好き。
スキ。
色々、スキという言葉が在る。
純愛と少しのウソ、ほろ苦い甘酸っぱさを乗せて。
所沢愛芽。
なんてことない、名前だ。
こんな冴えない、地味コである私は、こう見えて、高校二年である。
よって、吹奏楽部に後輩がいる。
そう_______この後輩が問題なのだ。
後輩の名は、都木翔真。
かなりモテる。
私と違って、ね‥。
「愛芽センパーイ!」
都木翔真が抱きついてくる。
止めてよね。
これでも一応、女子だから。
「愛芽センパイ、柔らかいですねっ!」
ニヤリと、都木翔真が笑った。
少し、ほんの少しだけど、ドキッとした。