オリキャラ板

葉っぱ天国 > 創作 > スレ一覧キーワード▼下へ
1:なかやっち:2020/08/10(月) 11:39

ここでは、私のオリキャラの設定を書いたりちょっとしたお話をつくったりします(o・ω・o)
中二設定、やばい設定多いかも。胃もたれしないように気を付けてね☆

ー注意ー
・私のオリキャラをのせるので、他の人のキャラはご遠慮下さい
・乱入おけです。荒らし、なりすましは×。葉っぱのルールを守りましょう
・胃もたれがおきても、主は一切責任を負いません。閲覧注意だな!

え?過去に同じようなスレつくってたって?きっとキノセイダヨー((殴
平和にまったりとやっていきたいと思いまーす(^-^)

2:なかやっち:2020/08/10(月) 12:21

魔耶「ども、主の代理こと彩色魔耶(さいしきまや)でーす。キャラメルが大好きな魔族ですヨロシク。…………こんな感じでいいの?」
主「おっけおっけ〜。魔耶は私の代理だからね、やっぱり最初に紹介しないと」
魔耶「ふーん、そういうことか。いきなりカンペ渡されて何事かと思ったよ」
主「ちょ、ちょいちょい、メタいですよ魔耶さん…」
魔耶「主が出てきてる時点でもうメタいから。…それで、これから一人一人紹介していくの?」
主「うん。キャラの詳細とか秘話とか、見てる人が胃もたれするレベルで紹介してくつもりだよ」
魔耶「軽い放送事故じゃないですかヤダー。私帰っていい?」
主「まって!一緒にいて!最初は君紹介するから!ね?」
魔耶「じゃ、私の紹介が終わったら帰る。あ、出演料とか用意されてるよね?」
主「(´・ω・`)」

3:なかやっち:2020/08/10(月) 12:40

オリキャラNo. 1
彩色魔耶(さいしきまや)

性別:女
能力:つくる程度の能力
容姿:青と黄色を基調とした服に、黄色のラインが入った黒いスカートと青い猫耳帽子。背中に翼。
年齢:約300歳
種族:魔族(人間と悪魔のハーフ。魔族なのかこれ?)
性格:自由奔放、明るい、飽き性(主と同じですハイ)
誕生日:5月8日(主と同(ry)

詳細
主ことなかやっちの代理(三代目)。
つくる程度の能力では、自分の魔力の形をかえ、個体にして物をつくっている。簡単に言うと魔力を物に変えるって感じかな。便利な分魔力の消費が激しくて、一回でつくれるのはせいぜいベッド一個限界らしいよ。
親は魔耶が幼い頃に事故にあってご逝去しちゃったため、親の友人であった閻魔様に育てられた。キャラメルが大好物で、苦いものや辛いものが苦手。一人称は私、二人称は君か名前。
 

主が中一のときにつくられたキャラです。最初は魔女の設定で、能力も違いましたがいろいろいじって今の形に落ち着きました。初めてオリキャラ登録したキャラです。

4:なかやっち:2020/08/11(火) 16:12

魔耶「…あれ、今回絵描いてないね?」
主「………」
魔耶「…ん?主、どこ行った??」
満空「魔耶〜。主からの伝言で、主が喋ってるのはメタいから満空に任せるって〜。んで、私が来ました」
魔耶「今更すぎるし急すぎるわ」
満空「ほんとそれ〜。いきなり声掛けられてビックリしたよ〜…」
魔耶「わかる。あ、この子は満空(みくう)って子で、私の親友です。種族は天使」
満空「こんにちは〜、満空です。よろしくね」
魔耶「…んで、今回絵を描いてないのはどうして?いつもは描いてたし、絵があった方が分かりやすいじゃない。主のデザインするキャラはいつも複雑なデザインなんだから、絵がないと分かんないよ?語彙力ないんだし」
主(グサッ)
満空「それがね〜、あの人ってば、『言葉だけで十分だよね〜』とか言って描いてないのよ」
魔耶「絶対描くのがめんどくさかっただけでしょ」
満空「私もそう思う」

5:なかやっち:2020/08/11(火) 16:33

魔耶「…っていうか、満空はオリキャラナンバー十なんかだったよね?紹介されるのはまだまだ先だよ?出てきてていいの?」
満空「ね、私もずっと疑問に思ってたよ。私がどんな人(天使)なのかわからないでこの会話を聞かなきゃいけないってことでしょ?」
魔耶「そういうことだよね〜。流石主、相変わらず無計画だなぁ。ま、この会話を見てくれてる人なんていないと思うけど」
満空「激しく同意」
魔耶「…あ、そしたら、私達が住んでる世界のことも紹介せずにキャラ紹介してるのもアレだよね。あの主、お話つくるとか言っておいて全く設定に触れてないじゃん」
満空「主ってそういうとこ適当だよね。このままキャラ紹介していったら、世界の設定を書いてないせいで行き詰まると思う」
魔耶「あはは、そうなったここも放置され……って、なんかカンペきたんだけど」
満空「あ、ほんとだ。んーと…なになに…?」
カンペ(主)『 世界紹介忘れてた』
満空&魔耶「…………」


満空&魔耶「「遅いわ‼」」

6:なかやっち:2020/08/11(火) 18:52

少女話し合い中…


魔耶「あのアホ(主)が世界設定を紹介するのを忘れてたので、私達が紹介することになりました〜。あいつ絶対後でしばく」
満空「賛成。…えっと、じゃあ私達の住んでる世界について話します。私達の住んでいる世界は、まだ名前がありません」
魔耶「一応候補はいくつか絞ってあるんだけど、主が決めるのをサボってるのよね…。10日後までに決めるそうです」
主(え?なにそれ聞いてない)
満空「まぁ名前はとりあえず置いておいて…私達の世界は、鏡の中に存在する、こことは違う次元のアナザーワールドだそうです」
魔耶「その世界ができた経緯とかもあるんだけど、それを公開しちゃうと主のメンタルが崩壊するので言いません(別に主のメンタルが崩壊しようがどうでもいいんだけどね)」
満空「なんやかんやあって出来た世界なんですね〜(適当)。んで、その世界には色々な種族が存在しています」
魔耶「妖怪に、魔族に、天使に…って、いろいろいるよ。もちろん人間もね。それぞれの種族がそれぞれの国とか都とかをつくって暮らしてるの」
満空「普通なら種族間の抗争とかが起きるところなんだけど、この世界は世界神様が管理してくれてるから起きないんだよね」
魔耶「そうそう。世界神様っていうのは、私達の世界の自然の量だとか、魔力の量だとか…色々な事や物を管理する能力をもってる、私達の世界の守り神みたいな存在なんだ」
満空「他にも四方を守る神様達がいたり、天界を司る大天使様、地獄をまとめる閻魔様がいたり…いろんな神様によって、この世界は支えられてるんだ〜」
魔耶「平和でいい世界だよね〜。…んで、こんなところで世界の紹介は終わりかな?」
満空「あんまり紹介できてないけど、まぁしょうがないよね。主が全く決めてないんだもん」
魔耶「うんうん、私達のせいじゃない!もし世界に関して質問等があれば、このスレにお願いね」
満空「主は学生でアホだから、世界に関してのマジレスとかはやめてあげてね。多分泣いちゃうから」
魔耶「…ま、そもそも質問なんてしてくれる人いないだろうけど」
満空「あ、せやな」

7:なかやっち:2020/08/11(火) 20:03

オリキャラNo. 2
ティア=ドロップ

性別:女
能力:涙を操る程度の能力
容姿:リボンつきの帽子、ネクタイ&上着、ロングスカート、右目に涙を流している目を描いた紙が貼ってある、胸に三日月形のブローチ
年齢:400歳
種族:妖怪
性格:悪戯好き、いつもは温厚
誕生日:6月18日

詳細
自分と他人の涙(涙腺)を操ることができる妖怪。涙で服が汚れてしまうのを嫌い、いつもマントを持ち歩いている。
人間が嫌い(?)らしく、よく人間のふりをして人間の街に入り込み、悪戯をする。人間以外の種族の前では温厚な妖怪。
右目に貼ってある紙は、自分の能力をコントロールするための制御装置のようなもの。それを剥がすと、まわりにいる人が身体中の水分を出し尽くすほど涙を流してしまうので、絶対にはがしてはいけない。

この子も中一、二くらいのときにつくった子ですね。名前がそのまんますぎる…あと能力が地味でエグい。色はまだ決めてません。(っていうか、私のキャラほとんど色決まってない…(´・ω・`))

8:なかやっち:2020/08/11(火) 22:05

〜彩月学園(あずきがくえん)物語〜

魔耶「…待って待って、いきなり字幕出てきたんだけど?なにこれ?」
満空「彩月学園…あずき?がくえん?」
主『そのとーり‼』
魔耶「うわっ、スピーカーから聞いたことあるセリフが聞こえた…って、やっぱり主の仕業か。何よこれ」
主『いやぁ、前にオリキャラのショートギャグストーリーつくりたいって言ったじゃん?だからさ、学園ものやろうかなって』
満空「だからこの字幕か…」
魔耶「いやいや、ショートストーリーだろ?絶対ロングになると思うんだけど。…っていうか、まだ全然キャラ紹介してないじゃん!先にそっちしなさいよ!」
主『一話を短くすればショートですし!キャラ紹介も平行してやっていくから、大丈夫大丈夫!』
魔耶(そのうちキャラ紹介ほったらかして学園ものし始めるだろうな…)
満空「いったいその自信はどこからくるのか…」
主『そんなに呆れなくたっていいじゃん!やりたいんだもん!学園もの、いいと思わない?』
魔耶「えぇ…学校に行かなきゃ行けないとかめんどくさい…」
主『もしやってくれるんだったら、魔耶が一話お話に出演するごとに一箱のキャラメルをプレゼントしよう』
魔耶「よしやろう」
満空「速答…現金だなぁ…」

9:なかやっち:2020/08/12(水) 09:59

オリキャラNo. 3
牙狼満月(がろうみつき)

性別:女
能力:人形になれる程度の能力
容姿:けも耳&もふもふのしっぽ、ブカブカな長袖、スカート、腕に首輪、髪に三日月形のアクセサリー
年齢:250歳
種族:獣人
性格:好戦的、人懐っこい
誕生日:10月15日

詳細
元々狼だった満月だが、月の光を浴び続けたことによって人形になれるようになった。
まだ子狼だった頃は誰かに飼われていたらしく、首輪を大切に持っている。(どこに着けるものか分からなかったのか、首につけるのが嫌だったのか、首輪は腕についている)
人懐っこいが好戦的な性格で、強そうな人がいればすぐに勝負を仕掛けてくる。満月自信もまあまあな強さで、加えて狼になったり人形になったりするため攻撃が読みづらい。
しっぽはもふもふでさわり心地が良い。

元狼のけもっ子ちゃん。多分初めてつくったけも耳キャラです。しっぽもふりたい。

10:なかやっち:2020/08/12(水) 10:24

満月「いぇーい‼私が紹介されたよ〜‼」
魔耶「うおっ、満月…」
満月「ん?あ、魔耶じゃん!戦お‼」
魔耶「やだよ。前に戦ったとき、地面にでっかいクレーターいっぱいつくって閻魔様に怒られたんだから…」
満月「ちぇー、ノリわるーい」
魔耶「いきなり勝負仕掛けてくるやつにノリがどうのこうのとか言われたくないですね。その好戦ぶり、相変わらずだな」
満月「魔耶とは会うの久しぶりだもんね。5年?いや、10年くらい会ってなかったっけ?」
魔耶「いや、一ヶ月前に会ったよ?」
満月「ふぇ⁉」

11:なかやっち:2020/08/14(金) 11:11

魔耶「ども〜。最近忙しくしてる魔耶さんでーす」
満空「…ついに壊れた?」
魔耶「違うからね?壊れたとかじゃないからね?…いやぁ、最近主のせいでいろんな物語に登場してまして…」
満空「あぁ、そう言えばそうね。これいれて三つくらいは出てるのかな?」
魔耶「うん、そうなのよ…だから忙しいな〜って」
満空「なるほどね…主も魔耶だけじゃなくて他のキャラ出せばいいのに」
魔耶「うんうん。私だけがいろんな世界に行かされてて…もう主に抗議しようかしら」
満空「いいと思うよ。…私も出番欲しいし」
魔耶「ん、なんか言った?」
満空「ナニモイッテナイヨー」

12:なかやっち:2020/08/16(日) 19:38

主「またキャラデータ書くか…」
魔耶「書け」
主「魔耶さんこわぁい…」

13:なかやっち:2020/08/16(日) 19:53

オリキャラNo. 4
王秘魂(おうひそう)

性別:女
能力:魂を操る程度の能力
容姿:二本の角が目立つ帽子、閻魔らしい服装(言葉にできん)、マント、『封』と書かれた首飾り、ショートカット(メッシュ)
年齢:4800歳
種族:閻魔
性格:クールで常に無表情
誕生日:5月9日

詳細
地獄で魂の管理をしている閻魔様。魔耶の育て親。
いつも無表情で、何を考えているか分からない。(そのせいで妹の差夜に『姉が笑った年は豊穣になる』なんて噂を流された)
地上の風紀を守ることと地獄を管理することが仕事で、よく街のパトロールをしている。街で異変等があったら解決する。(たまに魔耶も手伝う)
首にかけている首飾りには昔封印した魂が入っているらしいが詳細は不明。

はい、閻魔様です。自分の世界に地獄をつくろうと考え、その管理人としてつくりました。最初魔耶の育て親設定はなかったんですが、魔族と閻魔の組合わせは面白そうだと思ったのでつくった設定です。後悔はしてない。

14:なかやっち:2020/08/19(水) 16:19

〜魔耶と魂のやり取りを書きたかった〜

魔耶「閻魔様!こんにちは‼」
魂「あぁ、魔耶か。久しぶりだな」
魔耶「えへへ、なかなか顔だせなくてすみません…色々と忙しくて…」
魂「…まぁ、そういうときもあるだろう。お前が元気でいてくれればそれでいい」
魔耶「閻魔様…‼」
魂「なにか異変があったときにお前が使えなかったら困るからな」
魔耶「……」
魂「ん?なぜ頬を膨らませているんだ?」

15:なかやっち:2020/08/19(水) 16:28

主「閻魔様と会っているとき、魔耶は普段よりもおとなしくて甘えん坊なようでs((くらえ双剣ッ‼by.魔耶」

16:なかやっち:2020/08/19(水) 22:50

主「…暇だからマル秘情報解禁してもいい?」
魔耶「暇で解禁しちゃだめなやつじゃないかそれ?…まぁ、主がいいなら別にいいけど…」
主「よっしゃ、じゃあ一部…せっかくだから魔耶の情報解禁しちゃおう」
魔耶「??私の?」
主「うん。実は、魔耶って悪魔の中の悪魔、悪魔の王族の血をひいてるんだよね〜」
魔耶「…悪魔の王族…??そんなのいるの?」
主「んー…悪魔の国は魔耶が生まれる前に滅んだからまだ魔耶以外に生き残ってるのかは分かってない状態なんだけど…昔は少なからずともいたんだよ。まぁ国が滅んだときにほとんど殺されちゃったかもだけど」
魔耶「物騒だな……んで、私になんでその…王族とやらの血が流れてるの?」
主「……ごめん、ここからはまだ解禁できないわ。書く気が起きないから」
魔耶「やる気の問題なら書いたっていいでしょ……」

17:なかやっち:2020/08/19(水) 22:55

主「なぜ悪魔の国は滅んだのか、なぜ魔耶に王族の血が流れているのか、そもそもあの世界はどうやってできたのか、どうして私の身長は伸びないのか…少しずつマル秘情報解禁していくのでお楽しみにっ☆」
魔耶「一つ関係ないの混ざってるぞおい」

18:なかやっち:2020/08/20(木) 13:36

魔耶ちゃんメモ。
・魔族という名の悪魔と人間のハーフ。父が悪魔、母が人間だった
・親(主に父)の知り合いであった閻魔に育てられ、約250歳のときに一人暮らしを始めた。今は妖の山と呼ばれる場所にすんでいる
・週に一、二回ほどの頻度で閻魔の仕事を手伝っている(主に人の街のパトロール)
・地獄と天界ではよく交流が行われていたこともあり、満空のはよく遊ぶ仲
・一か月に一度人の街へ出向き、能力でつくったものを人々に売っている

19:なかやっち hoge:2020/08/20(木) 13:55

世界メモ。
・鏡の中に存在するアナザーワールド。とある一つの鏡から行き来できるという都市伝説があるが、真相は不明。基本的に行き来できる方法はない
・全ての鏡の中に存在しているわけではなく、とある人物からまじないをかけられた鏡の中だけに存在している。万が一鏡が割れても、その中の世界は存在し続ける
・様々な種族が暮らしており、約50の国々が存在している。国だけではなく、地獄や天界なども存在している
・その世界は世界神と呼ばれる神様によって管理されており、争いはその名の元に禁じられている
・世界神→閻魔、大天使など特別な地をおさめる者、世界神以外の神→国の王→色々な種族の者 (偉い、世界に影響力のある順)

20:なかやっち:2020/08/30(日) 09:21

魔耶「……なんでこうなった…?」
一回り小さくなった身体で、彩色魔耶はつぶやく。
彼女の顔には幼さが残り、小さくなった身体には…もともと着ていた服なのだろうか、ぶかぶかの洋服を身につけていた。彼女は子供に戻ってしまったらしい。

ーー事は2時間前に遡るーー

主「…ねぇ、オリキャラのお話作りたいんだけどさー…ネタがないのよ。なんかネタない?」
魔耶「ない。…ネタないなら作らなくていいんじゃないの?」
魔耶と主は二人で会話をしていた。
主「作りたいんだってば〜。んー……無難に、魔耶が小さくなる話とか!」
魔耶「絶対止めろ」
主「えぇぇ…いいと思ったのに…」
魔耶「いいと思った主のセンスが分からん。…っていうか、本人に言ったら拒否されるに決まってるじゃん」
主「…ハッ!確かに…‼………じゃあ、魔耶に言わずにやればいいんだね!」
魔耶「…えっ…いや、そーゆことでは…そもそもやって欲しくないというk」
主「了解したよ魔耶さん!じゃあ、二時間後になんか仕掛けとくわ!ばいばーい!」
魔耶「は⁉ちょ…っ……」

そして今に至る。
魔耶「…あいつ…絶対ぶっ飛ばす…」

続く→

21:なかやっち 余談です:2020/08/30(日) 18:40

主「余談だけど、私の世界の名前は《ミロ=ヴェージュ》(=はあってもなくてもよい)に決めたよ。特に意味はないよ」
魔耶「…あれ、10日後までって言ってなかったっけ」
主「そ、それは魔耶が決めた事だろ‼💦」

(ネーミングセンスがないのはご愛嬌)

22:なかやっち:2020/08/30(日) 18:54



魔耶「…あー、これからどうしよう…主を捜すにしても、ミロヴェージュは広いからなぁ…先に元に戻ったほうが良さそう」
ブツブツと呟きながら自分の部屋で歩き回る。すると、玄関の方から知っている声が聞こえてきた。
満空「魔〜耶ー‼いる〜??」
魔耶「…み、満…空…⁉」
何というタイミングだろう…このタイミングで親友の満空が家に来るとは。これは幸運と呼ぶべきか、不幸と呼ぶべきか…とりあえず、玄関に向かった方がいいだろう。だぼだぼの服を持ちながら急いで玄関に向かう。
魔耶「…満空?入っていいよ」
満空「あ、魔耶いたんだ。いつもみたいに寝てるか出かけてるかと思ってたけど…じゃ、お邪魔するね。お邪魔しまー……………⁉」

続く→(微妙なところで切っちゃった☆)

23:なかやっち:2020/09/06(日) 17:28

満空「えぇぇぇええええ‼⁉なんか、ちっちゃい…ちっちゃい魔耶がいるっ⁉⁉」
案の定驚かれる魔耶。…まぁ、無理もないか…親友の家に遊びに行ったら、親友が子供の姿で出迎えてくるんだもんね。うん、私でも驚いちゃうわ。
魔耶「あ〜……満空?とりあえず上がって、話聞いてくれる…?事情とか諸々説明するからさ…」
満空「え、私の名前知って……!ほ、ほんとに魔耶なの…⁉もしかして私が知らぬ間に子供ができて…」
魔耶「違うから‼とりあえずあがれっ‼」

続く→(眠い)

24:なかやっち:2020/09/07(月) 07:27

少女説明中……


満空「…なるほど…とりあえず事の経緯はわかったよ…」
魔耶「理解が早くて助かります。……それで、主をぶっ飛ばしたいんだけど、その前に元の姿にならないとぶっ飛ばせないと思うんだよね…あいつの居場所も分かんないし、まずは元に戻りたいのよ。何かいい方法ないかな?」
少々期待を込めて親友を見上げる。小さい身体は、見上げてるとすぐに首が疲れてしまう。
満空はうーんと考え込み、返答を探した。
満空「そうだねぇ…………………ないな」
思ってた5分の1くらい薄い反応だった。
魔耶「な……も、もう少しくらい考えてよ!天使なんだし、なんかしらはあるでしょ⁉」
満空「だって、魔族…しかも悪魔×人間のハーフが子供になった事例なんて聞いたことないし…」
魔耶「そ、それでも…何かないの…?」
満空「……じゃあ、あの人に聞きに行ってみようよ。あの人なら、きっといい案があるよ」
魔耶「……あの人…?」

続く→(充電があと2%だー)

25:なかやっち:2020/09/07(月) 15:25


明「………そ、それでうちに来たんですか…」
ナレーション【この子の名前は明(あかり)‼とある魔女のもとで魔法を習っている、魔女の見習いである!敬語キャラである‼(重要)】
満空「そういうことー。だからあなたの師匠に用があるんだけど…いるかな?」
なるほど、満空が言っていたあの人とはあの魔女のことか。確かに、あの人は研究とかたくさんしているし、知恵も深い。なにか知っているかもしれないな。
明「…あー、あいにくですが今は出かけておりまして………うちで待ちますか?」
魔耶「…待ってもいいけど、あの魔女気まぐれじゃない…軽く5年くらい待たされたりして…」
明「あー、たまにありますね〜。私に何も言わずに数年放置されたり…かと思えば『今日から3日間不眠不休で修行よ!』なんて言ったり…ほんと、気まぐれな師匠をもつと大変ですy…」
??「……それは、あなたが大事な魔法道具を壊したからでしょう?全く、覚えてないのかしら」
魔&満&明「「‼」」

26:なかやっち:2020/09/07(月) 18:35

久しぶりの設定紹介じゃー

ー天界とは?ー
大天使こと皇天音(すめらぎあまね)をトップとし、天使達が生き物の魂を輪廻転生させるための場所である。天界には『輪廻の輪』というものが存在し、それに触れた魂は別の魂に生まれ変わることができる。ただし、生身の生き物や穢れた魂は転生することができないため、輪廻の輪に触れても意味はない。(穢れた魂は地獄の管轄である)
天使達が天命を全うした魂を天界まで導き、大天使が魂の要望などを聴き、その後転生させる。転生した場合前の記憶は全てなくなってしまう。
天使達の仕事は、魂を天界まで連れてくること、霊となってしまった魂を説得し、成仏させることである。(未練が残ったまま死んでしまった魂は霊になってしまう。霊になると転生することができなくなってしまうため、未練を解き、成仏させなければならない。放っておくと魔力を帯びて悪霊となってしまう)
天使は約50人ほどいるらしい。

27:なかやっち:2020/09/09(水) 20:57

明「す、すす…すみません‼蒼師匠…っ‼その、ほんとに思って言ったわけじゃなくて、その、冗談というか……」
蒼「…そう。あとであなたには色々と思い出してもらわなければならないようね。………それで、この小さい子はどなたかしら?」
ナレーション【この人は蒼(あおい)‼れっきとした魔女である!主に氷、冷気を操ることを得意とし、薬草にも詳しい‼ちょっと怖い人である!】
明「ーーっ……えと、この人は魔耶さんです!実はかくかくしかじかで……」

少女説明中……

蒼「…なるほどね。それで私のところに…」
魔耶「な、なにかいい方法はありませんかね…?どんな些細なことでもいいので…」
蒼「……そうねぇ…あるわよ、元に戻る方法」


続く→(長くねこの話)

28:なかやっち:2020/09/14(月) 22:03

魔耶「ほ、ほんとですか⁉そ、それはどのような…」
蒼「簡単よ。私の薬を飲めばいいのよ。最近、丁度いい薬をつくることに成功したの。…だから、あなたはその被験者になってもらおうかしら」
魔耶「 」
満空「……魔耶…」
魔耶「…な、なに…?満空…」
満空「あなたのことは…忘れないから…ッ!」
魔耶「勝手にコロすなぁああ‼‼」
明「……御愁傷様です」
魔耶「明までも⁉」

続く→(はたして魔耶は生きてられるのだろうか)

29:なかやっち:2020/09/14(月) 22:27

蒼「さぁ、どうするの?飲む?飲まない?」
蒼がニヤニヤと笑いながら手に持った錠剤を魔耶の前にかざす。これがもとに戻れる薬だろう。
魔耶「ぐうっ……の、飲めばいいんでしょ!飲めば…‼」
半分やけになった魔耶はその錠剤を奪い取るように取り、ゴクリと飲み込んだ。
満空「…ま、魔耶…?大丈夫…?なんともない?」
魔耶「……う、うん…あれ、なんともないぞ…?いつもなら泡ふいて倒れるくらいのものなのn……」(バタン)
明「‼…魔耶さんっ‼」
結局泡ふいて倒れた。

続く→(やる気がなかったんで雑です許してくださいなんでもはしません)

30:なかやっち:2020/09/14(月) 23:07

主「魔耶ちゃん昔話〜イェーイドンドンパフパフ」
魔耶「なんか始まったぞ…」
主「はい、始めちゃいました。主です。現在課題に終われてて死にそうです」
魔耶「知らんがな」
主「相変わらず辛辣だぜ……ってことで、みなさんお待ちかね!魔耶ちゃん誕生秘話をお聞かせします!」
魔耶「誰も待っとらんわ」
主「おだまり!じゃあ話していきまっせ‼」
魔耶「……」
主「はい、えーと…まずは魔耶の両親のお話っすね。魔耶の親はお母様が人間、お父様が悪魔ですた。しかもお父様は悪魔の王族だったという」
魔耶「ほーん…」
主「んでんで、お父様は悪魔の王国のとある城で過ごしていたところ、なんと人間が攻めこんできたんすね〜。お父様は命かながら逃げ回り、なんとか追っ手のこなそうなとある村のはしっこに行けました」
魔耶「おぉ、いきなりクライマックス」
主「…そして、その村で、お父様は美しい女性に出会いました。それがお母様でしたね。一目惚れってやつよ」
魔耶「人間に追われてたのに、同じ人間に恋できるのかね」
主「愛のパワーというやつですよ魔耶さん」
魔耶「なるほど主さん」

あ、眠いので一回くぎります。続きはまた明日。

31:なかやっち:2020/09/15(火) 05:29

主「んまぁそんなわけで、二人は村のはしっこで幸せに暮らすことになります」
魔耶「話の段階すっとばしたな」
主「ところがね〜、ある日村人の一人がお父様の姿を見かけて、他の人間に知らせたんです。ちょうど魔耶が生まれたばっかりのころかな」
魔耶「見つかっちゃったか…」
主「見つかっちゃったんです。二人は魔耶を抱いて逃げました。……しかし、人間は数だけは多いんです。お父様が足止めしている間に、お母様は魔耶をお父様の知人であった閻魔様に預けます」
魔耶「それで今に至るのか…」
主「そゆことそゆこと。争いは禁じられてるミロヴェージュで、悪魔の国が人間に攻めこまれるなんて初めての例だったね」
魔耶「争いをすることは、世界神様を…この世界を敵に回すようなものだからね。楽に成仏出来なくなっちゃう……」
主「そんな中での人間達の反乱…そして悪魔の国は滅んじゃったんだねぇ…」
魔耶「…ねぇ、いくら人間の数が多くても、人間が複数の悪魔に勝てるものなのかな?悪魔なら人間になんてそうそう…」
主「……さぁね〜。どうやって滅ぼしたのかまでは知らないよ〜」
魔耶「…絶対知ってる顔じゃん」
主「なんのことかな?さーて、課題やろーっと」
魔耶「間に合わなければ良いのに」
主「不吉なこと言わないで⁉」

32:なかやっち:2020/09/15(火) 18:12


魔耶「んぅ……」
満空「…‼ま、魔耶‼」
魔耶「んん……満空……?頭痛ぁ……あれ、ここ…は……」
満空「よかった〜‼魔耶ぁあああ‼‼」(魔耶にタックル)
魔耶「グハッ‼‼」


明「よかったぁ…魔耶さん、お目覚めですか…いきなり泡をふいて倒れちゃったので……もしかしたらお師匠様が人殺しになっちゃうのかと…」
蒼「バカ言わないで頂戴。この私が調合を失敗するハズないでしょう。あれはただの副作用だし、死にはしないって何度か言ったじゃない」
明「あはは、そうですね。心配しすぎましたよ〜。……それで、その…具合はどうですか…?魔耶さん……」
魔耶「……まぁ、ボチボチかなぁ。もとには戻れたし、そこは感謝してる。ありがとね、蒼さん」
蒼「礼には及ばないわ。……それで、これから主さんを探すのかしら?」
魔耶「うん。もとに戻れたし、さっさとあいつをぶっ飛ばしてゴロゴロしなきゃだから。じゃ、世話になったよ!バイバーイ!」
満空「わ、ちょ、待って〜!魔耶ー!」

続く→(もうすぐ終わるよ)

33:なかやっち:2020/09/15(火) 18:21


主「…ふぁ〜…さて、そろそろ魔耶ちゃんの姿も戻る頃合いかしら。ちゃんと二時間って設定しておいたから、もう戻ってるハズだよね。どんな反応か見たいし、魔耶を探してみて……」

魔耶「「主ぃいいい‼‼」」

主「…ん?魔耶?なんかめっちゃ走ってる…(ハッ‼)」
主(もしかして、子供に戻ったのが楽しすぎたのにもとの姿に戻っちゃったからもう一回してって良いに来たのかな?だったら早く言ってほしかったなぁ。ま、まずはじっくりとお話を聞こうじゃない)
主「魔耶〜!ほら、こっちにきてお話しようよ〜!」
魔耶「……お話?…フフッ」
主(ん、何やら様子が…)

魔耶「「お前相手に言葉なんぞいらんわぁああ‼‼」」(飛び蹴り)
主「「グファッ‼‼」」

おしまいw(最初から最後まで雑な物語でした。真面目なのも作りたいね)

34:なかやっち 暇人なんです察しろぃ:2020/09/19(土) 20:05


ーー両親のこと?うーん…あんまり覚えてないなぁ…。まぁ、私が生まれて一年ちょっとで死んじゃったって聞いたし、覚えてないのもしょうがないよね。
…あ、でも、全部を覚えてないってわけじゃないよ。もちろんほとんどは忘れちゃってるけど…そんな私にも、一つだけ…ほんの一つだけ、覚えてることがあるんだ。
それは、両親の声。
なんて言ってるかは分からないけど、優しくて、辛そうで、切ない…思い出すだけで胸が張り裂けそうになるような、そんな声だった。両親のその声が、私の奥深くにしっかりと刻み込まれてるんだ。
不思議だよね?まだ一歳の頃だったっていうのに、その声だけは、いまだ鮮明に思い出せるんだ。…なんでだろ。

35:なかやっち エピローグ。長編適当に書いてくぜ:2020/09/20(日) 12:51


??「ーー許さない……」
月下の美しい海の畔で、一人の少女が声を上げた。
海に浮かんだ月の輪郭がたゆたう空間で、少女が哀しみと怒りに満ちた声で泣き崩れる様は皮肉にも美しい絵のように幻想的な風景に見えた。
そんな風景とは裏腹に、少女はこんな言葉を残す。
??「命を命とも思わない奴らめ……あんな奴ら、種族共々滅んでしまえばいい……ッ‼」

36:なかやっち:2020/09/20(日) 13:23


魔耶「えぇ〜…閻魔様、またいないの?」
差夜「そうなのよ…。お姉ちゃんってば、最近は一人で何処か行ってるみたいでね…何処に行ってたのか聞いてもなにもおしえてくれないのよ?」
そういって、しかめっ面をしながらコップの中をカラカラとかき回す差夜。その様子を見て、正面に座っていた少女…彩色魔耶もため息をついた。
魔耶「最近忙しいのかなぁ…ここ数ヶ月会えてないよ…」
差夜「…私も、ここ数日はちゃんと顔を会わせられてないなぁ…。地獄にいないってことは、多分地上での仕事かなんかだろうけど」
魔耶「…地上の仕事なら、私でもなにかしらは手伝えるのに……」
差夜「……お姉ちゃんは一人で抱え込みすぎることがあるからね……無理に詰め寄っても逆効果だろうし、私達は大人しくしてるしかないね」
魔耶「……むぅ…」
差夜に正論を言われ、軽く俯く。視界に入ったオレンジジュースが魔耶の暗い顔をプカプカと浮かべていた。
最近、閻魔様と会えていない。地獄に行っても「もう出掛けてしまった」と言われてしまうし、地上を捜してみても見当たらない。妹の差夜に聞いても知らないというし……一体何処に行っているのであろう。…なにか変なことに巻き込まれているんじゃ……
そんなことを考えていると、差夜がポンと魔耶の頭に手を置いた。
差夜「……心配なのは分かるけどさ、お姉ちゃんならきっと大丈夫だよ。そう簡単にやられたりする人じゃないし、あの人のことなら私達が一番よく知ってるでしょ」
魔耶「……うん」

37:なかやっち:2020/09/21(月) 10:17


差夜「それじゃあ、私は街の警備に戻るけど…魔耶はもう少しここにいる?」
魔耶「…うん。ちょっと一人で考えたいことがあるから」
差夜「…わかった。お代は私が払っておくからね。ごゆっくり」
差夜はそう言って立ち上がり、アイスコーヒーとオレンジジュースのお代を払うためにレジに向かっていった。
その姿を横目でみながら、差夜に一言かけておいた。
魔耶「…お仕事頑張ってね」
差夜「……ありがと。今度魔耶も手伝ってよね?」
魔耶「暇になったらいいよ〜」
差夜「もう。そんなこと言って…」
二人でふざけながらお互いを励まし、差夜はカフェを出ていった。

一人になった魔耶は、オレンジジュースをチビチビと飲みながら考え事を始めた。
魔耶「(閻魔様を見かけてない……ってことは、多分この街とかその周辺で仕事をしてるわけじゃないんだろうな。もしこの街で仕事をしてるんだったら、警備の一人や二人、見かけてるだろうしね)」
となると、閻魔が仕事をしている場所はもう少し遠い場所なのかもしれない。まぁ、閻魔の仕事は『地上』と地獄の管理なのだし、どこで仕事をしていても不思議ではないのだが…
魔耶「(……力のない人間に対して守護にあたるのは分かるけど、他の妖怪とかそこらの種族なんて守る必要がないし、閻魔様がいちいち気にしなきゃいけない奴らじゃない。…けど、この街の外には妖怪しかいないから……閻魔様は、妖怪相手になにかやってるってことだよね…)」
魔耶「…なーんか、嫌な予感がするなぁ…」

38:なかやっち:2020/09/21(月) 10:34


店員「ありがとうございました〜!」
店員の明るい挨拶をあとにし、店を出る。ドアを閉めた拍子にドアについていた鈴がチリンチリーンと綺麗な音を響かせた。

外に出た魔耶は、ふと空の様子を伺う。
魔耶「………嫌な天気だなぁ…一雨きそう…」
空はどんよりとした灰色の雲で覆われていた。まるで今の魔耶の心を表しているかのような雲の色で、いっそう気分が落ち込んだ。
魔耶「……ほんと、何処行っちゃったんだろ…閻魔様…」

39:なかやっち:2020/09/21(月) 17:45


??「……あっ、魔耶さん‼」
魔耶「…?…あっ、あなたは…」
考えを巡らせながら街を歩き回っていたとき、不意に後ろから声をかけられた。驚いて振り替えると、そこにいたのは、顔馴染みである魚屋のおじさんだった。
魔耶「あっ、魚屋の……どうかしましたか?」
今日は平日。普通ならおじさんはお店にいるハズだ。なのに街中にいて、わざわざ私に声をかけてくるなんて…なにかあったのだろうか?
おじさん「あぁ……実は、ちょっと困ったことがあってなぁ…お前さんなら解決できるかもと思って、声をかけさせてもらった。急にすまねぇな…」
魔耶「…困ったこと…?どうしたんですか?」
おじさん「…言うより見たほうがはえぇと思う。ちょっと今から店に来てくれねぇか?」
魔耶「?……は、はい」
見た方が早い…?言葉では表せないようなことなのだろうか。それとも、言葉に表してもにわかには信じがたいような出来事なのだろうか…?どちらにしても、ただごとではなさそうだ。
不安が重なり、心にモヤモヤとした霧を残したまま、魔耶はおじさんの後を付いていった。

40:なかやっち hoge:2020/09/21(月) 17:48

訂正
「…?…あっ、あなたは…」
    ↓
「…?あなたは…」

41:なかやっち:2020/09/22(火) 12:53


おじさんに付いていって3分ほどたっただろうか。無言で歩き続けていたおじさんの足がピタリと止まった。それにつられて魔耶も足を止める。
すると、おじさんがこっちを振りかえり、魔耶に向かってまるで独り言のようにボソリと話しかけてきた。
おじさん「……まぁ、こんなもんだ…」
魔耶「…?」
おじさんがこちらを振り返ったため、ちょうどおじさんの前にある光景を目にすることができた。
…そして、魔耶は自分の目を疑った。
魔耶「…えっ…⁉お、おじさん…‼ここって…」
おじさん「…あぁ。正真正銘、俺の店……魚屋だ」
おじさんに言われる前に、なんとなくは察していた。…でも、やはり信じられなかった。いつもと全く違うお店の様子を受け入れることができなかった。
だから、全く違うお店となった要因を、おじさんに問いかけた。
魔耶「ーーッ……じゃあ、なんで……『魚が売ってない』の…?」
そう。この店には、いつも売ってあるハズの『魚』が一匹たりともいなかったのだ。定休日でもないし、お店がつぶれるなんて噂は聞いたことがない。
…おかしい。明らかに。
そんな魔耶の疑問を汲み取ってくれたのか、おじさんが声を発した。
おじさん「…まぁ、とりあえず店に上がってくれ。そこで話そう」

42:なかやっち:2020/09/22(火) 17:15


お店の奥にあった茶の間らしき部屋に入れてもらい、おじさんの言葉を待った。おじさんはすぐには話そうとしなかったが、やがてポツリポツリと話はじめた。
おじさん「…実はな、この状態がもう二週間ほど続いてるんだ…。いつも魚を持ってきてくれる業者が来なくなっちまって、魚を店頭に並べることができねぇんだ…」
魔耶「二週間も……なんで業者が来ないのかご存知でしょうか…?」
おじさん「さぁ…パッタリと姿を消しちまったもんだから…。しかも、他の魚屋も同じような状態らしくて…今この街では魚が売られてないんだ」
魔耶「…‼」
ここ最近街に行かなかったから、そんなこと全然知らなかった。まさか街がそんなことになっていようとは…
魔耶「え、閻魔様とか警備の人とかに連絡しなかったんですか?明らかに異変ですよね?」
おじさん「…一応閻魔様にしたはしたんだが…『今調査中だ』と言われてそれっきりでなぁ…」
魔耶「…だから、私に?」
おじさん「あぁ。お前さんなら閻魔様と親しいし、なにかあっても対処できるだろう?…勝手は承知しているが、このままだと商売ができなくて餓死しちまう!そろそろ金も限界だし……どうにかしてくれねぇか…?」
…どうしよう。これはどう考えても異変だが、私が受け持っていい事なのだろうか…。しかし、このまま見捨てるわけにもいかないし…いつもお世話になっているおじさん達に恩を仇で返すような真似はしたくない。
…勝手ですみません、閻魔様…‼
魔耶「…分かりました。頑張って調査してみます」
おじさん「おぉ、ありがとう‼無事解決してくれたら、お礼はたくさんするからな…‼」
おじさんは今にも泣きそうな表情で嬉しそうに笑った。

43:なかやっち:2020/09/23(水) 18:22


魔耶「………てな訳なんだけど…どうしよー満空〜」
満空「……あのねぇ、魔耶?そういうことは事前に相談してから決断してほしかったんだけど…」
そう言ってしかめ面をしている少女は、大きくため息をついてあきれた表情で魔耶を見つめる。
彼女は無形満空(むけいみく)。種族は天使。魔耶の幼なじみであり、親友であり、異変解決を共にするパートナーでもある。今回も一緒に異変を解決しようと、魔耶が満空に事情を説明しに来たのだ。
…最も、彼女は乗り気ではないようだが。
魔耶「うっ……わ、私も勝手に決めて悪かったと思ってるよ……。でも、あんなに切羽詰まった表情で頼んでくるおじさんをこれ以上悲しませたくなかったし…」
満空「…もし解決できなかったらもっと悲しい表情にしてしまうって考えなかったの?」
魔耶「……」
満空「全く…」
ハァと息を吐く満空。
そんな満空に、魔耶は必死になって言葉を返す。
魔耶「ッ〜〜…か、解決出来れば問題ないでしょ!そのためには満空に手伝ってもらわなきゃなの!手伝ってよ!」
満空「…別に手伝うのは構わないけど…今回の異変は閻魔様や大天使様からの仕事じゃないのよ?独断で動いたら何て言われるか…」
魔耶「そ、そしたら私が責任とるから!お願いッ‼」
満空「………」

44:なかやっち:2020/09/26(土) 22:56

満空はしばらく無言で魔耶を見つめた後、大きくため息をついた。
満空「…分かったよ。協力してあげる。昔からの仲だしね…」
魔耶「…満空…‼」
満空「責任はあなたにとってもらうからね」
魔耶「ウッ……しょ、承知しております…」
満空「よろしい」
そう言って柔らかく微笑む幼馴染みの姿があった。

45:なかやっち:2020/09/27(日) 17:05

・魔耶より満空のほうが少し背が高い(魔耶は155、満空は160)
・閻魔と大天使でよく交流があったため、二人は幼馴染み
・仲…めっちゃいい(気兼ねなくふざけあえる仲らしい)

46:なかやっち:2020/09/27(日) 21:41

世界備考
・普通の世界とは違い、ミロヴェージュは魔力に満ちている世界。そのため、魔力によってなんらかの異変が起きることも珍しくない。その異変を解決しているのが魔耶と満空である。直接的には異変に干渉していないが、閻魔や大天使も解決している。
閻魔&大天使➡魔耶、満空みたいな感じ
・魔力が当たり前のように存在しているミロヴェージュには、魔力によって発生した魔物達がいる。
魔物とは、生き物の負の感情と魔力が混ざりあい、一定の条件を満たした環境で発生する生き物である。一定の条件はまだ解明されていないが、暗く生き物の寄り付かないような場所…例えば森や洞窟なんかによく発生する。
魔物には『心核』が存在し、魔物を倒すと、その『心核』を落とす。魔物の心臓のようなものだが、見た目は宝石そっくり。魔力を帯びているため、武器やアクセサリーなどに使われている。

➡続く

47:なかやっち:2020/09/27(日) 21:53

・魔物がよく発生する洞窟や遺跡などは『ダンジョン』とよばれる。ダンジョンの多くは奥にいくほど魔力が濃く、魔石とよばれる魔力を宿した鉱石が存在する。魔石も装備やアクセサリーに使われる他、魔法使いの魔力回復アイテムとしても重宝される。しかし、奥にいくほど発生する魔物も強くなるため、魔石はなかなか手に入らない素材である
・魔物だけではなく、魔力によって動物が特殊な変化をする場合もある。そんな動物のことを『アークビースト』という。
魔物は倒しても心核を落として消えてしまうが、アークビーストは動物のため倒すと死体が残る。つまり、剥ぎ取りが可能である。アークビーストの素材は普通の動物の素材よりも丈夫なため、主に武器や防具に使われる。

48:なかやっち hoge:2020/10/06(火) 23:09

魔耶「ねーねー主〜」
主「ん?なに?」
魔耶「ちょっと思ったんだけどさ、私って飲酒できるの?てか、ミロヴェージュの飲酒オッケー基準が知りたい」
主「……えぇ……特に考えたこともなかったなぁ…。魔族とか妖怪とかだったら大人にならない内に飲んでも平気なんじゃない?丈夫な体してるんだし」
魔耶「んーと…人外は何歳でもオッケー、人は20から…ってことでいいのかな?」
主「うむ…まぁ、そうね。まぁ人外は何歳でもオッケーっていっても、流石に幼少期はダメね。最低二桁いってからかな」
魔耶「ふーん………よっしゃ酒飲むか‼」
主「…すぐ酔いつぶれそうだなぁこの人」

49:なかやっち:2020/10/12(月) 23:04

久しぶりの投稿。

二人は早速街に捜査しに行き、住民から情報収集を始めた。
色々な人からさまざまな話を聞いてまわったが、やはりどこを歩いても閻魔様の姿は見えなかった。…が、今はそんなこと気にしている場合じゃない。実際に街の人が困ってるんだから、この異変を解決するのが先だよね…と、閻魔様のことを頭から消し、街の人の言葉に耳を傾けた。


満空「…得られた情報はこのくらいか…あんまり情報はもらえなかったね」
魔耶と向かい合わせに座る満空は、魔耶に情報をまとめたメモを見せてくれた。
先ほど街人々から聞き込みをし終え、今はカフェで情報を確認している最中だ。
魔耶「んと…新しい情報は……『川に釣りにいってもあんまり魚がとれない』、『海で怪しい声を聞いた』…だけか」
満空「……」
満空は魔耶への返事変わりにコーヒーを啜る。
魔耶「…いまいちはっきりしないね?魚がとれないなんてたまたまってこともあるだろうし、声ももしかしたら波の音とかかもだしね…」
満空「うん…そう考えると、やっぱり異変に直接的に関わるような情報はもらえなかったみたいだね」
魔耶「そうだね……わかることといえば、どれも『水辺』に関することってだけだね。偶然かもしれないけど…」

50:なかやっち:2020/10/15(木) 22:14

満空「…偶然…じゃないことを祈りたいね。…それで、これからどうする?もう少し聞き込み続ける?」
満空に訪ねられ、魔耶はうーんとうなる。
魔耶「聞き込みを続けてもいいけど……さっき聞き込みをしてもこんな情報しか得られなかったし、またやっても異変に関わるような情報がもらえるかな…」
満空「…確かに、これ以上変に情報を追加して変にややこしくするよりも、別のことをしたほうがいっか…」
彼女の言葉にコクリと頷く。さすが親友、ずっと一緒に過ごしていただけあって、魔耶の気持ちをすぐ察してくれる。
なので、魔耶は頼れる友人にこんな意見を出してみた。
魔耶「じゃあ、情報に共通する『水辺』に行ってみようよ。なにか分かるかもしれないから」

51:なかやっち:2020/10/20(火) 22:32

満空「あぁ、なるほどね。うん、いいと思う。…でも水辺って簡単に言っても、海とか川とか色々あるよ?どうまわる?」
魔耶「うーん……とりあえずしらみ潰しに探すッ!………じゃ、だめ?」
満空「計画性のカケラもないなぁ…ま、あんたらしいっちゃらしいけど……」
満空に呆れたような視線を向けられ、慌てて案を練る。
魔耶「じ、じゃあ、妖魔湖に行こう!あそこには色々妖怪がいるから、なにかしら知ってるやつがいるかもしれないし!」
満空「……確かにね。わかった、じゃあ最初は妖魔湖ね」

52:なかやっち:2020/10/21(水) 19:08

世界メモメモ
妖魔湖とは…
世界の中心部分に存在する、ミロヴェージュで最も大きい湖。その名の通り水に住む種族(主に妖怪)が多く住んでおり、人は滅多に近づかない場所。

53:なかやっち:2020/12/29(火) 17:34



大きな湖の前に呆然と立ち尽くす二人。光が反射する美しい水面とは反対に、その表現は暗かった。
魔耶「……ねぇ、満空……おかしいと思わない…?」
疑問の視線を満空に向ける。満空も違和感に気づいていたらしく、魔耶の言葉にコクリと頷いて会話を繋げた。
満空「…うん……おかしいね………この湖に、生物の気配が感じられない。…これも異変に関係あるのかな」
魔耶「街では魚が獲れない、湖に生き物の気配がない……関連性はありそうだね」
そう、この妖魔湖に着いたその瞬間から、全くと言っていいほど生物の気配がなかったのだ。
この湖が普段通りであったなら、湖のまわりに妖怪がはびこり、魔耶達が湖に近づけば何かしらの生物がお出迎えしてくれてたであろうに。今では妖怪どころか魚一匹さえ見つからない。
魔耶「…今回の異変は、ちょっとめんどくさそう」

54:なかやっち:2021/01/15(金) 18:34

〜ちょいと雑談たいむ〜
魔耶「ねぇねぇ悪魔耶ー」
悪魔耶「…もう、いま物語中だよ?私まだ出てないし……んで、何の用?」
魔耶「いやぁ、そういえばこっちの世界線での悪魔耶と私のお話ないなーってさっき思ったんだよね〜」
悪魔耶「…まぁ、確かに…他の世界線の私と魔耶のお話しはあったけど、こっちの世界線では書いてないね。でもいきなりどうし……あっ、まさか…今書いてるお話をサボってそっちを書く気…?」
魔耶「流石私。よくお分かりで」
悪魔耶「……はぁ」
魔耶「重いため息……だ、大丈夫だって!そんなに長編にする気はないし、終わったらまた異変の続き書くから」
悪魔耶「それでこの異変お話は君の記憶から抹消されるんだねよく分かるよ」
魔耶「話聞いてないよね…」

てことでちょっとだけ、ミロヴェージュの世界での魔耶ちゃんと悪魔耶ちゃんのお話書くよ。短くなる……予定ではいる。

55:なかやっち:2021/01/15(金) 23:21

ー魔耶と悪魔耶のお話ー

これは、私がまだ13歳の誕生日を迎えたばかりの頃のお話である。

妖怪や妖などの人形で長命な生物にとって、【13歳】は人間でいう二十歳…つまり、成人の歳と定められていた。
それは魔族の魔耶も例外ではなく、今日5月8日は魔耶の成人した日だった。

差夜「誕生日おめでとう!飲め飲めー!」
魂「こら、差夜。いくら魔耶が成人したからといって、強引に酒を勧めるんじゃない。明日二日酔いになってしまうぞ」
差夜「いいんだよお姉ちゃん。今日はめでたい日なんだから、二日酔いになるくらい酔わないと!」
そういって酒瓶を自分のグラスに傾ける差夜。
今は、魔耶の成人&誕生日をみんなで祝っているところだった。
魔耶「もう、差夜が酔っぱらってるじゃん…」
天音「差夜お酒弱いのに飲むからよ〜」
少し大きめのテーブルには、差夜と魂、魔耶と満空、そして天音が座っていた。満空は私の幼馴染みの天使で、天音はその天使達を束ねる大天使だった。二人とも魂に誘われて、わざわざ天界からここまでやって来たのだ。

56:なかやっち:2021/01/16(土) 14:49

満空「魔耶もようやく成人だねー。独り暮らしはするの?」
魔耶「んー…まぁ、その予定ではいるよ」
満空の質問に曖昧な返事を返す魔耶。
今までここで暮らしていたため、自分が他のところで独り暮らしをしている、という想像がつかなかった。
満空「そっかー。でも、成人したら絶対独り暮らししなきゃいけないって訳じゃないし、ゆっくり考えたらいいと思うよ」
差夜「そうだよー!なんならずっとここにいなよ!」
魔耶「はは……考えておくよ」
軽く笑ってグラスを傾ける。
その様子を見ていた天音がボソリと呟く。
天音「ふふ…元気ねぇ」
魂「そうだな。少し五月蝿すぎるくらいだ」
相変わらず、仮面をつけているかのような愛想のない真顔でお酒を飲んでいる魂。
天音「とかいって、その五月蝿さが好きなんじゃないの?」
真顔の魂に、天音が笑いながら質問をする。
魂「……私は静かな方が好きだ」
天音「…無愛想な人ー。まぁ、貴女らしいけど」

57:なかやっち:2021/01/16(土) 23:03

天音がクスクスと笑うと、魂がめんどくさそうに「そうか」と答えた。


魂「……さて、もう夜も遅い。ここらでお開きにしよう」
魔耶の誕生日&成人パーティが始まってから約2時間。妹である差夜が泥酔し、魔耶と満空が眠そうにしていたとき、魂が終わりの言葉を放った。
終わりに近づいていたパーティの終わりを惜しむ者はおらず、魂の言葉を聞いて、黙々と帰り支度と片付けを始めたのだった。

58:なかやっち:2021/01/19(火) 16:46

また脱線するよ。お話が終わる日はくるのかな…


『カタン……ゴトッ』
静まり返った小さなリビングの中で、小さな物音がやけに大きく響き渡る。…いや、大きく聞こえるのは私が緊張してしまっているからか…
ゴミだらけのリビングの真ん中に椅子置き、スリッパを脱いで上がる。
「…これで、終われる…」
天井から吊るされたロープを手に取り、ボソリと呟いた。

…あぁ、これで、ようやく開放されるんだ。あの忌々しいいじめっこ達からも、暴力ばかりの親からも、理不尽な先生達からも…ようやく……
……私が死んだら、あの人達はどうなるのだろうか。きっと、捕まって、刑務所にいったり罰金を課せられたりするんだろうな。私を酷い目に合わせた罰を受けるんだ。当然の報いだ。もし幽霊になれたら、あの人達を呪って、更に苦しめてやろう。…ああ、楽しみだな……

にこりと不気味な笑いを浮かべて、ロープを首にかける。
そして、きっと私の最期の言葉になるであろう言葉を放つ。
「…さようならーー」
もうこの世に未練なんてない。早く、楽にーー…



??「…まだ死なせないぞ」

59:なかやっち hoge:2021/01/20(水) 21:06

ーーー⁉
「だ、誰⁉」
誰かが部屋に入ってくる気配なんてなかった。物音一つしなかった。なのに、突然聞こえた声。戸惑いを隠せず、つい声を荒らげてしまった。
あたりを見回して、声の主を探す。
??「……いきなり誰?とは、ご挨拶だな。いらっしゃいませ、お茶でも出しましょうか?くらいの一言がほしかったが」
また、聞こえた。幻聴ではない。反射的に声を探り、バッと後ろを振り返る。そして、ハッとする。
そこにいたのはーー
??「…初めまして、だな」
私と同い年か少し下くらいであろう、見知らぬ少女だった。
セミロングの黒髪に藍色のパーカー、そして口には棒のついた飴をくわえていた。

60:なかやっち hoge:2021/01/20(水) 23:06

私「あ、あなたは……?」
??「……普通、そっちから先に名乗るのが礼儀だと思うのだがな。…まぁいい」
不機嫌そうな顔をこちらに向けてそう言い放つ少女………いや、こんな人に普通とか礼儀とか言われたくなかった。
??「私は……まあ、案内人、とでも言っておこうか。お前が死にそうだったからな、せっかくだからチャンスをやろうと思ってな。わざわざやって来た訳だ」
私「…案内人…?チャンス…?」
案内人って、どこの?どこへ案内してくれるの?それに、チャンスってどういうこと…?聞きたいことが山ほどあった。それを察してか、案内人と名乗る少女が説明を始めた。

61:なかやっち hoge:2021/01/21(木) 17:34

案内人「この世界には、地球とは違う次元にある世界…いわゆる、アナザーワールドというものが存在している。その名は『ミロヴェージュ』。そこには、この世界では伝説とされている妖怪や魔族、魔獣といった生物達が住んでいる。…そんな世界に、お前のような人間達を連れていくのが私の役目だ」
……なんだそれは…何かの宗教か…?それとも、ただの中二病…?
違う世界がある、なんてにわかには信じがたいし、そもそも妖怪なんて存在するハズがない。
私「……あの、ふざけてるんですか?宗教勧誘かなにか知りませんけど、私はそんな戯言に騙されるほど疲れてません。早く出ていって下さい」
しっかりと自分の意見を伝え、出ていくように促す。どうやって部屋に入ってきたのか知らないが、宗教勧誘なんて受けるハズがない。これ以上居座られても迷惑だし、さっさと追い払おう………そう思っていたとき、少女がそっと口を出した。
案内人「…妾…いや、私が嘘を言っていると…?お前はそう思っているのか」
私「…そりゃそうですよ」
案内人「…………ふん、そう思うならそう思えばいい。お望み通り出ていってやるよ。その代わり、お前は死ぬか死なないかという二つの選択肢のうちの一つ失った、とだけ言っておこう」
私が言ったことに対して不服そうに言葉を発し、冷たい目線をこちらに向ける。
案内人「……もし、私の言葉を信じようと思ったときは、山にある小さな神社にこい。私はそこにいる。………今のまま生まれ変わるチャンスを失い、若き命を投げ捨てようと言うのなら、それでいいがな」
少女は吐き捨てるようにそう言うと、部屋の窓をガラガラと空けてそこから飛び降りた。
ビックリして窓に駆けよって下を見下ろすが、少女の陰はどこにもなかった。再び一人になった部屋の中で、私は一人困惑するしかなかった。

62:なかやっち:2021/01/21(木) 22:12



結局、あの少女のせいで今日の自殺は未遂に終わってしまい、苦しみから解放されることはなかった。少女の言葉について色々考えているうちに時がたってしまい、自殺のことを思い出したときには、親が帰ってくる時間の五分前になってしまっていたのだった。
私「…あの子、ほんとに…なんだったのかな…?」
自分の部屋のベッドでゴロリと寝転び、先程の少女について考えを巡らせる。
私「そういえば…よくよく考えたら、あんな子が宗教勧誘なんてしないよね…まぁ、幼い頃からそういう教育を受けてるっていうんだったら納得できるけど、そんなことないだろうし…」
でも、あの子の言葉はにわかには信じがたいことばかりだった。妖怪だとか、魔獣だとか、アナザーワールドだとか。確か…世界の名前はミロヴェージュ、だったっけ。そんな言葉を発している少女をあの場で「信じます!」ってなるほうがおかしいと思った。
……でも、もしあの子の言っていることが本当で、私を違う世界に誘ってくれたら…?この世界から開放してくれたら……?
私「……」
淡い期待が、少しだけ私の心を揺らした。

63:なかやっち:2021/01/28(木) 17:41


それから数十分はたっただろうか。私が相変わらずベッドに寝転び、物思いに耽っていた頃。突如、ドア越しから大きな声が聞こえた。
「おい、部屋に隠れてんじゃねぇ‼‼降りてこい‼」
ビクリと体を震わせ、声のした方を見る。
「それとも俺の言うことが聞けねぇのか⁉早くこい‼」
怒声が私に向かって喚き散らしている。……声の主は、今は機嫌が悪いらしい。
この声は私の父親のものだった。父は私が幼い頃から酒癖が悪く、酒が切れたり機嫌が悪かったりすると、こうやって私を呼び出した。まだお酒を買ってこいと言われるならましだ。しかし、まれに私を殴ってストレス発散するために呼びつけられる、なんてこともある。
この声の調子なら、父はそうとう機嫌が悪いのだろう。こんなにイライラが伝わってくる声を聞くのもなかなか珍しかった。はやく父のもとへ行かないと、暴力が更に酷くなるだろう。
そうと分かっているものの、やはり父のもとへ行くのは怖かった。それはそうだ。殴られるのを分かってるのに殴られにいかなければならないなんて、怖いに決まってる。
私「…今……行きます…」
…でも、それ以上の暴力を受けるのはもっと怖い。
だから、重い足を引きずるように…返事を返しながらゆっくりと部屋を出ていった。

64:なかやっち hoge:2021/01/31(日) 15:40

魔耶が登場する方のお話→『ミロヴェージュストーリー』
もういっこのお話→『現代物語』
って呼ぼうかな。適当だけど、呼び方がないとややこしいし。

65:なかやっち hoge:2021/01/31(日) 15:55

『ミロヴェージュストーリー』

片付けも終わり、満空と天音が帰ったのはすっかり真夜中になった頃だった。どうりでとっても眠いはずだと、魔耶はうまく回らない頭で納得した。
魔耶「…おーい、差夜〜…………だめだ、完全に寝てる」
二人を見送ったあと、部屋に戻り、パーティーの間ずっとお酒を飲んでいた差夜を軽く叩いてみた。うつ伏せでぐっすりと眠っている。
魔耶「もう、こんなところで寝たら風邪引いちゃうのに……部屋までつれていった方がいいですかね?閻魔様」
魂「…いや、このままでいい。いっそのこと風邪をひけば、差夜にとってもいい薬になるだろう」
魂は相変わらずの真顔だったが、その目はいつもより冷たいように感じた。きっと、差夜は明日「閻魔一族がはしたない行為をするんじゃない」と怒られてしまうことだろう。二日酔いと反省でげんなりする差夜の顔が容易に想像できた。

66:なかやっち:2021/02/08(月) 21:53

『ミロヴェージュストーリー』
魂「…そんなことより、魔耶」
魔耶「…?はい」
不意に魂に声をかけられ、パッと顔を上げる。
魂「お前に話さなければならないことがある。もう遅い時間だが、もう少しだけ時間をもらってもいいか?」
小首を傾げながら「…はい、大丈夫ですけど…」と返すと、魂は眠っている差夜をちらりとみた。
魂「…すまないな。あと、この話は差夜の前でしたくない。少し移動しよう」
魔耶「…差夜には、話せないこと…??」
魂「あぁ。だが、お前にとっては今後に関わる大事なことだ…詳しくは後で話そう」
そう言って別の部屋に向かう魂に、魔耶は無言で付いていった。自分にとって大切なこと…??一体なんだろう。
これから待ち受ける衝撃の事実のことなんて知らずに、魔耶は疑問を抱きながら闇のなかに消えた。


新着レス 最新50 フォロー ▲上へ
名前 メモ
サイトマップ画像お絵かき一行モード