「秘密、秘密な筈でしょう?
ほら、手をお出し 。」>>2
> いけないお話(3Lあり)
> くだぐだ
> 乱入は○
「やめろッ、近づくな」
手当たりしだい近くの物を投げ、叫び逃げ惑う俺はさぞかし滑稽だろう。
そんな俺に笑顔で近づいて来るコイツは狂っている。わかりきっていたことだ。
なにやら物騒な手錠やらなにやらをがちゃがちゃいわせながら近寄って来るなんて恐怖だ。こんな非日常を俺は求めていないんだ。
「逃げちゃ、だめだよ」
コイツは俺の投げる物を全身で受け止めたにも関わらず、笑みを浮かべている。そしてついに俺は追い詰められた。コイツの冷たい光のない目、赤らんでいる頬、あがっている口角。なにもかもが恐ろしい。
「やめて、くれ」
掠れ気味の俺の声が聞こえなかったのか、コイツは俺の腕を掴んだ。
「やっと捕まえた。もう逃げちゃだめだよ、きみは僕のものなんだから」
にこりと笑って、俺の腕に頑丈そうな手錠をかけた。
がちゃり、といった無機質な音を最後に俺の自由は消えた。
好きで、好きで、好きで、どうしようもなかった。
駄目だとわかっているのに収まることのない鼓動の音を聞いて確信したのが確か中2の頃だったと思う。
___…俺はきっと同性愛者、もとい『ホモ』だということに。
最初は先生が好きだった。
若くて笑顔がかわいくて人望があって、まさに理想で憧れだった。将来、こんな人になりたいとまで思った。
しかし 、いつからかその感情が決して持ってはいけない感情に変わっていた。
好きだと気づいた時にはもう遅かった。自分が自分と同じ性別の人、しかも先生を好きになるなんて考えたくなかった、認めたくなかった。
否定し続けても先生を見るたびに押さえがたい欲求に駆られ、我慢している自分に嫌気がさした。先生のことを考えながら毎日を過ごす自分が嫌いだった。
いつの日だったか、とうとう想いが溢れた。
先生と二人で周りには誰もいなくて、きっとあの時の俺は理性というものから常識まで無くなっていたんだろう。
俺は抑えきれない想いを先生に伝えてしまった。
そして、先生は困った様に笑って「ありがとう」って言うと思った。
だけど先生は言わなかった。
「俺もだよ」
先生は小さくつぶやいた。
たった一言のその言葉で俺の中の全てが壊れた。
先生を全て俺のものにしたかった。何度も何度も馴れない動きで快楽を求めた。
しかしそれは許されることではなかった。