

「何?」

真美が歩み寄ってくる。
いちにのさん、今だ!
わたしは、真美にクレープを差し出した。

「ごめんなさい!わたしが、真美を助けなかったから。亜子ちゃんのっ」

「…」

コメントはない。
そうだよね、当たり前だよね。
欲しがったわたしはバカだ。
最悪な人間。
 ドクンドクン

「いいのに、そんなの」

「…えっ?」

真美はクレープをパクッっと食べた。
生クリームが口いっぱいに付く。
イチゴの汁が唇に付く。
昔の子供っぽい真美。

「気にしてないし」

ウソつき。
気にしてたじゃん。
わたしのこと怒ってたじゃん。

「クレープ食べたらオフね」

真美は、クレープを大きな口を開けて食べた。
これでオフ。
なかったことになる?

「これでいいでしょ?晴奈ちゃん」

「ありがとう、食べてくれて!」

「クレープくれてありがとう!」

真美はニッっと笑い、家に入った。
食べ落とした生クリームが。
口いっぱいに付いた生クリームが。
真美の笑みが。
忘れられない。

「晴奈」

お母さんに呼ばれて、家に帰る。
わたしの幼なじみ、真美。
真面目で優しくて立派な…。
わたしの誇り。

             (おわり)

9:岬◆8Q:2017/09/19(火) 18:14

作者紹介
『ここは明確スイーツ研究部!』にてデビュー。
一言。
こんなに短くてつまらないかもしれない物語、呼んでくださったあなたはコメントしてください!

10:岬◆8Q:2017/09/19(火) 18:44

『ここは明確study研究部!?
      小学校漢字ストーリー』

人物紹介

多田本 真美
目立ちたくないを意識していた小学6年生。明確ゼミナールに通っていた。

坂宮 陽都
サッカー少年。
明確ゼミナールに通う小学6年生。
真美が好き。

矢本 拓斗
野球少年。
明確ゼミナールに通う中学3年生。

隅木田 優斗
勉強得意な少年。
明確ゼミナールに通う中学2年生。

11:ルナ◆3es 中二病レア:2017/09/19(火) 18:55

乱入ごめん!
あの、ここの板初めて来たんだけど、この短編小説って、番外編とか書く場所なの?ごめんね!

12:岬◆8Q:2017/09/19(火) 18:57

〜小学校1年生の漢字〜
『できるようになったこと』

わたしは、多田本まみ。
はじめての文化祭のじゅんび。
まみのクラスは、『わたし・ぼくの出きるようになったこと発表会』。
村上先生のあん。

「まみちゃん、見て見て!あこ、なわとびとべたよ!」

あこちゃんの出きるようになったことはなわとびかぁ。
まみは出きないのに。

「まみちゃんの出きるようになったことは?」

「きまってないの」

ほいくえんのときから、かわったことだよね。

「字がかけるようになったよ!」

「それでいいじゃん」

あこちゃんは、ノートを一まいやぶって、まみにくれた。

「れんしゅうしたら?」

まみは、えんぴつをもって、かみに字をかいた。

13:岬◆8Q:2017/09/19(火) 19:04

そとでは、女の子も男の子も、いろんなれんしゅうをしている。
雨がふりそうな天気。
大丈夫かなあ。

「まみちゃんは字をかいてるの?」

「うんっ!いろんな漢字かけるようになったんだよ!一二三四五六七八九十だよ!」

まみは、かみに漢字でかずをかいた。
村上先生は、「すごいすごい!」とほめてくれた。

「あれっ、森右くんはおさいほう?」

森右くん?
村上先生が男の子に歩み寄る。
糸が出ていて、ぬのにはりをさしている。

「森右くん、はり山にしっかりさすのよ?」

はり山?
むずかしいことばだらけ。
まみわからない。

「あれれっ、水が出しっぱなし」

小さなながしへ村上先生はむかう。
すると。

「先生、田中くんと林くんが!」

あこちゃんがはしってくる。
ケンカしてるっ!
村上先生はいないし…。
まみは、そとへ出た。

14:岬◆8Q:2017/09/19(火) 19:17

「だっ、だめじゃないのっ」

まみは、ふたりをしかる。
きょうしつのまえのひろいところに、車がとまる。
えっ?

「足をケガした子!」

ほけんの先生だ。
力くんが手をあげて、はなしはおさまった。
…と。
 パラパラパラパラ

「雨だ!」

雨っ?
あこちゃんがいって、みんながきょうしつにはしる。
しめった土。
音を立ててなる石と貝。
貝はね、まみがとってきたの。
うみから。
えん足のときにね。

「目がいたいよ〜」

森右くんがさけぶ。
村上先生が戻ってくると、森右くんは左目を見せた。
大丈夫かな?

「ははははははっ!」

口を大きくあけてわらう子。
円をつくっておしゃべりする子。
って、あの人!

「百までかけるの!?」

「もちろん」

まみ、百までかけない。
こんなことはっぴょうできないよ。
村上先生が、かたをポンとたたいた。

「犬って字をかいてみて」

まみと、その子は犬をかく。
大きいに、てんをかく。
その子は、大きいのまま。

「玉白さん、犬よ?」

玉白さんは、犬をかきなおした。
まみのほうがかけた!

「まちがえながら学ぶのよ。まみちゃんもがんばって」

「はい!」

そっか。
まみもがんばってみよ!

「みんな見て!」

あこちゃんがそとをゆびさす。
きれいにはれたそら。
ニジだ!
赤、青、きいろ!
カワイイ。

「耳を大きくしてごらん」

耳を大きく?
がんばってきく。
 チュンチュン
すずめだ!
カワイイなきごえ。

「さあ、みんなでれんしゅうよ!」

みんながいったあと、クラスにのこった森右くんとまみ。

「ねえ、名まえおしえて!」

「森右王さま」

王さま?
ぜったいちがうよね。
まみは、ひとりでコソコソわらった。

15:岬◆8Q:2017/09/19(火) 19:25

空にかかるニジはきれいになくなって、ほしがいっぱい。
月も出ている。

「ママ」

「金いろに見えるわね」

ほし、金いろじゃないの?
火せいは、火で出きてるの?
ベランダにおいてある花。
チューリップ。
なんだか、チューリップもほしに見えてきた。

「まみちゃんもほしよ」

そうかなあ。
虫が目のまえを早くとおる。
町が、よるのやみにとけこんでいる。

「まみ、千までかけるようになる!」

「ながれぼしにおねがいするの」

ながれぼしくるかな〜?
正しいねがいごとは、「千までかけますように」。
言えるかな。

「あっ、」

「まみが一年生のうちに千までかけますように」

ママ…。
草ボウボウの森が見えた。
そこにおちてゆく気がした。

「あそこ、竹もいっぱいあるの」

竹かあ。
ほしいな、まみ。
かぐやひめになれるもん。

「明日かぐやひめになる!」

「竹に入るの?」

まみはうなずいた。
木がおいしげるところにまみがいるように。
夕日がおちそうなときに川にうつる竹。そこに入っているまみ。
はっぴょうかい、うまくいくといいな!

16:岬◆8Q:2017/09/19(火) 20:25

ルナ、そうだよ!
私は無駄に短すぎるけど。

17:岬◆8Q:2017/09/19(火) 21:03

〜2年生の漢字〜

『ゆうしょうはコイをよぶ?』

わたし、多田本まみ。
小学二年生。
今日は、なぜか体いくさいのれんしゅうが入った。
まみは体いくがにが手。
だけど、八百メートル走に出るの。

「友だちと丸くなって、門の方を見てください」

鳥地先生のしじで、みんなが門の方を向く。
五年生、組み立て体そうやるって聞いたけど、怖そう。
南ちゃん大じょうぶかな?
まみによくしてくれる子。

「たんきょり走は、体を…」

こんなつまらない話なんか聞かなくてもいいって。
走ればいいんだから。
すると、こっちゃんがうでをつつく。

「きまつテストに出るかもだよ。まみちゃん聞かなきゃ」

テストに出るなら聞かなきゃ〜。
まみは、しぶしぶ鳥地先生の話を聞いた。
内ようを知っておけばいいから、教科書見れば分かる分かる。

「いいですね?では、おわり」

やっと終わった〜。
時計を見ると、もう三時。
おやつ食べたいな〜。
秋なのに、夏みたいなあつさ。
何でこんなにあついの?
こっちゃんがわらう。

「じん社で、おまいりしよ!」

おまいり?
何のおまいりをするの?
外から、校内に帰ると中、高とうぶのかけ声が聞こえる。

「はいはいはい!」

カッコいい〜。
教室にもどったら、高とうぶをジックリ見よっと。
週まつはいよいよ体いくさい。
早く来週にならないかな〜。

「理じ長さんにおねがいしたら?かんたんな体いくやりたいって」

こっちゃんが、しょとうぶの理じ長をゆびさす。
池道さん。
ぜったいおねがいできないよ!
じん社のかみさまにおねがいする!

「回数忘れた?」

「ええっ」

夏羽ちゃんと雲海ちゃんが話している。何の回数だろ。
よく聞いてみたら、長なわだった。
とべないのに。
姉妹みたいなふたり。
里にすんでるらしい夏羽ちゃん。
お母さんをなくしたらしい雲海ちゃん。タイプバラバラのふたり。
こっちゃんと、そんなふうになれるのかな。

18:岬◆8Q:2017/09/19(火) 21:14

一番はじめに、パンパン?
まみなりに!
で…おねがいごと。

『体いくさいがうまくいきますように』

あと、えっと。

『夏羽ちゃんたちみたいに、こっちゃんとなかよくなれますように』

これくらいでいいかな。
まみは、ゆっくり後ずさりして、おまもり売りばへ行く。
ママからもらったお金で買うの。
こっちゃんとおそろいでね。

「お昼はあつかったけど、ちょっとすずしいね」

こっちゃんがつぶやいた。
たしかにそうかも。
ずいぶんマシだもん。
セミの鳴き声はもう聞こえない。
歌を歌ってるみたいだよね、セミ。
村上先生が言ってた。

『セミも歌が歌いたいの』

本当かなってたまに思うんだ。
明るいうちに帰りたいよね。
こっちゃんとえらんで、黄色のしょうりおまもりを買った。
明日からもってこっと。
まみはカバンにつけて、かいだんをかけおりた。


晴れだ。
今日もれんしゅうあるじゃん。
前日だから、どうしてもある。
学校通いたくないな〜。
電話して、ママ〜。
本を読みながらボーッっとする。
まみの足太くなったかも。
切れるのかな?
刀で切ったらいたそう。
そのままでいいや。
もう。

19:岬◆8Q:2017/09/19(火) 21:27

早く冬にならないかな。
春でもいいや。
雪いっぱいであそびたい。
楽しいだろうな〜。

「まみちゃん!」

こっちゃぁん!
なぁに〜?
遠くで鳥地先生しゃべってる。
でもむしむし。
顔がこわいんだもん!
見たくない!
木曜日ってキライ。
めんどくさいこと多いもん。
ひこみや学園って、し立だから大へんなんだって。
ママ同しが親しいはるなちゃんママが言ってた。
おさななじみだよ。
日本語ってむずかしいよね。
つたわらないことあるもん。
なんて考えていると。

「まみさん、聞きなさい!」

はーい。
鳥地先生こわーい。
ちょっとにらむ。
すると。

「頭わるくなるわよ!」

いいよーだ。
そんなにわるくないもん。
きゅうにわるくならないし!
姉兄妹弟いないから、まみにお金かけれるんだよー!


家に帰ると、絵画てんのチケットがおいてあった。
何々?
絵画はっぴょう会?

「まみちゃん、絵画てん行かない?まみちゃん、絵かくのキライでしょ?ちょっとでもすきになればと思って」

む理だよ〜。
キライなものはキライだもん。
ママの頭に角が…。
立たないよ。
やさしいもん。
生活していく中で、おこられたことなんてあんまりない。
だから鳥地先生こわいの〜!

「この間ね、汽車に乗りたいと思って乗ってみたの」

ふーん。
岩の間をすすむイメージ。
だけど、ちがうかな?

20:岬◆8Q:2017/09/19(火) 21:36

「日記書いてみたの。見てくれる?」

見ると、力強い字で書かれたページ。
汽車のイラストつき。
近くに岩あった!
やっぱり当たってた。

「元、まみーたーって言うらしいの」

「まみーたー?」

どうやら汽車の名前らしい。
まみに名前がにてる。
まみの名前、古いのかな。

「牛もいたし、池には魚もいた」

いろんな生きものがいるんだ。
きっと、生き生きと話すんだろうな、ママ。
それが図星だったらしく、思ったよりニコニコしながら話す。

「市場、弓矢、谷の間、船。いろいろなものを見たわ」

おもしろそう。
まみはきょうみをもった。
どんどんといつめる。

「午後からは、広い公園へ行ってみたの。あ、計算おわった?」

おわらないよ〜。
ママの話を聞きながら、ずっと計算してるのに。
ちっ、ちっとも計算おわらない!

21:岬◆8Q:2017/09/20(水) 17:57

ママはクスッっと笑って、計算の形をかえた。
たちまち、まみの頭の中に光がさしこんだ。
分かった、分かったよ!

「これでしょ!?」

まみは、紙に計算して見せる。
ママは手をたたいてほめてくれた。
やさしいでしょー!
まみも行きたいな。
汽車乗ったり、公園であそんだり。

「そこの戸をあけてごらん」

戸をあけるよううながされて、戸をあける。
すると。

「何これ、汽車のおもちゃ!?」

おいてあったのは、汽車。
あそべるじゃん。
はるなちゃんとあそぼっと。

「野原を走る汽車よ」

ステキ…!
ここぜったい行きたい!
図工で作りそう、このも形。

「はるなちゃんがいるわ」

ママがげんかんをゆびさす。
はるなちゃんっ!?
まみは、外へとび出した。

「そこの交さ点にアイドルの国西ちゃんがいるらしいよ!」

国西ちゃんっ?
有名アイドルグループリーダー。
まみたちと同じ年の8才。
足細いな〜。

「ひこみや市まで来たんだね!」

ここ、ひこみや市はいなか。
こんなところに国西ちゃんが来てビックリ。

「止まって!」

おお、車。
はるなちゃんありがとう。
自分から出てくれてうれしいな。
すぐそこのお寺に入っていく。
弱々しいまみとちがって堂々としてるところがマネしたいな〜。
少し首が長いまみ。
コンプレックス多すぎじゃん!
新しいコンプレックスふえなきゃいいけど。
心ぱい。
ああ〜、こわいっ!

22:岬◆x.:2017/10/14(土) 14:04

すみません。
この物語の設定は、全部の漢字を使うとは限らないとします。

23:岬◆x.:2017/10/14(土) 14:04

トリップ変えました。

24:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 19:28

家に帰ると、はるなちゃんとあそぶやくそくをしたので、公園へ行く。

「まみちゃあん!」

はるなちゃんが公園でブランコから下りて、手をふった。
まみは、はるなちゃんの方へ走る。
ママも来ていて、はるなちゃんのママと話していた。

「本当になかよしだわ、このふたり」

ママがにこにこ笑いながら言う。
ずっとずっと先の先まで。
はるなちゃんとなかよしでいられるといいな。
ケンカしないで、なかよく。

「まみちゃんブランコしよお」

はるなちゃんと手をつないでブランコにのる。
ふたりで数を数えながら。

「いーちっ!にーい!さあん!よーん!ごお!ろおく!」

こっちゃんが公園の前を通る。
まみたちにきづいて、公園に入ってきた。

「わたしも入れて!」

“わたし”。
カッコいい!
わたしって言い方。
まみは今日から、わたしという言い方にかえた。

ー2年生終わりー

25:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 19:31

2年生のタイトル
『お母さんのたび日記』

26:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 19:32

あとがき
               みゆ

初めまして。
第2学年進級したので、あとがきを書かせていただきます。
小1は全ての漢字を使い、小2は少し使っていない漢字があります。
やや適当なところは受け流しお願いします!

では、小3からもよろしくお願いします!

27:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 20:12

小3の前にコラボなのだっ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
『私の初恋は甘い香りと
  明スイとマオの内緒アート日記』

主な登場人物

高野 真櫻
いろんな異名を持っている。
内緒を抱えているくらい。
画家デビューした小学6年生。

尾原 いずみ
盆江野小学校の美術女。
真櫻より一年先に画家デビュー。

多田本 真美
彦宮学園の児童会長。
優しくて立派な小学6年生。

坂宮 陽都
真美が好きな小学6年生。
意外と絵が上手い?

28:みゆ◆x.:2017/11/04(土) 20:27

1.有名校の講習!?

その日、いつも通り部屋でゴロゴロしていると。
階段を叔母さんが上ってくる音が聞こえて、すぐにドアを開ける。
念願の、マンガ!
かと思いきや。

「マオちゃん、仕事のスケジュール。9月のスケジュールに加えて、講習をやってほしいって」

FAXで送られてきただろう紙を受け取り、内容を把握する。
私立校美術コンクールへ向けてというタイトルだった。

「依頼が来たのは彦宮学園って学校から。知ってる?」

「彦宮学園って知らないなあ。どんな学校なの?」

叔母さんはうーんと考え込み、スマホで彦宮学園のホームページを開く。
私の見えるように見せてくれて、読み上げた。

「日本で一番の東大に受かる確率小学校と言われている。日本小学校で一番の秀才校とも言われている」

「すんごい学校だあ!私無理かも!」

とりあえずと紙を机に置き、何度も何度も読み直す。
これ、本当に私宛て?
叔母さん宛てだったりしない?
だけどやっぱり私宛て。
彦宮学園に、私なんかが講習行くの!?
いずみちゃんじゃダメなの〜?
 ピンポーン

「はーい」

いずみちゃんは講習ないのかな?
私が賞取ったからだよね。
ゾクゾクしちゃうよ。

「ミオちゃ〜ん。尾原さん」

いずみちゃんっ!
ちょうどいいところに来てくれた。
急いで階段を駆け下りて玄関へ。
私服姿にカバンを提げたいずみちゃんがいた。

「こんにちは、いずみちゃん」

「ねえ、聞いて!私、ついに講習の依頼が来たのーっ!」

講習…?
もしかして、彦宮学園の講習?
そしたら、いずみちゃんと一緒っ?
私は、もうすでにウキウキしていた。

29:みゆ◆x.:2017/11/05(日) 09:30

2.眼鏡かけないの?事件

ちょっと圧されつつ、とりあえず私の部屋に案内した。
隣の部屋の絵の具セットルームは絶対見せられない。
なんってったって、バレる寸前の物がごちゃごちゃしてるんだし。

「講習って?」

「ミオちゃん知らないかもだけど、彦宮学園って有名校の美術の講習!」

知ってるから。
ホームページも調べたし。
私も講習するし。
でも言えずに、いずみちゃんの話を聞く。

「ついに認められたの!すごくない!?やっと〜」

相当喜んでる。
今までなかったのかな。
私は、デビューしてすぐ依頼来たよ。
なーんて絶対言えない。

「はい、いずみちゃんどうぞ」

叔母さんがクッキーを持ってきて、いずみちゃんに出す。
すると、いずみちゃんはそう言えば!というように言った。

「眼鏡は?いつもの」

しっ、しまった!
眼鏡忘れてた。
せっかく、最近視力落としてるのに。
私としたことが。

「眼鏡なくしちゃってさ。あんまり見えないんだけど」

うんん、結構見える〜。
もっともっと視力落とさなきゃ!
いずみちゃんは、勉強机の眼鏡ケースを指差す。

「あれじゃないの?」

眼鏡ケースを取り、開ける。
いつも私がかけている眼鏡がっ!
いずみちゃんは、怪しげな顔で私を見回す。

「あるけど。眼鏡」

眼鏡を差し出されて、あわててかけると、いずみちゃんがさっきよりくっきり見えた。
かなり疑ってるっ!

「眼鏡ケースすら見えないの?」

「ずっと一階にいたからさ」

「私が来たとき階段降りてたじゃん」

ビクンッ!
いずみちゃん怖いっ!
すごいいろんなところ見てる。
私はビクビクしながら、講習の話を聞いてあげた。

30:みゆ◆x.:2017/11/05(日) 09:41

3.いざ講習へ!

今日は、あらかじめ叔母さんと元の家から一番近いホテルに泊まった。
そこから、ロングの髪の毛を付ける。
マオになりきるの。
もう完全にミオだったから、マオってちょっと怖いんだよね。
いずみちゃんに、眼鏡かけてない私を見られてるし。

「大丈夫。そのまま電車で彦宮駅へ。降りたら児童会長さんがいるから」

眼鏡を取り、ミオは一重だったけど、叔母さんに化粧してもらって二重に。
それから、髪の毛よし!
服も、ミオでは絶対着ないのを。
これでいいはず!

「じゃあ、行ってらっしゃい」

カバンに、愛筆やら絵の具セットを入れて出掛ける。
叔母さんがいないと、やっぱりちょっと怖い。
電車が来て、乗り込む。
そのまま彦宮駅へ。
存在感を消して行くんだ…!
すると、もう元から乗っていた、よく見る人影…。
いずみちゃんだ!

「緊張する〜。ミオちゃんにも、講習の自慢したんだけど、すごい褒めてくれたんだ〜!」

隣に座ってるのは、お母さんかな。
こうして講習するけど、お母さんも認めてるのかな。
私がお母さんと住まないこと。
別にそれでいいのかな。
ちょっと複雑。

「あの子、筆がカバンに入ってる!講習するのかな…」

いずみちゃんは席を立ち、こちらへ歩いてくる。
だけど、ちょうど今電車が動き出す。

「いずみっ!」

「いずみちゃんっ!」

私はあわてて飛び付く。
転ぶことはまぬがれたけど…。
バレたりしてないよね?

「あの、あなたは?」

いつもの疑いいずみちゃんだ!
バレる、バレちゃうよぉっ!
大ピーンチ!

31:相原梨子◆x.:2017/12/04(月) 21:33

4.家出した理由

私は誤魔化しつつ、カバンを探り出した。
いずみちゃんは隣に腰かける。
ヤバイ、匂いとかでバレるかな…?

「あなたから、私の友達の匂いがするな。マオちゃんでしょ?会いたかったな、あなたと」

ミオって言われなくて良かった。
いずみちゃんに笑いかける。

「やっぱり!ミオちゃんと友達ですよね!?すごくあなたのこと思い出して話してましたよ」

気付いてないみたい。
思わずホッとする。
いずみちゃんは、ミオである私のことと、マオである私のことを話している。

「どうして私を知ってるの?」

「あなたは画家でしょ?先輩感覚であなたのことは知ってます」

いずみちゃんはパアッっと顔を輝かせる。
先輩感覚がよかったのかな?
いずみちゃんとヘンな感じだったけど話しながら向かう。

「お母さんはそのまま引き返すわね。いずみ、頑張って。マオちゃんも頑張ってね。あと…」

いずみちゃんのお母さんは、私の耳元でささやいた。

「仲良くしてあげてね、いずみと」

挨拶行ったときに、同い年…って言ってた人だ!
詳しいことは、『マオの内緒アート日記1消えた画家の日記』を見てね!

「じゃあね」

ちょうど電車は停まり、いずみちゃんのお母さんは降りた。
いずみちゃんと私のふたりきり。

「学校はどこに行ってるの?」

いずみちゃんが口を開く。
盆江野小学校だなんて言えな〜い!
私はオロオロしながら、「普通の公立の小学校です」と答える。
だけど、真実だよね。
盆江野小学校って公立小学校だし。

「私も公立。一緒だね」

いずみちゃんは、急に悲しげな顔をして、こちらを見る。
私を見つめているようだ。

「どうして家出したの?」

え…?
いずみちゃんをマジマジと見る。

「どうして、家出しちゃったの?」

それ、は…。
お母さんとケンカしたから。
だけど…。
私がバカバカしくなってきた。
ケンカくらいで、家出なんかして。

32:相原梨子◆x.:2017/12/16(土) 17:19

5.約束拒否

いずみちゃんは、更に続ける。

「ずっと気になってたんだよ。みんな一緒。マオちゃんが戻ってほしいって思ってるはず」

いずみちゃん…。
私は、もどかしい気持ちになった。
何でだろう。

「ミオちゃんって知ってる?羽折」

「もちろん。友達。わた、しの…」

うんん、私。
どうして私が私を演じてるんだろ。
バカみたい。

「ミオちゃんも、マオちゃんのこと心配してたよ。家帰りなよ」

いずみちゃん気付かないんだ。
私とミオは同じ人って。
まあ、雰囲気結構違うもんね。

「マオちゃん?家帰るって約束してくれない?お願い!」

「どうして…?」

「だって…」

どうして続きを言わないの?
いずみちゃん、本当にそう思って言ってくれてるの?
もしかしたら、手柄みたいな…。

「やっ、ヤダな〜。家に帰った方がいいじゃん。それだけだよ〜」

私は、いずみちゃんがそう思ってくれてるだなんて、全然思わなかった。


ついに来た。
彦宮駅は他の駅と違って、とてもにぎやかで大きかった。
いずみちゃんと降りて、彦宮学園へ向かう。

「楽しみだね〜。会うの。天才が集う学園だよ?今日のために学園通ってくれるなんてハッピー」

私は、いずみちゃんにバレることがとても怖かった。

33:相原梨子◆x.:2018/01/04(木) 17:38

小学生の漢字の小説、いい加減でごめんなさい。
優しい温かい目で見ていただけたら嬉しく思います。
これからもよろしくお願いします。

34:相原梨子◆x.:2018/01/27(土) 17:45

6.正反対のふたりの画家さん

私、多田本真美は、今日来てくださる画家さんを待っている…んだけど。
約束の時間を過ぎてる…。
校門前で、ちょっと考え事をしていると、大荷物を抱えた尾原先生。
荷物を綺麗にまとめた高野先生が姿を見せた。

「初めまして、多田本会長。遅れて申し訳ありませんでした」

高野先生が頭を下げる。
ヤバイ、画家さんに頭を下げさせるのが一番良くないって、彦宮先生ーーー校長先生に言われた分なのに!

「いえいえっ!今日はわざわざ来てくださり、ありがとうございます」

あわてて、こちらも頭を下げる。
尾原先生は、特にそのような振りは見せず、大荷物を気にしていた。

「さあさあ、校長室へご案内します」

尾原先生の大荷物のひとつを持って、校長室へ案内する。
校庭から、家庭科室があるところを見た。
坂宮の影が見える。
私、坂宮ーーー坂宮陽都は小学6年生。
このふたりに、隅木田くんーーー隅木田優斗くんと矢本くんーーー矢本拓斗くんをふくめた4人グループ。
明確スイーツ研究部の力で、ふたりの画家さんをおもてなしするの!
初等部は、私と坂宮のみ。
私は案内の仕事があるから、坂宮がスイーツを作っているんだ。

「すっごく校庭広いですね。盆江…」

むぐぐと口を押さえる高野先生。
盆江?
すると、尾原先生は声を上げた。

「マオちゃん、盆江野知ってるの!?」

「う、うん…。親戚が住んで…み、ミオちゃんも住んでるでしょ?」


なんとか誤魔化せたかなっ?
そろそろバレそうだけど。
いずみちゃんを見ると、ふーんと鼻を鳴らしただけ。
良かった…。
私も、荷物を持ち直して多田本会長に着いて行った。

35:相原梨子◆x.:2018/01/27(土) 17:55

7.ためらわずにって名言

「ということで、私は、いつもこの細筆を愛筆にしています」

いずみちゃんが愛筆と言う、学校でもよく使っている筆を出す。
アップでモニターに映し出すと、生徒のみんなは声を上げた。

「カッコいいな!」

「ウチらが使っている筆と全っ然違うんじゃない?」

「ウチも使ってみたーい!」

いずみちゃんがにっこり笑いながら、どういうときにこの筆を使うのか説明する。
みんな、興味深そうに聞いていた。


さすが、尾原先生。
愛筆の好評がすごすぎる…。
児童会長席で尾原先生を見る。
よーく見ると、カワイイ顔してる。
初めは、がさつな人ってイメージがちょっとあったけど。

「画用紙に描く時は、ためらわずにどんどん思い付いたことを描く!これを心がけています」

ためらわずに。
何事も迷わずにということ。
児童会長の仕事も、ためらわずに頑張っていくことが大切なのかな?

「…です。以上です!」

尾原先生の説明が終わる。
生徒のみんなは、拍手をやめない。
すっごく良かったみたいだね。
これも、児童会メンバーでちゃんと話し合えて良かった。
美術コンクールのために、ためらわずに出来たと思うから…。
何にでも使える言葉。
児童会長の仕事、画家さんとしてやっていく時…。

「では次は、高野先生の説明です。よろしくお願いします」

秀花ちゃんが司会をして、高野先生が台の前に着く。
一番最近画家さんになった高野先生。
高野先生も楽しみだな、ワクワク!

36:相原梨子◆x.:2018/01/28(日) 15:50

8.ガリ勉校

高野先生は一礼する。
みんなの拍手の音が多目的ホールに響いた。
坂宮、大丈夫かな?
一応新年過ぎたし、和風の和菓子に挑戦するって言ってたけど…。

「まずは、私の実績を見てください」

スクリーンに、公立校のポスターコンクールで高野先生が描いた絵が映し出された。
思わず目を見張る。
こんな表現力あるんだ!
尾原先生も驚いていた。

「これは、私が画家デビューした時の作品です。事件が起きてしまいまして、皆さんには大変な迷惑をおかけしてしまったのですが、この作品を描いたことで、家族の大切さに気付きました」

高野先生のデビュー作品。
交通安全と家庭の日が合わさったような絵だった。
家庭みんなで、手を挙げて横断歩道を渡っている様子が描かれている。

「この絵を描いて、私は家出をしてしまいました。ですが、そんな私がこの絵でデビューしました」

スクリーンに次のページが映る。
高野先生とトロフィーだった。

「本当なら、私が応募した家庭の日コンクールは、公立校の小学生による絵のコンクールです。ですが、この絵を絶賛してくださった方が別のコンクールに応募したことにより、画家デビューを果たすことが出来ました」

そんな道があったんだ。
それにしても、こんな絵を家庭の日に応募して絶賛されるなんて…。
わたしだったらあり得ない!

「これから私は、海王コンクールというコンクールに出品させていただきます。こちらは描いている途中ですが、途中のところをVTRにまとめてみました」

スクリーンに高野先生がアップで映る。
愛筆を持った高野先生は、アトリエの様子を紹介してくださった。

「いつもはここで絵を描いています。壁には、どのような絵を描くか、担当さんと相談した結果を紙にまとめて張ってあります」

壁を見てみると、大量の紙が張られており、よく見ると、文字がこと細やかに書かれていた。


スクリーンでアトリエを紹介し終わった私は、絵を描くシーンに移る。
いつもだったら、バケツに愛筆、画用紙が散乱しているアトリエ。
この時ばかりは片付けたな〜。
こっそりいずみちゃんを盗み見る。
ジッっとVTRを見ていた。
参考にするところとかあるのかな?
ちょっと考え事をしていると、あっという間にVTRが終わった。

「これが、私が絵を描いている時の様子です。次に、VTRでも使っていた愛筆を紹介します」

愛筆をカバンから出して、スクリーンに映し出す。
指で示しながら、筆の一部一部の名前や使い方を説明した。

「…です。これで説明は以上になりますが、質問はありますか?」

すると、ひとりの生徒さんが挙手した。
真面目さんかなっ?
私はその子を当てた。

「わたしの名前は杉田ふみです。筆が固まらないようにするにはどうしたらいいですか?」

杉田さんは椅子に座る。
固まらないようにする、かぁ…。
もしかして、ガリ勉の子かも。
こんな質問されるの、初めて。

「使い終わったら、まず水で洗いますよね?私は乾いたらお湯で浸します。次に筆を使う数時間前にお湯から出して乾かして使います」

杉田さんは「ありがとうございました」とお辞儀する。
やっぱり、ガリ勉かも…。
頭いいのかなぁ、羨ましい…。
私立に通ってるだけ優秀だよねっ!

「他に質問はありますか?」

挙手がなかったので、いずみちゃんの隣の椅子に腰かける。
すると、多目的ホールのドアがガチャッと開いた音がした。

37:相原梨子◆x.:2018/01/28(日) 16:02

9.カッコいいっ!

入ってきたのは男の子で、お菓子を持っていた。
スイーツ男子ってこういう子!?
や、やけにイケメンだけど…。

「尾原いずみ先生、高野真櫻先生へおもてなしです。いちご大福を作ってみました」

いちご大福っ!?
私の大好物が出てくるなんてっ!
だけど、ちょっと我慢。
自分から食いついちゃダメッ!
な、はずなんだけど…。

「えっ?美味しそう!食べていいんですか!?」

いっ、いずみちゃん…!
いずみちゃんは、いちご大福を両手にひとつずつ持って頬張る。
男の子もビックリしてるよ〜。

「あ、高野真櫻先生もどうぞ」

「ありがとうございます」

私もいちご大福をひとつ手に取る。
あれ、なんかこの子見たことある。
インターネットでたまに見る顔。
スイーツ…インターネット…。

「あの…もしかして、明確スイーツ研究部の坂宮陽都さんですか?」

すると、その男の子は目を輝かせた。
当たってたかなっ?
男の子は大きくうなずく。

「俺の名前は坂宮陽都です!知っててくれて嬉しいっ!」

握手を求められ、渋々ながら手を出す。
坂宮くんは、にっこり笑った。
その時、グッっときた。
かっ、かっ、カッコいいーっ!
クラスの男の子にこんな子いないよ!
めちゃめちゃタイプかもっ!

「あれ、マオちゃん?」

隣でいずみちゃんが目を細めている。
勘強いいずみちゃんだ。
坂宮くんのことカッコいいって思ったってバレちゃうっ!

「ハハハッ!高野真櫻先生ってカワイイんですね」

その瞬間、私は心を打たれた。
ヤバイ、坂宮くんっ!
カワイイって普通に言えるものっ?
すると、多田本会長と笑い合ってグッドサインを送り合っている。
付き合ってるのかな?
カッコいい坂宮くん。
可愛くてしっかり者の多田本会長。
お似合いだよね、いいな〜!

「おーい、マオちゃん?」

「はい?」

いずみちゃんが疑わしげに見ている。
やっぱり、私がマオでもミオでも、厳しい目付きは変わんないな〜。

38:相原梨子◆x.:2018/01/28(日) 16:15

10.また会えるよ

多田本会長が前を歩き、彦宮駅へ向かう。
聞いてみようか?
坂宮くんと付き合ってるんですかって。
でも、聞くとヘンな風に思われる?
もし違ってたらどうしよう!
だけど、あれは絶対カレカノだよね。

「高野先生、どうしたんですか?」

多田本会長が足を止める。
えっ…?
にっこり笑った多田本会長。

「坂宮と付き合ってないですよ」

あれ、もしかして多田本会長って、心読めたりする?
いずみちゃんが、そっと耳打ちしてきた。

「マオちゃん、ずっと坂宮くんと多田本会長付き合ってるってつぶやいてたんだよ?」

ええええーっ!
多田本会長は面白そうに笑っている。
気がつけば、もうここが彦宮駅。
早いなあ、着くの。
今日は焦ったこともあったけど、坂宮くんと会えて嬉しかった。
こんな日、もう二度とないよ…。

「来てくださって、本当にありがとうございました。またよろしければ、よろしくお願い致します」

多田本会長が頭を下げる。
私もお辞儀した。
こっちからも何か言うべきだよね。

「皆さんのお役に立てたら何よりです。ありがとうございました」

彦宮駅へ足を傾けると、多田本会長が声を張り上げた。
ビックリして振り返る。

「よろしければ、友達になってくれませんか?せっかくですし…」

「なるなるっ!私のことはいずみって呼んでね!」

いずみちゃんが身を乗り出す。
多田本会長は喜んで、いずみちゃんと会話している。

「真美ちゃんってカワイイねー」

いずみちゃんが多田本会長に言う。
すると、多田本会長がこちらを向く。
あわてて姿勢を正した。

「高野先生も、友達、いいですか?」

「は、はいっ!もちろんです!」

多田本会長の名前は真美ちゃん。
真美ちゃんは、電車が来ると、そっと耳元でささやいた。

「きっと、坂宮にもまた会えるよ。また会えたら、またおしゃべりしようね!」

私は大きくうなずいて、電車に乗り込んだ。
そして、真美ちゃん、坂宮くんたちの住むところを離れた。
きっと、また会えるよね。
そう思いながら、窓の向こうの真美ちゃんに手を振った。

             (おわり)

39:相原梨子◆x.:2018/01/28(日) 16:20

あとがき

こんにちは。
『ここは明確スイーツ研究部!』シリーズと『マオの内緒アート日記』シリーズを書いている、相原梨子です。
今日も愛読、ありがとうございます。


実は、昨日『ここは明確スイーツ研究部!』シリーズ略して明スイが1周年を迎えました。
目を通してくださったあなた。
ここのスレで知ってくださったあなた。
名前抱けでも知ってくださっているあなたのおかげです。
ありがとうございました!
まだまだ頑張りますので、応援よろしくお願いします。


次回は、明スイの小学校3年生を書いていこうと思います。
ずいぶんいい加減ですみません。
また設定がゴチャゴチャになるかもしれませんし、面白くないと思いますが、読んでください。
よろしくお願いします!

    コラボ完結が嬉しい相原梨子

40:相原梨子◆x.:2018/02/17(土) 13:10

すみませんが、小学3年生の頃の話を書きたいと思います。
漢字は読みにくいしなしにします!
すみませんっ!

41:相原梨子◆x.:2018/02/18(日) 10:12

『ここは明確スイーツ研究部!3年
      文化祭はイケメン祭!?』

人物紹介

杉田 ふみ
学年1の秀才少女。
涼太に恋している主人公。

杉田 秀花
ふみの双子。
涼太と付き合っている。

青山野 涼太
秀花と付き合っている。
ふみと秀花の幼なじみ。

42:相原梨子◆x.:2018/02/18(日) 10:23

杉田ふみは、学級委員としてみんなの前に立って指示していた。
隣は青山野涼太。
ふみの好きな人で、幼なじみ。

「文化祭の案はありませんか?」

みんなシーンとしたまま動かない。
反応すらしてくれない状況だった。
涼太と顔を見合わせてため息をつく。
すると、クラスの美少女であり、双子の妹の杉田秀花が手を挙げた。

「秀花はファッションショーやりたいな〜!お洋服来て歩くの!」

涼太が嬉しそうに笑っている姿がすごく苦しい。
ずっと一緒の秀花を好きになった涼太。
そんな涼太にずっと恋してきたふみ。
涙がにじむ。
あわててぬぐった。

「どうしたの?ふみちゃん。目が赤いよ」

涼太が顔を覗き混む。
そりゃあ、思いっきりぬぐったから。
服でゴシゴシしてちょっと痛い。

「ファッションショーだめ?」

「秀花がやるならいいよ〜」

「実柚乃は衣装作りたい!」

ファッションショーに決まった今。
ふみは呆然としているだけだった。
本当にやると思ってなかった・・・。

「頑張ろうよ、ふみちゃん。大丈夫。秀花がいるんだし成功するよ」

また秀花ばっかり。
フンッっと顔を背ける。
ふみの気持ちも気付いてくれないのに、どうして秀花の心は奪ったんだろうか・・・。


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