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1:冥:2020/08/29(土) 19:47

小説のアイディアぽちぽち描いてく

2:冥:2020/08/29(土) 19:55

「あーあ、これで5人目。みんないなくなっちゃう」

ひなたさんはそう言うと顔を俯かせ、手で顔を隠す。
私はそんな彼女の本音を覗きたくて顔を覗こうとする。
気配で分かったのか、のろのろとゆっくり顔を見せると
ひなたさんは恐怖にすくんだような顔で

「山田はいなくなんないよね?大丈夫だよね?わたしを一人ぼっちにしないよね?」

と言った。私はそんな彼女を見、戸惑いと怒りで
絵具で混ぜた汚い色のような感情が出てしまう。

「ひなたさん」

落ち着いて噛まないように。
ひなたさんのことは好きだ。それに彼女がこんなにも
怯えていることは私もその気持ちがよく分かる。
だから、だからちゃんと言わなきゃならない。

今まで小学生みたいな見た目からは思えないほどの饒舌なひなたさんに
驚いていた私だけど今のひなたさんは年相応の、
まるで家族が自分から離れるのを駄々をこねて嫌だと言う子みたいだ。
もしかしたら、これが本当のひなたさんじゃないのか。

3:冥:2020/08/29(土) 19:59

「私も行かなくちゃ」

彼女の瞳を真っ直ぐに見つめ、そう告げる。
彼女は私の言葉を聞いてジワジワと表情を変化させる。

「どうして?ここにいた方がいい!空腹で苦しまずに済むし痛いこともない!
嫌なことを言う人だっていないし毎日楽しく過ごせて幸せでいられる!
こんなこと、現実の世界に行ったらもうないんだよ?絶対にここにいた方がいい!」

そう言って私の体にギュッとしがみつく。
お願い、どこにも行かないで。わたしはまだ行けない。
そう言うように必死に私にしがみつく。私は彼女の頭を撫でる。
出ていくなら優しくしないでって彼女は顔を歪ませる。

「一緒に行こう、ひなたさん」

少し間が空いた後私は言った。それは本気の言葉だった。


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