短編詰め合わせ 。
語彙力 / 日本語力皆無
* prologue
「 れみあ〜っ 、おはよ〜! 」
「 おはようございます 、れみあさん 」
... と 、言ってこっちに掛けてきた少女の一言でわたしたちの朝は始まる 。
この日は朝から雨だった 。
この前買った新しい傘を差して学校へ向かった 。
雨は特に好きではないけれど 、少しだけ気持ちが高ぶった 。
雨は最初は強かったが 、次第に弱くなっていた 。
水溜りができているところをぱしゃんと音をたてながらわざと踏む 。
ーー 踏んでから気づいた 。今日履いている靴は防水加工していない 。
何たる失態だ 、と呟きながら靴の中が湿っぽいままいつもの集合場所に向かった 。
いつもの場所に向かうと 、二人の少女が雨宿りをしていた 。
それを自分の友達だと確認し 、そこへ駆け寄り声をかけた 。
「 あずさちゃん 、郁子ちゃん 、おはよう 、! 」
私の声が聞こえたようで 、二人の少女はほぼ同時に振り返った 。
「 おはよー 、れみあ遅いよ〜ッ 」
「 もしやれみあさん… 寝坊 、ですか ? 珍しいですね… なーんだか珍しいことだらけですねぇ 、 」
「 まあちょっと… 目覚まし時計の電池がなくなったみたいで 、あはは 」
と 、苦笑いをした 。 あずさちゃんはそんなことより郁子ちゃんの言った " 珍しいこと " に関心を持ったようで、下記のように告げた 。
「 郁子っ 、珍しいこと …って何? 」
「 あ 、それ私も知りたいかも … 」
そう言うと郁子ちゃんは微笑みつつも 、終盤の方は真剣な顔をしてこう述べていた 。
「 今日あずちゃんが私の家まで迎えに来てくれたんですよ 、朝早くに 。 人は恋をすると好きなひとのために変わる って聞いたのですが … ね 、あずちゃん… 好きな人います? 」
郁子ちゃんの言葉を聞き、私は黙るだけだった 。
「 そんなわけないでしょっ! 珍しく朝早く起きれただけよ 、大袈裟だなぁ 」
と 、あずさちゃんは笑いながら返した 。郁子ちゃんはほっとした表情で「 そうですか 」と呟き「 さ 、そろそろ時間ですから 、行きましょう 」と 、私とあずさちゃんに向けて告げた 。
「 … ごめん 、あたしたち日直の仕事があるから … ! 」
と 、あずさちゃんが郁子ちゃんに言った 。郁子ちゃんは肯定の意を示し頷き 、先に学校へ向かった 。
「 ーー っはあ 、郁子鋭い 〜 … バレるとこだったよ 、れみあ 」
「 危機一髪 、ってとこだったね ? 」
そう言って笑う 。
ーー 私達 、3人組だけど2人だけの秘密が増えちゃった 。
「 あずさちゃんっ! あずさちゃんにはわたしだけだよねっ? 」
「 当たり前でしょ 、あたし達何年の付き合いだと思ってんのよーっ 」
郁子ちゃんには申し訳ないけど 、わたしはあずさちゃんといる時間の方が何倍もすき 。
いつまでも一緒にいたいのに 。 郁子ちゃんが疎ましい 。
次第に強くなっていく雨の音が私達の声をかき消した 。
「 …ってことで 、あたし達は日直じゃなかったんだよね 、。」
作り話と事実を混ぜてあずさちゃんが郁子ちゃんに先程のことを伝え 、そのまま授業が始まり 、気づくともう昼食の時間だった 。
お昼の時間はあずさちゃん 、郁子ちゃん 、わたしの3人で食べているんだけど 、郁子ちゃんは生徒会委員で、生徒会の書類を取りに行くらしく 、私達は先にご飯を食べた 。雨はまだ降っていた 。
「 ふふ 、郁子ちゃんが生徒会委員でよかったね 」
と 、笑みを浮かべながらあずさちゃんに告げるも 、
「 ……うん 、そうだね 」
と 、微妙な顔をしながら上記のように述べていて 、私はあずさちゃんが何か隠しているように見えた 。
この日は晴れていた 。昨日と比べて暑かった 。
昨日は雨が一日中降っていた為 、アスファルトには水溜りが出来ていた 。
いつもはれみあと郁子と学校へ一緒に行くけれど 、今日は1人で学校へ向かった 。
郁子は生徒会 、れみあは風邪で学校をお休みするとの事 。まあ 、よくあることだけど 。
れみあは病弱で 、一時期入院していることがあった 。両親は幼い頃交通事故で既に他界しており 、れみあは一人ぼっちだった 。だからあたしが守ってあげなくちゃ 、なんて思っていた 。
でも 、れみあは郁子と仲が良いからもうあたしは必要ない 。
それでもれみあはあたしに構ってくれて 、本当に優しい子だと思った 。
とりあえずは友達としてれみあがすき 。 もちろん郁子もすきなわけ 。
でもあたしには二人と同じくらい… もしかしたら二人以上かもしれないけれど 、大好きな人がいる 。
「 …、あっ 」
あの人だ 。先輩だ 。あたしは段々と遠退いていくその人の背後を追いかけた 。
れみあでもなく 、郁子でもなく 。あたしの大好きな憧れの先輩 。
驚かそうとしたら 、直前に振り向かれてしまった 。
「 私を驚かそうだなんて 、甘いわよ? …なーんてねッ 」